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プランター ボックス3
2008/09/12

構想

 左は2004年6月に完成したプランターボックス2のその当時の写真です。 既に4年以上経過し
 ていますが、塗装に使ったガードラックは大変高性能で、2年経った後に塗りなおしをし現在に
 至っています。  認められている変化は褪色で製作した当時の鮮やかな色はもう残っていま
 せんが、木部の腐れは全く認められませんので、3回目の塗装をして更に頑張ってもらおうかと
 考えています。

 ところでその前に作ったプランターボックス11輪車型プランターボックス
 は別な塗料で塗られていますが(ある有名メーカーの油性屋外塗料を前
 者に、同じメーカーの水性屋外塗料を後者に。)
、後者はもうかなり前に
 腐ってボロボロになり廃棄しました。 前者も辛うじて立ってはいるものの腐れがかなり進行してもうお払い箱は間近だと思われます。(右の最新の写真参照。)

ということで、プランターボックスがひとつずつ消えていってるわけですが、それにつれて塗料の実際のの性能の差がはっきりと確認できています。(これだけはメーカーの謳い文句をそのまま信用できない領域です。 上記の性能の悪い塗料は信じられないことですが多くのホームセンターでまだ販売されています。 消費者の利益なんて全く不在の世界です。)

余談は兎も角プランターボックスが減ってしまったので、新しい物を作ることにしました。 そして新たなフォルムの物をひねり出そうとしたのですが、プランターボックス2はいくら時間が経過しても自画自賛ながら素敵な形だと思っているので、これを継承しながらプラスチックのプランターを使わない、つまり土を直に入れるタイプに変更してやろうという魂胆を持ちました。

その理由としてはプラスチックが見えるのがやはり嫌なことと、塗料の防腐性能が極めてよかったので濡れている状態が続いても大丈夫ではないだろうか?と考えたからです。  特に3段式植木鉢台に使ったウッドパーフェクトガードラックとの比較の中で同等の防腐性能が確認できた上に褪色性能も極めて良い結果を既に得ているので、ウッドパーフェクトで新たな実験を!という想いもあります。

さて前置きが長いですが、プランターボックス2のフォルムを継承しながら土を受け止められるような構造とします。 無論日曜大工入門向けのテーマとして難易度の高いやり方は駄目です。 効率良い板取りも含め現在あれこれと構想を練っている最中で、多分次週にはそれらを紹介出来ると思います。



 2008/09/19

 設計詳細と製作開始

 構想をまとめるにあたりかなり時間を要してしまった部分があります。 それは板取を良くしたい
 ということと、底の部分の構造と使用部材でした。 部材を物色した所水捌けを良くする為に多
 穴加工された金属板は販売単位が90 x 90cmでも千円を超えてしまいます。
 厚手のプラスチック板も同様で材料費を\1,000以内に収めたいと考えていたため困りましたが、
 更に色々な材料をと歩き回った所プラダンを発見しました。

これはプラスチックで出来たダンボールで、これなら90 x 90cmで\380.-で済みます。 但しプラダンは腐る心配はないものの強度が余り取れませんし、縦方向と横方向の曲げ強度がかなり違います。(通常のダンボールと同じです。) 従って固定の仕方に工夫が必要です。 その為に前作のプランターボックス2に比べるとどうしてもワンバイフォーを使う部材が増えますので、カットアンドトライを何度か繰り返す中で、全長を750mmから700mmへ、幅を5mm詰めることで、何とか3枚のワンバイフォー材に収めることが出来ました。 これで部材コストはなんとか\1,000.-に収まりそうです。(塗装を除く)

上の図が全体の寸法図で、ひとまわり小さくなった以外はイメージ的にプランターボックス2と全
く同じです。 但し内部の構造は柔らかなプラダンの板を受ける部分がありますので、右の図の
ようにちょっぴりややこしくなっています。 以前は1本の棒を縦に入れてこれでプランターを受け
ましたが、今回はそれを2本にして最下部の側板に貼る細い棒の桟2本と共にその上にプラダン
の板(空色の部分。)を接着します。

