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電動ドリルアタッチメント
   
2005/02/11

 構想

 電動ドリルで穴をあけるというのは日曜大工においてかなり頻繁に出てくる作業ですが、その穴を垂直に
 あけるのは意外に厄介な作業で、私自身長年実用上支障のない方法でごまかしてきました。

 垂直に穴をあけるにはボール盤の使用が最も安定性と精度が高いのですが、安くても数万円の出費とな
 りしかも大変場所を食い、専用工作室を持たざるを得ません。
 また大型の物であってもふところと高さの制限から使いたくても使えないという状況が結構ありますし、既
 存の家具に穴をあけるなんていうシチュエーションには無論対応できません。(左写真)

 電動工具メーカーの別売りのアクセサリーとして電動ドリルスタンドというものもあり
 ます。(右写真)
 これは電動ドリルの首の部分を固定して使うものですが、簡易型ボール盤とでも呼
 ぶべき物で、精度や安定性はボール盤には及ばずボール盤の持つ欠点はそのま
 ま継承しており、唯一の利点は安い(それでも1万円以上する!)という点でしょう。

 もうひとつ電動ドリルガイドというものがあります。(左写真)
 これは写真中央上部に見える軸をドリルチャックでくわえてやり、その両側の2本の
 鉄棒上をスライドさせて使う物で、市販価格は\6,000-\7,000位であるようです。

 特徴としてはボール盤や電動ドリルスタンドのようなふところと高さの制限がないの
 で、かなりのシチュエーションで使用可能であり、また斜めに穴をあけることも出来
 ます。  我々アマチュアの日曜大工用には、前の2つに較べて保管に大きなスペ
 ースを食わないことと価格も安いことがメリットになりえますが、私にとってはまだ高
 すぎる部類に入りますし、木口に垂直に穴をあけるのは問題があります。

 そこで自作しようと思考を巡らせてきたのですが、撓みを押さえ頑丈である事が高い精度の作業に繋がる
 ため、特に摺動部分を木工で実現するのはかなり難しく旨いソリューションが見つからず随分と時間が経っ
 てしまいました。
 しかし先般DVD/CD収納家具を作っている際に、「あっこれならば使えそうだぞ!」とのヒントをつかみ、
 それ以来思考実験を重ねて構想としてほぼまとまりかけています。

こんな次第ですから絶対に旨く出来るという保証はどこにもありませんが、作ってみない限りそれも判らないわけで私としては珍しく「考えながら歩く」手法をとろうとしています。 従ってご期待に添えない可能性もありますので、その点はご承知置き願いたいと思います。

目標とする仕様

現在目標としている仮称電動ドリルアタッチメントの仕様は次のようなものです。

使用する電動ドリル: リョービ FDD-1000に限定
最大穴径: 35mm
最大穴あけ深さ: 40mm
スライド部分: 3段式スライドレールを流用
角度調整: 材料面に対し垂直のみ
深さコントロール: ストッパーの設定により可能
たわみ等: 実用上支障のあるたわみ、がたの発生がないこと
総重量: FDD-1000を含み2kg以下?
目標材料費: \3,000.-以下
 
使用する電動ドリルをFDD-1000に限定していますが、そうすることで取付けの仕方は一種類だけを考えればよくなります。 何せ加工作業の98%以上といっていい位FDD-1000でこなしていますから、このための不都合はありません。

最大穴径についてはスライド蝶番固定穴をフォスナービットであけることを想定しています。 FDD-1000に対してスペックオーバーの使い方ですが、注意して使えば大丈夫です。

穴の深さについては20mmを越えるようなケースは稀で、その倍を取り敢えず見ておけばよいだろうと考えています。

スライド部分ですが、ここだけは出来合いの金属部品を使います。 DVD/CD収納家具製作時に浮かんだヒントというのは、そこで使った3段レールのがたの無さと最大荷重が大変大きいことで、これを電動ドリルの上下スライド部分に使えるぞ!と気が付いたわけです。 但しスライドレールはこの目的の為に設計されているわけではありませんから、より最適なものを探すのは結構大変です。(現在も調査継続中です!)

