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古新聞ストッカー
   
2003/04/03
製作構想

 私の家内がそれとなく食卓のテーブルの端にチラシの切抜きを置きました。
 何気なくチラッと見た私が、すぐにオッ!これは面白そうだなと感じたものは古新聞を保管するスト
 ッカーでした。

 通信販売の商品ですからこの切抜きが情報の総てで現物を見るチャンスはまずありませんから、
 どんな構造や仕掛けになっているかは想像するしかなく、暫しああでもないこうでもないと思考をめ
 ぐらし気が付いた時には私なりの解釈で設計を始めていました。

 とは言っても、細部の構造や仕掛けに関してはまだ納得できるレベルまで到達していません。 
 従って製作を紹介するのはまだまだ先となるものの、この商品の発想そのものが面白いので私な
 りの解釈と工夫で考えた途中経過をご披露することにしました。

 よくよく考えてみれば家内の引っ掛けに旨くはまったようなもので、長年連れ添った結果私の考えていること、関心を寄せる点等すべてがバレバレという好例と言えます。  余談は別として次のような考察を加えてみました。

  1.新聞は完全に広げるとA1サイズだが3回折りたたんだA4サイズで保管。(これは極めて一般的です。)
  2.A4サイズは210 x 297mmだが、その割には大きめな感じがする。(何かの仕掛けでそうなっているのか?)
  3.上部はマガジンラックとして使えるスペースが3段ある。
  4.古新聞の送り出しには、専用のプラスチックの袋に入れるタイプと紐で縛るタイプに対応している模様。
  5.古新聞ストック部分はキャスター付きで簡単に取り出せる。

 とりあえずチラシの写真を見て私なりの寸法分析で構造図を書いてみました。
 左の図をクリックすると拡大した図がご覧になれます。

 私の分析では折りたたんだ新聞の大きさをA4サイズの縦横が15mmずつ大きくなるものとしてい
 ます。  きっちりとA4に折りたたむ人はまずいないでしょうからこの程度のゆとりが必要でしょう。
 キャスター付き一時保管ボックスと本体の間の横方向には5mmの隙間が必要としています。
 材料の板厚は12mmで考えましたので、折りたたんだ新聞を横置きにした時の総幅は、
 297+15+12+12+5+12+12365mm

 奥行きはキャスター付き一時保管ボックスと本体の間の隙間は僅かでよいので1mmとしますと、
 210+15+12+12+1+12262mmで済むことになりますが、チラシの商品は幅450mm、奥行き
 300mmとそれぞれ40mm近く大きい寸法で、何故そうなっているのかは不明ですがワゴンと読ん
 でいる一時保管ボックスが大きくなっている原因であるのは確かです。

 この大きさについて家内と話したところ、奥行きと高さが大きすぎる。とのコメントがあり、私も同意しています。 また新聞を紐で縛る部分やプラスチック袋を取り付ける部分の細かな構造は全く不明ですが、検討不十分ですと使いにくさに繋がります。

更に私の描いた構造図をご覧になるとABと記した部分がありますが、ここは無駄なスペースになっています。

ここまでを整理して改善の検討項目を整理すると、

  1.高さが900mmは高すぎる!
  2.奥行きをもっと薄く出来ないだろうか?
  3.古新聞をパックする機構に使いやすさの点でかなり工夫を要するのでは?
  4.古新聞をボックスに入れるたびにガラガラと出し入れするのはイマイチでは?
  5.無駄なスペースは削除するか有効利用する必要がある。


といった点が挙っています。

問題は多々あるものの基本的な発想はかなり面白いので、以上の諸点を満足できそうな構造を考えた上でそのうち試作しようと考えています。 売価\8,800-とありますが、その半額以下が製作予算目標です。



2004/06/18

その後のストッカーの検討

 1年以上もほったらかしておいて最終的なストッカーの構造もないだろう!と言われそうですが、正にそうで
 す。  その点は言い訳のしようもありませんが、うかつに作ったら使い物にならない物が出来るぞ!
 と、思考実験の段階で慎重に事を構えてきたのです。 というのは、家内が物置から出してきたプラスチッ
 クの古新聞ストッカーを見せられた時に始まります。  家内曰く、これなら使えるんじゃないかと思って以
 前に買ったんだけど、どっちも駄目!と2つのストッカーを見せました。(左写真参照)

