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まとめてニス塗り
          写真をクリックすると拡大できます  

註) この解説は、個室2の収納家具ワインホルダー1TQWTスピーカーの各解説からの続きです。


2003/09/12

個室2の収納家具ワインホルダー1TQWTスピーカーのニス塗りを集中して行いますのでそれらの経過をご紹介します。 実はまだ折畳式のテーブルもニス塗りを考えているのですが、完全にばらして塗装する必要があり、塗装する部材点数が多くなり勘違いしておかしな作業をする危険性があるため今回は避けました。 それでも塗装面積は畳5枚分位ありますので、一回当りの塗装時間は3時間程度、ペーパー掛けに2時間みて1日で何とか2回塗りが終了できるかな?といった感じです。 ニスはおなじみのウレタンニス 速乾ドリームを使いますので、1日で2回塗りまでの乾燥時間を含みなんとか終了すると思われます。

 作業の中で一番時間が掛かりしかも時間を掛けて丁寧に作業すれば塗装の仕上がりも確実に良くなるの
 は塗装面の研磨で、今回対象の塗装部分の研磨だけで1日を費やしてしまいました。 
 3点の作品はシナ合板を使っていますからシナが貼られた面の部分は、#240のペーパーを付けた電動サ
 ンダーで軽く当てれば終了しますが、問題は木口です。 木口にはノコギリの目の跡があり、木繊維の断
 面はかなりざくざくにになっているのが普通です。  
 またTQWTスピーカーの場合には直角接合部分の僅かな段差が残っていますからこれらを削ることによ
 り無くしておきたいわけです。

各種木工ヤスリとサンドペーパーを使ってそれこそ指で触ってざらつきがなくなるまで研磨するのはかなり大変ですが、塗装の出来栄えの80%はここで決まってしまいますので、辛抱強くやらねばなりません。

 次の作業が着色です。 今回の対称作品中、ワインボトルホルダーの連結丸棒とTQWTスピーカーの台座
 30mm厚タモの集成材)は生地のままニスを塗ることにしました。 
 また個室2の収納家具の場合、カウンター、下の幕板、扉、引き出し前板はニス塗りですが、それ以外は
 ペイントの塗りつぶしを考えています。 

 使った色は全部で4色ですが1色は混合して作りました。 
 和信ペイント水性ポアステイン水性パステカラーを使いました。(詳しくは左写真をクリック)

  1.チェスナット(ポアステイン濃い茶色) 個室2の幕板とカウンター部分。 濃くする為原液のまま。
  2.ブルーグレイ(パステカラー青灰色) 個室2の扉と引き出し前板。 水を30%加えて希釈。
  3.スカイグレイ(パステカラー薄い灰色) TQWTスピーカー本体。 水を30%加えて希釈。
  4.ワインレッドとサン・オレンジの1:1混合(ポアステイン緋赤色) ワインボトルホルダー。 水を30%加えて希釈。

註) ここで使用したポアステインはこちらから購入できます。 パステカラーは販売終了となりました。

実際の色の感じは後の方の写真を見ていただきたいのですが、共通した性質として最終的な色は元の色よりも黄ばんだり赤味が増加したりします。 この傾向は着色する板材によっても変わり、元々赤味の強い板材であればこの傾向は強まります。

シナはかなり白っぽい木材ですが、水に塗れると黄色っぽくなります。 この状態がニスを塗った時の色に近いです。 ステインを塗ると黄ばんだ生地の色の影響を受けてしまうわけです。  従って最終的な色を確認したいのであれば、予め端材などに塗って確認した方がよいでしょう。 

この確認の際理想的にはステインが乾燥後にニスを塗れば正しい色を見れますが、これは時間が掛かりますので、ステインを塗って濡れた状態のときよりもほんの少し黄ばんだ色がニスを塗った後の色として考えても差し支えないと思います。 
(ほんの少し黄ばんだと申し上げたのは、クリヤーと言われる無色のニスは若干黄ばんだ色をしているからです。)