角度調整は材料面に対し垂直のみ!と割り切りました。 そうしないと撓みや強度不足になる可能性があるためですが、だからといって問題にはならないでしょう。

総重量は軽ければ軽いほどよいわけですが、どちらかというと期待値です。

目標材料費は\3,000以下としていますが、かなりマジな目標で、木部は恐らく手持ちの端材のみで作るようになると思います。  

現在イメージしている電動ドリルアタッチメントは構造上は別として、動作上は上で述べた電動ドリルガイドに近い物になります。 現在使えそうな或いは最適のスライドレールを選別中で、それが決定次第設計・製作の様子をご紹介しますが、そう遠くないと思われますのでご期待下さい。



2005/02/18

構想の続き

風邪の引きなおしでどうも大工仕事は無理なため(三半規管がやられているせいかノコギリが真っ直ぐに引けない!)、私が考えているアタッチメントの構想詳細をお伝えしようと思います。

まず使用するスライドレールの候補ですが、ATOMのF45-250が有力になっています。 スライドレールの種類は沢山あるものの、摺動部分に全くガタが無くてスムーズに動く物、必要充分な長さの物(長いとやたら背の高いものになる!)、耐荷重の高いもの、特注対応ではない物などが必要条件になります。 調べていくうちに一番短い物はレール長が250mmがもっとも短い物である事がわかりました。 そして2段式でもよいのですが3段式しかなくそれがF45-250ということです。

これは特注品ではありませんが、一般的には入手性が良くないと思われます。 長さ以外の寸法は、幅45mm、厚み12.7mmで嬉しいことに耐荷重がなんと55kgも取れます。 実際に使ってみないと判りませんが十分な強度と想像しています。

 そしてこれを元に現在イメージしている物を描きあげたのが
 左の図です。 極力構造や仕組みが判るようにと色分けし
 ていますが、全て18mm合板の使用を考えています。
 強度の高さと反りのでにくさを考えると他の代案は先ず無い
 でしょう。
 その色分けですが可動部分は黄色と緑に染めています。
 その他のオレンジ色の部分は不可動部分です。

 一番大事な摺動部分の断面を抜き書きしたのが右の図で、
 緑と黄色の板を接着した上下可動部分とコの字型の固定
 部分の間にはスライドレールが挟まれます。

 実に簡単な構造ですが、コの字型の固定部分が開くような
 撓みを生じない限りこの部分でやわい感じにはならないと想像しています。 またその開くようなたわみは
 レールが下のほうにある場合には発生しにくくなりますので、目標としている深さ40mm程度のの掘削で
 は問題にならないだろうと考えています。

左の図面を見ると最大150mmの上下スライド量を考えていますが、これは太い木工ドリル(例えば直径10mmを取り付けるときにはドリル長自身が100mm以上あるためゆとりを持って取り付けるためであり、掘削量の増大を期待している訳ではありません。

多分これで基本部分はよいと思うのですが、まだまだ検討しなければならないことがあります。 それらは、

 1.FDD-1000の固定方法。
   現在考えているのは締め付けトルク調整リングの部分をすっぽり嵌め込み、お尻の方に蓋を被せて固定という構造ですが、こ
   れだと水平方向に回転してしまう可能性があるので、もう一工夫せねばと思います。 もちろんFDD-1000を改造することなく
   取り外しが容易に出来なければなりません。

 2.掘削量ストッパー
   折角作るのであれば掘削量が設定できる方が便利です。 これをどのように実現するかが問題です。

 3.スタンバイ時のストッパー
   収納時はレールが一番沈んだところとしますが、実際に使う場合でスタンバイの時にFDD-1000は一番高い所に止まってい
   たほうが使いやすいはずです。 そのストッパーをどうするかを考えています。

 4.木口用アタッチメント
   今のままでは木口に正確に穴あけをすることは出来ませんから、木口に穴をあけるためのアタッチメントを考えなければなりま
   せん。 但しこれは完全に分離して作りアタッチメント本体には影響しない物を考えています。

今回の解説で私の魂胆がご理解願えたと思いますが、木部は端材だけで充分事足りると思います。 一番の出費は間違いなくスライドレールになりますが、それよりも先に触れた入手性のほうがもっと問題かもしれません。



2005/02/25

入手したスライドレール

先週お伝えした候補となるスライドレール(F45-250)がやっと手許に届きました。 届いたのが昨日で電話台の製作に集中していたこともあり、取り敢えず簡単なチェックだけをしてみました。