 何が駄目かというと、新聞の販売店が配布している古新聞回収の紙袋をストッカーの中に入れ新聞を貯めるわけですが、溜まった新聞を捨てて用途紙袋毎取り出そうとしても抜けない!!というのです。 そこで私も実験してみました。

写真の状態では新聞は紙袋の2/3程度入っており満杯というわけではありませんが、確かに紙袋の両端をつまんで持ち上げてもストッカーは抜け落ちません。  それじゃとストッカーの台座の所を脚で押さえても駄目でした。

これでは女性の力ではというか男でも抜き出すのに往生します。 プラスチックは滑りやすいはずですし写真で見ても判るとおり上のほうが広がるような緩いテーパー状になっているので抜きやすいはずなのですが、現実はそうは行きません。
この紙袋を薄いプラスチックの袋に交換すればもっと取り出しやすいかもしれませんが、新聞社の考えた省エネ、資源の節約の考え方に反することにもなりますので、この紙袋を使って何とかしたい所です。

従ってちらしにあったストッカーも多分使い勝手は決してよくないだろうと考え、もっと違った構造にしないと駄目だとして、時々思い出すたびにどーたらこーたらと思考実験を続けてきたわけです。

ごく最近になって、思考実験の結果としてはこの構造が簡単で日曜大工で実現できるだろうとの本命のアイデアが浮かびました。 そこで実験を兼ねながら取り敢えず新聞ストッカーの部分だけを作り、結果がよければ最終的にそれを古新聞付き電話台(或いはFAX台)としての応用例に進めようという構想です。

よって勝手ながらストッカーの部分が思考実験で目論んだとおりに使えなかった場合には製作を中止しますのでご承知置きください。


考えに考えたたストッカーの構造

 左の図をクリックしてください。 ストッカーの動作概念を表現しています。
 台座にはL字型の柱が4隅にありこの中に古新聞回収袋を入れます。 取り敢えずの実験には関係ないの
 ですが、L字型の柱にしたのは紐で簡単に縛り上げる機構を入れるためです。 その仕組みの解説につい
 ては実験が上手く行って本番の製作に入ってからにします。

 実はこの台座は2枚の板を蝶番で繋いだ構造になっています。 通常の使用状態では2枚は1枚板のよう
 になっており、の字のように曲がらないよう底部にはスライドする板で押さえています。
 溜まった新聞を袋毎抜くときには、底のスライド板を手前に引いてそのスライド板を脚で踏みながらL字型の枠を広げればすぽっと図のように開くはずです。 蝶番の位置はわざとオフセットしてありますから、うまくすると脚でスライド板を押しただけで、新聞紙の自重で反対側に傾いてくれるかもしれません。  こうなれば簡単に回収袋は抜けるはずです。



2004/06/25

古新聞ストッカーの構造試験

結論から先に申し上げましょう。 構造をテストするために試作したストッカーは完全に期待通りの動作をしてくれました。 操作方法にも無理はなく、誰がやっても簡単にぎっしりと新聞が袋に詰まった状態でもスポッと抜けます。スライド板の抜き差しだけが渋いので改善の余地がありますが、テスト用に作った物を更に手を加えれば十分に実用になります。

痛快なのは特殊な材料を全く使っていないことで、テスト用のため木材は手持ちの端材をフルに使い、4mm厚シナ合板、5.5mm厚シナ合板、12mm厚シナ合板の3種類です。 その他の材料としてはステンレス蝶番2個(長さ80mmニッケルダボ1組、隠し釘、仮釘、40mmスレンダースレッドネジそして木工ボンドです。

 試作したものの寸法図は左の図のとおりですが、今回は端材をフルに利用したため板取や材料寸法図は
 提示いたしませんので、お作りになりたい方は寸法図中の赤で示した寸法を守っていただき、他の寸法は
 使う材料に合わせて修正して欲しいと思います。

 特にL字型の4隅に立てる枠は4mmの合板を貼り合せて8mmとしていますが、現実には9mmの合板1枚
 で作った方が良いでしょうし、コスト的には合板と同じ厚さの種類があるMDFが加工し易くて便利だと思い
 ます。(但しMDFは吸湿して曲がりやすいので、製作後必ず塗装して吸湿を押さえる必要があります。)


