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LEDランプ P6
   
2014/02/28

構想

4年前に少しずつ仕様を変えたポータブルLEDランプを一度に5種類製作しましたが、それらの何れも実際に使用に供することはありませんでした。 そうなってしまった原因は、5種類のLEDランプの実働比較テストをご覧いただくと判りますが、最後の方で新たな仕様について触れており、時間が経ってくると何れも中途半端で使い物にならないように見えたからだと思います。

4年を経過して東北大震災があり次の大きな地震について囁かれる中でそのような災害時に役立つ準備のひとつとしてコンパクトなLED懐中電灯をそろそろまとめねばと考えています。 具体的な構想の前に中途半端ではない仕様とはどんな物かを一度整理してみます。

1.大きさ
  ポータブルといっても非常用に使うのが目的ですから小さくする事にそれほどこだわりません。 ポケットに入れたのでは
  ちょっと大き過ぎるくらいででもよいと思います。 但し厚みは薄く20mm以下にしたいところです。 LED ランプ 5は140 x 38 x
  23mmでしたが、これの二回り程度小さい大きさあたりという感じでしょうか?

2.電池
  本体の厚みを20mm以下にするとなると手に入りやすい3mm厚の板を加工しないで使うとなると、電池の太さは14mm以下に
  なります。 単三電池は直径が15mmありますから単四電池か単五電池或いはボタン電池が候補となりますが、ランニング
  コスト、入手性、充電池となると単四が有力な候補になります。

3.動作寿命時間
  長いに越したことはありませんが連続使用で2時間以上としたいと思います。 パナソニックの技術資料によれば単四アルカリ
  乾電池で2時間の寿命というと連続で約300mAの消費電流となっているので300mA以下がひとつの目安になります。

4.LEDのタイプと使用本数
  LEDに砲弾型を使うかFlux型を使うか定かではありませんが、Flux型は半値角が大きめで90度以上の物が多く懐中電灯とし
  ては不向きに感じます。 砲弾型であると15度から60度程度までの半値角になっており適しているように思われます。

  動作条件は大半がVf=3.0V、If=20mAですので1本辺り60mWの消費電力で乾電池を3本(平均出力電圧3.6Vと考える。)を使う
  と1080mW以下に消費電力を抑え込むことが目標になりますがエネルギー変換効率を70%とすると 1080 x 0.7÷60 = 12.6です
  から、最大12本辺りが駆動可能なLED本数のガイドラインになってきます。

そんなこんなでLEDやDC-DCコンバーターで使用候補になりそうな物をとインターネットで物色中に面白いLED駆動回路とLEDを見つけました。 それらを組み合わせると上記の仕様を満たしてくれそうな懐中電灯が出来そうです。 よってさっそくよりつっこんだ構想を練ることにしました。

構想の詳細をお話する前に発見したLED駆動回路とLEDについて触れておきましょう。


LED駆動回路
ストロベリーリナックスと言う販売店が取り扱っている多数の『LED駆動回路基板』の中に、リニアー
テクノロジーのLT3593というLEDドライバーを使った物があります。 販売価格は税込み\882.-です。
右がその写真ですが、この駆動回路基板の大きさは10 x 10 x 3.5mmと大変小さくLEDを直列に接続
し最大12個まで20mAの定電流で駆動できます。 最大変換効率は80%とかなり良い値です。
詳しくはこちらをご覧下さい。 またリニアーテクノロジーの技術資料はこちらです。

駆動回路としては、LEDランプ 5で使った自作の駆動回路と同じような定電流駆動動作をするタイプ
です。 但し最大出力電圧が38Vも取れるので最大12本のLEDを駆動出来る点と、とにかくその小さ
さにびっくりしています。 これなら単四との組み合わせでも組み込みスペース確保は容易でしょう。

半値角35度のLED
こちらは私がLED購入をしている販売店で見つけました。 NSPW510HS-K1という日亜のという5φの砲弾型LEDです。 35度という半値角はこれまで使ったことがありませんが、半値角15度のNSPW500GSは4本使って1mの距離で110ルクスの明るさでした。 そして明るさは十分な物の照射角がちと狭すぎるなあとの感想をもっていました。

それに対し約2倍強の角度になりますから同じ発光効率のLEDであれば約1/4の25ルクス程度の明るさになりますが、これではちょっと暗いので本数を2倍の8本にすれば50ルクスになり、50cmの距離では200ルクスですから実用性のある明るさになってきます。 これで明るさが不充分であるなら半値角15度のNSPW500GSに変更するかNSPW500GSNSPW510HS-K1のミックスという手が考えられます。 無論駆動本数を10本、12本と増やす検討もあります。(サイズが大きくなるが?)

