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新設計電動ジグソーの実力
2004/03/05

 リョービから発売された低重心設計の小型電動ジグソー(CJ-250)をテストした。
 テストした一番の目的は、mini-Shopで自信を持って販売できるかどうかという点
 にあったのだが、昨年の10月にD.I.Y. Showで試したこともあり、ポテンシャルの
 高さは気付いたもののこれを販売するということは考えてみもしなかったので、一
 通りのテストをした次第。  特に小型(= 非力?)ジグソーの限界みたいなものを
 探りたかったというちょっと意地悪な面もある。

 そのスタイルは誠にユニークでアザラシのタマちゃんのようでもあり、馬の鞍部分
 を思い出させるような従来にはない独特のフォルムであり、これが全く新しい操作
 性を生み出している。 

 右の写真はこのフォルムを完全に
 生かしきった握り方である。

この握り方で切断してみると軽量なため反動で浮き上がりが起き易い筈なのだが実に安定した切断が可能だ。  また別項で解説している正しく曲線切りをするテクニックで説明している捻りの力を頭を握った左手で与えやすい。(この時右手は前進のスピードをコントロールするわけだ。)

この辺りを的確に伝えるのはなかなか難しいが、鉛筆を短く握った方が鉛筆を長く握った場合よりも字を正しく書きやすい!というのと同じ理屈で、低重心設計に極めて密接な関係がある独創的機構だと思う。(これはリョービの受け売りではない!)


 左手の親指は電源スイッチにかぶる
 ので、ON/OFFの操作は左手親指でやることになる。  但し柔らかな防塵カバー
 がついているためか、ON/OFFの操作性はあまり良いとは言えず慣れの問題が
 あるかもしれないが、CJ-250の数少ないウィークポイントであるように思う。
 (左写真参照)

 一方右のような握り方もあり、この
 方がなじみやすいかも知れないが、
 切断の安定性/制御力は上の場合
 に較べ落ちる。 使い慣れて来てか
 ら試された方が良い。


 変わった使い方として左のように逆
 さに握っての切断も可能。
 このような使い方が必要なシチュエ
 ーションはかなり稀だと思うが、その
 実例は後で紹介しよう。



 さてこのCJ-250のスペックの一部を紹介すると、

 消費電力:160W、ストローク数:2100/分、ストローク量:16mm
 最大切断能力:(木材25mm) (非鉄金属3mm)、
 重量:0.95kg  とある。

アマチュア用の高級機となるYJ-50Vと比較すると消費電力は半分以下、ストローク数は約2/3とスペックからもパワーは大きくないし、木工の切断能力も半分しかない値だ。 それじゃあ実際に使ったらどうなのかという点に関しては後にまわすことにして、私は0.96kgという軽量さを高く評価したい。 アマチュア用の高級機が1.4kg、プロ用ともなると2kgを越すので、この軽量さはすごい。

これだけ軽いと女性や子供でも楽に使えるはずだ。  但し軽いということは必ずしも良い面だけではなく、ジグソーブレードが上下して切断する際に発生する本体を上下にゆするような反動を吸収する能力が低くなる。  この点でプロ用はその重みが持つ慣性のお陰で反動が少なく安定した切断がしやすい。  但し軽量設計のこのCJ-250の場合グリップ位置が低くしかも両手でホールドできるため、その反動を押さえた切断は容易で軽量であるための不安定さは感じられない。

各部を見て気が付くことはまず直角切断専用になっており、台座を傾けることによって角度切りが出来るようにはなっていない。  これはコストを下げるためであろうが、だからといってこれが弱点になるとは私は考えていない。 なぜならば正しい角度切りをジグソーでやるのは至難の業であり実用性は殆どないといってよいからだ。 

 ブレードの固定法はこれまでに見か
 けないもので、前方から締め付ける
 2本の六角ボルトによる。

 そしてこの取り付け方法は簡単確
 実ながら実にうまい設計となってい
 て、3種類ある違った取付部形状の
 ブレード総てが使用可能なのだ。

 このコラムの前回の電動ジグソーと
 使用上の注意
で触れたばかりなの
 だが、何しろブレードの取り付け形
 状を気にしなくて良いということは特
      (3種類の取り付け部分の形状)        に初心者にとっては優しい配慮だ。  (ブレード取り付け部 ボッシュタイプを付けてみた。)

 更に親切なのはブレード固定に使う六角レンチを電源プラグの近くに挟んで置ける
 ようになっていてここへくくりつける習慣さえ身に付ければどこかに入れ忘れてしま
 ってうろうろする心配もない。 (左写真)