現物は250mmしかない長さにも拘わらず幅と厚みはもっと長いものと同じですからかなりずんぐりとした感じです。 重量は実測740gもありますので900gFDD-1000とその他木部を合計すると2kgに押さえるのはちと困難なようです。

摺動部分はスチールボールを使っているわけですが、合計で16個のスベリ具合は実にスムーズでこれは期待通りです。 但し次の3つの問題を発見しています。

第一はレールのストッパーで、3本のレールが最も縮まる部分にストッパーが2ヶ所あるのですが、プラスチックで出来たストッパーにレールが挟みこまれてロックされるようになっており、このロックにかなりの力が必要です。 ロックの解除にもかなりの力が必要でこの部分はお世辞にもスムーズに動くとは言えません。 詳しく構造を調べないとなんとも言えませんが、ストッパーの一部を削り落とすことで改善できそうな可能性があります。 但しこの改造をしたために副次的な問題が出るのかどうかはまだ不明です。

第二は撓みの問題で、レールの幅方向に曲げの力を加えても撓みやガタは全く感じません。 但し厚み方向は弱い力でも容易に撓むようです。 レールの本来の使い方ですと全く問題ないのですが、ドリルアタッチメント用としては問題です。
この問題はある程度予測していたので、厚み方向の撓み防止として2つのレールの間に18mm合板を挟んでその両側を更に18mm合板で挟む!というような構造を考えていましたから恐らく問題にはならないと思いますが、その場合でもレールがかなり引き出された状態では撓みは大きくなります。  従って実際に穴をあける位置でレールが最も短くなる状態の方が良いはずで、その意味ではレールの引き出し長が大きくても実際に使い物になる部分は10cm以内であろうと想像しています。
この辺はあける穴の目標最大深さを40mmにしていますから多分実用上問題ないのではと思います。

第三の問題は削り屑が摺動部分に入らないようにしないと、動作のスムーズさが短時間で失われる可能性です。 これについては実際に作りながら対応策を考えるしかないでしょう。

こんなところが気付いた点で若干の問題はあるものの使い物にならないということはないと期待しています。 レール詳細は以下の写真を併せご覧下さい。 できれば次週に製作開始の様子をお伝えしたいと思います。

F45-250が最も短くなった状態。 上が引き出し取り付け面で、下が本体取り付け面です。

最も伸ばした時。 総長は515mmにもなります。

最も伸ばした状態でのスチールボール部分両側に8個ずつ計16個のスチールボールが使われています。 動きは極めてスムーズ。

撓みの出具合。 これはメーカーにクレームをつけられる問題ではないのですが、使い方には注意が必要です。

矢印の先の黒い部分はストッパー兼ロックで衝撃吸収を兼ねたのプラスチック製ですが、これをレールが挟むような動きをするのでここで動きがカなり硬くなります。


 お知らせ:
 ここで紹介しているF45-250は製造終了となりFH45-250という後継機に変わっております。 ネジの固定穴の位置
 が変わりましたが、F45-250と全く同じ使い方が出来、F45-250にあったレールのロック装置の問題も改良されより使
 いやすくなりました。 詳しい違いの解説はこちらからご覧下さい。  またお求めはこちらからお進みください。



2005/03/04

素うどん仕様で試作

動作させてみなくては判らない部分が多々あるため、目標とする機能を全て盛り込んだ物を設計・製作する前に、主要な部分の動作を確認すべく、素うどん仕様の物を試作し試運転しました。

最終目標としている仕様のうち、掘削量のストッパー、スタンバイ時のストッパー、木口用アタッチメント、防塵構造は取り敢えず考えないことにします。  別な言い方をすれば、「安定して材料面に垂直に穴をあけられるかどうか?」 の試験と言ったらよいでしょう。
 使った材料は18mm12mmの合板で手持ちの端材を使いました。 部材の切出し寸法は左の図のとお
 りです。

 加工・製作上の面倒な所はFDD-1000の固定板を除きありません。 上下の固定板2枚には円又は楕円
 をあけ、後者の板では更にトリマーで加工する作業が面倒と言えば面倒な部分です。
 FDD-1000のお尻部分をこの加工で窪んだ所に嵌め込もう言うわけで、他にも固定方法は考えられるか
 もしれません。