取り敢えずの構想内容
大きさを小さくしたいので単四3本を考えています。 電源電圧としては2.7V〜4.5Vとなりますが、販売店の説明では2.4V〜5.5Vとありますので丁度良い感じですが、電池スペースを4本分確保して1本分は駆動回路を収めるのに使います。(LEDランプ5と同じ考え方ですが、電池は単三から単四に変わります。)

LEDは5φのNSPW510HS-K1(35度)とNSPW500GS(15度)、3φのNSPW300DS(20度)とNSPW310DS-b1V(50度)の4種類を候補とし、実働テストをしたうえで使用本数も含め結論を出すつもりです。 3φを追加したのは同じ面積への実装本数が増やせる点にあります。

付属回路として2色LEDを使った簡易電圧インジケーターを組み込んでやります。 これまで赤青の2色LEDをこの目的で使ってきましたが、3φの赤・黄緑LEDが手に入るのでこれで実験して見たいと思います。 この場合、黄緑→黄色→赤と変化するはずなので感覚的に色の変化がより判りやすい感じになると思います。

それと少々欲張りですが、ケースのカバーを外すと電池交換のみならず駆動回路が見えてしかもその取り外しも出来るようにしてやります。 こうすると修理がしやすくなりますし、興味ある方に駆動回路を見せることが容易になります。

現時点での構想詳細は右のとおりです。 全長が123mm、全高が29.5mm、全幅が17mmで体積としては61.7cm3です。 スイッチが出る面を上面とすると内部は2階建て構造で、1階には電池が2本長手方向に入りその上の2回には後ろ側が電池、その前に駆動回路が入ります。 そしてその前面に5φLEDが8本、または3φLEDが11本組み込まれます。 駆動回路基板は1階と2階の仕切り板に沿わせて右側から挿入し奥まで入ったら上にスライドしてスイッチのノブを天板の穴から出してから基板の下に抜け止めの楔を入れるという手順で着脱が出来るようにします。

図中金色とピンク色の部分はケース外側の板ですがピンク色の部分はL型のカバーになっており、前側には爪を取り付けて本体に差し込みブレ止めとした上で背面でネジにて固定されます。 上面図を見ると右側のピンク色のL型でカバーの様子が判ると思います。 これらケースの材料はお馴染みのアガチスを使います。

 一方駆動回路は左のようになっており、DC-DCコンバーター部分はモジュールを使います
 ので非常に簡単です。 唯一の調整個所は電圧低下に従って色が変化するポイントの調
 整で、半固定抵抗を使います。 図で示した抵抗の定数は想像で入れてありますから実験
 にて確認した上で最終と致します。 2色LEDも赤・青で描いていますが、赤・緑がうまく動
 作すればそちらに変わることになります。 基板上の高さはスイッチは別として5mm以下に
 しないとならないので、トランジスタ(2SA1050GR)は曲げて基板に接着してしまいます。
 回路図ではNSPW510HS-K1で描いていますが他のLEDへの変更は自由で使用本数も8〜
 12本の間で選べます。

ここまで進んできたのでこのLEDランプLEDランプ 5に較べてどの位コンパクト
になるかを見るため、上の構想図から外形を描き出しLEDランプ 5の構想図に載せ
てみました。 半透明の緑色が今回構想しているLEDランプですが、大幅に小さく
なっています。 因みにLEDランプ 5の体積は118.1cm2ですので、半分近くになり
ます。 勿論こんなに小さく出来た理由は、単四電池と5φLEDの採用、超コンパク
トなDC-DCコンバータが使えることにあります。

 基板のレイアウトも検討しており左の図がそれですが、丁度うまい具合に駆動回路がまと
 まりました。 高さを押さえる為抵抗はチップ抵抗を使いトランジスタは折り曲げています。

 波動スイッチは最も小さな物で電流容量がメーカーのスペックによれば2回路並列にしても
 80mAしか取れないので、不良になりやすい部品としてはこれが最右翼になる可能性があ
 ります。 一方LEDの基板は5φLED8本が左側で3φLED11本は右側になります。

消費電力と電池の寿命についても検討しておきます。 NSPW510HS-K1
メーカー発表のVfが2.8Vとかなり低い値です。 これを8本直列に繋ぎますので
駆動電圧は22.4V、駆動電流は20mAですから消費電力は0.448Wとなります。

DC-DCコンバータの平均変換効率を70%としておくと電池の消費電力は0.64W
となります。 これにより電池が新しい時には143mA程度の電流が流れ、電池
の寿命が尽きた時点では237mAの消費電流になります。 仮にそれらの消費
電流の平均値が200mAであったとすると、パナソニックの公表データ(右の図)
からすると3時間強の寿命時間になります。

