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引出しを作る部材を切断しました。 ほぼ正方形が底板で、その右側は深い引出し用、下が浅い引出し用です。
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引出しの側板の端から6mmの位置に36mmの隠し釘を2本ずつ打ち込みます。
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隠し釘の先は1-1.5mm程飛び出るように打ち込んでおきます。 これは正確な接合の秘訣で、普通の釘では駄目です。
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前側(または後ろ側の板)に木工ボンドを塗り、その上に側板を載せて指で触りながら正確な位置調整をしOKとなったら側板を押し込むと隠し釘の先が刺さり横にずれなくなります。
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そうしたら玄翁でプラスチックの部分がややつぶれるまで打ち込みます。 同じ要領でロの字の枠を作ります。
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出来上がった枠の角は正確な直角になるよう充分に調整してやります。
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4つの枠が出来上がりました。 木工ボンドが硬化するまで最低でも2時間は寝かせる必要があります。
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次に底板を木工ボンドで貼り付けますが密着保持の為に、22mm隠し釘を打ち込みます。 枠の直角が狂わないよう注意が必要です。
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3時間経過したら総ての隠し釘の頭を折ってしまいます。 写真のように玄翁で横から払うように叩けば簡単に折れます。
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その後接合部の僅かな段差や木口面を木工ヤスリで削って滑らかにします。 替刃式(M-20GP)が作業性や効率が良くお奨めです。
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研磨が終了した所です。 既にかなり丈夫な箱になっていますよ!
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引き出し側スライドレールを固定しました。 取り付けネジは1本辺り3本で底側のみで充分です。(550mm、600mmでは4本使う。)
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これは前面右側のクローズアップ。 矢印の部分に隙間が出来ると箱の横幅が大きくなったのと同じになりますので、注意が必要です。
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念のために引き出しの箱の幅を計りました。 設計値どおり341mmドンピシャに仕上がっています。
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こうして4つの引出しは前板貼りを残して完成しました。 一番下の物はレール無しで床の上を滑らせて使う引出しのため横幅が広くなっています。 以上が標準化された私の引出し作りの手順です。
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こちらは貼り合せ方式のガラス扉を作る部材です。 左から前面用9mm厚2種類、中間用3mm厚2種類、そして後ろ側5.5mm厚2種類です。
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それらを積み重ねました。 この写真は後ろ側から見ています。
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そのクローズアップで3枚の板が交互に重なり合うようにします。
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前面と中間の板を所定の位置に木工ボンドで貼り付けました。 これは後ろ側から見たところです。 左右の板は矢印の位置にそれぞれ貼り付けます。
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貼り付け開始! 最初が最も肝心で直角が正確に出るよう念入りに調整します。 そしてクランプでしっかりと固定します。
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そうしたら次の角の接着に移りますが、右側の未接着部分に残りの板を挟み接合位置の確認をしながら、固定します。
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そうしたら残りの2ヶ所を接合し、木工ボンド硬化の為に2時間寝かせます。
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後ろ側の板を所定の位置に貼り付けてやります。
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貼り合せが終った扉枠です。 左側が前面から見たところで、右側は後ろ側から見たところです。 前の方で部材の切断を一部寸法は除いて少し大きめに切る!と解説しています。 じつはこのようなやり方をすると内寸を所定の寸法に押さえながら組み立てるために、外周に段差が生じまが、後ほどカンナで成形して寸法出しをします。
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加工作業を容易にする即席一過性のジグ。 後側のように18mmの板を安定して立てる目的のもので、2つ作ります。
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固定棚2箇所をジグに挟んでその上に側板を載せます。 側板には予め棚板固定位置を印ししておきます。
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その上から固定ボルト位置に2mmのドリルで貫通穴をあけました。 ドリルの先は棚板にも届いており、更に太いドリルで穴あけをする際の目印になります。
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側板側には先ず15φのフォスナービットで深さ3mmの座繰り穴をあけます。 電動ドリルアタッチメントを使えば容易に深さの調整が出来ます。
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その中心に7φの貫通穴をあければ側板側の加工は終わりです。
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2mmのドリルで印が付いた棚板には8.5φ 深さ16mmの穴をあけてから鬼目ナットを六角レンチで締めこみます。
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鬼目ナットの鍔の部分が表面から僅かに沈んだ所まで締めこめばOKです。
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そしてセットキャップボルトで側板と棚板を締結しました。(赤矢印の所) ボルトの締め込みには10円玉が丁度手頃で、組み立て解体も容易です。