製作方法は詳しく解説すしませんので以下の写真で各部の構造・動作などをご理解ください。

実働テストのため試作した古新聞ストッカーの全景です。

袋の上まで詰め込んで使うことはないとの家内のコメントで、最終的には袋の上端が10cm程度はみ出るようにしました。 

古新聞が詰まった袋を抜く操作の説明写真です。

底に取り付けられた折れ曲がり防止のスライド板を手前に引きます。

スライド板を脚で踏みつけると、ストッカー本体は二つに割れて開きますので、簡単に袋が抜けます。

真上から見たストッカー。 底に横に見える細い筋が底板を蝶番で繋いだ部分です。 田の字型に配した板は紐掛けを容易にする仕掛けで、詳しくは電話台の製作のときに説明します。

底の部分。 ちょっと長めの80mmの蝶番2枚を使っています。 また高さ50mmのプラスチック製の車輪を4個使いました。

スライド板の動作を説明します。 現在閉じた状態で、底板2枚はスライド板で押さえられて曲がりません。

スライド板を手前いっぱいに引いた所で、ニッケルダボがストッパーとなります。 そしてこの状態ではスライド板は左の底板からは外れます。

このため左の部分はこのように折れ曲がるという按配です。

結果としては考えすぎの構造と言うより自画自賛ながらコロンブスの卵に近い構造だった!と言えるのではないかと考えています。

予定通りこのストッカーを電話台の下に体裁よく収めて、袋のみの使用、紐掛け併用、紐賭けのみの3種類で使える古新聞ストッカーとして続いて製作いたします。

(このストッカーの構造は実用新案を申請いたしましたので、商用利用の場合には当サイト、若しくはVic Ohashi の許諾無しで
使用しないようご注意ください。)




2004/07/02

新聞ストッカー付き電話台の設計

 うまい動作が確認できた古新聞ストッカーを家具に一体化する応用例として電話台の設計に入りまし
 た。  ほぼ固まった構想による外観図と寸法図は左の図をクリックしてください。

 この設計では長いこと寝かしたままの良質な杉材(300 x 600 x 15mm)をとことん利用しようという考え
 が基本にあり、実は600mmの長さでは足らない側板は途中で接いで使おうとしています。 従って板
 取図を描いても全く皆さんの参考にはなりませんので掲載いたしません。

 設計上検討した点は次のようなものです。

 1.電話やFAXを置けるミニマムスペースとして上面を考えた。
   幅365mm、奥行き273mmというスペースは、FAXを置くと周りが数センチしか残らずミニマムの
   スペースです。 設置スペースを食わないようこのようなサイズとしています。

2.高さは810mmとした。
  特に決定根拠はないのですが、テーブルの平均的な高さでは立って使う電話・FAXの場合低すぎるのでこの程度でよいだろう
  と思います。

3.新聞ストッカーとの間に3つの引出しと収納空間がある。
  一番上は内寸幅299 x 奥行231 x 深さ60mmの引出しです。 A4サイズのペーパーが横置きで入るスペースです。

  その下は引き出しなのですが、実態は厚さ18mmの板で、これは引き出してちょっとした書きものをするなどのミニテーブルとな
  ります。  上に空間が14mm程残りますから、ボールペンを載せたまま閉じることも可能です。 引き出せる幅は300mm、長
  さは200mmを考えています。

  3つ目の引出しは比較的深く最大収納可能な高さは125mmあります。 内寸幅は108mm、奥行231mmです。

  その左側には窪みがあり、内寸幅177mm、高さ133mm、奥行111mmとなっています。 物を置けますがカバー無しのオープ
  ンスペースです。

4.紐掛けのカラクリを組み込んだ。
  これは完成してから写真をご覧にならないと理解できないと思いますが、古新聞ストッカーの使用時に紐で縛り上げたい場合の
  紐のロールを中段左手奥に仕込んでおいて、ひょいひょいと紐掛けを出来るように考えています。 紐のロールは左手の窪みの
  奥に装填します。

5.ストッカーの前側に化粧カバーを付けた。
  先週出来上がったストッカーのままではあまりにも無粋ですから、前カバーを取り付けますが、引掛け式として簡単に外せるよう
  にします。