一方NSPW500GSを使った場合Vfは3.0Vですので駆動電圧は24V、消費電
力は0.48W、DC-DCコンバータの変換効率が同じであるとすれば電池の消費
電力は0.69Wです。 従って新品の電池で153mA、電池寿命時に256mAの消
費電流になります。 平均の消費電流を215mAとすると3時間調度くらいの電
池寿命時間になります。

実際の値はテストしてみないと判りませんが、下回った値になっても2時間以下
ということは先ず無いでしょう。 従って電池の寿命という観点ではゆとりがあり、
LEDの駆動本数を10本、12本と増やすこともおおいに検討できると言えます。

とまあトントン拍子に構想の検討が進んでいるように思えますが、LED、コンバ
ータ、電池の三つの組み合わせにより様々なマトリクスが考えられるわけで、
前回と同様絞込みの困難さが付いて参りますが、その経緯は次回にお知らせ
します。



2014/03/07

構想 2

どのLEDを採用するかはその実用性を重んじるほど重要な検討項目となります。 そこで取り敢えず手持ちの5φ、3φのLEDと新たに購入した新製品合計5種類の1m離れた中心の明るさを測定しメーカー発表のデータの比較した上で選択をしてみました。

LED型番 タイプ 実測Vf If 半値角 光度 LED本数 明るさ
at 1m
 NSPW510CS-b1U 3.34V 20mA  50° 4250〜6000mcd 8本 44ルクス
 NSPW500GS-K1 2.95V 20mA  15° 31000〜41000mcd 8本 560ルクス
 NSPW510HS-K1 2.83V 20mA  35° 12400〜17300mcd 8本 160ルクス
 NSPW300DS 2.95V 20mA  20° 13350〜18960mcd 11本 200ルクス
 NSPW310DS-b1V 3.02V 20mA  50° 6510〜9220mcd 11本 88ルクス
 NSPWR70CS-K1 Flux 2.92V 50mA  80° 20ルーメン 8本 88ルクス


以上の中で一番最初のNSPW510CS-b1Uは広角系とは言え明るさが不充分で候補には載り難い感じです。 その他は特質がそれぞれあり取り敢えずの候補に入ってきそうです。

次に実点灯させて光り具合や色味などを観察してみました。 撮影距離を1m、絞りをF4.5、シャッター速度を1/13、そしてISO800に設定すると見た感じに近く撮影できそうなので全ての写真を同条件で撮影しています。 NSPWR70CS-K1は9本使った懐中電灯でその高性能さは十分に判っていますのでテストから省きました。

NSPW510HS-K1で期待の新しいLED。 色味に青っぽさがありません。 この写真の幅は約800mmですが、半値角35度は懐中電灯用に最適な照射角だと思われます。

NSPW510CS-b1Uで4年前位に購入した物で、色味は紫がかりで明るさも不足しています。 半値角が50度とのことですが左と較べると??? これは候補から外します。

NSPW500GS-K1で半値角15度とあって中心は露出オーバーで飛んでいます。 色味も良く絶対的な明るさを求める場合には採用すべきLEDと言えます。

NSPW310DS-b1Vで半値角50度でこの上と同じ照射角なのですが、明るさがほぼ2倍有り採用候補に残ります。 但し赤紫っぽい色味がちょっと気になります。

NSPW300DS-b2Wで半値角20度とこの上より5度大きいのですが、絶対的な明るさを求める場合には採用候補に残ります。

以上5種類の中でNSPW510CS-b1Uはやっぱり選択から外す結論としました。 従って残りは4点(5φと3φの広角と狭角各1)ですが、NSPWR70CS-K1がシード権で合格になっていますので合計5点となりまだ多すぎます。

更なる絞込みの結果、私と家内のそれぞれの部屋に常備1本ずつと車の中に常備しておく物の合計3本としました。

車の中に常備する物はLEDランプ5の改良版のLEDランプP5(大きさは変わらない)とし自作DC-DCコンバータを使います。(50mA駆動のため) 残り2本はストロベリーリナックスのDC-DCコンバータを使ったLEDランプP6として、LEDはNSPW510HS-K1NSPW310DS-b1Vという結論としました。


コンパクトLEDランプP5の仕様

このランプはコンパクトLEDランプ5の改良版とします。 何故LEDランプ5が基になるかというとLED駆動電流にあります。 NSPWR70CS-K1は標準駆動電流が50mAと若干高めです。 従って駆動電流20mAのLT3593コンバーターは不適格となります。 NJM2360Aを使う意義がここにでてきます。 また50mAという高めの消費電流なので単四よりも単三の採用の方がバランスが取れる筈で、そうなると駆動回路組み込みも容易になるスペースが確保できます。

ここでLEDランプ5の改良版としたのは、電池電圧インジケータを追加で組み込ん
でやることにしたためです。 これは大した改良ではないように思えますが、こうす
ることで終了電圧を厳しく管理しないとならないエネループを使いやすくなります。
(自動シャットダウン機構が入れば完璧だが。)

