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締結材料(木ダボ)
2004/04/23

木材と木材を強固に締結する方法として最も簡単で確実な方法は木ねじと接着剤の併用である。 しかしこの場合ネジの頭が作品の美観を損ねてしまうので、 ネジを埋め込んでその穴を丸棒やパテで埋める必要が出てくるが、ペイントの塗りつぶしであれば別として、ニス仕上げと言うとパテや埋め込んだ丸棒が目立つので面白くない。  そこでネジを使うことなく締結力を高めてやろうと言うのが木ダボの使用であり、どちらかと言うと日曜大工では高等技術に属する。 

木ダボの使用本数を増やすと締結力もそれにつれて上がりあたかも複雑なほぞ組みで実現できる締結力が得られ、且つアマチュアの技術力で十分作業できるので、ネジ・釘を見せたくない格好良く強度の取れる作品にもっと利用して欲しい所だ。

私の場合全面的に木ダボと木工ボンドに頼って接合している例はスピーカーボックスに見られる。 スピーカーボックスと言うと興味の対象としてはマイナーであるかもしれないが、組み立て方の手法のひとつとしては十分学び取る所があるので、是非ともTQWTの製作、トールボーイ型バスレフスピーカー、現在進行中のインテリア志向のスピーカーの箱作りの部分を参考にして欲しいと思う。

 木ダボには色々な太さがあるが、我々の工作対象ではのものでほぼ100%カバーでき
 ると言ってよい。 使用する木ダボの太さの選択は細すぎると締結力が下がり、太すぎると締結
 時に板が割れることがあるので、板厚の1/2-1/3が目安になる。
 の木ダボは12mm-18mmの板厚用、の木ダボは16mm-24mmの板厚用というわけ
 だ。 

 左の写真は後述するマーキングポンチと共にの木ダボ接合に必要な道具1式を示して
 いて、これらは木ダボセットとしてmini-Shopで入手可能である。



 木ダボの穴をあけるには座繰り穴となるので、木工ドリルには穴あけ深さのコントロールが容易
 な、先端にネジが切られていない物を使う必要がある。 そしてプロの技術の場合木ダボの直径
 より0.2-0.3mm細いドリルで穴をあけ、木ダボを玄翁で叩き込む必要のあるくらいきつめの穴を
 あけるが、アマチュアの場合木ダボと同じ径の木工ドリルをお奨めしたいと考えている。

 その理由は複数の木ダボ穴位置を正確にあけるのは至難の技であり、ボール盤でも使わない限
 り0.1-0.3mm程度のずれは生じてしまう。 従って1本の木ダボだけ着目すると緩めの穴ながら
 複数の木ダボを埋め込んで接合する時にはこの僅かなずれにより全体としては必ずきつめになっ
 てしまうからだ。 無論これらが全体の接合位置ずれに与える影響は殆どない。

 木ダボは長さが30mmの物が多いが、そのうち15-20mmを木口側に10-15mmを板側に埋め
 込むということを標準として考えればよいであろう。

 板厚が12-15mmであれば、板側10mm木口側20mm、板厚が18mm以上であれば両方とも
 15mmといった按配だ。

 ただし実際に掘る穴の深さはこれらの値より心持深めにしておく。 そうでないと木ダボが底当た
 りして密着できなくなる。


 その穴あけ深さのコントロールは重要で深すぎると上記の埋め込み比率が変化するし板の場合
 には貫通してしまう危険性もある。 また浅すぎると木ダボを底当たりするまで埋め込んでも板と
 木口が密着しない!ということにもなるので、正確な深さとなるよう心がけねばならない。

 その方法としてはビニールテープをドリルの先端に巻いて穴をあけ、ビニールテープを巻いた所が
 穴の縁に接触し始めたら止める。 という手法が最も簡単で確実である。 

 確実さを期するのであれば掘った穴の深さをノギスのデプスゲージで測れば完璧である。


穴あけの順序だが木口の穴あけ(殆どの場合深いほう)を先に済まそう。 そしてあけた穴にマーキングポンチ(穴位置を決めるジグ)を差込み板を当てて接合位置が決まったら板を押し込んで円錐状の窪みを付ける。 この窪みの位置にドリルで穴をあければ穴位置が正確に決まる。といった具合だ。

このマーキングポンチを使わずに穴の間隔や位置を測ってあける方法もなくはないが、正確さを出すには神業が必要にあるので、マーキングポンチの使用は絶対必需品と考えて欲しい。  特に私が時々やる20本近くの木ダボ接合となると穴の位置ずれは致命的な失敗に繋がるので、けちらずにマーキングポンチを購入しておこう。(私は10個のマーキングポンチで数回に分けて位置決めをしているが木ダボ本数分だけマーキングポンチがあったほうが間違いがない。)

さて具体的な作業手順を一連の写真とその説明でご覧頂きたい。 やったことがないと面倒なようだが難しい技術を必要とはしないので簡単に会得できると思う。

掘る深さを確認するテープをドリルに巻き穴あけ開始。

ここまで掘れればOKと言うことになる。

確実を期すならノギスのデプスバーを使って測れば完璧。

次にあけた穴にマーキングポンチを挿し込む。

接合する相方を当てて慎重に且つ正確に位置を決める。

位置が決まったら上から押し込む。 隙間が小さくなったのがお判りだろう。

マーキングポンチの先で付いた円錐状の凹みが穴あけ位置の目印だ。 (赤矢印の先)

その円錐状へ込みの位置に所定の深さの穴をあける。

木口側の穴に木工ボンドを垂らして木ダボ挿し込み玄翁で叩きその上から木工ボンドを塗る。

その上から板を載せて押し込んだり軽く叩いてやればこのように密着する。 密着度を上げるには更にクランプ、ハタ金を使うと良い。

以上で木ダボ接合の方法はおわかりになったと思うが、密着度を上げることにより信じられないほど接合強度はあがるので、クランプやハタ金の併用を是非ともお奨めしたい。 それと更に接合強度を増やすには密着度を上げると共に、木ダボの使用量を増やしたりネジの併用が効果的であり、そこまでやると100kgオーダー以上の荷重にも耐えられるようになる。



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