 ジグソーの刃が左右に曲がるのを押さえるバックアップローラーも付いている。
 最近の電動ジグソーはこのバックアップローラーが必ずついているが、私はこのロ
 ーラーで刃の曲がりを押さえることは期待しない方が良いと思う。 というのは刃が
 左右に曲がるような切断の仕方に問題があるのであり、それを防ぐテクニックを身
 に付けるのが最優先と思うからだ。

 小型軽量で比較的安価な部類に属するジグソーでもあるのに拘らず、何と後ろに
 集塵口が付いている。 ここにリョービが別売している集塵機に専用のホースを介
 して接続すれば屋内で使用しても切り屑が部屋を汚す量を押さえられる。

台座の四隅には直径4.5mmの穴があいており説明書によれば、
「自作した円切りガイドを取り付け円が切れる。」とあるのだが、私はこの穴を
利用して小さなテーブルの下から逆さにジグソーを取り付け、糸ノコ盤の代わりに
使えると私は睨んでいる。(これはD.I.Y. Showの時にアイデアとして浮かんだ。)

 そのうちに実験をしてみたいと考え
 ているが、これがOKだと懐の長さに
 制限がある糸ノコ盤と違った使い方
 が出来るという大きなメリットがある
 のだ。
 (但し切断可能な曲率は糸ノコ盤ほ
 どは取れない。)



 付属するブレードは新設計の本目立て仕上円切り用で、この価格帯ジグソーの付
 属ブレードとしてはアンバランスなくらい上等な物が付いている。 しかしこういった
 ブレードを使って初めて曲率の小さな円切りをきれいな切り口で実現できるのであ
 って、安けりゃよいという他の製品では考えられないこだわりを感じた。 (左写真)

さて実際に切断して見た時の結果については次の一連の写真をご覧頂きたい。

独特のフォルムを生かした標準グリップスタイル。 これでジグソーの反動を押さえられ、安定した切断が可能。 曲線切りの捻りは左手で与え微妙な調節が楽に出来る。

慣れたきたら、また直線に近い時はこのスタイルでも良い。 ジグソーの反動や振動を押さえるには材料面に押し付ける力を加えることになりが、それが無理なく可能。

逆さに握り高度テクニックの下穴無しの切抜きを試した。 台座先端を材料に載せて支点とし、ゆっくりとブレードを材料に当ててやる。

ブレードが材料に当たりだしたら少しずつジグソーを手前に引きながらブレード切込みを深くして行く。 これを急にやるとブレードが折れるので注意。

さらにジグソーを手前に引きながら切り込みを深くして行き貫通するまで続ける。 ジグソー本体が左に移動したのがお判りだろうか?

貫通したら一旦停止して通常の切断方法に変更しそのまま切り抜いて行けばよい。 同じことはこれまでのジグソーでも可能だが、より自然なグリップで作業できるのが特徴。

付属の刃と他の刃ののテストを切断精度は気にせず直径50mmの円抜きを12mmシナ合板で試した。 左上は安い円切り用で、木目に対し逆目となる部分で周辺にバリが出来る。 右上が付属のブレードで切断したものでバリが出ていない。 左下は間違って買ったボッシュタイプの円仕上切り用、右下は私がもっとも愛用している円仕上切り用。 何れもリョービ付属のブレードより高い物だが当然ながら切り口周辺にバリが出ていない。

切り口のドアップで雑に切ったから段差は無視して欲しいが、きれいな仕上がりであり、塗装前のペーパー掛けも楽だ。

この切り口だと塗装前のペーパー掛けにかなり手間が掛かるし、周辺のバリも丁寧に落とさねばならない。

ボッシュタイプの円仕上切りだが高価だけのことはある。(ボッシュの純正ではないサードパーティー製。)

これは私の常用しているブレード(mini-Shopで販売しているNo.22)だが、最もきれいな切り口で、リョービの付属ブレードはこれに匹敵する。

締めくくりとして言えることは新たな発想によるこの電動サンダーは非力な女性やお子さんでも安心して使えるお奨め品だ。 無論ベテランにもサブとして小回りの効く使い勝手を生かした利用法はおおいにある。 円切りのコントロールがグリップ位置と切断している部分との距離が短いせいか大変容易に出来るからだ。 但しストレスなくきびきびと切断できる板厚は15mm位までのような気がする。 無論更に厚い板も切断可能だが通常のジグソーよりも所要時間が掛かると思っていた方が良い。 

このジグソーの登場で安全性が高いこともあり、それこそ家族揃って和気あいあいの日曜大工が可能になったと思う。
またこれを使うのであれば純正の円仕上切り用ブレードはMUSTの組み合わせだ。

註: 紹介したCJ-250及びCJ-250に純正替刃2枚付きセットは、mini-Shopで購入可能です。

    CJ-250こちらから、 CJ-250 + 替刃2枚のセットこちらからどうぞ。




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