ステインで着色する時の注意について

もっとも気をつけないといけないのは塗り斑です。 これを避けるにはステインを購入した状態のまま使うのではなく、水で薄めることが有効です。 無論水で薄めると所定の濃度に着色できませんが、一度塗って完全に乾燥した後に再び塗ることにより色の濃度は上がって来ます。 後でお見せする写真ではその濃度変化まで確認は出来ませんが、私は2-3度塗って好みの色になるよう心がけています。

また着色の境目が付くのを防止するには1工程増えて面倒ですが、ステインで着色する面を予め水で濡らしてしまうという手があります。

ステインには染料系のステイン顔料系のステインがあり、ポアステインは前者、パステカラーは後者です。  顔料系のステインは砥粉を塗った時のような木目の目潰し効果が期待でき、透けて見える木目は染料系ほど目立たない特徴があります。 作品の部分部分で木目の感じがかなり違っていてこれを弱めたい時や、木の色が違っていてこれを揃えたい時には顔料系のほうがその効果を期待できますが、実際にはステインを塗っている間に頻繁にステインをかき混ぜないと色や濃度が変わってしまう為、注意が必要です。 同様の理由で顔料系のステインはこれでもかというくらい保存容器を振ってよく混合して塗料容器にあける必要があります。

ステインの着色には「刷毛塗り」「ぼろきれに染み込ましてこすりつける」、の2つのやり方がありますが、染料系の場合にはどちらの方法でも良いでしょう。 顔料系の場合には塗料容器を常にかき混ぜる必要があるため刷毛を使ったほうが作業は楽です。

前置きがかなり長くなってしまいました。 以上を念頭に以下の一連の写真をご覧下さい。

ポアステイン チェスナットで着色したカウンタートップと下の幕板(幅木)部分。

3度塗りしたためかなり暗めとなりスピーカーグリルのクロスとほぼ同じ色に仕上がりました。

カウンター木口部分のアップです。 カウンターは真中でつぃないでいますがこの位濃い目になると繋ぎ目は目立たなくなります。(ニスを塗ると暗さが増します。)

引き出し前板をスカイグレイ色で着色中。 但し黄ばみの為にむしろ緑色っぽくなってきています。

同じく木口部分を刷毛で塗っています。 木繊維の断面はかなり吸い込むのでたっぷりと染み込ましています。

2回目以降は更に20%の水を加えて3回塗り、引き出し前板を塗り終わりました。 さあ扉に移ろうとしたところ?

実はスカイグレイ色のパステカラーは、130mlが1本しか手許にありませんでした。
130ml1本は約畳1枚分で引き出し前板を塗るには丁度良いサイズでしたが、扉部分は畳2枚分あります。 近くのホームセンター(車で約10分)で買ってくればいいや! と考えたのが大間違い。 そのホームセンターに行った所以前には置いてあったパステカラーが全くありません。 仕方なく更にそこから車で15分離れたホームセンターに行ったのですが和信ペイントの商品がおいてありません。 業務用塗料を扱っているオカジマでも和信ペイントのものは扱いを止めたようなので、以前日曜大工教室でお世話になったビーバートザンのある厚木まで(車で約1時間)行きました。  

ここにはパステカラーが置いてあるはずなのですが、スカイグレーだけが在庫切れ。 扉を他の色に変えたくなかったので何とか同色を手に入れなければならないためサービスカウンターでお願いした所、大変親切に調べて頂きビーバートザンの小田原店にはあることが判りました。 しかしまさか車で1時間は掛かるであろう小田原まで行くわけにはいかないので、取り寄せてもらうことにし、扉部分の着色は次週にずれ込むことになってしまいました。

容易に手に入るだろうと甘く見てたのが大失敗の原因ですが、ちょっと特殊な物になると販売の動きが遅いせいか取り扱いを止めてしまったり、扱っている店が極めて限定されてしまう現実は実に不便きわまりません。 