その構想は右の図をクリックしてご覧下さい。 外寸はコンパクトLED5と全く同じで
単三を3本使います。 但し電池蓋はL字型で後ほど説明するコンパクトLEDP6と
同じ構造です。 そうすることで駆動回路の点検・修理が可能になります。

 それに組み込む駆動回路はコンパクトLED5に電池電圧インジケータを追加した左図のよ
 うなものです。 図中3.3KΩの抵抗はLEDの明るさや動作電圧の微調整が必要で単なる
 予測値の値としています。

 またDC-DCコンバーターの定数はコンパクトLEDランプ5の値を踏襲していますが、駆動
 回路をコンパクトにするためコイルのサイズを小さくし、電解コンデンサも47μF 16Vの高さ5mmの物にします。 コイルは以前の物より抵抗値増加や最大重畳電流値減少がありますので、事前にテストしてうまく動作するのかの確認が必要です。

2つの回路基板のレイアウトは右の図のとおりで、コンパクトLED5と同じスペースに電池電
圧インジケータを追加した物となっています。 但しコイルを小さくしていますので動作検証
実験が不可欠で、その結果次第で電池電圧インジケータの組み込みを断念せざるを得なく
なることもあります。

このモデルはコンパクトLED5とほとんど同じ連続運転時間を有するはずですので、アルカリ
乾電池で2時間20分の電池寿命と考えてよいでしょう。 エネループを使えば若干伸びて
2時間40分程度になるのではと思います。


コンパクトLEDランプP6の仕様

構造・回路何れも既に紹介している物ですが、若干の変更がありますので再度紹
介しておきます。 右が構想図ですが基板のレイアウトを変更しています。
P6−1P6−2の2モデルがありますが、前者は5φのNSPW510HS-K1を8本、後者は3φのNSPW310DS-b1Vを11本使います。

前回紹介した構想図では電圧表示LEDは基板から配線を引き出すようになってい
ましたが、今回は基板に半田付けするLEDはスイッチのすぐ後に移動し配線引き
出しは止めました。 これで回路基板を組み込んだり外したりするのがより楽にな
るかと思います。

 回路図は左、基板レイアウトは右ですが、
 NSPW510HS-K1 8本かNSPW310DS-b1V
 11本の2種類の駆動以外の変更は全くありません。

 連続動作時間についてはLED使用本数以外にVfの
 違いがあるため5φLEDの場合448mW、3φのLED
 では664mWと計算上1.48倍の消費電力の違いがあ
 ります。 11本駆動時と8本駆動時の駆動効率がどの位異なるか不明ですが、実験の結
果、消費電力の違いが大きすぎればNSPW310DS-b1Vの使用はストップしてNSPW510HS-K11本に絞る可能性があります。 これはDC-DCコンバータを入手してテスト後に判断します。




2014/03/21

構想 3 (DC-DCコンバーターのテスト)

発注したDC-DCコンバーターが届きましたので、実際の変換効率が
どのくらいになるのかのテストをしました。 方法としては、バラック配
線ですがDC-DCコンバーターに定電圧電源より2.7Vから4.8Vを0.3V
ステップで入力電圧とし、その出力に5φのNSPW510HS-K1
8本、または3φのNSPW310DS-b1Vを11本繋いで、入力電力と
出力電力を測定し計算にて変換効率を得ます。

当然ながら入・出力それぞれの電圧と電流を読み取らないとなりませ
んが、入力側は電源の電圧計と電流計から読み取った値とします。
出力側はLEDの両端電圧をDMMで読み取り、電流値はLEDとシリー
ズに入れた1Ω 1%の金属皮膜抵抗の両端の電圧値をDMMで電流の
値として読み取ります。

最初にNSPW510HS-K1を駆動した時の結果をお見せします。
上段が測定結果を表にしたもので、その下はグラフで表現してます。



テスト結果は大変満足できるものでした。 電池電圧が3.3V(1本辺り1.1V)以上あれば変換効率は80%以上という自作DC-DCコンバーターでは恐らく考えられない高性能で、最高変換効率値は97.4%にもなります。 通常昇圧比が大きくなると変換効率は下がりますが、昇圧比が最も小さい入力電圧が4.8Vの時に4.7倍、最も大きい2.7Vの時には8.3倍になり、これらに対する変換効率の数値は極め付きの高性能と言えます。  但し昇圧比が更に大きくなるこの後のNSPW310DS-b1Vでは駆動電圧がVf差と駆動本数によりかなり大きくなるのでテストは相当苦しかろーなー!と想像します。(先週測定したVfで計算すると、駆動電圧は22.6V対33.2Vと10V以上の差で、1.5倍に近いかなりの負担増になります。)

