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まとめてペイント塗り
          写真をクリックすると拡大できます  


註) この解説は、個室2の収納家具ミニタワースピーカーカメラ・レンズの防湿庫の各解説からの続きです。


2003/09/26

私のやっているニス塗りの方法に引き続きペイント塗装をどうやっているかについて、3作品を通じて3週にわたりご披露します。

3週間もかかるとは随分気の長い話だなあ?と考えられるかもしれませんが、具体的には下地処理で1週間、ペイント塗装2回塗りで2週間という配分ですが、丁寧にやろうとするとこれでもぎりぎりです。(毎日連続してやれるのなら別ですが!)

今回は従って下地処理と言うことになりますが、ニス塗りのときと異なり塗装面の欠陥を隠してしまう作業から始まります。
塗装面にはネジ穴や作業過程でつけた傷が残っています。 また合板を使った場合には木口には沢山の小さな穴(木繊維のパイプ断面の穴です。)があり、これらをパテで埋めてしまいます。

 私が使っているパテはコニシボンドの油性パテですが、目痩せがある以外は過去7年程使った経験では剥
 離もなく好結果を得ています。 ここでいう剥離は長期間経過しないと起きない現象ですが、以前あるメー
 カーの水性パテを使ったところ5年経過した後に塗料の載りが悪いせいかパテで埋めたところがひび割れ
 て剥離を起こし、塗装面が台無しになった経験をしています。
 (パテ自身の固着力が弱いせいだと考えています。)

 このパテはアルミチューブに入っていますので、必要量だけ絞り出しながら使えるので、未使用のパテの乾燥も防げて好都合ですし、パテを擦り込むヘラも大面積を擦り込むのでない限りパッケージに付属しているもので充分間に合います。

ネジ穴や凹み傷の部分をパテで埋めるにはヘラに適当に絞り出したパテを擦り込めばよくさほど難しい作業ではありませんが、傾けるヘラの角度によっては擦り込んだパテの表面が凸状になったり凹状になったりしますので、その加減を工夫してみる必要があります。 これに関してはこちらで詳しく述べていますので参考にしてください。 

但し旨く擦り込めたとしても1mm以上の深い凹みなどを1回で完全に埋めるのは不可能と考えた方が良いです。 その理由は目痩せというパテの体積が乾燥するに従って減って縮んでしまうことによります。 従って深い凹みや穴を埋めるには最低でも2回パテ塗りを繰り返さないとなりません。

これが面倒と言うのであれば目痩せの現象が起きないエポキシ系のパテ(左上の写真をもう一度クリックしてください。)を使う手もありますが長時間経過したときの表面研磨と言う点でエポキシパテは非常に硬くなって研磨しにくくなるので私は余り使いません。(パテ自身の固着力が非常に高くある意味ではパテと接着剤の両方の性格を持ち、その面での特性は優れているのですが。)

パテが塗り終わりましたら24時間放置し、その後#240位のペーパーで表面を研磨しパテを塗りこんでいない面との境目がはっきりしなくなるようにします。 ネジ穴後は若干の窪みが残っているはずですが、その部分に再度パテを擦り込んでやります。 そうして更に24時間放置し再度研磨します。

以上で塗装面はすべすべの状態になり塗装前の仕上げは終了です。 ニス塗りの場合にはステインによる着色に慎重さを要求しますが、ペイント塗りの場合にはニス塗りとは違った手間と時間がそれなりに掛かります。

実際の所3作品の塗装前の仕上げ作業の中で、ミニタワースピーカーに最も手間がかかりました。 塗装面積は小さいのですが、小さいものほど細部のあらが見えやすいことと、木口がもろに見える点、ネジ穴の数が面積に比して数多くこれらを完全に埋めないと無様なことになるからで、後の塗装に要する時間は恐らく3作品全体の10分の1程度だと思いますが、パテ塗りとペーパー掛けでは全体の70%位の時間を費やしてしまいました。

