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電動ジグソー円切りジグ 1
   
2008/12/05

構想

省エネ電気スタンド製作では合計42枚の薄い円盤を切り出さなければなりません。
その円盤の殆どは直径が異なりますが、切断精度を守れないとその後の研磨作業
が極めて厄介なことになります。 同様の方法でクリスマス用テーブルランプを以前
に製作していますが、その時には工作台に電動ジグソーを逆さに固定した物で切断
しました。 しかし現在使っている工作台は天板が2倍の厚みになってしまったため、
同じようなやり方をするには不適切です。

もうひとつ問題があって電動ジグソーを固定する際の調整が大変厄介でした。 この
調整を怠ると線引きした通りに切断できず失敗することが多くなります。

こんな状況を考えて一過性の円切りジグを作ってやろうと考えたのがこのテーマで
す。 ここで一過性と申し上げたのは、4mm厚のシナ合板の切断で大きさは50mm
から200mm弱の円盤切断が出来れば良く、製作が短時間でできるものが必要だっ
たからです。                                            切断ジグはこの電動ジグソー(CJ-250)専用で作ります。

より汎用性を高めたり微妙な調整が容易に出来るものは改めて近いうちにご紹介したいと思いますが、基本構造としてはここで紹介するものから大きくは変わらないとおもいます。

最初に省エネ電気スタンドを作ることだけに特化し仕様を次のように決めました。

切断可能範囲は直径が50mmから200mmまでの4mm厚円盤で、切断時には中心にの穴があく。

円盤の中心に6φの穴があくのは切断半径をきちっと制御するためです。 従って中心に穴無しの切断は出来ないことになります。 円盤の直径は切断ジグが大きくなっても構わなければ大きくすることは可能ですが、今回は直径166mmまでの円盤が切り出せればよいので、若干のゆとりを見て200mmとしました。 また板厚が大きい場合には調整がかなりデリケートになりますが、4mm厚限定だと製作は容易です。


電動ジグソーで何故真っ直ぐに切りにくいのか?

電動ジグソーが宿命的に持っている真っ直ぐに切りにくかったり断面が斜めになってしまう原因の根本については、こちらで解説しています。 その結論から言うと、電動ジグソーのブレードが切断方向に対して完全に平行であれば、あるいは円切りの場合には円の中心からブレードの切断点まで引いた線に対しブレードが直角方向に取り付けられていれば、これらの問題はかなり解決できます。

更にブレードの前後幅が短い板厚が薄い切断速度が遅いブレードの切れ味が極めて良いの4点が備われば100%に近いところまで問題は解決できるでしょう。 後者の4点は実際使うする電動ジグソー及びブレードと作業そのものの問題ですから、切断ジグ自身で最も重要なのはブレードの取り付け角度調整機構ということになります。

 今回製作した切断ジグの構成は大変簡単で、300mm x 600mm、厚さ14mmの板に小さな長方形の
 穴をあけその中心位置にジグソーブレードが来るよう電動ジグソー(CJ-250)を裏に固定します。
 この電動ジグソーには固定用のネジ穴が4箇所ありますがこれらは使わずに小さな木片を使いネジ
 止めしました。 こうすることにより電動ジグソーの取り付け位置(回転方向)の微調整が出来るよう
 になります。

 緑の部分は円を切断する材料を押さえる部材ですが、ここに6φのピンを埋め込んでおき、切断前の
 材料中心に6φの穴をあけてこのピンに差込み本体に被せて左右にスライドすることにより所定の直
 径に設定できます。 尚この部分はセット後に動かないよう手前にM4のボルト2本を使ったロックを
 付けました。 図では直径170mmの円を切り出した時を想定して青紫色の円で表現しています。

 実際にこのジグを使う場合にはこの図の右側に座ることになり
 ますが、円切りの場合には切断している円の切断点とは反対
 側を左手の指で押さえ且つ切り出す材料を回転させますので、
 小さな円でも操作できるよう緑色の押えは変わった格好をして
 いますが、反対側は直線です。 そしてこの面は直線切りの
 ガイド面としても使えるようになっております。

 この切断ジグには脚が全くありませんが、高さが419mmある
 作業台2台の間に載せてクランプで固定します。 そうすると
 全体の重量がかなり上がりますから作業が安定するでしょう。 また使わないときには電動ジグソーを外せば厚みが35mmしかありませんから、収納に苦労することもないと思います。                                               CJ-250の底面。

この切断ジグに使うジグソーはリョービのCJ-250で専用設計です。 このジグソーは私が所
用する2台の中で最も使用頻度が高いだけでなく、台座の4隅に4φの穴があいておりネジで
固定するのにたいへん好都合であり、後ほど製作予定の汎用型の設計にはこれが好都合
になります。 付属の円仕上切りブレードは切れ味が良く、上で述べた前後幅が短いことと
鋭い切れ味
の2点が満足されます。
(CJ-250に付いての詳しくはこちらをお読みください。)

