HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop


電動ジグソーと使用上の注意
2004/02/19

前回お伝えした手引きノコギリと共に木材を切断する道具として電動ジグソーは必ず欲しい道具です。 その理由は曲線を切断するという点でありこれだけはゼットソーも全く手の及ばない所です。 他にも刃を交換することにより金属やプラスチックの切断にも使えますし、何と言っても電動工具の中では安全性が非常に高いのもありがたい点です。

その構造はきわめて簡単でモーターの回転運動をピストン運動に変換しそのピストンの先に刃(ブレード)を取付けたものです。 メーカーの説明ではジグを使えば直線もきれいに切断できるという説明がされていることもありますし、台座を傾ければ角度切りも出来ることになっていますが、これが実際にやってみるとなかなかうまくきることが出来ません。 その詳しい理由は省きますが、基本的に直角の曲線切りに特化して使うほうがよいと私は考えます。

最近では電動ジグソーも価格が大変こなれなかには\3,000台で購入可能なものも出てきていますが、買うのであればもうひとつ上のレベルの無段変速機構付のものをお勧めしたいと思います。 回転速度を可変することにより材料に適した切断速度で作業できるのがそのメリットですが、もうひとつは電動工具使用の初心者(特に女性)にとって高速切断作業は恐怖感さえも伴いますので、それを緩和する意味で無段変速機構はあり難いです。 更に最大回転速度のリミッター付であれば日曜大工においては万全と言えるでしょう。  一例としてはリョービYJ-50Vはその一例で、日曜大工教室でも採用し女性にも好評でした。

電動ジグソーによる円切りの解説はこちらで詳しく触れていますので参考にして下さい。 ここではメーカーの説明書やホームセンターの店頭で明快に説明されていない交換用のブレードについて突っ込んだ説明をしたいと思います。

交換用ブレードについて最も信頼性の高いブレードはメーカーの純正品と言えるかもしれませんが、価格の点からか実際に店頭に並んでいるのは複数メーカーの電動ジグソーに互換性があるというサードパーティーのブレードが多いようです。 例えばパッケージを見ると、「日立、マキタ、リョービ兼用」 「日立、マキタ、リョービ、ボッシュ兼用」 「ボッシュタイプ」 など様々な表示がされていますが、これらの表示だけで選ぶと使えないことが発生する可能性があります。

重要なのは先ず使っている電動ジグソーのブレード固定部分がAタイプかそれともBタイプかを特定する必要があります。 他にここには図示していないボッシュタイプがあります。

Aタイプのブレード挿し込み深さは約10mmで、日立、マキタ、リョービ、ブラックアンドデッカー何れでも価格の安い一般用はこのタイプのようです。 ブレードの固定方法は1本のネジでブレードの横から押し付けるように固定し、もう1本のネジで前後のブレを押さえる構造になっています。

Bタイプの場合には実測していませんが、ブレード形状からして差込み深さは15mm程度あると思われます。 固定法はネジをブレードの貫通穴に通して締め付けるようになっており何れのメーカーも重いプロ用の強力なジグソーに採用されている構造です。

図示していないボッシュの場合独自のワンタッチ脱着法を採用しており他社との互換性はありません。

そしてブレードのほうも取り付け部分の形状で3種類ありますが以下の図をよくご覧下さい。

2種類のブレード固定方法。 一般用ではAタイプが殆ど。
私の使用しているのもこのタイプ。 大きな違いはブレードを差し込める深さが大きく異なり、Bタイプではブレードに穴の開いている物でないと取り付けられません。

ブレード取り付け部の形状は3種類ある。 私の手持ちを実測したらブレード幅は1/4インチ(6.35mm)になっているようで、どのタイプのブレードも一応挿し込めるのだが??

結論を先に言ってしまうと、

Aタイプの取り付け方法の場合、最適なのはネジ押し付けタイプのブレードです。  
Bタイプの場合ブレードに穴が開いているネジ貫通止めタイプでないと取り付けられません。
ボッシュのジグソーの場合にはボッシュタイプと記載されているものしか取り付けられません。

こんなことを申し上げる実例を私が25年使っている電動ジグソー(日立のFJV-50)で失敗例を説明しましょう。


実測した3種類の取り付け部の形状のブレードですが、これら形状の違いは取り付け上の相性におおいに関係します。

ネジ貫通止めタイプ(左写真の一番左側)を私のジグソーに取り付けるとご覧のようにネジ穴が見える位置で止まり、横方向の力で簡単に折れる。

2種類の円切り用ブレードですが、左は「日立、マキタ、リョービ、ボッシュ兼用」と記載してあったボッシュタイプ。

そのボッシュタイプを取り付けたら刃の根元までが飛び出して使い物になりませんでした。 「日立、マキタ、リョービ、ボッシュ兼用」とはどういう意味??

一般用の電動ジグソーでベストの形状は「ネジ押し付けタイプ」。 左から鉄工用、円切り用、合板用でこれら3本があれば取り敢えず十分。

予算が許せば両面を研磨した木工仕上げ切り用そして木工仕上げ円切り用のブレードが追加できれば尚良い。

電動ジグソーのブレードは2枚セットで販売されている物が殆どですが、サードパーティー製のものは十分確認して購入しないと意外な落とし穴があります。 総てのタイプを完全に展示してある例は稀で、上記の写真で示した実例は偶々最適なものがなかったため多分使えるだろうと買ってはみたものの、簡単に折れてしまったとか使い物にならなかった失敗例を表しています。  このあたり無駄が起きないよう十分注意されたく思います。



Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.