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木口テープの使い方
2004/09/03

 木口テープとは?
 木口テープ(こぐちてーぷと読む)は天然木を桂剥き(かつらむき)のように薄くはい
 でから所定の幅に切断したものである。 その厚みは0.45mmと薄いもので、貼り
 付けるには接着剤を塗って貼るタイプと粘着剤が付いているものに分けられる。
 天然木から作るから木目の種類は木材の種類と同様多種多様であるが、着色無
 しでは板の面の部分と同じか似かよったものとしないとおかしなことになるが、
 ステインで着色するのであれば、木目や色味にあまり拘らなくても良い。

 木口テープを日曜大工で使ったことある方はかなり稀なのではないかと思う。
 それもそのはず私が車で30分ほどで行けるホームセンターは10店舗近くあるの
 だが、天然木の木口テープを売っていた店は店だけ。 プラスチック製のそれら
 しき木目が印刷されたものを売っているところが5店舗だった。  そして売ってい
 ても25mm5m巻きで\2,500.-と大変高価だったしパッケージには埃がたまっ
       (50mロールの木口テープ)        ていた。
                                                     (赤ラワン用とシナ用の35mm幅木口テープ)
しかしこの木口テープという材料を私は長年の間日曜大工において簡単に扱えて
外観を飛躍的に良く出来る有効な材料として考えてきた。
何故ならば合板、ランバーコア等アマチュアが使いやすい板材の美しくない木口の化粧用として有効なだけでなく、工芸用の材料としても高いポテンシャルを持って
いる。 工芸用にどのように使えるかはその実例を近いうちに紹介したいと思うが、実に簡単に出来る本来の目的である木口貼りの方法をご紹介したい。

ただ貼った白木のままでも良いのだが、経年変化で継ぎ目に残る僅かな粘着剤に
ごみが付着して汚らしくなることがあるので、基本的にはニス仕上を原則と考えた
方が良い。 仕上にペイント塗りつぶしは折角の美しい木目を殺すことになるので
常識的には考えられない。

またお奨めは粘着材付きのものだ。 接着の安定性では専用の接着剤を使う方が良いのだが、加熱温度の高いアイロンが必要になったり、接着剤が木目に沁み込
んでステインの着色斑やニスの塗装斑の原因になるので、粘着剤付きのほうが    (裏紙の部分。 これを剥がして貼るだけでよい。)
遥かに扱いやすいからだ。

mini-Shopでは粘着剤付き22mm幅と35mm幅で3種類の木目のものを10cm
単位の切り売りで販売しているが、テープ幅については貼る木口の厚みにたいし4mm以上というのが、メーカーが推奨する使い方だ。 その理由は非常に重要な
ので、以下を注意してお読みいただきたい。 

長い木口面にテープを貼る際、テープが木口面を覆えないよう徐々にずれてくる。 そうならないように貼りながら少しずつテープをひねって修正するのだが、このよう
なブレが多少あっても問題ないよう板の厚みよりもテープ幅を大きくする必要がある。 それがメーカーが推奨する4mm以上というわけだ。

よって22mm幅テープは18mm厚以下の合板用、35mm幅テープは31mm厚以
下の合板用ということになる。


ところでその修正の為に既に貼った木口テープを一端剥がして修正するのは基本的にやってはならない。 木口テープに使われている粘着剤は極めて強力であり一端貼ったものを剥がすと、木口の木部が剥がれ木口テープの粘着面にくっ付いてしまう。 そのようになった木口テープを再び貼ろうと思っても、粘着力は大幅に低下してしまう。

万が一剥がして粘着力が弱くなった木口テープを再び貼るには木工ボンドが有効なようだが、はみ出た木工ボンドは濡れ雑巾で完全に拭い去って欲しい。 さもないとステインやニス塗りでその部分が白っぽく浮き出てしまうからだ。

実は何件か「粘着力が弱いのですが?」との問い合わせを受けたことがあるのだが、詳しく伺うと一度貼ったものを剥がして貼りなおしたために起きたものであった。 似たような意味で木口テープを貼る前に木口に切断した時の木屑が残っていないようブラシでよく払っておくことが肝要だ。


さてぐだぐだとのたまうよりも例によって写真でお目にかけた方が理解は早いと思うので、スピーカーの台座225mm x 225mm x 27mm)の木口処理をご覧頂きたい。

この参考例では15mm12mmの合板を貼り合わせ27mmとしたものに木口テープを貼ろうとしているが、単板でも要領は同じである。

最初の大事な処理は木口面を平らに滑らかに仕上ることで、ノコギリの切断面は不可! 替刃式木工ヤスリ
M-20GPの使用は作業効率と仕上がりの良さで抜群である。

M-20GPで仕上げた後は削り屑を綺麗にはらっておこう。 触ってみるとつるつるしていて粘着剤の付き具合は最良となる。 

手持ちの30mm幅の木口テープを使ったため27mmの木口用にはかなり神経を使った。   
テープ幅が4mm以上広い方が貼りやすい。

貼る面毎に若干長めにテープを切断する。 一度に折り曲げながら4面を貼ることはしない方が良い。 (コーナーがシャープに仕上がらなくなる!)

裏紙を剥がしてテープ端がはみ出るように貼ってゆく。 貼った面は硬質ゴムローラーを押し付けながら転がすと良いとされるが、指で上から均等に強く押さえても十分である。

木口テープの木目と直角方向の切断はハサミがやりやすいが、使っているうちに粘着剤で切れ味が悪くなるので、時々ペイント薄め液でねばねばを拭き取ってやる。

木目と平行なはみ出しはカッターナイフで切り取るが、若干0.2-0.5mm)の切り残しがある方が仕上がりは良くなる。(ハサミで切る場合も同様)

角の成形と仕上は再びM-20GPの出番。 紙やすりで仕上るよりもシャープな感じになり作業性も良い。

貼り終った角部分のクローズアップ。 一面辺りの作業時間は10分程度で終わる。

木口テープ貼りが終了したスピーカーの台座。 27mmのムク材を使っているように見え、価値観が大幅に上がる。

以上のように決して難しいところは無い。 この例では 長さ225mmの木口8面を貼ったわけだが、225mm x 8 = 1800mmで若干ゆとりをいれて35mm幅テープ 2mを購入したとしても、mini-Shpだと\600.-で買える。 是非とも一歩進んだ仕上にチャレンジしていただきたい。



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