 これで早速動作させて見ましたが、感触としては充分以上に使い物になることが確認できました。
 心配していたぐらつきや撓みはなく、もしかすると12-15mm合板に変更しても強度や安定性に問題がない可能性があるかもしれません。

レールのストッパー部分で動きが硬くなる現象は、実際の穴あけでのレールの使用位置では発生しませんので、気にすることなく使用できます。

この素うどん仕様でしたら半日で作れますし、「材料に垂直に穴をあける!」という目的は完全に達成できますから、余りややこしい機構はいらない!という方はこの通り作っても良いでしょう。 

試作品の製作の様子は以下の写真をご覧下さい。 また試運転の動画もご覧頂くことが出来ます。

加工で一番面倒な部分は、FDD-1000を挟んで固定する上下の板です。 上部の板は楕円なので型紙を貼りジグソーCJ-250)で内側の円に沿って切断します。

上部の板はジグソーでくりぬき後、コロ付きサジ面ビットSJ-20G)で外側の楕円に沿った窪みの曲面としました。 ここにFDD-1000のお尻が嵌ります。

支柱1スライドレールスライド板1スライドレール支柱1、のサンドイッチ構造になるよう、スライドレールを3.5φ16mm トラスネジで固定しました。 中央のスライド板が僅かに上に突出しておりこちらが前方です。(反対側は引っ込んでいる。) こうすればスライド板2と支柱が擦れません。

スライド板を少々移動させたところです。 ガタも無くスムーズに動きます。

次にスライド板2(黄色の矢印部分)支柱2(赤の矢印部分)を固定します。 仮止めに近いので35mmスレンダースレッドネジで固定しただけで、後でバラす予定ですから接着剤は使っていません。

台座を裏からネジ止めしました。 ここも接着剤はなしです。

スライド板を引き上げるとこのようになります。

スライド板2の裏側からFDD-1000を固定するドリル押え1ドリル押え2をネジ止めしました。 最終的には上の押え板は蝶番を使いますが、試運転では取り外しが簡単に出来ない構造にしています。

早速穴あけをしました。 直径60mmまでのドリルなら使えますが、FDD-1000ではそんなに大口径の穴は無理でしょう。

完成した動作テストの評価のためのアタッチメント。 充分な精度で垂直に穴をあけられます。 変な撓みやガタは全くありません。 
   作動試験の為に試作したアタッチメントのデモ

 動画によるアタッチメントの上下移動と穴あけの様子を、
 左の画像をクリックするとご覧頂けます。

 音声を聴くと判りやすいですが、最初にドリルの上下動
 のデモンストレーションを2往復お見せした後、穴あけ作
 業の様子をお見せしています。
 アタッチメントの台座は置いてあるだけですからアタッチ
 メント全体を移動すれば穴あけ位置の調節が可能です。

 (動画を見るためにはQuick Timeがインストールされて
 いる必要があります。 お持ちでない方は、こちらから
 無料版をダウンロードしてインストール後にご覧下さい。)

充分に実用になることが確認できましたが、重量は2.4kgとかなり目標をオーバーしています。 使用する板厚を薄くしてどの程度の減量が出来るか不明ですが、目標の2kgはやはり無理でしょう。  出来るだけ早いうちに掘削量のストッパー、スタンバイ時のストッパー、簡単にFDD-1000の取り外しがで出来る構造などを盛り込んだ最終的な設計と製作をしたいと考えています。

--- 続く ---



2005/03/11

掘削量ストッパーとスタンバイストッパーの設計

素うどんの電動ドリルアタッチメントに追加する機能で最も重要なのが穴をあける深さを予めセットできる機構でしょう。 その方法はいろいろ考えられるのですが、操作がややこしくなく使いやすく実用精度が安定して取れることが重要です。  主に寝る前にああたらこうたらと方式を思考実験する中でこれがベストでは?と考えたものをまとめました。

この方式の利点は、試作したアタッチメントを改造する範囲で作れること。防塵機能がかなり盛り込めそうなこと。僅かな購入部材で作れ製作難易度が高くはないこと。などが上げられます。