唯一の泣き所は切断スピードを可変できない、切断能力がそれ程高くないという点にありま
すが、前者については送り速度の調整でカバーできますし、後者については今までの経験
では18mm合板まではストレスを感じることなく切断できるので実用上の問題はなく、もう一
台所有している大型のジグソーの出番は5%程度しかありません。
                                                         付属する大変優秀な円仕上切りブレード

製作の詳細

大変簡単な構造で一部の押さえるべき重要点を除けば製作上難しい所は全くありません。 写真撮影をしながらゆっくりと一工程ずつ確認しながら進めましたが、一日で製作は完了しました。 従ってこの図面通りに作るのであれば、半日で作業は終わると思います。 それらの詳細は以下の写真と説明をご覧下さい。

小さな長方形の穴をあけた300 x 600 x 14mmの板の裏に電動ジグソーを4個の木片で固定した様子。 ネジを少し緩めればジグソーの位置(上下・左右・回転方向)を微調整できます。

ジグソーは裏に付いているので表面には穴から出たブレードが見えるのみ。 その上に切断ガイド/押さえ板が載り、矢印の2本のネジでそれをロックします。

切断ガイド/押さえ板を外してひっくり返しました。 細い棒は木工ボンドとネジで接合してありますが、板の部分と正確に直角になるよう取り付ける必要があります。

これは手前側のアップですが、M4の爪付きナットを埋め込みM4のボルトを捻じ込んでロックする構造になっています。

切断ガイド/押さえ板とブレードは完全に平行になるよう裏のジグソーの固定位置を調整する必要があります。 取り敢えずは目で見て平行になるように設定しておきます。

そうしたら端材を使ってテスト切断します。 手が載っている切断ガイド/押さえ板に切断する材料を沿わせて30cm程切断し切り幅が一定であればOKで、狭くなったり広がったりしたらジグソーの固定位置を調整して切り幅が一定になるよう追い込みます。


 ここまで出来れば直線切りのジグとして十分に実用になります。 切断ガイド/押さえ板を左右にスライドして所定の切幅
 に調整すれば、正しく直線切りが出来るようになります。 試作の例では板厚12mm程度、幅300mm位までであれば、
 ジグソーの簡単な位置調整で切断できることが確認できていますが、切断速度はゆっくりの方がよろしいでしょう。




円切り用ジグとするための追加加工を切断ガイド/押さえ板に施しました。 3つの矢印がその部分です。

切断ガイド/押さえ板を浮かせてやるための下駄として、4mmと2.7mmの合板を切断して貼り付けています。

中央部には6φの鉄製のピンをエポキシ接着剤で埋め込みその周りに2.7mmの下駄(白い部分)を貼り付けました。 尚片側をえぐって小さな円でも切断しやすいようにしています。

追加加工を施した切断ガイド/押さえ板をセットしました。 若干浮き上がっているために4mm厚の板(中央の細い物)がきつからず、緩からずで隙間に入ります。

真上から見た状態ですが、埋め込んだ6φのピンの中心と切断ガイド/押さえ板の右側のなす角度が90度となる線上に、ジグソーの刃先が来るのが標準状態になります。

ここまで出来たら2台の作業台の間に載せてクランプで固定してテスト切断に入ります。

テスト切断の手順。 約180mm程の円になる材料の中心に6φの穴をあけジグにセットしました。 矢印は材料の回転方向を表します。

テスト切断中の写真です。 この時ブレードが垂直方向に上下しているのなら問題ありませんが、標準位置では普通ブレードは内側に傾いてくることが多いです。

テスト切断1回目が終わった所。 切断が進むに従いブレードが内側に傾いて(倒れて)きたため、切断半径が最後のほうでは小さくなりました。

その段差が出来てしまった部分。 因みにノギスで測ったところ、1.3mmの段差となっています。 ブレードの刃先が僅かに外を向くように調整して2回目のテスト切断をします。

ブレードの角度を僅かに調整した後のテスト切断後。 同じような段差がまだ発生していますが、その量は若干減り1mmとなりました。 更にブレードの向きを調整してテスト切断を繰り返します。

円切り前の材料の予備加工時に傷を付けてしまいましたが、数回のテスト後に段差が発生しない切断が可能になりました。 更にもっと小さな円切断でも問題が生じなければ、本番の切断作業に入ることが出来ます。

以上の作業過程とテスト切断、ブレードの方向調整を経て円切り作業が簡単に出来るジグが完成しました。 切断時の注意点は切断速度で、出来るだけゆっくり切断することに心がければ、誰がやっても同じ結果になります。

冒頭の方で申し上げた近いうちにご紹介しようと考えている「より汎用性の高い切断ジグ」とこの一過性型は切断精度での違いは殆どないと思います。 違う点はより厚い板厚への対応、ブレード角度の容易な調整、ブレード前後位置の容易な調整、曲線切りと直線切りの容易な切替、そして中央に穴をあけなくても対応できる構造などです。

註) この後省エネ電気スタンドの続きに進まれたい方はこちらをクリックして下さい。


----- 完 -----

 
  
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