図を見るとプラダンを下から支えていない部分の長さが44-45mmとしてありますが、この程度の
長さであれば土の重みでプラダンが抜けることはないでしょう。 またこの44-45mmの部分に10φ
の穴を適当にあけて水抜きとしてやるつもりです。

 ワンバイフォー材は3枚使うと申し上げましたが、その板取は左の
 図のようなものです。
 板取効率としては無駄が少なく最高の部類になるのではないか
 と思われます。

以上で設計は終了としいよいよ製作に掛かりますが、私は冒頭に述べたようにプランターボックスが間もなく2つ減少することになるのと、製作過程で紹介する実験をするために同じ物を2台製作することにしました。


製作開始

 購入部材は2台分でワンバイフォー材6本とプラダン1枚
 (900 x 900mm)ですが、ワンバイフォー材の縦引きは購入した
 ホームセンターに依頼しました。 その際に提出した切断指定図
 面は左のとおりです。 既にご覧頂いた板取図とはかなり趣が
異なっており、縦引きの切断は全て依頼しながら、横引きを極力減らすように(切断コストの節減。)考えたものです。

こう書くと、横引きを節減したいのであれば、右の図のほうが良いのでは?と疑問を持たれる方もいるでしょう。 理論上はそのとおりですが、実際に右側の図面で依頼したら、恐れをなして引き受けてくれる可能性は先ずないと思います。

何故そうなくかと言うと縦割りにして板幅を43mmにするという点にあります。 この43mmはどこから来たかと言うと、(89mm-3mm)÷2、にあります。 これは無言のうちに切り幅3mmのノコギリで89mm幅の板を誤差ゼロで半分に切断する事を意味しています。 これだけでも恐ろしく厳しい指定ですが、更に長さ1820mmのワンバイフォー材が完全に真っ直ぐというのは先ずないので、真っ直ぐにしか切断できないパネルソーで切断すると、長い板の中央では切断誤差が増えてしまいます。

少々話が変わりますが、私はパネルソーによる切断において0.5mm程度の切断誤差は止むを得ないと思っています。 ということは真半分に切断したつもりでも、切り離した板幅の違いは1mm出てしまいます。 作品によってはこれはまずいのですが、今回のようなテーマの場合には致命的な問題にはなりません。 但し1820mmの長さのワンバイフォーを切断するとなると幅方向の曲がりが少なくとも1mmはあるのが普通です。 そうすると0.5mmの切断誤差で作業できる技術があっても、板の中央では1.5mmの誤差に拡大し、その部分での両方の板幅の違いは3mmとなります。 無論こんな大きな誤差は容認できません。 それが判るから恐れをなして引き受けてくれなくなるわけです。

一方左の図の場合には予め700mmの長さで切断してから縦半分に切ることにより、1820mmで反りが1mmあった板でも700mmになれば反りは1/3近くに減少します。 そうすれば最終的な切断誤差の増大はさほど問題ではなくなります。 実際のところ私が切断をお願いしているホームセンターでは切断誤差の最大値が0.5mm程度ですので、左の図面なら余り良い顔をしなくても何とか受けてくれるだろう?との読みをして依頼したわけです。

ちょっぴりこむずかしい話になりましたが、パネルソーの作業者の技術があっても発生する切断誤差の問題もあるのだ!!ということを頭に入れていただきたいと思います。

もうひとつ切断指定図には一番上の板だけ端を約5mm落として700mmの切断を2回するようになっていますが、これは板の端は切り口が汚くて直角度も怪しいことから来ています。 但し2番目と3番目はいきなり350mmや1210mmで切断するようになっています。 これは後ほど350mmで切った物は300mmに、1210mmで切った物は229mmを2枚、221mmを2枚、そして300mmを1枚を自分で切り出し、汚い端の部分を切り落とし、同時に直角出しをします。

