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家事スペース詳細説明
   
2002/01/10

構想と留意点
我家の家事スペースは4.5畳の台所に接した3畳で左のような配置ですが、空色の部分に収納家具を作ろうと検討開始しました。 

 先ず一体何をどの位の量収納するのかということで、収納候補を次のようにリスト
 アップしました。

 ・洗濯機と乾燥機
 ・作業台となるようなカウンター
 ・洗濯関連の様々な物品の収納
 ・食器の一部
 ・乾物など食品の一部
 ・ペット用品
 ・備品・設備品の取扱説明書/保証書
 ・家計簿関連の書類
 ・薬品類
 ・家事関連の書籍
 ・小型のステレオセット
 ・消火器


以上の中で食器の一部とか乾物など食品の一部が出てくるのは少し奇異に感じるかもしれませんが、台所のレイアウト・設計の際に所謂食器戸棚を使わず、システムキッチンの吊り戸棚を始めとした収納スペースに食器類は収めてしまおうと考えたのですが、一部がはみ出る可能性が高かったので、動線には影響しないよう分散収納しようとしたためです。 この分散収納には既に詳細説明をしている、冷蔵庫周りの収納も一役買っています。 

洗濯機と乾燥機も普通は台所内に置かないと思いますが、主婦の毎日の家事作業の中で動線を短くするためには、配慮して良いのではないかと考えています。 この合計7.5畳のスペースは床暖房としていますから、寒がりの家内が殆どの家事作業を暖かい所で出きるというメリットも合わせ考えたものです。

構想を進める中でひとつハンディキャップとなった部分がありました。 というのは、この空色の部分の天井はリフォーム時に強度を確保するために鉄骨の梁が入ったため下がり天井となっており、実寸で207cm程しかありません。 これがスペース配分上の制約とならなければと心配しましたが、後ほど説明するように何とかうまく収まっています。 

 スペース配分で頭を悩ました第1は洗濯機と乾燥機です。 実は家事スペースの収納を設計する段階で
 は洗濯機と乾燥機は最終的に購入するものを決めておりませんでした。 従ってどのような機種を選択し
 ようと良いわけで、徹底的に調べ上げましたが実用性を考えると乾燥機は選択幅が大変狭くなることに
 気づきました。 それは電気式の乾燥機の能力がガス式乾燥機よりかなり劣る事で、東京ガスの販売
 する数機種から選ぶしかないということです。 またこの場合排湿パイプを屋外に導く必要があるため外
 壁に面したところに設置するしかありません。 ということで、空色の部分の最も上に設置場所は限定さ
 れます。 
 次が組合わせる洗濯機ですが、これは沢山の選択幅があるものの、乾燥機との組合わせ設置用市販品
 はどうしても気に入らない点が2つありました。 

 ひとつは、乾燥機の設置に消防法上左右に45mmずつ以上の空きスペースが求められるのですが、乾
 燥機の幅を加えると720mmにもなるので、その下に置く洗濯機の横に大きな隙間が出来てしまいます。
次に乾燥機が運転した時の問題です。 市販の設置台は例外なく細い角パイプを組合わせたもので、非常にたわみ易く、乾燥機が運転開始するとそれから発生する振動でかなり揺れます。 強度的には問題ないのでしょうが、全く美的感覚不在の光景です。 

ということでこの2点の解決のために乾燥機の置き台も自作し、収納家具の一部とすることにしました。 また洗濯機の横に出きる隙間は隙間家具を検討することにもしました。 ということで洗濯機の幅の問題は解決したのですが、前述の天井が低い問題がネックになり、絞り込んだ洗濯機は購入当時もっとも高さの低かったものとしています。

 次に頭を悩ませたのは、洗濯機の設置場所の左に配するカウンターと吊り戸棚
 の高さ配分でした。 天井の高さが207cmしかないのでカウンターの高さを
 75cmとすると、カウンターと天井の間が132cmしか残りません。
 カウンターは立ってやる作業と座ってやる作業の両方を考えなければならない
 ので75cmという適当な高さをいじりたくありません。 そこで吊り戸棚に収納す
 るものを本のみと限定し、奥行を極力浅くすると同時に、効率の良い棚板配分
 の検討をしました。 その過程は省きますが、結果として左図のような高さ配分
 が有効と結論付けました。