以上がパテ塗りの解説ですが、実際の作業の様子は以下の写真をご覧下さい。

これはミニタワースピーカーですが、チューブからヘラに絞り出したパテをネジ穴に擦り込もうとしている所。

同じ場所の写真ですが、こちらは擦り込んだ後です。

沢山ネジ穴が見えますが、パテを擦り込む前の状態はこんな具合で、

擦り込んだ後はこんな風に! 擦り込みが不十分なのが判りますが、それらは2回目で完全にします。

パテの擦り込みが終ったミニタワースピーカー。 ネジは見えなくなりました。

24時間放置してから#240のペーパーで研磨しました。 全体がパテの研磨かすで白っぽくなりました。

研磨後のクローズアップで、1回で結構うまく埋まった例ですが、これでも完全ではありません。

こちらは埋め込み不十分の例で、どちらかというと目痩せのためにこうなる方が多いです。

はっきりと判りませんが、2回目のパテ塗りを終了したところです。

こちらは個室2の収納家具の棚板の木口。 所々にこんな穴がありますのでパテで埋めます。

左側の天井付近ですが、幕板固定のネジ穴をパテで埋めました。

同じく右側の天井付近です。 材料節約の為幕板が継ぎはぎになっていますが、ペイントを塗るとこれも判らなくなります。

左側天井付近の横ですが、側板の上端にあった隙間が埋められています。(うっすらと継ぎ目が見える。)

こちらは右側ですがやはり継ぎ目が見えるものの塗装後は判らなくなります。

左側の固定棚固定のネジ穴をパテで埋めたところです。

同様に右側の固定棚の部分です。

これは防湿庫の左2/3ですが、本体内部と前枠をペイントで塗ります。(扉3枚はニス塗り仕上げとして、配色上のアクセントをつける予定です。

同様に防湿庫の右側2/3の様子です。 内部は既に速乾ニスで吸湿性を押さえる塗装を2回施してあります。

下から見た所でこの底面もペイントで塗りつぶします。

前枠にはご覧のようなネジ穴が残っていますので、パテで埋めてやります。



2003/10/03

ペイント塗装本番

既にお伝えしているようにここで使用するペイントは業務用の塗料である日本ペイント製の2液性ファインウレタンU100です。
このペイントはもともと家屋の外壁用に作られており私のように屋内用に使うのは若干変則的ですが、その理由は大変簡単で「物理的・化学的性能が良いこと」というペイントに求められる最も重要なファクターで満足できると考えているからです。

そのような業務用の屋外用の塗料で更に優れている物があるかもしれませんが、過去6年にわたり使用して最初の頃に塗装した部分が極めて満足出来る結果を得ている為他のものに浮気できない?とう理由が大きいです。  ペイントの良し悪しは、作業時の使い勝手、塗り易さ、乾燥後の表面の出来栄えは直ぐに判りますが、物理・化学性能は少なくとも5年経たないと判りません。 従って簡単には浮気できないのです。

 ファインウレタンU100は、塗料本体9に対し硬化剤を塗装作業開始直前に混合して使用します。
 2つの液を混合すると化学反応により硬化が始まります。 この硬化速度は薄め液を加えても低下しませ
 ん。 今までの経験では混合後6時間以内に塗装を済まさないとどろどろになり、その後無理やり塗装を
 続けても刷毛斑が目立つだけになってしまいます。 刷毛斑ができないようにするには4時間以内で終了
 するよう心がける必要がありそうです。

 但し収納家具のような大型作品では塗装面積が大きくなり4時間以内に済ますのは困難な場合も多々あります。  今回塗装しようとした個室2の収納家具のペイント塗装部分、防湿庫、ミニタワースピーカーの合計塗装面積は21.3m2でした。  過去の塗装記録によると私の塗り方では1m2辺り110gの塗料を使いますので、使用する塗料は2.34kgとなります。

この量は塗料バケツになみなみとなる量であり、私の塗装スピードでは急いでも6時間は確実に掛かります。
そうすると後半の方では刷毛目が付く可能性が出てきますので、塗装する優先順序を良く考え、刷毛目がついても見栄えに影響しない部分を最後に塗装するなどの工夫をします。 

今回は一番丁寧にする物としてミニタワースピーカーを第一に、続いて個室2の収納家具本体部分個室2の収納家具の長い棚板(B)、防湿庫本体個室2の収納家具の可動棚板、最後に防湿庫の棚板という風に塗装順序を考えました。

もうひとつは3-4時間で使い切ってしまう量を一度に混合し、複数回の塗料の混合をやる方法があります。 この方が結果が良くなることは目に見えていますし慌てて塗装することもなくなりますが、意外にものぐさの私は刷毛やポリ容器を新しい物に変え微妙な計量が面倒で、1日の使用量を一度に混合してしまっています。

さていよいよ2液を混合して塗装開始と計量した所、何と混合後の塗料の重量は1.81kgしかありません。 これは以前使った残りだったせいですが、だからといってどうすることももう出来ませんから、次善の策を考えました。  パソコンの画面をにらめっこして今回の塗装から外す部分を考えたところ、個室2の長い棚板と防湿庫本体部分を外せば、1.81kgで何とか間に合いそうです。 もともと110g/m2という値は5%程塗料が余る補正をした値ですので何とかなるはずです。

