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ワインホルダー 1
2003/08/01

「ワインホルダー 1」

赤ワインにはポリフェノールが入っており適当な量の摂取は体に良いと言われており一頃ほど騒がなくなったもののワインはかなりポピュラーな飲み物として定着してきています。 

そのワインの保管は、季節の変化に即応した温度・湿度の管理や日光を遮らねばならないなど本格的なやりかたはワインセラーや地下室が必要とかなり面倒です。 しかしながらコルク栓が乾燥しないようにとの最低条件を満たすためのワインホルダーは様々な形体、デザインで出回っております。

 ということで今回日曜大工入門で取り上げようとしているワインホルダーは、フランスのペリゴー
 社のワインホルダーデザインを真似た物です。

 構造としてはワインが通る丸穴をあけた板2枚を連結しただけですので極めてシンプルな構造
 で、日曜大工入門者でも決して難易度が高くないと思います。 
 しかし工芸的な質感・香りを出すにはシンプルなだけに、丁寧な仕上げ(高度な技術ではない)
 要求されるものと想像します。

 具体的な設計や製作詳細は次回に述べますが、仕上げとして2種類が考えられます。 

第一は構想図のような原色の鮮やかな色で塗りつぶす方法です。 この場合にはネジ穴が発生してもパテで埋めた後平らにして塗りつぶせば目立たなくなるので、組上げは楽でしょう。
但し艶ありの塗装とすると表面の塗り斑はかなり目立ちますから塗装の段階で難易度が上がってきます。

第二はニス仕上げです。 この場合原色塗装のインパクトは失われますが、木目の選択や着色の仕方によって違った味わいが出てきます。 塗装の難易度は木目を生かすとなると半艶にしたいところで、この場合上記艶ありの塗りつぶしよりは塗り斑は目立たなくなると思いますから比較的容易ですが、組立にはネジや釘を使えませんので組立での難易度が若干上がります。

この作品は丸穴加工が沢山あります。 ワインを9本支える穴は直径約100mmですが、前後の板にあけられますから合計で18個あります。 これ以外に板の角も曲線としており、板と板を繋ぐ丸棒の穴も8個ありますから、丸穴加工の練習用に格好のテーマと言えるでしょう。



2003/08/15

ワインボトルホルダーの設計

前掲のボトル9本用のホルダーは穴あけを始めとした曲線加工が多くて大変ですので、最終的には4本用として設計しました。 こうした時に収められる本数が少なすぎる場合もあるので上下2段に積み重ねて対応することにしました。
無論1組しか作らなくても一向に構いません。

設計図の全貌は以下のようなものです。


材料は当初集成材を考えたのですが連結棒の穴あけに座繰り穴が必要になり、深さを揃えた穴あけは結構難しい為12mmシナ合板を2枚貼り合せることにしました。 従って貼りあわせ後24mmの厚い板となります。 

1枚の板は1辺300mmの正方形でこれを4枚必要としますが、3x6(サブロク)の半裁で若干の余りと共に2組作れることになります。3x6半裁で約\2500.-位の価格でしょう。)

連結する棒は24φのラミン棒を使いますが、長さ176mmに切断した物を4本必要としますので、1組であれば長さ900mmを1本、2組であれば長さ1820mmが1本必要です。

加工法については何度も言うとおり曲線切りが主となりますので、曲線をうまく切る勘所をよく読み予め練習しておくとよいでしょう。



2003/08/22

ワインボトルホルダーの製作

本題に入る前に設計変更に付いてお知らせせねばなりません。 前回にはボトルの実寸をよく調べずにかなり慌てて設計図を描いた為奥行きを200mmとしていましたが、これでは長すぎてきちんと載らないワインが出てくることが判り150mmに変更しました。
前掲の設計図はこれらの変更を反映した物となっています。

 また板取りを考えると3 x 6の合板を使った場合余りが多いので、9本入りの物を追加設計し4
 入り2個と9本入り1個を作ることにしました。
 (9本入りの設計図は右の図をクリックするとご覧になれます。)
 この場合には300mm x 300mmの端材が出るだけとなります。
 また連結する丸棒は6尺(1820mm)126mmの長さで切って12本取れ200mm前後の余りとな
 り板取りはまあまあといった所です。

 3 x 6のシナ合板は約\5,000.-24φのラミン棒が\400.-でしたので、4本入りのものは
 \1,400.-の材料費、9本入りの場合\2,650.-の材料費となります。

使用材料

1.シナ合板
  12mm厚のものを使います。 300mm x 300mmの板が4枚で1セットできますので、ホームセンターで販売されている小さく
  切断された物を使ってもOKで、900mm x 600mmが最低の必要量になります。 900mm x 900mmの板であれば2セットでき
  板取りが少し改善されますが、何れの場合もサイズは切り幅分だけ小さくなります。 シナ合板以外ではランバーコアを使用し
  てもよいでしょう。

2.ラミン棒
  太さが24φの丸棒です。 販売されている長さは910mmか1820mmだと思います。 910mmで1セットでき、1820mmだと
  3セット分となります。

3.木工ボンド
  2枚の板の貼り合わせと、ラミン棒で2枚の板を連結するのに使います。

4.塗料
  塗装については木目を生かす塗装と塗りつぶしの2種類があり、それら次第で塗料の選択が変わりますので、塗装の項で詳
  述します。


使用する工具

1.電動ジグソー
  丸穴あけと角の丸めに使います。 切断する半径が小さいので円切り用の刃幅の狭い物を使います。

2.可変ビット
  24φの穴をあけるのに使いますがラミン棒の太さの実寸は公称24φからずれている可能性があるので、可変ビットで現物を
  確認した上で調節してあけます。 これを電動ドリルに取付けて使用しますが、おなじみのFDD-1000では少々非力すぎて
  無理です。