 これはどういうことかというと、棚板の高さが可変となるような構造にしながら左
 図のような3種類の棚板の高さ違いで、B4A4A5B6の4種類のサイズの
 本を高さ797mmの空間に入れられるということです。 家内が読む家事関連の
 本を4種類に振り分け、且つそれらの量が全て収まるかどうかを計算してみた
 所、空きが20%強残りそうですのでOKとしました。 
 実際には棚板の厚み(36mm)が加算された833mmが高さの内寸となります。
 奥行は一番大きいB4に合わせ手前のゆとりを含め外寸350mmとしました。

本棚の高さが確定しましたのでカウンターの上の空きスペースの高さは、132cm - 83cm = 49cmとなりますが、本棚の扉を開いたとき、天井に埋め込んだスピーカーに当たるので、本棚の位置を更に60mm下げて最終寸法配分としました。 従ってカウンターの上の本棚までの高さは43cmとなります。 

以上をベースに設計図をまとめました。 例によって参考図面を最下段に載せておきましたのでクリックしてご覧下さい。
本棚の基本寸法は上記説明どおりですが、この吊り戸棚を支える方法は、両側の側板で挟み更に壁面に補強板を通じて固定する方法としています。 

 カウンターの下の引出しは詳細は省きますが全部で11個あります。 前述の様々な収納物が納まる寸
 法ということで設計しましたので、一番右側の引き出しなどは境の線が僅かに食い違うなど、外観的には
 若干違和感がありますがやむを得ないところです。 全て600mmの3段式スライドレールを使いましたの
 で、奥までフルにスペースを使えます。 特に右端の引出し2つは大変サイズが大きく、手桶などの大き
 な洗濯関連の物がうまく納まります。 又左端にはLDルーム収納家具でも作ったハンギングフォルダー
 対応の引出しもあり、電気製品の取扱説明書が保管されます。 左から2番目の厚みの薄い引出しは、
 スプーン、フォークなどの食器類収納として使っています。

隙間家具は冷蔵庫横と似たような発想ですが、上下2段に分かれ、下はナイロンキャスターで床の上を滑らせ、上は壁面に固定した2段スライドレールで、アトムリビンテックのバスケット付きセット品を使いました。 但しこの隙間収納家具の後側は洗濯機の排水パイプがあり、頻度は少ないもののメインテナンスの為に全て外せなくてはなりません。 また水が回りに飛び跳ね易い所ですので防水処理には工夫が要ります。 (詳しくは加工・組立で解説します) 

 ステレオはコンパクトなものですが、スピーカーは使う場所が湿度が高く油分で
 汚れ易い台所の一角ということで、対候性の高いと思われるカーオーディオ用を
 天井に埋め込みとしました。 またカウンターの照明は幅が1900mm近くもある
 ことから、入手性は良くないですが、ショーケース用の細くて長いインバーター
 蛍光灯を奮発し、本棚の底に取付けました。 そのON/OFFスイッチは本棚右下
 の部分に埋め込まれています。 これらの配慮で写真でもおわかりになると思い
 ますが、カウンターのスペースは目いっぱい使えるようになっています。



使用材料

殆どの部分は18mm厚シナ合板です。 カウンターは、30mm厚タモの集成材でLDルームのカウンター、AVスペースのカウンターと全く同じ材料で少しでも安くするため3枚をまとめて注文しました。 但しこんな大きな板を家の中に保管できる場所はありませんので、購入と支払いは一度にしましたが、実際に作業するまで材木店で保管してもらっています。 こんな点は材木店と仲良くなると好都合な所です。  スライド収納用に9mmとか5mmの薄い合板を使いますが、詳しくは加工・組立の項で説明します。

 (ワイヤーパネルセット 400-W 写真:アトムリビンテック提供)
 洗濯機横のスライド収納はアトムリビンテックの収納ユニットを使いました。
 型番は、ワイヤーパネルセット400-Wというもので、2段スライドレールを使い
 隙間が110mm以上あれば取り付けられます。奥行は402mmありますが、スラ
 イド長は310mm、高さは414mmです。

 アトムリビンテックからは更に長さ550mmの3段式フルオープンスライドレール
 11組と、半かぶせスライド蝶番を8個、インセットスライド蝶番を4個吊り戸棚の扉
 のヒンジ用に購入しています。

 吊り戸棚下の照明器具は、大亜蛍光工業(株)TE20-48というショーケース
 などに使われる業務用の細い33W蛍光灯を使ったインバータータイプの物を使
 いました。 全長1310mm、奥行57mm、厚み22mmというサイズです。 本当
 はもっと長いものも考えましたが、蛍光灯よりのノイズが左端のステレオのアン
 テナに飛び込む可能性が高いのでこのサイズとしています。 これに専用の電
 源接続コネクターが必要です。 直接接続或いは半田付けは不可能です。