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締め込みが終ったセットキャップボルトの頭部分で、側板表面よりも沈んでいます。
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残る2枚の固定棚を同様の手順で固定しました。 締結部分の強度はかなり低いので無理な力が加わらないよう充分な注意が必要です。
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次に裏返しをして反対側の側板を固定する穴あけを同じ手順でします。 今回は棚板を仮に押さえるジグの使用は不必要です。
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穴あけ後スライドレール本体側を所定の位置に固定しました。 これで本体の仮組み立てが出来ます。
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組み上がった本体に既に作った引出しの箱を挿入しました。 この状態では木ダボやネジ併用で接着した場合と比較するとかなり横方向のたわみが出やすいですが、最後に裏板を貼ることにより横方向への撓みは殆どなくなるはずです。
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本体下半分の引き出し部分を斜めから見たところです。 以前に製作した電話台と同じレイアウトになっています。
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本体を分解し側板内側の残る加工(メスのニッケルダボの埋め込み、木ダボ穴あけ、スライド蝶番座金の固定)を施しました。 写真の左側は右側板、右側が左側板で、下のほうから見たところです。
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中段部分のクローズアップで、白矢印が上部扉用の全被せ蝶番、青矢印がガラス嵌め込み扉用のインセット蝶番、黄色矢印が各3個ずつ埋め込んだメスのニッケルダボで真中にはオスのダボを捻じ込んであります。 更に赤矢印が木ダボ用の穴でここに中段の奥行の狭い固定棚が嵌りこみます。(分解組立て構造を維持する為接着はしません。)
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こちらはガラス付き扉の蝶番固定穴ですが間違ったわけではありません。 黄色線で示したガラス外周には当たらないようにぎりぎりの設計をしたまでです。
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そしてまた組み立てようとしていますが、下から2番目の幅の狭い棚は木ダボ嵌め込みにより固定します。
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一方こちらはライティングボード、トレイ部分の加工の準備が終わったところで、固定した枠がトリマーのガイドになります。
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板厚が14mmありますが、45度のV溝ビットで深さ13.5mmの溝を彫りました。 この深さはこのビットの限界です。
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板厚より0.5mm浅い溝ですので内部は簡単に抜けます。 このあとペーパーでバリや僅かな切削斑を落としてやります。 切削速度を上げられなかったので焦げ目があちこちにあります。
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その後裏に4mmの合板を貼り板厚は設計値の18mmに、トレイ部分は深さ14mmのお皿となります。 以上の加工はかなり難易度の高い加工です。 残る焦げ目は濃い目の着色により消します。
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ライティングボードの前板は6φ木ダボ3本と接着剤で固定します。 (接着は塗装後ですが。)
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そして本体に挿入するとこんな具合になります。
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他の引出しの前板は位置を充分に確認した上で、内側から3.3φ 25mmのネジ2本で仮固定します。
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最下部の引出しの前板だけは12mm厚の合板で作り、取っ手を兼ねた横板を上に貼り付けます。
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扉と引出しの位置調整、隙間の出具合をもう一度確認し、必要とあらばカンナや木工ヤスリで念入りに調整しておきます。
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そしてツマミを固定しました。 この後またまた分解しこの家具の中に設置するインターネット用ルーター、無線LAN、モデム等の機器が出す熱の放熱の為の穴、ケーブルを通す穴、目隠しの板の細工をしました。
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これは右側の側板の内側ですが、目隠し板を固定する桟を接着しました。 板の固定は塗装後ベルクロ(マジックテープ)を貼ってやります。
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目隠し板はこのようになります。 この板の左側に無線LAN、インターネット接続用のモデム、ルターが置かれ、右側は本棚です。 上のほうの丸穴に指を引っ掛けて引っ張れば外れる仕掛けです。
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FAX電話の載る固定棚の奥に電源ケーブル、電話線が通る穴を切り取りました。
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裏板にはこのような細工をしました。 上2列の5つずつの穴は内部に入れる電子機器の放熱用の穴で、下の四角い穴はケーブルを外部に出す為の穴です。
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作業台2つをバックヤードに持ち出して電動サンダーによるペーパー掛け。 市販の作業台は高すぎて体重をかけて研磨できず疲れます。 また作業面が小さくて長い板を安定して支えられませんが、作業台を2台使えば240cmの板でも問題なく支えられ具合の良い作業が可能です。
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手間取った調色。 左からエボニー、パインイェロー、チーク、ひとつ置いてウォールナットのサンプルですが、パインイェロー15にエボニー1の比率で、間に見えている色を出しました。 一見ウォールナットに近いようですが、3回塗りでこの濃度であり2回塗りのウォールナットより薄めです。
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塗装のメイン会場はこのように目いっぱい並べています。 組み立て前に塗装するため、大変場所を使います。
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サブ会場は家内の部屋に侵略。 側板2枚を持ってきていますが変な置き方に見えるものの、この置き方が一番邪魔にならない?
