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ニッケルダボの使い方
2004/07/09

ニッケルダボとはオスメスの部分をネジで連結したり切り離して使用可能な金属ダボで、材質は真鍮だが表面をニッケルでメッキしているためニッケルダボと呼ばれる。 このニッケルダボと同じ構造でプラスチック製のものや分割できずに一体となった金属製やプラスチック製など様々なダボが棚板受け用の部材として販売されているが、強度や応用範囲が広いことから私はニッケルダボを使用する機会が大変広い。

そのニッケルダボの中でも1/4インチネジが切られた通称のニッケルダボが最もポピュラーなようだ。 詳しいことは良く判らないがニッケルダボに切られたネジはアメリカ育ちの名残なのだろうかインチ規格のものが多い。 従ってメスのダボに直径のほぼ近しいM6のネジを締めこむことが出来ない。 直径がと述べたがこのニッケルダボメス側を埋め込むには8.5φの木工ドリルが必要になる。 だからとの木工ドリルを使用するとブカブカになりメスは固定されないから要注意。

家具のメーカーなど量産工程でこのメスのダボをどうやって叩き込んでいるのか不明だが、アマチュア的にはメスのダボとオスのダボを連結して玄翁で叩き込みその後オスのダボを緩めるというのが最もやりやすいと思う。 こうするとオスの頭には玄翁で叩いたときの傷や凹みが出来てしまい商品であれば失格だが、その気にならなければ見えないような傷であるのとそのために錆びやすくなるということもないので、私はそのまま使っている。  もしこの傷がどうしても気になるのであれば、数個のオスを犠牲にして叩き込み専用とすればよい。 それらの手順は以下の写真をごらんいただきたい。

9φのニッケルダボ。 左がメスでダボ位置に穴をあけて叩き込む。 右はオス。

メスを穴に叩き込むには先ずオスと連結しておく。

ダボの取り付け位置に8.5φ深さ10mmの穴をあける。 
8.5φ以外の穴は不可!!

連結したダボを穴に当てて玄翁で叩き込む。 ダボを支えるのにラジオペンチを使うとやりやすいかもしれない。

叩き込み加減はダボを連結した線が見えなくなったところがベストだ!

それが終わったらオスを緩めて外せば終了。 オスの頭に僅かな叩き傷が残るが問題にはならない程度だ!

棚板受けとして使用する場合オスとメスがばらばらになることを利用し棚板の高さが可変できる使い方が出来て便利だが、その場合使用するオスとメスの数量にはかなりの差が生じるが、mini-Shopで販売しているニッケルダボは必要量を販売しているので(例えばオス40個にメスが230個。 これは最近あった注文の実例である。)、無駄が発生せずコスト的にも有利になっている。

 さて棚ダボを使用する際に棚板が前に滑り出さないための加工が必要になるが、メーカーが好んでやる
 方法は棚板のダボが当たる部分を座繰る方法だ。 我々の日曜大工においてもこの方法を採用してもよ
 いが意外に手加工では面倒であるので、私が好んでするやり方は、5.5mm厚の合板(端材で十分事足
 りる。)
をダボとダボの間を埋めるように接着してしまう方法である。 見栄えに影響することもなく座繰っ
 た部分の深さが一定していないと棚板ががたつく問題もなく作業としては簡単この上ない。
 (メーカーは余計な材料が必要になるからこの方法は取らず、アマチュア的なソリューションである。)

ニッケルダボの本来的な使用方法は以上のとおりだが実は応用的な使い方をすると実にアマチュア的に一味違うものが作れるので、それを次にご紹介したいと思う。

第一がガイドピンとしての使い方で、実例としては薄く折りたためる脚立と、玄関内の収納ベンチに応用されている。 
何れも溝の中にニッケルダボのオス部分が入り込み、部材が一定方向以外には動かないようガイドピンとしての機能を持たせている。 ニッケルダボの9φという直径が便利なサイズで、これをガイドピンとして使った場合の溝は9mm厚合板で実現しており、正にドンピシャサイズで実に具合がよい。 それとオスを緩めて外せることも何らかの調整が必要で外したくなったときに工具無しで外せるのも便利な所だ。

第二はストッパーとしての使い方で、私の製作例では家事室の洗濯機横スライド収納と最近製作した古新聞ストッカーに見られる。 何れもオスのダボを捻じ込んでストッパーとしての機能が果たせるが、これまた調整したいときにはオスのダボを外せるので大変便利だ。



第三は位置合わせ用として使える。 残念ながら私の使用例をご紹介できないが、2段積みの家具の位置をぴったりと合わせるのに使う。 上に載せる家具の底に9φの穴をあける必要があるが、その位置決めには8φマーキングポンチにビニールテープを2回ほど巻いたものを使用すれば正確に空けられる。 実際に2段積みする際には下の家具にニッケルダボを埋め込みその上に上の家具を載せて穴に落とし込めばよい。 こうしておけば上の家具がずれてしまう心配はなくなる。

ちっぽけな部材だが以上のように色々な使い道がありニッケルダボは大変便利な部材の一つである。


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