こちらは着色前のTQWTスピーカーの角。 かなりつるつるになるまで研磨してあるのが判ると思います。 また接合部の段差は0.1mm以下でしょう。

木口の無い側面を先に着色します。 若干縁から垂れるステインが木口に染み込んで塗り斑が目立たない為です。

次に前面か後面を着色し乾燥させ1時間後に残りの側面と前面か後面を着色。 最後にトップを着色という手順で塗り斑は最少に押さえました。

立てて乾燥中のTQWTスピーカー。 よく見るとまだ乾かない部分が残っていますが、その方が最終的な色に近いです。 更に水10%で薄めたステインを2回塗りました。

こちらはワインホルダーの着色。 ドキッとするような強烈な赤ですが丸穴断面を先ず着色。 かなり表面ににじんでいますが、これが顔料系のステインであったら大変な塗り斑になってしまいます。

手早く表面の着色に移らないと塗った境目が塗り斑になってしまいます。 これらの写真は全てセルフタイマーで撮影している為結構ひやひやしながら作業しています。

最後に外周部分を着色して1回目は終了。 1時間後に2回目を実行します。

水10%を加え薄めたステインで2回目の着色作業中。境目の斑がかなり消えますが、完全に判らなくなるのは3回目が終った時でした。

台無しになるような失敗こそありませんでしたが、扉の部分の着色が遅れてしまうのは予想外。 ともかくもイメージ通りの色に仕上がったと考えています。 ワインホルダーの緋赤は全くのチャレンジ色で、家内はかなり首を傾げています。  TQWTスピーカーは生地仕上げの台座に載せてみました。



註) この解説は、個室2の収納家具ワインホルダー1TQWTスピーカーの各詳細の続きです。


2003/09/19

ニス塗り本番

取り寄せてもらったステインで扉の着色を済ませいよいよニス塗りの本番です。 塗り面積と乾燥時間の速さから1日で終了するかもしれないと言っておりましたが、2回目塗り前の研磨を丁寧にする為、2日掛けることにしました。

 ここで使うニスは何度もご紹介している業務用ウレタン速乾ニスの
 速乾ドリームです。 
 特徴は塗幕が大変丈夫で硬化乾燥時間を過ぎますと爪を立てて
 こすっても傷かつかないくらいです。 また熱にも強く熱湯で変色する
 心配もありません。  使用上の注意は何と言っても乾燥時間が早
 い為手際よく作業を進める必要があります。 
 実は塗装中の様子を充分に撮影しようと考えていたのですが、塗装
 斑を作る原因になるのであきらめました。 
 薄く引き延ばす塗り方をすると15-20分で指触乾燥程度に、
 1-1.5時間で指圧乾燥時間に、6時間置けば硬化乾燥時間に到達
 するというのが経験上の乾燥時間で極めて早いです。

 このニスが硬化するのは空気中の水分との化学反応によるもので
 決して「溶剤が揮発して固まる。」という従来の乾燥形態ではあり
 ません。 従って専用の薄め液はあるもののこれを使っても乾燥時
 間は延びず、固まってきたからといってそれを救済する方法は全く無
 いわけです。 よって手早く塗装することに全精力を注ぐ必要があり
 ます。 当然ながら刷毛は使い捨てになります。

以上のような通常の油性ニスと異なる特性をもつので使用上の注意が3つあります。 

第一は、「塗装バケツに塗料容器から移す量は少なめにした方が良い!」 ということです。 

私は経験上一度に深さ1.5cm-2cm位しか移しません。 この量は短時間になくなってしまう量であり、塗料容器から移す回数が増えますので面倒といえば面倒ですが、バケツの中のニスの表面は空気に触れたとたんに硬化し始めます。 