ということで、部材を購入と同時に一部の切断をしてもらい、我が家にて2次切断までを今週は致しました。 それらの様子は以下のとおりです。

購入した部材。 縦引き切断は全て終わっているが、横引きはまだ終わっていません。 尚左端に見えるのはプラダンの一部です。

プラダンの断面のクローズアップ。 紙製のダンボールと同じで中空構造で、厚みは実測で4mmでした。 当然ながら通常のダンボールと異なり水分でふやけたり腐ることはありません。

切断は全て10cm以下の横引き。 こんな場合にはソーガイドと翔265による切断が定番で、作業性が良く切断精度、直角度も抜群です。

2次切断が終了しました。 1セット分だけ並べて写真を撮ったつもりでしたが、なんと赤X印の2枚は余計でした。 この後斜め切断と曲線切断の3次切断作業に続きます。



2008/09/26

製作 2

3次切断加工となる8本の側板の先端を丸く切断する作業と脚の丸め切断に入りましたが、初心者にとってこの曲線切断は曲率が小さいだけにこのテーマで一番難しい作業になるかとお思います。 しかしこれらを丸く加工するのとそうでないのとは仕上がった時のイメージに月とスッポンの差が出てしまいますので、切断精度はそれ程シビアーになる必要もないこともあり是非とも格好の練習の場としてチャレンジして欲しいと思います。 切断には電動ジグソーを使いますが、ここで使用しているCJ-250は低重心設計のために曲率が小さな切断で制御しやすいです。 後ほど動画での切断状況をご覧いただけますので、参考にしてください。  尚曲線切りののコツについては、こちらでも解説していますので、併せお読みください。

残る3次切断加工は8枚の側板を固定する台形を逆さにしたような部分ですが、ここをソーガイド併
用で切断することは出来ませんので、電動ジグソーCJ-250)を使って切断しました。 先ほども
触れたように低重心設計でコントロールしやすいので、直線もかなりの精度で切断可能です。

右の図が斜め切断をするための図面ですが、229mmと221mm幅で切りだした板の板幅をカンナ
で削って86-87mmとなるよう予め調整しておきます。(幅の寸法はそれほどシビアーではない。)
そして端を図面に従って斜めに切ります。 これも少し外側を切った上でその後にM-20GPで仕
上げてやります。

殆どのワンバイフォー材は長手方向の面取りがされています。 但し縦半分にした材料は片側の面取りは自分でやらないとなりません。 丸く切断した部分も同様です。 この面取りをやらなくても機能的には問題ないのですが、美的感覚上は是非ともやっておきたい所です。 後ほど面取りをした場合としない場合の写真をお見せしますので、どちらにするか良く考えてください。

易しいテーマとは言えこれらの細かな加工作業は結構時間が掛かりますが、難易度が高くなるわけではないので、落ち着いてやれば容易に進められます。  それらの様子は以下の写真とコメントをご覧下さい。

小さな曲率切断には、私の定番となったCJ-250とその付属の高性能ブレードを使っています。

とは言え、いきなりドンピシャ切断は無理ですから、線の少し外側を切ってゆくのがポイントです。

 
 直径43mmの円切りは少々熟練を要する所ですが、低重心設計のCJ-250とそれよう
 に設計された高性能ブレードの組み合わせにより以前に比べると格段に楽です。

 左写真をクリックすると動画でクローズアップした切断がごらん頂けますが、30Mbt近
 い大きなファイルで読み込みに時間が掛かりますので(20-30分位)、写真の上でマウ
 ス右ボタンをクリックし、「対称をファイルに保存」を選ぶと、動画ファイルをダウンロー
 ドしてパソコンに保存できます。 その後にそのファイルをクリックしてご覧下さい。

 左手親指で切断方向のガイドをしている様子が判りますし、切断速度は直径43mmの
 1/4周(33.8mm)を約25秒で終了していますので、秒速約1.35mmとかなり遅いことが判
ります。 またCJ-250に関しては、こちらの解説も併せご覧下さい。




そうしてこれまた定番の替刃式ヤスリM-20GP)で研磨してドンピシャに仕上げます。 強研磨しても平面が崩れることなく、アルミダイキャストのボディーの安定性は抜群です。