掘削量ストッパー

 早速その構造について説明したいと思います。  左の図はアタッチメントの一部を右側から見た所で、試
 作したアタッチメントのドリル押え1下の突出部を切断し本体支柱の周りに灰色で示したの字型の枠を
 被せてあります。 このの字の枠の高さは約55mmを想定しています。 そして枠の右手に見える蝶ネ
 ジで任意の高さに固定できるようにします。 また支柱の右面にはスケールが取り付けられフリーストップ
 で上下に移動できるようにしておきます。  ところでスケールの部分に青の縦線が見えますが、これは厚
 さ0.5-1.0mmの薄板を支柱前側に貼ってあることを意味します。 これが掘削量ストッパーの構造で、購
 入材料としては蝶ネジと鬼目ナット各2個程度で済み後は適当な端材で作れると思います。

 使い方の説明に入りましょう。
 ここでは30mmの板(空色で示した一番底の板です。)20mmの深さの穴をあけると想定して解説を進
 めることにします。
 先ず電動ドリルにドリルを取り付け材料の上に静かに載せます。 そしての字枠がスライド板2の下部
 に当るよう上にずらして蝶ネジで固定します。 最後にスケールを移動させ0mmのところ(赤矢印)
 字枠の上端に合わせます。 支柱全部に貼った板が露出してきます。 この板との字枠がレールのスチ
 ールボール摺動部分に直接削り屑が飛び込むのを防止します。


 次は電動ドリルを上方に移動しておきます。
 (後ほどスタンバイモードストッパーを組み込むのでそこで停止させるようになります。)
 の字枠の蝶ねじを緩めてスケールを見ながら掘削量だけ下にずらして(赤矢印部分ここでは20mmの深
 さとしている。)
蝶ネジをしっかりと締めこみます。




 これで準備OKです。 電動ドリルのスイッチを入れて穴あけを開始しストッパーに当るまで穴をあければ予
 め設定した20mmの深さの穴があくと言う次第です。

 簡単な構造ですが、製作上の注意としてはの字枠が電動ドリルが当った時に間違っても下にずれない
 ようにすることと、スケールのフリーストップ機構で、適度な力でスムーズに上下に動きながら、ちょっと触
 れた程度では動かないようなフリクションを与える必要があります。
 削り屑がスチールボール摺動部分に飛び込むことは支柱前カバーとの字枠のお陰でありません。


スタンバイストッパー

次に設計したのはスタンバイストッパーです。 
この機構の目的は使用しないときに電動ドリルを上のほうに停止させて置くことです。 何しろ極めてスム
ーズに上下しますので、これがないと電動ドリル本体は落下してドリルの先端が材料を傷つけたりドリルの先端を傷めたりする危険があります。 但しこれを解除する際面倒くさいと感じる操作を避けなくてはなりませんし、ストッパーにロックする際も特別な操作不要の機構を考えねばなりません。

これまた無数の方法が考えられますが、支柱の左の上部にグリップを付けこれがスタンバイストッパーと関連するような機構を考えました。 

少々脱線しますが、このグリップを何故考えたかというとBBSでも投稿があったように、このアタッチメントを
使用する際には材料に密着させる必要があります。 その為にアタッチメントの座板の張り出し部分を右側の足で踏みつけて浮き上がりを押えられますが、左側も足で押さえるというわけには行かないので、替わりにグリップを取り付けてやろうという魂胆です。

この構造の追加で市販品の電動ドリルアタッチメントに較べ安定性が増して、飛躍的に使い勝手が良くなるはずです。

さて考えた機構の動作の様子は右の一連の図をクリックしてご覧下さい。
一番上の図では電動ドリルを上方に引き上げようとしている所です。 次の図は更に引き上げるとストッパ
ーレバーにスライド板2に付けられたピンが当り、ストッパーレバーを押し上げ始めます。

そして次の図では押し上げピンがその上に移動し、バネの力で戻ったスタンバイストッパーレバーに引っ掛かり電動ドリルは停止状態となります。  最後の図は解除する時で、グリップを握った左手の人差し指で
ストッパーレバーの先端を下に押せば、ピンが外れて電動ドリルは下に移動できるというからくりです。

簡単な機構ですが特殊な部品は使わないで済むよう随分と頭をひねりました。 例えばスライド板2に付
く押し上げピンはニッケルダボを使うつもりですし、スタンバイストッパーレバーの回転軸は太目のタッピン
グネジを使います。 そしてレバーそのものは合板を切り抜いたものといった按配です。 
1箇所スプリングだけは入手が困難なシチュエーションがあるかもしれませんが、そんな時にはゴムバンド
でも代用できるでしょう。 