移す量が多いと表面が空気に触れる時間が長くなり、硬化し始めた部分の粘度が高くなって塗り斑を作る原因のひとつになります。 よって塗装中に時々バケツの中をゆっくりとかき混ぜた方が良いのですが、これを激しくかき混ぜると泡が沢山出来てしまいこれまた塗幕面にぶつぶつが出来る塗り斑を作る原因となります。

第ニは、「とにかく薄く塗ることに心がける!」 です。 

このニスはかなり伸びがよくシンナーで薄める必要性は先ずありません。 厚塗りをすると塗料の中に含まれる小さな気泡がつぶれないまま乾燥してしまい、結果として塗装面にぶつぶつの塗り斑が出来やすくなります。 

これを潰す為に2回塗り前の研磨に手間取ってしまいますし、完全に取り除くのは不可能な為仕上がりも悪くなります。 無論塗り残しをしてはいけませんが、感じとしては一度に刷毛に含ませる量は、塗料バケツに1-1.5cm程漬けて軽くバケツ内面でしごいてやる位が厚塗りを避ける適量です。  (ぶつぶつの塗り斑が出来てしまった悪い例を写真で後ほどお見せします。)

第三は、「同じ所を2回以上塗らない!」 です。

薄く塗る!ということは塗幕の乾燥が厚塗りよりも早くなります。 塗幕が一様になるように! 境目が目立たないように!と同じ所を何度も塗るのは禁物です。 刷毛に含むニスの量が一定するようにして、同じ場所の繰り返し塗りは2回で終了するようにした方が絶対に仕上がりが良くなります。(その悪い例は後ほどお見せします。)


さて朝1で塗装を開始し1時近くには一回目の塗装が終りました。 指圧乾燥になればペーパー掛けしても良いのですが、硬化時間に近いところまで待ち夕方5時頃#400ペーパーで研磨を開始しました。 

充分に乾燥していればペーパーを掛けた時には細かな白い粉が研磨屑として出てきますが、乾燥不十分ですと、生乾きの研磨屑がよれて短い糸屑状になりペーパーが充分に掛かりません。 

ペーパー掛けは塗装面に全く斑がなければ、表面に発生したざらつきの頭を落とすような感覚で軽くこすってやればよいのですが、塗り斑がある場合には表面が平らになるまで削ってやらねばなりません。 特に塗り斑を作りやすいのは角の所で、垂れ落ちたような塗り斑になります。 地肌が出ないよう十分気をつけてこれらも削り落とし周りと段差が無いようにします。 

研磨面を指で触ってざらつきや段差を感じなければ終了で、良く絞った濡れ雑巾で研磨屑を拭き取ってやります。

2度目の塗装は1度目以上に刷毛にニスを含ませ過ぎないよう注意します。 というのは、1度目には塗ったニスが木材にかなり染み込んでしまいますが2度目には基本的に染み込まずに表面にそのまま残るからです。 実際に測定したわけではありませんが、経験上の感じとしては同一の塗り面積で2度目では20-30%近く1度目に比べ塗料の使用量は減るようです。

2度目が終りましたら標準的には塗装終了です。 鏡面仕上げなどにチャレンジするのでしたら、更に#600以上の空研ぎペーパーや#1000以上の水研ぎペーパーで研磨して塗装を繰り返すことになりますが、今回はここまでです。 それらの様子は以下の写真でご覧下さい。

ニス塗り後の乾燥第1会場。 個室2の収納のカウンタートップ、下部幕板。 TQWT。 TQWTのスピーカーバッフルボード。 ワインホルダー連結棒が対象。

第2会場は寝室のベッドの上を占領。 2枚重ねの新聞紙を引き4-5cm厚の本を敷いた上に扉を載せています。 また同様にワインホルダーもこちらで乾燥。

第2会場は個室1で。 床に新聞紙を敷きその上に引出しを並べて乾燥します。

前準備のひとつで刷毛先をしごいています。 安い刷毛(400-500円)は毛が抜けやすいですが、充分しごいて予め抜けそうな毛は抜き取っておきます。


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    刷毛を調達できました。  こちらからご覧いただけますが超お奨め品です。