そのNSPW310DS-b1Vによる結果は以下をご覧下さい。



 先ず変換効率がひとまわり悪化しているのが判ります。 2つの結果を並べてみたのが左
 の図で明瞭な差がついています。

 これは私の勝手な想像ですが
 NSPW310DS-b1Vの平均Vfは
 NSPW510HS-K1よりも高いうえ
 に3本駆動本数が増加した為駆動
 電圧は22.5Vから33.3Vと10.8Vも
 増加し、コンバーターICへの負担
 増が大きな差となっていると思わ
 れます。


右の図は電池電圧の変化に対する入・出力電力を一覧にしたものです
が、NSPW310DS-b1Vの消費電力はNSPW510HS-K1の約1.5倍もありま
す。 そして忘れてならないことは、前回のテストで照射角は50度/35度と
若干の差があるものの明るさは160ルクス/88ルクスと2倍近く明るいことです。

例によってパナソニックの電池の技術データでおおまかな連続動作時間を調べてみると、NSPW510HS-K1では約5時間NSPW310DS-b1Vでは2時間近くと大きな差がついてしまいそうです。 以上は机上の計算結果ですが、実働テストで2倍以上の大きな差がつくことだけは間違いないでしょう。

ところで何れのLEDもメーカー推奨駆動電流は20mAですが、最も低い場合19.2mAになっています。 これは20mAの96%に相当しこれに比例して明るさは低下しますが、これは全く気が付かないレベルでしょう。 むしろ過電流よりは望ましい状況と言えます。

さてこんな結果からもはやNSPW310DS-b1Vを使った方が良い理由は半値角以外には見つかりませんので、NSPW510HS-K1を使うタイプを2本作ることに最終決定します。

総論としてこのDC-DCコンバーターノモジュールはびっくりするような極めて優秀な成績でした。 今回のテストの結論としてNSPW310DS-b1Vを使う仕様は落としましたが、それは最新設計の優秀なNSPW510HS-K1が主原因でありDC-DCコンバータの問題ではありません。 このモジュールは細かな回路定数は不明ですがリニアーテクノロジーが紹介している回路と同じ構成のようですので、心臓部のLT3593を手に入れて自作するのも手ですが、ストロベリーリナックスの販売価格もリーズナブルな範疇だしモジュールとしての完成度が高いので、モジュールそのものを利用させてもらう方が賢いと思います。


  新たな構想が?
  ふっと思い付いたまだ妄想レベルと受け止めていただきたいのですが、単四アルカリ電池で5時間近くの長寿命との結果か
  ら新たな構想が浮かびました。 それは本テーマで使うDC-DCコンバーターに、NSPW510HS-K1 4本と単五アルカリ乾
  電池3本を電源とした構成とするアイデアです。 ケースは内寸12mm四方となるのでLEDは本テーマの半分の4本です。
  従って明るさは1m離れて80ルクス程度に低下しますが実用性はあります。

  単五電池は単四より14mm短い30.2mmですが3本を長手方向に直列とし、それに電池押さえのスプリングが5mm、DC-DC
  コンバーター基板を90度回転して奥行5mmの空間に取り付け、LEDのヘッド部分は20mmを想定します。

  以上を合計すると120.6mmですが、ケースの底板が必要ですから3mmを加算し124mm辺りが全長になります。
  厚みは電池が12φでそれを3mm厚2枚で挟みますから18mm角。 劇的に細く小さいわけではないが消費電力は半分に
  なるので、小容量の単五でも連続動作は多分5〜6時間近くも得られるだろうと推測します。 そうであれば、定電流駆動の
  正統派で実用性の高いコンパクト懐中電灯が出来上がります。
 (果てしなく続く新たなアイデア! 困ったものです。)





2014/04/04

製作開始

 NSPW510HS-K1を使う心臓部となる部分はやは
 り駆動回路で、実際の電池でどの程度の時間使え
 るかを確認しておきたいところです。 そこで駆動回
 路基板を組み立てて電池の寿命テストをすることに
 しました。
 駆動回路、基板レイアウトは既に紹介した物と同じ
 ですが、減電圧表示のLED回路に挿入される抵抗

 は暫定的に3.3KΩでしたが最終的に2.7KΩです。 そして使うLED
 は5φタイプのみとしましたので、左右に再度掲載しました。

 完成した基板は左の通りです。 写真を見て判るとおり、単三電池
 の太さより若干太い11mmの幅と、4mm短くした40.5mmを長さとして
 います。 要するに単四電池4本のスペースに電池3本と駆動回路を
 収めるため駆動回路基板は電池1本分に収めることが絶対条件に
 なっているわけです。

 同じ基板を2つ製作してから電池の寿命試験に入りました。


方法は簡単で駆動回路基板の電池接続部分にDMMを?ぎ電池電圧
の変化を読み取ります。 その読み取りはLED8本を直列にして出力
に?ぎスイッチオンと同時にインターバル撮影で5分おきにDMMの表示
を撮影するようにしました。