ともかくお金を掛けない! 再現性が高く容易に作れるように考えた苦肉の設計です。






2005/03/18

追加機構の製作1

先週お伝えした使い易くするための追加機構に関して優先順位の高い電動ドリル固定機構をすっかり忘れていたことに気が付き、今週はその機構と掘削量ストッパーについての製作の様子をお知らせいたします。  外観はまったく気にしていませんから無骨そのものの雰囲気ですが、自画自賛ながらそれら2つの機構は木製とは言え十分な強度と精度を保つことが出来ほっとしています。

尚詳細な寸法図などは掲載いたしませんが、F45-250 スライドレールをmini-Shpよりお買い上げいただいた方で是非とも同じ物を作ってみたいと思われる方には、全部材の詳細図面、構造参考図などをお送りいたしますのでメールにてご連絡ください。  但しスタンバイストッパー機構の製作確認が出来るまでそれら図面の送付は遅れますので(約1週間後でしょうか?)、ご了解ください。

それら製作の様子は以下の写真をご覧下さい。

電動ドリルを固定するのに使った部材。 通常の蝶番ではネジ止めしにくいので特殊な蝶番を使い、ロックにはパチン錠を使用した。

それらを使って組み上げた電動ドリルロック機構。

ロックされた状態で右横から見るとこんな具合である。

使い方を解説しよう。 先ずドリル押さえ板を上の方に上げておき、電動ドリルを差し込む。

そして押さえ板を手前に倒し、ドリルのお尻にすっぽり嵌るようにする。

次に左右のロック板を起こしてパチン錠でロックする。 電動ドリルは多少回転するが実働上の問題はない。 更に締め付けたければ、押さえ板に3mm厚程度のスポンジを貼ればよいと思う。

こちらはM6 20mmの蝶ネジと爪付きナット各2個。 掘削量ストッパーのロック機構に使った。

ストッパーの枠を構成する裏板に爪付きナットを叩き込んだ。 表面が出ては具合が悪いので、フォスナービットで1.5mm程削り込んである。

掘削量ストッパーの枠が完成した。 端材の合板利用だ。

蝶ネジを締めこんだところで、先端が2mm程出っ張る。

支柱2の中央に厚さ3mmの鉄板をエポキシ接着剤で貼り付けた。

掘削量ストッパー枠を装着。 蝶ネジの先端は鉄板に当たるため強固にロックできる。

素うどん設計からの手直しのひとつ。 スライド板1の下部を欠き取る必要がある。 写真にはないがスライド板2の下部も60mm切り落とす必要がある。

支柱前面下部60mmはプラスチック板をレールに貼り付け、切削屑が入らないようにした。

Excelで自作した正確なスライド目盛り板をプラスチック板貼り合わせで作り取り付けた。 目盛り板はフリーストップで上下できるようになっている。

掘削量ストッパー使用法の説明。 先ず穴をあける部材にドリルの先端を当ててやる。

掘削量ストッパースライド板2に当たるよう上げて蝶ネジを軽く締める。

そうしたらメモリ板をスライドし0mmの所が掘削量ストッパーの上縁にくるようにする。

蝶ネジを緩めて希望する穴の深さになるよう下げる。(ここでは20mmにセットした。) そして蝶ネジを十分に締めこむ。

穴をあけ始めこれ以上下がらないところまであけると(矢印)、そこが20mmの深さになる。

無骨な外観ながら(ドラクエに出てくるゴーレムみたい??)実用性、精度、強度はぴか一に仕上がったと思う。



2005/03/25

残りの追加機構

残るアドオンの機構はスタンバイ時に電動ドリルを上方に固定させる機構です。 これまた木工で解決しようと言うことで、少々無骨で大げさな外観となりますが、12mm厚合板でカムを作りこれにスライド板2に取り付けたピンが引っかかるようにしました。

このカムの動く範囲はグリップにより制限されるような設計になっています。  カムを外すにはグリップを握った左手の親指でカムを動かせるという簡単ながら結構合理的な構造です。 そしてアドオン機構の構想で紹介したものとはかなり異なっています。