設計図を描くのに丸一日費やしてしまいました。  即製作に入りたい所ですがここが最も大事な所で、矛盾点、問題点、計算違いがないかどうか更に数回点検してから取り掛かりますので、製作の様子は次回になります。  このテーマでは木製レール使用の引き出しの作り方が参考になると思います。(木製レールを使用するのはケチったのではなく、奥行が短すぎて対応できるレールがないことによります。)



2004/07/16

製作

 全体設計から引き出し周りの部分設計図を描きました。 2つの引出しは横にレールが嵌まり込む空間を
 作りますが、市販の家具では溝を彫っているのに対し部材を貼り合わせて溝を作ります。

 引出しを木製レールで作る方法のスタンダードとしてこれまでに40以上も作っており十分に実績のある構
 造ですので、応用していただきたいと思います。 特にこのやり方は特殊な工具もいらずアマチュアに適したやり方だと思います。 

ライティングボードは4mm9mm5.5mmを貼り合せて18.5mmの厚さにすると共に左右に凸型を設けて、プラスチック製のコの
字型レールに挟むことで考えていますが、この作り方も私が良くやる手で、プロだったら1枚板の左右を削って作るでしょうが、端材利用のためにはこの方法が大変有利です。

引出しレールは幅19mmに切断した部材としますが、厚みを0.5-1.0mmカンナで削って薄くして使います。 幅19mmですからカンナを掛けるのも難しくはありません。

 前板を除く部材の寸法図は左の図のとおりで、殆どを14mm厚杉材から切り出します。
 縦引きの部分は横引きノコギリの翔250で強引に切断しました。 縦引きを横引きノコギリでやると大変
 粘りっこくなり切り屑がノコギリの目に詰まって切りにくくなります。 従って時々目に詰まった切り屑を取り
 除きながらゆっくりとあせらず力技を交えながら切断しなければなりません。 

 この力技の副作用としてノコ刃が左右にぶれ易くなり直線性が悪くなるので、通常よりも心持ち大き目に
 切断し後でカンナで所定の寸法に収める手法を取っています。

 この辺りのやり方は余り誉められたものではありません。 本来なら縦引きノコギリを使うべきところです
 が、横引きノコでも結構切れるもんだ!程度にお考えください。

 横引きには無論翔250を使っていますが少し前まで使っていたゼットソー8寸目に替わり定番ノコギリと
 なっています。 部材中天板は2枚を貼り合せて作りますが、貼りあわせ後周囲をカンナで成形してからトリマーで片銀杏仕上げとするつもりでいます。

側板は材料が寸足らずなので上下2枚を木ダボを使って連結しますが、僅かな段差出ることと所詮木目が合わないので、角を
僅かに削って細い溝が出来るようにしてデザインの一部にしてしまおうという苦肉の策を考えています。

小さな縦隔壁は大きなU型の切り欠きが施さ、横隔壁の1枚には穴があけられます。 時間の都合で今回はこの部材寸法図中の14mm厚杉板を切断したところまでしか進んでいません。

 全部で29点の14mm厚板の部材。 横引きの翔250で切りにくい縦引きも沢山ありましたが一日を掛けゆっくりと且
 つ強引に切断しました。 まだカンナ掛け前ですが設計寸法の±0.3mm以内の誤差には収まっています。




2004/07/23

製作 2

天板の2枚を貼りあわせることと側板の連結から開始しました。 1枚板から作れば不要な作業ですが、14mm厚寸足らずの板を使うことが前提ですので仕方ない所です。 しかし接合さえうまくやれば意外にきれいに仕上がります。

組み立て途上に出てくるレールの貼り付け位置と引出しの入る部分のうち幅寸法はかなり精度を高くする必要があります。 落ち着いてやれば0.5mm以内の位置の狂いに収めるのは難しいことではないので、慎重に進めます。

もうひとつ精度を要するのは引き出しの外寸幅で、引出し挿入部の内寸幅より設計上は2mm狭くしてありますが、スムーズな使用感を保つには引き出し外寸幅、挿入部内寸幅共に±0.5mm以内の寸法精度に収めないとなりません。