私の1回分のニスの使用量。 上に見える塗料容器から塗装バケツに移しますが、この程度(1-1.5cm)の深さです。

TQWTの台座裏面からスタート。 台座裏は1回しか塗らないのでこれが最も合理的な塗装順序。


 補足1: 乾燥時間を考慮したTQWTの塗装順序

      1.台座底面(1度塗りしかしないため) 1時間寝かして次に進む。
      2.側面と前面か後面 1時間寝かして次に進む。
      3.残りの側面と前面か後面。
      4.立てて台座表面と木口。最後に上面。


ワインホルダーの場合は抜いた丸穴から。 ステインと違って表面・裏面にニスが垂れないよう充分注意!

続いて表面を塗ります。 このときも周りにニスが垂れないよう注意します。 この後1時間乾燥


 補足2: 乾燥時間を考慮したワインホルダーの塗装順序。

      1.抜いた丸穴を塗装。
      2.引き続き表面を塗装。 1時間寝かして次に進む。
      3.裏面を塗装。
      4.続いて周りの塗装。



 補足3: 実際の3作品の塗装順序

 TQWTスピーカーとワインホルダーは表裏塗装があるため上記のような塗装順序の工夫が必要ですが、個室2の収納
 家具の場合はそのような配慮が不要ですので、TQWTスピーカとワインホルダーの乾燥時間の間を縫って個室2の収
 納家具の塗装ということで、休むことなく作業することになります。

 3作品を一度に塗装したのは塗り面積がある程度大きくないと捨てる刷毛の本数が増えて無駄が大きくなるので、塗
 り面積を確保したかったからです。 因みに今回の塗り面積は計算では8.2m2で1回目には約900gのニスを使用しま
 した。


4時間乾燥後まず#400ペーパーで抜き穴を研磨します。

次に表面を研磨、裏面を研磨、周辺を研磨し、最後に角を軽く落とします。

研磨後のもの(上)と研磨前のもの(下)の違い。 こんなに細かな研磨屑(粉)が出ます。

こちらはTQWTの側面を研磨中です。

研磨後濡れ雑巾で研磨屑を拭った面のクローズアップで塗り斑の無かった良い面の例です。

同じ倍率で塗り斑のある面を削った後のアップ。 白く見える部分がぶつぶつのあった所で、ペーパーで削り落とされています。(シナ合板中に残っていた水分が気泡の原因となったようです。)


補足4: ぶつぶつが出来る原因

ニスの塗装面にぶつぶつが出来る件に関しまとめておきます。 経験上ですが、ぶつぶつが出来やすいのは、1回目の塗装が殆どで2回目には余り発生していません。 またシナ合板のように表面の柔らかい材料で起き易く、比較的硬い材料(タモ、栂、楢)では少ないようです。 これらの原因は全て塗膜内に出来た泡が消えないまま残ることによります。

ニスを塗料バケツに移した際よく見ると細かな泡が沢山見えます。 この泡はニスの粘度が低くさらさらなうちは塗った後壊れて塗膜内に残りませんが、塗り厚が大きいと泡が潰れる前に塗膜表面が乾燥し泡はつぶれないまま残ってしまいつぶつぶが出来る原因になります。

また表面が柔らかい材料では材料にある隙間(ここに空気が入っている。)が沢山あるわけで、これらの空気が泡となって同様の原因となります。 従って柔らかい材料ですとぶつぶつが出来やすいと言えます。 更に木材が含む水分が多いと同様のつぶつぶが出来やすいと塗料屋さんで教えられました。 速乾ドリームは水分との化学反応で硬化するのですが、その過程で泡を生成するのかもしれません。