研磨終了した状態です。 屋内用のニスで仕上げる場合には更に仕上げ研磨が必要ですが、屋外使用であれば十分な状態になりました。

左側2本の直線部分は面取りがされていますが、右側の2本は直線部分が面取りされていません。 曲線カットした部分も面取りされておりません。

それら面取りがされていない部分を直線部分はカンナで削り、曲線部分はM-20GPで面取りをしました。 この方が綺麗に見えると思います。

こちらは脚の部分で、予め面取りされている側の角を曲線切りしています。 右2本は逆さにしたもので、こちらの長手直線部分は面取り不要です。

曲線切りした部分と短い直線部分のみM-20GPで面取り加工をしています。

幅229mmの板と幅221mmの板を並べて切断線を書き込みました。 中央部分は端から3mmの所に線を引き切断して幅を詰めます。 切断にはCJ-250を使います。

先ず中央部分の切断をして2枚の板の幅を86mmに詰めています。 その後カンナで仕上げました。 面取りされていた部分が無くなっています。

更に電動ジグソーで板両端の斜めの線に沿って切断し、M-20GPで仕上げました。 直線の組み合わせですが、緩いカーブを描いています。

2次、3次切断と面取りは結構時間が掛かりますが、曲線切断以外は難易度が高い作業ではないので、丁寧に進めたい所です。 これで組立作業に入れます。



2008/10/03

製作 3

いよいよ組立てに入りました。 締結部は水に濡れることが多く木工ボンドは耐水性がないので殆どネジを使っています。 ワンバイフォー材は標準の板厚が19mmですから2枚の板を重ねる場合には35mm、一部3枚重ね部分には55mm、板を木口に固定する部分では45-50mmを使うのが適当でしょう。 また無造作に締結するとネジの頭が見えてあまり美しくないので、極力ネジの頭が目立たないように工夫しています。

ネジ締めにはこれまた定番のFDD-1000を使いました。 50mmまでのスレンダースレッドネジは太さが3.3mmですので、硬い材料でもない限り全く問題なく締めこめます。 ところで私は穴をあけずにネジ締め作業をしていますが、ネジ締めが容易になる、ネジ締め方向がずれにくくなる、上の板にひびが入ることが減少する、2枚の板間の締結力が上げ易いことから、少々面倒かもしれませんが初心者には特に穴をあけておくことをお奨めします。 この時は上側の板のみに3φの下穴を木工ドリルであけます。 下の板に穴をあけてしまうと締結力が下がってしまいます。 

また板と板を重ねて締結する場合、板を手で抑えて動かないようにしようとしても、板が浮き上がったり、締結位置がずれたり、あるいは締結後に板と板の間に隙間が出来てしまうことが発生する可能性が高く、これはいびつになる、撓みが発生する、強度が不十分などの原因となります。 これを避けるには前述の穴をあけること以外に重ねた板をクランプでしっかりと挟みこんだ後にネジ締めすれ良いです。

また板を木口に固定する場合には締結位置のずれ防止のために隠し釘(36mm)で仮締結し、その後ネジ締めをしてから隠し釘の頭を叩き落すと位置のずれない正確なネジ締めが可能です。 ネジ締め作業に十分慣れたり、コツを掴めるようになれば別ですが、初心者がよい出来栄えを求めたいのであれば、後ほどの写真もよくご覧になって実施してみてください。

CDの部材を並べて、Bを締結する位置を線引きしました。 Bの上端はCの上から40mm下がった所になります。

そしてCBを先ずネジ締めにて締結しますが、固定位置を確認後クランプでCBをクランプで締め付けてからやります。 こうしないと位置がずれる可能性が高いです。 使用ネジは35mmでネジの頭が僅かにCの面より沈んだ所まで締め付けます。

CDの間に隙間が出ないよう位置決めをしてからやはりクランプでDBを挟んでネジ締めしています。

Bの下側にFをネジ締めします。 3本のネジがへの字型を描くようにするのが大事です。

もう一枚のFをその上に載せて位置を調整しクランプで挟んで強く締め上げてから55mmのネジを締めこみます。 このネジは一番下の板にまで届きますが、クランプでしっかり挟んでおかないと板と板の間に隙間が出易くなります。