パソコンのトラブルのお陰で予定していたところまで進んでいませんが、完成後のイメージはかなり確認できるところまで終わっています。

まず集成材作りから? 天板貼り合わせですがごらんの通りクランプを多用しています。

こちらは側板を繋ごうとしている所。 マーキングポンチが見えますが、の木ダボを使っています。 また繋ぎ目は軽く面取りして意識的に溝が出来るようにしています。

圧着には自作大型クランプを使用。 見えなくなるので写真では取り除いていますが、実際にはの字型に折り曲がるのを防ぐためこの上に板を敷いて重しを載せました。

6時間経って接着剤完全硬化後。 繋ぎ目の僅かな段差は電動サンダーに#100ペーパーを付けて落としました。 まずまずの出来栄えです。

中段の縦仕切り3枚はこの位置に接合しますが、その前に真中の板右手奥に20φの丸穴を開けておきます。

また真中の仕切りにはU字型の切り欠きを施しておきます。(幅35mmなので丸部分は35φフォスナービットを使った。)

更に右端の縦仕切りの右側にはレールを上端から55mmの所に貼り付けておきます。

以上の縦仕切り3枚を横仕切り2枚で挟み接合しました。 紐のロールはこのように装てんされます。

そしてその前にはこのようにカバーがついてからくり部分は見えなくなります。 右の空間には引出しが入ります。

側板の木口を丸め加工した後レールを固定しました。 白いのはコ野字型のプラスチック製レールで、ワゴンを作ったときの余りです。

前側から固定したレールを見たところです。 木口の角はカンナとヤスリで丸めてあります。

右側板を固定しました。 木工ボンドと隠し釘を使った最も簡単な方法です。

    左側の側板を木工ボンドで接着し完成後のイメージが判るようストッカーを中に入れてみました。 天板は乗せ
    ただけでまだ接着してありません。 パソコン トラブルのため今回はここまでです。



2004/07/30

製作 3

引出しの残りの材料3mm厚カラー合板、9mm4mm5.5mmの合板の端材)を所定の寸法に切り出し3つの引出しを作りました。 その中で木製レールの引き出しについては私は標準構造としていますので、詳しくここで構造的なものと設計方法について解説しておきます。

 左の図が木製レール引出しの構造を表します。 この図で茶色の部分は引き出し前板と後板で、黄色
 の部分が引出し側板ですが、左右それぞれ2分割になっています。
 これら2分割の側板を連結しているのが、空色の薄い板です。 緑色底板となっています。
 左右の側板が2分割になり間に隙間が出来るわけですが、この隙間に木製レールが嵌まり込むという具
 合です。  スライドレールを使った引出しの場合単純な箱で済みますが、木製レールのこのタイプでは
 そうは行かず少々複雑になっています。

 この構造で作る際の各部寸法の決め方を左の図で説明いたします。
 寸法決定で特に難しいところは全くありません。 引出しの大きさは全く自由ですが、
 大きくなる=重くなる!の関係で収納物を入れた重量が15kg程度を超えるとレールの摩擦がかなり大
 きくなり動きが渋くなりますので、注意する必要があります。 私の実例では掛け布団をつに折りたたん
 で収納する大きな引出し(幅約70cm、高さ40cm、奥行き90cmを作った例がありますが、掛け布団だ
 けで重量はたいしたことが無かったので実用になりました。

 引出しの前板、後板(茶色の部分)、2つに分離した側板(黄色の部分)9-12mmの合板が適当です。
それよりも厚くする必要はまずありません。 出来ればシナ合板をお奨めします。

(ここで製作している電話台では14mmの板を使っていますが、後ほど写真でご覧になれば判るとおり厚すぎです。 これは手持ちの材料を使用するのを優先したために承知の上でそうしただけで、バランスを考えたら9-12mmにすべきです。)

2つに分離した側板を連結する板は3-4mmの合板を使います。 底板については3-5.5mmとしますが底板の面積によって厚みを変えます。 これは面積が大きくなると入れたものの重量で底が膨らんできてしまうのを避けるためです。

さてクリチカル寸法のひとつはレールの厚み(D)で、これを引出しを作る材料と同じ厚みとします。
既にこの引出し材料厚を9-12mmとしていますのでこれに合わせます。 次にレールの高さ(H)ですが、18mm以上とします。 当然ながら引出しの重量はレールに負荷として掛かりますから、高さは高いほうが良いのですが、経験上18mmでかなりの重量にも耐えられます。