私の経験したぶつぶつはどうやら後者の原因で出来ているようです。 そう断言できるのは2回塗りの際に同じようなぶつぶつが生じていないからです。 また後者の中でも使用木材がシナ合板であることが原因の大半ではないかと想像しています。 これらは極めて乾燥時間の早く性能が優秀な速乾ドリームの唯一の泣き所かもしれません。

その意味では乾燥時間は遅く2回目の塗装は少なくとも6時間以上乾燥する必要があり性能も速乾ドリームには及ばないものの、和信ペイントの床用ニスであれば、もっと楽に塗装が可能だと思います。(ペイント薄め液で希釈し泡が塗膜乾燥前に潰れる環境を作りやすい。)

接合面の塗装前の作業が適切だった例。 ボンドの沁み込みが全く無く、ステインとニスが均等に沁み込んでいます。

裏板なので実際には目立たないものの、接合面に白い帯状の浮きが見えます。 
(接合時のボンド拭き取りが不完全でステインもニスも沁み込まない為起きてしまったもので、救済策はありません。)


以下に続く写真は2回目塗りを済ませた後の写真ですが、ここまでに述べた着色・塗装不良の具体的な例をまず示しました。 格好悪い写真といえばそれまでですが、私にとって塗装は継続的に敷居の極めて高い作業でありいつかは克服してやろうと思いながらも、克服しきれないでいる作業です。 従って反面教師としてそれらを見ていただければと思います。

縁の部分にニスが盛り上がっています。 これは周辺の塗装時の刷毛が含むニスの量が多すぎた為に起こります。 さらに多いと垂れてきます。

これは着色斑です。 穴の縁から右の方へ濃い色のにじみが残っています。

反射する光が入らないよう撮影すると特にどうということは無いのですが?

同じ部分に光を反射させてみるとはっきりとした塗り斑があります。 斑を直そうと何度も刷毛でこすってしまった為発生しています。

TQWTのトップ。 これは失敗例ではありませんが、写真下のほうに2箇所隠し釘の穴がうっすらと見えます。 ニス塗りの場合これを消す妙案がありません

これも良い例で前にお見せした1回目でぶつぶつが出来た部分の超接写です。 うまく削り落とせた為2回目では見えなくなりました。

このように全体的にはTQWTの塗装具合が一番良かったですが、前に触れたボンドの不十分な拭き取りによる斑が前後面に若干あります。

TQWTの台座付近。 ここだけ見ると限りなく100点に近いのですが?

ニス塗りの終った3点の作品。 何れも完璧な出来栄えには程遠く自己採点では60点位でしょうか? 塗装技術はまだまだ勉強が必要です。

TQWTの全景。 下部ポート内部はこの後艶消し黒で塗りつぶします。

前述のワインホルダー塗り斑は実は連結棒のある内面の方にありますので実際の使用時には判りません。

極めて派手な赤ですがなかなか良さそうです。 連結棒は差し込んだだけですが、本文に戻って組立の説明に進みます。  -- ワインホルダー解説に戻る。--

個室2の収納家具の問題はステインが少々濃すぎたことと、ステイン着色斑が残っていることです。

カウンターと引き出し部分。 半艶消しのニスを使っていますが、この程度の艶が出ます。 僅か夏や斑がありますが、完全に乾燥後ワックスで磨いて調整する予定です。

引出しから左方向を見た所。 下部幕板部分の引き出しスピーカー等が自然な感じで収まったと思いますが、着色濃度斑があることが判ります。

引き出し部分のアップ。 毎回感心するのですが、小さなツマミが全体をきりりと引き締めてくれます。 外観上大切な部材だとつくづく思います。

ということでまとめてニス塗りは2回にわたって3作品を通してご覧いただきました。 塗り斑を作りやすいなどのハードルは低いとはいえませんが、木工での仕上げはやはり完成後の価値観・木目が見える温かみという点でニス塗りに軍配が上がります。



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