 購入先は秋葉原の照明器具専門店で買いましたが、業務用照明器具の専門店
 であれば扱っていると思います。 
 または大亜蛍光工業(株) 神奈川県秦野市曽屋840 Tel: 0463-82-3102に問い
 合わせてください。

それと蛍光灯本体には電源スイッチがありませんので、長さが25mmと長いレバー付きの小型トグルスイッチを秋葉原のパーツ屋さんで購入しました。 型番は不明ですが、サトーパーツの双極双投タイプの小さな物で、AC125V6Aの接点容量があります。 私がホームページを調べた範囲では購入したスイッチは見つかりませんでしが、販売店の情報も含め問い合わせてみてください。 もっともこのスイッチこだわる必要もありませんが。

ツマミは湿気や油を含んだ空気にさらされる所ですので、全て陶器製のツマミとしました。 丸型が10個、ハンドル型が3個ですが、ハンドル型はデザイン的な変化をもたらすため使用したまでで、スムーズに開閉するスライドレールを使った引出しの場合、すべて丸つまみでも一向に差し支えありません。この辺は寝室のクローゼットのツマミをご覧頂ければご理解願えるでしょう。

LDルームの棚板の補強でも使用した鉄製Cチャンネルを、乾燥機を載せる棚下に2本使用しました。 乾燥機は湿った洗濯物をほうり込んだときに40kg-50kgになります。 これは18mmの合板で十分絶えられる値ですが、たわみが出てきますのでCチャンネルで補強することにしました。

塗装に関してはLDルームの収納や寝室と同様淡いベージュ系の2液性ウレタン塗料を使いましたが、色に関しては暫定的なものでゆくゆくは他の台所の色調に合わせたものに上塗りするつもりです。 油汚れが合板にしみ込まないよう手許のペイントを使ったまでです。 カウンターはタモの生地の上に直接1液性ウレタンニスを塗りました。

収納スペースというわけではありませんが、天井に埋め込んだスピーカーに付いて触れておきます。 ここで使用したのはケンウッドのカーオーディオ用のスピーカーで、本来はドアマウントと言って、ドアの内側に取り付けられて使用するものです。 口径は16cmの2Wayでしたが、使用環境が厳しいため通常のスピーカーより湿気に強いのではとの期待感とデザインされたカバーが付属しているため、手間が省けるメリットを考えて採用しました。 またドアというスペースの無い所で使うため奥行が浅いのも有利です。
このスピーカーを同じケンウッドのコンパクトなコンポに接続しています。 

但しひとつだけ問題があります。 それはカーオーディオ用のスピーカーは全てインピーダンスが4Ωであることで、ホーム用のアンプは6Ωのスピーカーを基準に設計されているため、4Ωのスピーカーに対してはいささか過負荷になることです。 これが原因でアンプが壊れてもメーカー責任は問えないのでご注意下さい。 最もこのステレオを使う家内は、BGM的に使っているため小音量であり大きな負荷となっておりませんし、既に2年間ノートラブルで動作していますので実体としては殆ど問題無いでしょうが、理屈の上ではユーザー責任となります。



組立の勘所
この作品も壁と壁の間にすっぽりと嵌め込むタイプですが、組立は左側から始めて左側2/3の収納部分を先ず完成させます。
接合方法は全て木ダボとネジを補強のため併用した、「接合強度を大きく取る方法」です。 また棚ダボ、スライドレールの取り付け下穴、補強板取付けの窪みなど組上げてからでは加工しにくい部分はすべて仕上げておきます。  

さて、構造部分組立参考図に従って組立順序を説明しましょう。 

 1.先ず左側側板とその右側に繋がる収納部のBOX部分を組立ててしまいます。 左端のブロックには、ハンギングフォルダー
   対応の引出しがあり、正確に組上げる必要がありますが、LDルーム収納製作詳細引出し寸法図を参考にしてください。 

 2.右端のブロックを作るため右側板に接合しながら、吊戸棚の棚板を接合します。 この時図に示した順序どおり、誰かの助け
   を借りながら下から木ダボに嵌め込んで行きます。 3箇所が無事嵌まり込んだら、スレンダースレッドネジ 40mmで固定し
   密着します。 

 3.吊戸棚の仕切り板2枚を棚板に接合します。 図には示してありませんが棚板がたわみますので、下の収納ブロックとの間に
   適当な支えを挟んでやると良いでしょう。 