インターバル撮影にはこれまでリコーのCX-1を使ってきましたが、今
回からパナソニックのDMC-G61を使っています。 このカメラのインタ
ーバル撮影は撮影時にだけ電源が入るようになっているので電池の
消耗が少なく、ACアダプターなどが不要な点が嬉しいです。

右はそのようにして撮影した写真の1枚で、5分おきに撮影しています
から、トータルの撮影枚数から放電時間が計算できます。

電池には富士通の物を使いましたが、2つ基板を作りましたので両方
テストしました。 3本直列の電圧が2.7Vになった時点を終了電圧とし
ます。 結果は以下のグラフをご覧下さい。



1枚の基板は4時間33分、もう1枚は4時間48分と、2つの基板で若干の差が出ました。 但し僅か15分の差ですから誤差の範疇と言えると思います。 それよりも何れも4時間半以上という結果は想定外の素晴らしいものでした。

参考までにパナソニックの単四アルカリ乾電池は定電流で終了電圧0.9Vになるまでに4時間半掛かる電流は約150mAとなっています。 そうすると先日の実験でそのような入力電流となる電圧は3.45V(1本辺り1.15V)でした。 その時の駆動効率は約85%とすこぶる付きの高い価になります。 これを平均値として考えて良いでしょう。

ここまで電池の寿命が長いと充電地を使って経済的に!なんてことは考えずにアルカリ乾電池専用で良さそうですので、充電地対応は忘れる事にします。 後はひたすら素敵な木製ケースを製作することに集中したいと考えています。




2014/04/11

構想 4 コンパクトLEDランプP5の駆動方法

コンパクトLEDランプP6の駆動回路は完成しました。 一方コンパクトLEDランプP5については、以前の物に倣ってNJM2360Aを使った自作DC-DCコンバータと決まっていますが、LEDを8本直列にして駆動するのか、それとも4本直列を2系統並列駆動するのかを決めていません。 また以前は漫然と回路定数の調整もしておりませんでしたが、この機会に定数最適化もしたいと考えています。

ところで8本直列で駆動するのと4本直列を2系統並列として駆動した場合、前者では駆動電圧が後者の2倍必要でコンバータに大きな負担になることがあり、後者については駆動電圧は低くて済むが駆動電流を決定する抵抗での損失が増加し、出力電流も2倍に増えてコンバータに負担が掛かる! といった具合で、理屈ではどちらが良いか判りませんので、今回明確にしたいと考えています。

実験方法としては、インダクターに東光製DG6045C-470M (47μH)DG6045C-101M (100μH)を使いました。 発振周波数決定のコンデンサには指月電機の金属化ポリエステルSMCシリーズ(2200PF、1500PF、1000PF)を使っています。 またショットキーバリヤーダイオードには日本インターの11DQ0411EQS06を試しましたが、違いがかなり少ないのでより小型の11EQS06のみに絞りました。

1.LED8本を直列駆動2.LED4本を直列にした物2系統を並列接続し駆動の2種類の接続法で駆動回路に使われるインダクター、コンデンサー、抵抗の値を変えて、入力電力と出力電力を算出し、そこからLED駆動効率と総合駆動効率を算出して、ベストの組み合わせを模索しました。

テストの全景です。 特に特殊な物はありません。 正面の電源は自作の物ですが、これに内蔵している電圧計、電流計で入力側は測定しています。 出力側は左のDMMを使い?ぎ替えて測定します。

バラック配線と言うか空中配線と言うか余り褒められたものではありませんが、コンバーターの発振周波数が20KHz〜30KHzなので問題なかろう?と気楽に考えています。

  前述のようにインダクターには東光の1255AY-470M101Mを使いましたが、サガミエ
  ルクのRTP8010-470M101Mも少々試してみました。

  このサガミエルクのインダクターは東光の物より体積で3倍近くあり、特に高さは10mmと
  東光の物の2倍以上あるのでコンパクトLEDランプP5には使えませんが、近々公表しよ
  うとしている新しいテーマ用にその高性能を発揮しそうです。

  DC-DCコンバーターの性能がふたまわり違って来るという感じですが、以下にサガミエレ
  クと東光のインダクターの公表スペックを載せておきます。 右の写真で判るように大き
  さが全く違い、これが大きな直流抵抗の差となって表れているようです。

品番 メーカー インダクタンス 直流抵抗 直流重畳
電流
温度上昇
許容電流
大きさ 取り付け法
RTP8010-101M サガミエレク 100μH 0.264Ω 1.2A 0.82A 7.8φ x 10 リード線
1255AY-101M 東光 100μH 0.460Ω 1.2A 1.1A 6.3 x 6.3 x 4.5(H) 表面実装