3.木工ドリル
  100mmの穴を切断時最初に鋸刃を入れるために使用。 10-15φであればよいでしょう。

3.センターポンチ
  穴あけ位置の正確さを保つ為に使います。

3.クランプ
  12mm厚の合板を貼り合わせるのに使用します。 要は2枚の板を密着状態に保てればよいのでハタ金など他の物でも代用
  可能です。


加工と製作
 300mm x 300mmに板を切断するのはホームセンターで頼んでしまった方がよいでしょう。 前述のとおり小さな板から切り出
 すときは1辺を2-3mm縮めないと板取りが極めて悪くなりますのでよく考えて最終的なサイズを決めます。

 この後の作業は以下の写真でご覧下さい。

300mm x 300mmの12mmシナ合板4枚と126mmの24φラミン棒が4本。 4本入りのワインホルダーを作る全材料です。

2枚の板の角から31mmの位置に印を付け、センターポンチで軽くへこまします。

可変ビットで24φの穴をあけました。 可変ビットで穴をあけるときには電動ドリルの振動が大きくなり、危険性も増すので注意します。

穴をあけた面に木工ボンドを塗り出来るだけ均等に伸ばし穴があいていない板を載せて貼り合わせます。

その後クランプなどを使い貼りあわせ面の密着度を上げます。 完全硬化まで12時間寝かせます。

完全硬化した接着後の2枚の板です。

ラミン棒を差し込んでみたところ。

反対側の板も差し込み立ててみました。 後は穴あけと角の丸めの作業です。



2003/08/29
穴あけと丸め加工

いよいよ丸穴あけと角の丸め加工ですが、電動ジグソーで曲線切りをうまくやる方法についてはこちらで詳しく触れていますので、その部分の解説は省きます。

例によって以下の写真と解説で作業の手順をご覧下さい。

ワインボトルの入る穴(直径100mm)をコンパスで描きます。

電動ジグソーで穴を切り抜きました。 正確に切断する為、電動ジグソーの刃の前進速度は回転数を最大にしても1秒間に1mm程度と大変遅いです。(8個の穴をあけるのに休み無しでやっても1時間近くかかります。)

更に4隅の角を丸めますが、これも電動ジグソーで切断します。

切り抜いた穴の切口、外側の木口を木工ヤスリとサンドペーパーで研磨してやりました。

 ラミン棒を挿し込んで仮組立しました。(ラミン棒の固定は塗装が終了してからやります。)
 試しにワインボトルを入れてみましたが、シンプルながら曲線が主の造形がなかなかよいのではないかと思います。



塗装についてはこちらから別ページとなります。



2003/09/19

組 立

塗装が終了しましたら組立ですが、接着剤で2枚の板と4本の連結棒を接着剤で固定するだけです。 
接着剤には木材どおしですから、おなじみの木工ボンド、エポキシ樹脂、合成ゴム系、瞬間接着剤など色々考えられますが、ここではエポキシ樹脂を使いました。 その理由としては充填効果があることと硬化までの時間がゆっくりしていて落ち着いて作業できる点にあります。

充填効果とは硬化するまでの間に接着剤の体積が小さくならないので隙間を埋めやすいということで、他の接着剤についてはこの性質がありません。 板の部分に彫った穴と連結丸棒の間は相当な隙間が出ますので、充填効果がるほうが有利です。

ということで最後の作業について以下の写真をご覧下さい。

組み立てる部材とエポキシ樹脂接着剤です。 30分硬化型を使いましたので作業は落ち着いて出来ます。

A液とB液を等量混合したエポキシを連結丸棒の切口の上にたっぷりと載せます。

エポキシを載せた連結棒を丸穴に底まで差し込みます。

反対側の板の丸穴にエポキシをたっぷりと垂らし込みます。

既に連結棒を差し込んだ側を丸穴に1本ずつ差込み上から充分に力を加えて底まで届くようにします。

組みあがったホルダーを平らな面に載せて、前後の板が平らな面に均等に密着するよう調整後、写真のように曲尺を当てて前後の板の位置ずれを修正します。

エポキシが完全硬化するには6時間以上寝かします。 こうして完成したワインホルダーです。



このまま30分放置すれば完成です。 このテーマは、「丸穴抜き」「塗装」、の2点に難易度が集中しています。 丸穴抜きは一度は通らねばならないハードルですので、別項の「曲線をうまく切る勘所」も含めチャレンジ願いたいと思います。 

また塗装に関してはニス塗りではなくペイント塗りつぶしとしスプレー塗料を使うとぐっと難易度は下がりますが、この場合でも厚塗りは禁物です。 スプレー塗料の場合には、4回塗り位で完了すると考えて薄く塗り重ねた方が良いと思います。

----- 完 -----



2003/11/07

大型のものを追加製作

製作詳細をお伝えしたのは4本用のワインホルダーですが、その後ある方に依頼され9本用のものを作りました。
設計図は冒頭の方に掲載しているとおりですが、さすがに大きいです。  尚9本用は依頼者の希望によりボトルが入る穴の周りに赤のフェルトを貼ってあります。 間もなくやってくるクリスマスにこの強烈な赤がインテリアとして映える事と思います。

組立・接合には最近作った大型クランプが活躍しました。

この作品ではワインを入れる穴の周りには赤のフェルトを貼りました。

 こうして見ると大きさの違いが良く判ります。 4本入りの法のワインを入れる穴の周りはきらりと光りますが、9本入りは
 フェルトを貼った為そのような見え方ではありません。


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