結果としてはほぼ期待どおりというか30gの塗料が余りました。 まずまずといった所ですが2液混合の塗料の場合は、こんな点にも慎重に配慮する必要があります。

今回塗装しなかった防湿庫本体の内部は既に速乾ニスを2回塗っており、ペイント塗装は塗りつぶしだけを目的として1回塗りで済ませようとしていましたので、次週の2回目に一緒に済ませることが可能です。 また防湿庫の外側に面した部分は庫内にカメラ・レンズを入れたまま塗装可能ですから実使用上の問題はありません。 個室2の収納家具の長い棚板も同様です。

私にしては珍しく?失敗も無しに1回目の塗装は比較的ゆっくりと6時間近く費やして終了しましたが、それらの過程は以下の写真でご覧下さい。

前回のおさらいで、パテ塗りと研磨を3回繰り返したミニタワースピーカーのネジ穴。

これは同じ部分のパテ塗り1回塗り研磨後です。 左の状態はより完璧に近いことが判ります。

同じく3回のパテ処理を施した別な部分のアップでこれもほぼ完璧な状態。

1回目の処理後の同部分で、随分と違っていることが判ります。

ミニタワースピーカー前面の側板接合部のアップ。 もともと段差は無く、僅かな木口の凹みにパテが埋まっています。

こちらは側板が0.2mm位沈んでいた所で、段差と木口の凹みははパテでうまく埋まっています。

下地処理が終ったミニタワースピーカーの頭部。

そのクローズアップ。 ここまでやれば塗装の出来栄えはかなり期待できるはずです。

個室2の収納家具にマスキングテープで塗装したくない部分を覆いました。

扉と本体のスライド蝶番を外しましたが、撮り付け場所が判るようマジックインクで書き込んであります。

1回目の塗装に使った2液性ウレタン塗料ファインウレタンU100(右)と、2回目の塗装に使う予定の1液性ファインウレタンU100(左)で何れも4kg缶です。

塗料本体(原液)を全部あけたら1630gを指しましたので、硬化剤は1630 ÷ 9 = 181g入れればよいわけで、混合後は1810gあればよいことになります。

1810gになるよう硬化剤を追加しました。 2.2kg迄測れ10g程度まで何とか読めるアナログキッチンスケールは安くてもってこいの道具です。

硬化剤が上に分離したまま浮いているので細い棒でゆっくりと充分かき混ぜて均等に混ぜあったら準備OKです。

塗装順序の基本。 作業しにくい隅部分を先に済ましてしまいます。

次にやりにくいのは下を向いた面。 塗料の含ませ過ぎはぼたぼた落ちるので禁物。 刷毛は50mm幅。

側面、上面を塗ったら最後に木口面を塗装。 30mm幅の細い刷毛を使っています。

塗装の済んだ扉裏面の角。 木口にペイントが周らないようマスキングテープでカバー済み。

こちらは棚板塗装の最中で先ず片面を!

次に木口を塗装して!

続いて引っくり返して裏面を塗装!

こんなことが出来るタネ明かし。 棚板横の木口にネジが見えますか?

75mmの軸細コーススレッドネジを4箇所打って、ネジの頭を両側に置いた作業台で支える為、一度に両面が塗装できる!!というアイデアでした。

戦い済んで日が暮れて! 残ったペイントは約30gでほぼ計算どおりでした。

ペイント塗装のメイン会場。 ここだけで塗り面積は14.3m2あります。 左端の部分は棚板が多く塗りにくい所です。

第二会場。 ミニタワースピーカー、防湿庫の棚板、個室2の収納の扉を乾燥中。

第三会場の居間の一部を占領している個室2の収納の可動棚。 徹底して屋外では作業しません。



2003/10/10

ペイント塗装2回目

ファインウレタンU100は指触乾燥が2時間くらい、指圧乾燥が4-5時間、硬化乾燥が12時間位経験上かかりますので2度目の塗装は少なくとも1晩寝かせる必要があります。 ここでは日曜大工のため1週間寝かせてから2回目ということになりました。  2回目の塗装前には必ずペーパー掛けをしなくてはなりません。