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これはライティングボードで、お皿の部分の切削で出来た焦げ目を隠す為エボニーを薄めに塗りました。 赤身が強いのは板の色のせいで、3回塗れば丁度良くなるでしょう。
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2回目の塗装が終った所。 左上の写真と比較するとなるほど濃度が上がっているように見えますが、どうも期待していた濃度より低い気がします。
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そこで混色テストしたカラーサンプルと比較しました。 ご覧の通り余りにも濃度が予定より低くなっています。 原因は塗膜が薄すぎる点にありそうですが、厚くすると途端に着色斑や塗り斑が出やすくなるので、ここは塗り回数を増やすことに覚悟を決めました。
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4回塗りが済んで納得できる濃度となりました。 左のチーク色から赤味を抜いた、或いは右のウォールナット色を少し明るくした色になっています。
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4回塗りで最終的な色になった大きな面のアップです。 場所によっては赤味が強い部分が見受けられますが、これは生地の色がその傾向にあったからで天然木の場合完全に均等に同じ色にはなりません。 こういったごく僅かな色の乱れが塩ビシートの木目では絶対に出ない美しさのひとつと言えます。 この後艶消しニスを塗って上品な半艶とします。
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所定サイズに切断してもらったガラスを購入し、扉に落とし込みました。 3mm厚ですので、ぴったりサイズです。
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5.5mmシナ合板を幅14mmで切断しネジ止めしました。 この固定方法ですとガラスのがたつきは全くありません。 この後押さえ板を着色ニスで塗装します。
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これが我が家での最終組立となりました。 無論総ての作業が終っています。 上のほうが下のほうよりも赤っぽい感じですが、これは光の加減です。 記録の為に各部のクローズアップを撮影しましたので、以下にお見せします。
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中央のFAX電話を載せる部分。 FAX電話のディスプレーが見えるように中間の棚は引っ込んでいます。 単純でのっぺりとした感じになり易い外観に奥行感を与えています。
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ワーキングスペースとなるライティングテーブルを引き出した所。 電話で話ししている間にメモを取ることが可能。
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テーブル内のトレイ部分に筆記用具数点が収まり、テーブルの出し入れで転がりだす心配はありません。
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合板の木口部分は総て木口テープを貼りましたので、ムク材で仕上げたように見え大変綺麗です。
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私のお気に入りのツマミ(SP-100 シルバー色でmini-Shopにあります。)を今回も採用しました。 チープ感が漂い易いプラスチックではないのでキリリと引き締まります。
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下段の3つの引出しと書棚部分の並び。 常識的な横方向ではなく木目を縦に見せていますが、1枚板から切断し繋がりがあるのでデザイン的にまとまっています。
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キャッチ付き蝶番は扉を閉めるときにバターンと大きな音を出すので、その音を軽減する為クリヤーパンポン(mini-Shopで販売しています。)を扉に貼り付けてあります。
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底部の隠し引出し?にはA4サイズのコピー用紙ワンパック500枚が丁度収まります。
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製作解説は以上ですが、次回には搬入と設置の様子を簡単にお知らせいたします。 尚本製作で使った特殊なボルトやナットは
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私の車の後部座席2/3は完全に倒れますが、前の座席は倒れないので、このように積みました。 まだゆとりがありますが横滑り防止の為家内に後部座席で押さえてもらいます。
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側板など長い板は助手席のこんな位置まで突出します。 よって横滑りを押さえてもらわないと私は安心して運転が出来ません。
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納入先のご夫婦に組み立て方を簡単に説明した後お二人にやってもらいました。
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約30分で背板まで固定して組み立てが終了。 後日必要とあらば、解体再組立をしても一向に差し支えありません。
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左の予定場所に設置後の写真と右の構想段階で作成したイメージ図を嵌め込んだものとを見比べてください。 色味を除けば構想どおりであることがご理解願えるでしょう。
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下部の本棚の奥にはこのようにインターネット関連機器や無線LANの機器が収まり蓋がされます。
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右の食器戸棚との見切り線も食器戸棚の引き出しの上下の線でぴったりと合っています。
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僅かなスペースですが目いっぱい空間の利用効率を高めながら、結構奥行感がありますのでせせこましく雑多な感じにはなっていないと思います。 隙間収納家具は特注或いは自作で初めて完成度が高まる大変面白いテーマです。
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完全組み立て式という珍しい構造の家具製作を経験させてもらいましたが、ここでは紹介しきれていないものも含め、沢山の新たなノウハウが身に着いたと考えています。Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.