問題はこのレールを作る材料です。 D12mmのケースが多くなると思いますがだからといってこのレールを12mm厚合板から18mm幅に切り出しては駄目です。 その理由はレールに乗る側板の面はざらついた木口になりますが、レールの当たる面も木口ではうまく滑らないからで、少なくとも片方は木口を避けるべきです。  そうするには18mm合板を12mm幅に切断して作るのがいちばん簡単です。

又は12mm厚のムクの材料を18mm幅で切っても無論良いのですが、このためだけに僅かしか使わないのにムクの材料を買うのはもったいないので家具作りには多用される18mm合板から切り出す。 という言い方になっています。

残るクリチカル寸法は引き出し外側の幅です。 これは引出しを取り付ける本体の内寸幅(W)から1-2mm差し引いた値とします。 作例の電話台では2mm(左右1mmの隙間としていますが、加工精度を高く保てるのであれば(殆ど根気で可能ですが)1m短くすることによりがたの少ない完成度の高さを思わせるものが出来上がります。

レールと引き出し側板の連結板の間隔は自動的にこの隙間の量1-2mmと等しくなります。

他の部分の寸法設定は自由ですから薄べったい引き出し、深い引出しの設計が幅広く可能です。 組み立ても含めた具体例は以下の写真でご覧ください。 尚前板は更にもう一枚の飾り前板を被せることにより、インセットタイプの引き出し、アウトセットの引き出し両方に対応できます。 前板が2枚というのは無駄なように思えますが、その方が加工精度上遥かに容易ですのでアマチュア的にはこの方法が一番でしょう。

尚ストッカーの前カバーは14mm厚の板を45mm幅に切断したもので枠を作りその裏側に4mmのシナ合板を貼るという少々ややこしい構造にしています。 これは軽く作らないとストッカーに引っ掛けた時に前側に倒れてしまう可能性があるためですが、このシナ合板の中板部分がどうも間抜けな感じがしています。 後日ここに更に飾り加工かトールペイントなりを施すアイデアを残すことにし、この中板は釘による仮固定としています。
二つの引出しを作る材料を切り出しました。 白っぽく見えるのは3mmカラー合板で、側板連結用に使います。

連結板と二つに分離した側板を木工ボンドで貼り付けます。 クランプを使うのがベストですが、隠し釘で固定しても良いでしょう。(この場合小さな釘穴は残ります。)

側板に連結板を貼り終えた所です。上が外側から、下が内側から見ていることになります。

側板を前板、後板に木工ボンド接着しますが、隠し釘36mmで保持します。 これは横方向から見た角です。

(或いは後)から見るとこのようになります。

側板、前板、後板の接合が終わったら直角度の確認と捩じれがないよう確認調整し2時間放置します。

その後底板をべた止めして引出しの箱組み立ては終了です。 底板止めには22mm隠し釘で保持しています。

組み上がった二つの引出し。 底面と連結板に白いカラー合板を使っているのが判ります。 但し14mmの板は厚すぎて視覚的なバランスが良くありませんがこの場合承知の上です。

ライティングボードは有り合わせの端材を貼り合わせて作りました。 上から5.5mm9mm4mmの合板貼り合わせで、これは5.5mmの合板周囲に幅の狭い9mmを枠状に貼り付けたところです。

9mm厚合板の切れ端を中に適当に詰めて4mm合板を被せて接着しました。 持っているクランプが総動員です。

出来上がったライティングボード。 上から5.5mm9mm4mmの合計18.5mmの厚みになります。 9mmが出っ張っていますが、この部分がレールに挿入されます。

上の引出しとライティングボードをレールに収めたところ。 設計時と異なりライティングボードは5.5mm側を上にしました。

引出し三つをレールに収めた全景です。 設計図面と比較してみてください。 この後飾り前板を現物合わせで切断し取り付けます。

天板の周りの角、引き出し飾り前板の横の角は全てボーズ面ビットで深く削り込んだ片銀杏面に仕上ました。

飾り前板の固定開始。 引出しの内側から2本の22mm隠し釘を打ち込み表面に木工ボンドを塗り付けました。

飾り前板を当てながらその位置調整を念入りにして引き出しに押し付けそーっと引き出しを抜き隠し釘を打ち付けて位置が動かないようにします。

その上でクランプで固定して2時間寝かします。 隠し釘を使うことによりクランプで締め上げる時に接着位置がずれません。

ライティングボードはクランプで挟めないので仮釘で固定しました。 仮釘の太さは0.88φと隠し釘の太さ1.24φより1段と細いため穴がより目立ちませんが、曲げずに打ち込むのが少々厄介です。