ところでネジの位置は上の写真とは上下が逆さになったへの字型です。 こうしてやれば最初に締めこんだネジと干渉することは起きません。

2組の端のブロックが完成した所です。 左側は表面から見たところで、ネジの頭は全く見えませんが、右側は内側の面であり、ネジが沢山見えます。 但し土を入れてしまうと脚の部分の3本のネジ以外は見えなくなります。

2つの側板部ブロックに上端のACCの間隔が594mmになるようネジ止めしますが、各部それぞれ1本のネジだけ固定します。(後で直角度を確認後残りのネジを締めます。)

同様にして反対側のAもネジ止めいたしました。 まだ締結強度はかなり低いので壊さないように取り扱いに十分な注意が必要です。


 註)以下4枚の写真はネジ締結の際にネジ位置がずれないよう隠し釘を使う方法について触れていますが、上の板に下
 穴をあけておくと更に有効に作業が進められます。




EBの裏面に固定する際、接合位置が決まったらネジ位置から少しずれた部分に36mm隠し釘を打ち込み仮締結します。

そうしたら隠し釘から遠い方のネジ位置にネジを締めこみます。 その後隠し釘の頭を横払いにて玄翁で落とします。

隠し釘の頭を払い落とした後の状況です。 ぽちっと隠し釘の軸部分が見えると思います。

そしてもう1本のネジを打ち込みます。 こういった手順で接合部分がずれないようネジ締めを容易に実現できます。 同様にもう1本のEも固定します。

ここまで出来たら捩れがないか、或いは直角度が出ているかをこのように曲尺で確認し、問題があったら修正を加えてそれらを無くします。

そうしたらAを固定する各部のもう1本のネジを締めこんでしまいます。 更に他のAもネジ止めしてしまいますが、その前にもう一度捩れが出ていないか? 直角度が出ているかを確認した方が良いでしょう。

これで本体の組立ては完了です。 これまでの作業手順どおりに組み上げれば、妙にいびつになったりがたついたりするようなことはないはずです。

こちらは組み上がった内部の様子です。 各部材の位置関係を良くご覧下さい。

まだプラダンの底板を受ける桟を貼り付けておりませんが、ネジ止めで組み上げる部分は終了しました。 



2008/10/10

製作 4

 底板となるプラダンを受ける部分は4本ありますが、端側の2本は適当な棒を切り出さないとなり
 ません。 但しこれを貼り付ける面は傾斜していますので、この棒の断面は台形となります。
 この台形の斜面となる部分の角度がどの位になるのかを計算したところ約75度であることが判
 りました。 左の図をクリックするとその計算根拠をご理解願えると思います。

 さて問題はこの断面が台形の棒をどうやって作るかです。 作業難易度が高くならないようにい
 ろいろ考えましたが、電動ジグソーを使って斜め切断をするのが一番作業性も良いのではとの
 結論に達しました。


この辺りは右の図をご覧願えば判りますが、板から先ず斜め切断
で1本目を切り出し、次に直角切断で2本目を切り出し、再び斜め
切断で3本目、最後に直角切断で4本目と4回の切断作業で終了し
ます。 これを例えば斜めの面をカンナで削って作る場合には、棒
を切り出す切断回数は同じですが、その後にカンナで削る作業は
余分になりますし、所定の角度に仕上げるのも結構難しそうです。

 問題は斜め切断をどうやってやるかで、私がイチオシでお奨めのCJ-250は斜め切断が出来る
 構造になっておりません。 そこでジグを作ることにしました。 こう言うと「そんな面倒な!」と尻
 込みする方が居るかもしれませんが、ごく簡単な構造で、4mm厚の合板端材を10mm幅に切断
 したものを適当な棒に貼り付けただけです。
 75度の角度で切断できるカラクリは左の図をご覧になれば理解できると思います。 ポイントは
 図の中で青字で記した37mmと10mmにありますが、電動ジグソーをこのようにピンク色のジグに
 沿わせると、電動ジグソーの台座は傾きますが、垂直面からの傾きは、Atan(37÷10)=74.9度
 で、ほぼ75度になります。