  前述のように1255AY-101Mは直流抵抗の値が約0.2Ω大きいので、これがどのように影響するのか心配です。 駆動効率が
  数%の悪化程度に留まれば良いのですが。

  コンデンサーは指月のSMC型金属化ポリエステルフィルムコンデンサーを使いました。 この場合も1000PF未満、2200PF以
  上では性能が低下するので本番のテストでは外しました。

  LEDは当然ながらNSPWR70CS-K1を使いました。 Vfは実測平均値で3.1V、Ifは50mAです。 テスト結果には混乱を避ける
  為載せませんが、NSPWR70BS(Vf: 3.125V、If: 30mA)も試しています。 その結果は後日ご紹介します。

  入力・出力の電解コンデンサーは高さが5mmの小型の普通の物です。 配線はブレッドボードの上で組み立てましたので、
  ぐちゃぐちゃで理想には程遠い感じですが、発振周波数が20KHzから30KHzの間になりDC-DCコンバーターとしてはかなり低
  い方に属するので余りこれによる影響は無いだろうと踏んでいます。


1.LED8本を直列して駆動



最初のテストはLED8本を直列接続しDC-DCコンバーターに繋いだものです。 この組み合わせの特徴は全てのLEDが全く同じ電流で駆動される事で、仮にVfのバラツキがあっても問題ありません。 それとほんの少々ですが配線が少なく抵抗も1本少なくてすみます。 私はこの構成が次の組み合わせより高性能になることを期待していたのですが、残念ながらそれは裏切られました。

右上の表中に赤く色づけした部分がありますが、これはIfの設定値(50mA)から大幅に逸脱したことを表しています。 何が原因でこうなったかというと、設定値の電流が流れるように昇圧しようとしたのですがそれが出来ずに終わっている!ということです。 従ってIfは設定値より大幅に低くなっています。

この推測を裏付ける為に全く同じLEDですがIfを20mAに下げてみました。 その結果が右の表で、If設定値は20.2mAですが、一番低い値でも19.8mAであり全く問題ありません。 また駆動効率も全体的に数%アップしていると言ってよいでしょう。
 


2.LED4本直列を2系統並列の8本駆動



 こちらは4本のLEDを直列にした物を2組用意し、それらを並列に繋ぎ合わせてコンバーターに接続した物です。 従ってLED駆
 動電圧は半分で済みますが、コンバーターへの負荷電流は2倍になります。 ここで使ったNJM2360Aは100mA近辺の負荷に
 は比較的楽に耐えられるようですが、ここで求めている2.7V〜4.5Vを12V近辺への昇圧能力はまずまずなものの、2.7V〜4.5V
 から24Vというのは上の結果を見て判るようにかなり厳しいです。

 このテストでは追加設定条件がありますので、表の下3行(背景が青くなっている。)は暫し無視してください。
 回路定数的には青字で示したものが最もバランスが取れているように思えますし、変換効率重視であれば緑の部分を採用して
 も良いでしょう。 何れにせよそれらを1.の同じ回路定数のものと比較するとこちらの方が良くなっており、電池電圧2.7Vの時
 の駆動能力不足もないことが理解できると思います。

 尚余談ですが47μHを使った例では、入力電圧が3.6Vから4.5Vに上昇すると入力電流も増加する!という奇妙な現象が起きて
 います。 この為に駆動効率が極めて悪化しています。 この現象をオシロスコープで観測はしておりませんが、予想外の発振
 などの動作不良が裏に伴っていると推察しています。 そこでその後の47μHでのテストは中止しました。

 さてこれで結論かというと、上に示した以外に膨大な組み合わせを正味2日間に渡って実験して来たものの、何となく不満足感
 があります。 それはコンパクトLEDランプP6に使っているリニアーテクノロジー製のICを使ったDC-DCコンバーターとの性能
 の開きが大きい点にあります。 大きさが適わないのはどうしようもないのですが、せめて性能だけはもう少し改善し連続動作
 時間をアップしてやりたいと考えました。

 そしてこれ以上の大きさのコンデンサーは入らないと決め付けていた47μF 16Vも裏付けやチップタイプに替えて容量を上げら
 れないか? などなど組み込み方法を考え直した上で回路定数変更を拡大して性能アップを図りました。 そしてその結果が
 上の表の下3行です。

 変更点の結果は、周波数決定のコンデンサをマイカコンデンサの440PFとしたことと出力に入っている電解コンデンサを220μF
 16Vに変更しました。 その結果はご覧のとおり全ての電圧でLED駆動効率は80%を僅かに下回るレベルまで改善しました。
 リニアテクノロジーのICを使ったコンバーターが電池電圧3.6VでLED駆動出力443mWを87.9%の効率で取り出しています。 同じ
 電池電圧3.6Vで1050mWという2倍以上のLED消費電力を取り出すのに78.9%ですから善戦しているといってよいでしょう。
 (総合駆動効率では87.3%と完全肉薄です。)