塗装前の下地作りの研磨をやっていてもこのペーパー掛けは絶対に必要です。 その理由といいますと、1回目の塗装時に木材繊維がペイントを吸って膨張し起き上がり無数のざらつきを作ってしまうからです。 この傾向はもともと柔らかな材質の方がざらつきが増す傾向にありますが、ざらつきの発生しない木材はまずありません。 

使用するペーパーの粒度は#240が標準ですが、ざらつきが特にひどい時などは#150程度をざらつきが少ないときには#400程度を使うこともあります。 方法としては木片にペーパーを巻きつけ表面を軽く払って行く感じです。 最初はザーッという感じですが表面のざらつきが取れるとサーッと言う感じの音に変わり指で触るとすべすべしてきます。

注意としては削りすぎて下地が出てこないようにするくらいです。 これが終りましたらきつくしぼった雑巾で削りかすを拭い取って乾燥させます。 今回2回目の塗装には1回目に使用した2液性ファインウレタンU100ではなく、1液性ファインウレタンU100を使用しました。 今回始めて使用しますので少々緊張しながらも順調に作業は推移しました。 私の独断と偏見による2液性との違いは以下のようなもので、結論としては2液性よりも優位点が多い為今後は1液性を全面的に採用して行きたいと考えています。 物理的/化学的には2液性にほんのすこし劣ると言われましたが、おそらく屋内用に使うのであればその差は出ないでしょう。

  1.塗装時のペイントの伸びは2液性と殆ど同じ。 塗りにくいと感じたらペイント薄め液を5-8%程度加えてやると良い。

  2.指触乾燥時間は0.5-1時間、指圧乾燥時間は3時間前後、硬化乾燥時間は10時間くらいと2液性よりも乾燥時間は早い。
    (気温20℃前後の値ですのでこれより低ければより時間がかかり、高ければ短縮すると思われます。)

  3.乾燥時間が速いにも拘わらず塗料バケツの中のペイントの硬化時間はかなり遅い。 刷毛斑が少々出てもよいのであれば、
    塗料バケツにペイントをあけてから12時間を経過しても塗装は可能。 従って通常はあせって塗装する必要はない。


この1液性の硬化する仕組みは2液性が2種類の液を混合した後に化学反応で硬化するのに対し、ペイントに含まれる硬化剤保護皮膜が空気に触れて破壊し硬化反応を起こすと塗料店では説明されましたが、塗料バケツに残ったペイントがいつまで経っても硬化しないのはこの辺りに起因するもののようです。

ということで2度目の塗装は無事終了しましたが、それらの過程における塗装面の変化の詳細は以下の一連の写真をご覧下さい。


ペーパーを掛ける前のシナ合板表面のアップでこんなざらつきがあります。
(拡大率は右に見える新聞の文字の大きさから想像ください。)

#240のペーパーで研磨している所。 研磨は木目方向にやります。

上の写真と同じ部分の研磨後。 ざらつきが取れているのが判ります。

2度目の塗装が終ったシナ合板。 僅かに木目が見えますが通常の距離からでは判らないでしょう。

こちらは研磨後のラワン合板の裏側で、かなり荒っぽく本当に2回塗りで終るのか心配です。

これはラワン合板表側の研磨後。 裏よりはマシですが木目はきつくて深いのが判ります。

2回目の塗装が終ったラワン合板。 綺麗にはなりましたが木目のきつさはそのままです。
(私がラワン合板を避け高いシナ合板を使う理由がここにあります。 このキツイ目を潰すには塗装前にラワン合板全面にパテを擦り込んで、乾燥後研磨せねばなりません。 これは大変な労力と時間の消費に繋がります。)

合板の木口塗装前の拡大写真で、無数の木繊維の穴が見えます。 (この板厚は18mmです。)

1回目の塗装後の木口。 木繊維の穴は充分に塞がっていません。

2度塗りでも繊維穴が塞がらないので木口だけは3回塗りました。(通常見る距離からではもう繊維穴が目立つことはありません。)

塗装終了したミニタワースピーカー。 ポート内部は無光沢黒で後で塗ります。

ミニタワースピーカーの頭部部分。 沢山のネジで組上げたとはまず気がつかないでしょう。



2回目のペイント塗装が終了後24時間以上放置してやると、シンナー臭がなくなりますので使用開始可能となります。

以上でまとめてペイント塗りの解説は終わりですが、3作品の各解説へは以下からお進みください。

 「個室2の収納家具」こちらから本文の続きに移動します。

 「カメラ・レンズの防湿庫」こちらから本文の続きに移動します。

 「ミニタワースピーカー」こちらから本文の続きに移動します。

----- 完 -----
 
 
 
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