今回の斜め切断の角度精度はシビアーではなく±2度程度の誤差は全く問題にならないでしょうし、直線性も厳密な正確さは必要ではありません。  従って気楽に斜め切断の練習問題のような気分でお試しください。 尚製作するジグは図のピンク色で示した部分で4 x 10 x 600mmの合板はもうひとつの棒に木工ボンドで接着してやりますが、後ほどの写真を見れば更に理解し易いと思います。

こうして出来た断面台形の棒はエポキシ接着剤にて底部に接着します。 木工ボンドは水分に弱いので使用不可です。 そしてプラダンをカッターナイフで切り出して底部に嵌め込んで終了です。

塗装に関しては屋外木部用塗料として高性能さが十分に確認できたウッドパーフェクト2回塗りとしました。 水性タイプですが乾燥時間が長いので、二回目の塗装は4時間後としました。  またニ回目を塗った後一晩寝かせて完全乾燥させてから実使用に入りました。

これがジグです。 簡単この上ない構造で、4 x 10mmの板を別な棒に接着するだけ。 長さは600mmあります。

棒を切り出す板(長さ600mm)の上にジグを載せて所定の位置にクランプで固定しました。

ジグはご覧のように切り出す板の端から37mmの位置になるよう調整してやります。

斜め切断中の様子です。 CJ-250の台座の片側は4 x 10mmの板の上に載り且つその隣の棒の面に台座の端全体を接触させながら切り進みます。

斜め切断をした棒の端です。 切断角度誤差はあまり気にしないで済むので角度測定もしておりませんが、後ほどの写真を見れば判るとおり問題ありません。

棒の接着位置を容易にするための予備作業。 底の内寸を測りますが、内側目盛り付きのコンベックス(ここではTL16-3は、いきなり直読が可能です。

測った長さ(ここでは194mm)に端材を切断しクランプでこのように固定します。

接着剤はゆっくり作業できるため90分効果開始型のエポキシ接着剤ですが、接着する面は直線性が良くなく凸凹しているので充填効果があり水にも強いためで、木工ボンドは全ての意味で適切ではありません。

本体を逆さにして棒を接着しますが、先ほどクランプで固定した3本の受けがあるため、接着位置にまごつくことはありません。

5時間後にクランプを外してやりました。 矢印の先はほぼその上に載せた板に均等に接触しています。 正確な75度に切断できているわけではありませんが、実用上全く問題ありません。

製作組立工程の最後になりますが、プラダンを現物合わせでカッターナイフにて切り抜き、さらに水抜き穴(約10 x 10mm)を21箇所あけて底部に挿入しました。 私は園芸関係の知識はありませんから、水抜き穴の量が十分かどうかについてははっきり判りません。 プラダンは置いてあるだけですが、容易に折れ曲がることはないだろうと思います。

今回使ったウッドパーフェクト ブラウン色。 他のテーマで高い防腐性能が十分に確認できた水性屋外用塗料としてはピカイチの塗料です。

一回目の塗装が終わった所です。 ニス塗りとは異なり、綺麗に仕上げるよりも隙間やネジの周りなどを始め、たっぷりと沁みこませる事に意を払わねばなりません。

ニ回塗りをして完成です。 浸透力が極めて高いため1回目でかなり染み込む為か着色濃度は上がりませんが油脂分の凝固により艶が出てきました。 プランターボックス 2のイメージそのままですが、色を濃い色に変えましたので、今後様子を見る際に間違えることはありません。 実際の使用ではボックス内部は常に湿っているわけですが、4-5年は腐れなど発生することなく使えるでしょう。

塗装を含む総材料費は\1,300.-位ですから、1年も持ちそうにない既製品に比較し自作ならではのご利益がありそうです。

----- 完 -----



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