 4.青線で示した補強板を取りつけます。 以上の各ステップの間は木工ボンドの固着のため2時間以上寝かせます。 
   また側板の垂直度に問題がないか、下げ振りでチェックし修正しておきます。 

釘位置探索器  さて寝かせている間にすえつける壁面のネジを打ち込める位置を釘位置探索器で、探しておきます。
 基本的に柱と柱の間には約30cm45cm毎に間柱が入っています。 そしてその間柱の縦方向に
 30cmから45cm位の間隔でプラスターボードを固定してあるので釘位置を特定すれば、間柱の位置が
 判ります。 そして壁左端(収納家具の左端となる)からのそれらの距離を測り補強板の上に記します。
 私の場合1903mmの幅の間に4箇所発見しましたが、一番右側は右側版に接近していたため、3箇所を
 固定用の間柱として使いました。 上下2枚の補強板で合計6個所で固定するわけです。 それらの固定
 位置に3.5φの貫通穴を各2個所(合計12の穴)をあけておきます。

いよいよ組み上がった本体を壁に固定します。左の壁に寄せながら奥の壁面に押し付けます。側板が手前や奥に傾いたりしていましたら、収納ボックス部にくさびを打ち込んで修正します。 そして補強板の貫通穴に3.5φ50-60mmのタッピングネジで固定します。 これで吊戸棚は壁面と両側板に支えられますので、がっちりと固定されたことになります。 地震がきても倒れる心配は全くありません。

右端の洗濯機と乾燥機を設置する部分は、乾燥機の設置高さで切断した板を右の壁にネジで固定し、それと収納部の右側に受けとなる少し幅のある桟を受けとして、ぴったり収まる棚板を現物合わせで切断し固定します。

次は右端の収納部分組立の解説ですが、現物合わせの部分がかなり多いので設計の項で申し上げるべき点も含め、どのような考え方ととアイデアで作り上げたかをまとめてお話しします。 

 検討した項目は、

 1.洗濯機の周りは水が掛かりやすいので、防水処理の必要がある。
 2.洗濯機のメインテナンス、床清掃のため、洗濯機を引き出しやすくする。
 3.以上を満足する収納部分の製作。


 となります。 

 1.については、洗濯機周りの壁と床材の隅はシリコーンゴム系のコーキングで埋め、収納家具のカバー下部の木口には、ペイン
   トを十分しみ込ませることで対応しました。

 2.に関しては、排水口の位置が鍵になります。 私の場合リフォームしたときに排水口が洗濯機の右横奥になるよう設置しても
   らいました。 排水口が洗濯機の真後ろですと、洗濯機を収めてから排水パイプを挿し込むのは困難になるからです。 

 3.は、収納部の位置を排水口の手前にすることで、排水口とそこに挿し込まれる排水パイプが全く見えなくなります。 但し収納
   家具が簡単に外せる構造でないと、排水パイプに手が届きませんので、上下2段のスライド収納のみならず収納部カバーも工
   具無しで取り外せるように工夫しました。 

この辺りは百聞は一見にしかず!ですので、上の写真をクリックして確認願います。


 最後に照明器具の取付けについて少々触れておきます。 
 照明器具への結線は専用コネクターを使いますので、照明器
 具を固定してしまってからでも配線は容易です。 但しコネクタ
 ーとスイッチそしてプラグの配線は自分でやらなければなりま
 せん。 左の写真と右の図を参照下さい。

電源ケーブル、コネクターのケーブルは適当な長さとしておきます。 スイッチには6本のピンがありますが、端の2本に壁コンセントからのケーブルを接続します。 真中2本のピンに蛍光灯の専用コネクターの外側2本のケーブルを接続します。
(真中のケーブルは使わないので切断します。) 

スイッチの残りの2本のピンは使用しません。 そしてこの使わないピン側にレバーが倒れたときが電源ONとなります。 
半田付けが終わりましたら、むき出している接続部分をビニールテープを巻いて絶縁します。 後はコネクターを蛍光灯本体に、電源プラグをコンセントに挿し込めば終わりです。



最後に
以上で家事スペースの収納家具の製作詳細は終わりです。 同じ事を毎回説明するのは無駄が多いので、他の製作詳細も一通り読んでいただければと思います。 特に引出し部分はLDルームの収納家具を参考にしてください。

冷蔵庫周りの収納家具とこの家事スペースの収納家具は、広い意味での台所空間にセットで設置され、トータル的な家事作業及び収納の効率化に大きく寄与したのではないかと考えています。 その意味で家内にかなり気に入られた空間となっております。

参考資料:   外観図   寸法図   引出し寸法図   スライド収納寸法図
  
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