 これは私の想像ですが、リニアテクノロジーのICはLED駆動電流を制御するリファレンス電圧がNJM2360Aの1.25Vより低い
 0.1V前後になっていると思われます。 さすれば駆動電流制御での損失は1%程度ですのでNJM2360Aの総合駆動効率に接近
 するわけで、NJM2360Aを使った限界性能のDC-DCコンバータが出来たと考えています。

 またLED駆動電流も電池電圧の変動による変化が少なくなっています。 そして電池の消費電流は4.5V、3.6Vで大きく減少して
 います。 2.7Vでは変わりありませんが、これはLED駆動電流の改善(アップ)に繋がっていると考えてよいでしょう。

 最終的な基板製作では上記の実験で使ったマイカコンデンサは大昔に真空管ラジオを作る際に使った残りで、耐圧が500Vあ
 る大きいものですので使えません。 440PFなんていう容量もありませんから、ディップマイカコンデンサの470PF、或いはその
 前後を試してみる予定です。

2014/04/18

コンパクトLEDランプP5用駆動回路基板の製作

最適化の定数も決まりましたので基板の製作に入りました。 最終的に抵抗、電解コンデンサ、インダクタがチップ型となったため、基板も両面基板にして、抵抗とインダクタは表面に、電解コンデンサは裏面に半田付けと若干変更しました。 これにて電池で連続動作試験に入る前に一度動作テストをしました。 バラックでの実験より若干下回った駆動効率となりましたがまずまずといった所です。



この状態で早速電池を繋いで連続動作時間のテストに入りました。 方法は例によってデジカメで5分間隔のインターバル撮影を行い電池電圧が2.7Vとなるまでの時間を読み取ります。

最終的に基板レイアウトはこのようになりました。 マイカコンデンサと電解コンデンサは基板の裏に半田付けします。

こんなレイアウトになったのは一番左端のスイッチ(白いツマミで赤いボディー)の採用が根本原因です。

その為にこのように余り綺麗とは言えない外観になっていますが、構造上しかたありません。

テストそのものは替わっていません。 中央に黒く被っているのはLEDの光を遮い露出不足を抑える為の対策です。 

その結果は2時間23分で回路定数の調整を余りしなかったコンパクトLEDランプ5よりも3分長いだけという拍子抜けしそうな内容でした。 これは使った電池にも問題があるかもしれないと、更に3種類の電池で比較しました。

最初に2時間23分の点灯時間であった電池は富士通製で、電池本体にはG PLUSとの表記とFujitsu XXXX と、メーカーとホームセンター名が入りホームセンター向けの特別仕様になっている(店員さんの説明)そうです。 また有効保存期間が10年とあり、価格は税抜きで\668.-(8本)でした。

2番目も富士通製でFujitsuのブランドのみですが電池本体にR SPECという表記が入り有効保存期間は5年とされています。 価格は上より安い税抜き\478.-(8本)でした。 以上2種類は日本製です。

3番めはパナソニック製で俗に金パナと言われている物です。 有効保存期間が10年と表示されています。 価格は最も高い税抜き\748.-(8本)でした。 この電池はタイ製との表記があります。

その3種類の電池の寿命のグラフを以下に掲載します。


傑作なことに、最も寿命の長かったのは販売価格が最も安い物で、最も寿命が短かったのは販売価格が最も高い物という結果です。 そしてコンパクトLEDランプ5に較べて点灯時間が十分に長くなったとは言えません。  以前からパナソニックより富士通の電池の方が長持ちする!との話を聴いていましたが、それを裏付ける結果でしょうか? 変な計算ですが最も寿命の長かったのは2時間35分(2.58時間)で一番短かったのは2時間17分(2.28時間)ですが、1時間辺りの電池代を計算すると前者は\75で、後者は\133となりパナソニックの電池は1.8倍近くも割高ということになります。 無論たった一度の実験だけで全てを決め付けられませんが、今後注意して行きたいと思います。

コンパクトLEDランプ5に対して点灯時間が延びなかったのは、コンパクトLEDランプP5では回路基板の上の空間は5mm、下の空間は8.5mmというスペース配分の中で、電解コンデンサーやインダクターにリード型が使えず、何れも駆動効率は悪化する方向に働きました。 但し回路定数の最適化に全力を注ぎ、辛うじて若干上回る点灯時間を得たというように受け止めています。


この後製作記事に進みますが、LEDランプP5とLEDランプP6の2つに分岐します。 それらの解説記事へは

    LEDランプP6の製作詳細

    LEDランプP5の製作詳細 (2014/12月後半より製作開始の予定です。)

をクリックしてお進みください。

 
  
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