下の引出しと同様な方法で上の引出しの飾り前板も固定しました。

古新聞ストッカーの前カバーは幅45mmの板で枠状に木ダボで接合し側面角と内側の角全体をトリマーにて片銀杏に仕上ました。

その裏面の内側はしゃくりビットで削りこみました。 ここに4mm厚シナ合板を嵌め込みます。

設計図には記載されていない加工ですが、前カバーを固定する鍵穴状の加工をストッカー本体下2箇所にしました。 ここにトラスネジの頭が入り下に下がることにより固定されます。

前カバー裏の上のほうにストッカー本体に引っ掛けるL型フックを合板貼り合わせで2箇所作り固定します。

そして前カバー下2箇所にはトラスネジを締め付けます。 ストッカー前面は若干下すぼみになっているので4mmの合板をスペーサーとして貼ってあります。

上段の引出しを引いたところ。

ライティングボードを引いたところ。

そして下段の引出しを引いたところです。

   電話台の加工組み立ては完成しましたが、前カバーの中板はどうもこのままでは間抜けというか未完の感じがしま
   すので、釘で固定しておきここにトールペイントを施すか更なる飾り加工が容易であるようにすることにしました。



2004/08/06

塗装

塗装についてはオーク色のステインで着色後、油性ウレタンつや消しニスを2回塗りしましたが、ベッド横の電気スタンドと共に、
「アマチュア的作業の勘所」で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。 



ストッカーの追加加工

ストッカーはテスト用に設計し組み立てたもので実用品としてもう少し手を加える必要があります。 それは4隅のL型をした新聞押さえの角を落とすことと紐のカッターを組み込むこと、スライド板の動きをもう少しスムーズにすることです。 またストッカーの部分も塗装しますが、単純に透明ニスを塗るだけとします。

それらが終わってからつまみを取り付けました。 いろいろなつまみを当ててみてしっくりときたのは、mini-Shopでも扱っているノスタルジアの仙徳色メッキのものでした。 このつまみは真鍮から削りだした大変丁寧な作りで、カントリー調やアンティーク調のものに大変よく合います。 そして3個のツマミが付くと見違えるほど引き締まってきます。 毎回経験していることですが、小さな部材ですがツマミはおろそかに出来ません。 安物のプラスチック製を使おうものなら全体がチープになってしまいます。 

ストッカーのL型の枠角を落とし更に翔265で板の厚み中央に切込み@を入れ、更に紐を挿入する切込みAを入れました。

切り込み@に使い古しのカンナの替刃(矢印部分)を挿し込み瞬間接着剤で固定しました。 これで怪我することなく紐を切断できるカッターになります。

最終加工の済んだストッカー。 右上に紐のカッターが、手前下の両側に鍵穴状の前カバー固定穴が見えます。

前カバー上部はこのようにストッカーの上端に引っ掛けます。

前カバー下のほうはトラスネジの頭が鍵穴状の部分に落とし込まれ固定されます。

完成した電話台の上半分。 アンティーク的な落ち着いた良い感じに仕上がりました。 使用したツカミがきりりと引き締め効果的になっています。

前カバーの白木部分をどうするかが残っていますが、重厚感のある家具が完成です。



ストッカー部分のカバーの内張りだけはまだ悩んでいてシナ合板の無塗装のままですが、家内と色々相談しながら最終的な物にしてゆこうと考えています。 構想から計算するととんでもない時間が掛かりましたが、うまくまとまりほっとしています。  掛け値なしに油性ウレタンつや消しニスは素晴らしい出来栄えを約束してくれます。  塗装編を参考の上是非ともチャレンジしてみてください。
----- 完 -----

  
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