そのグリップはアタッチメントを製作しながら追加したもので、BBSへの書き込みにもあるようにこのタイプの電動ドリルアタッチメントは穴あけの際浮き上がるような力が発生するので、しっかりと材料面に押し付ける必要があります。
そのために台座の右側を脚で押さえつけるのがひとつの手ですが、更に確実にするため左側上方にグリップを追加したわけです。

これにより更に安定した穴あけ作業が出来るようになります。 材料は厚さ20mmの板を幅30mm、長さ110mmに切断し角をカンナとヤスリを使って丸くしました。 これを木ダボ2本を使い木工ボンドで接着しました。 大げさかもしれませんが中型クランプを使って圧着しています。 ここにはグリップを折るような力がかなり加わるはずなのでこのようにしており、安易にネジ止めだけで済ませるのは不十分だと思われます。

カムの回転軸はM5の六角ボルトを使い支柱側面に鬼目ナットを埋め込んでここへねじ込みます。 この鬼目ナット穴は貫通穴ではないので、ボルトをねじ込むと底当たりします。 そして更に締めこんできつくなったときにボルトの表面が15mm飛び出るようボルトを切断しました。

こうしておいてカムをボルトで固定する際2枚のワッシャーをカムの両面に挟んでやると適度な隙間が残りながら、ボルトが緩んで来るようなことはなくなります。  更にグリップ背面には燐青銅板を切断してネジ止めしカムが常に前方に押されているようにしました。  (燐青銅板の入手性は余りよくないので、ゴムバンドを使って同じようなことをやらせても良いと思います。)

スライド板に固定したピンはの木ダボで、現在は穴に差し込んだだけで接着もしていませ。  今後いろいろ使ってみて強度不足であれば穴を広げてニッケルダボに置き換えるかもしれませんが、今のところ問題はありません。

これで一応完成です。 多分各部の強度的に問題が起きる個所はないと想像しますが、数ヶ月使ってみて改良すべきところがあればそれらを施した上で分解し(そう、大半の部分はネジ止めや両面テープで固定しただけですから、グリップを除いて完全にばらすことが可能です。)、お化粧を施すなり、もう少し外観的にも完成度の高いと言うか見られるものにしたいと思います。

唯一の問題は重量でして最終的には2.8kgと目標だった値を40%もオーバーしてしまいました。 それとこのアタッチメントの一部ではないのですが、木口に穴をあける際のジグを作る事が残っていますが、これはまた日を改めてご紹介いたします。

ということで、初期に設定した目標を重量を除いて達成した電動ドリルアタッチメントの製作終了までの様子は、以下の写真をご覧下さい。

スタンバイストッパーを追加するための部材。 M5のボルトは25mmを現物合わせで短くしています。

木ダボ2本を併用し木工ボンドで接着しました。 中型クランプで圧着しています。

カムをボルトで固定し、スライド板にはピンとして木ダボを使っていますが、今現在は差し込んだだけです。

左から見た様子。 グリップの根元がカムが余計に回転しないための巧妙なストッパーになっています。

グリップの根元背面には燐青銅版を切ったバネを固定し、カムを常に前方に押すようにしています。

実際に操作するときはこんな具合です。 グリップを握った左親指でカムをピンから外せ、ロジカルな使用感になっています。

完成した電動ドリルアタッチメントを前方左右から見たところです。 製作の難しいところはありませんし、スライドレールを除けば入手しやすい材料で安く作れますから、垂直穴あけの抜本的な解決策として自画自賛ながらほぼ完璧と言える構造・設計だと自負しています。

----- 完 -----


ここで使っているスライドレールF45-250)は製造終了となり、全く同様に使える改良版後継機のFH45-250 2本を、
税込み\1600.-(取り付けネジ込み)で販売しています。

垂直穴あけで悩んでいる方! 製作難易度が高くなく、市販品より格安で使い勝手が遥かに良いこのアタッチメントの製作を是非ともお試しください。   ご希望の方はこちらからご注文頂けます。

尚スライドレールをお買い上げの方でご希望の方には、設計図面全材料の詳細寸法図面構造図面などをMS Excelのファイルで差し上げますので、注文書のコメント欄に書き添えてください。(註: マッキントッシュでは正しく読み取れません!)

 
  
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