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ポータブルヘッドフォンアンプ 4
   
2015/02/20

構想

本テーマは私の悪い癖である脱線しやすいというか移り気の性分から出てきたテーマです。 事の発端は2ヘッドフォーン用アンプの構想を練るうちにレールスプリッターでかなりのめり込み出し、低電圧電源用レールスプリッターについて実験を進める中で、抵抗2本による簡易型レールスプリッターが如何にいい加減な物かを確認しました。 一方で2013年7月には乾電池3本で動作するヘッドフォーンアンプを2台製作していますが、そのうち1台は抵抗2本の簡易型レールスプリッターとなっています。 実際の使用で電源のプラス側とマイナス側のバランスが大きく崩れることは余り無いのかもしれませんが、抵抗2本の簡易型の貧弱さの実状を知ってしまうと、とても使い続けられたものではありません。 特にこの簡易型レールスプリッターを使ったヘッドフォーンアンプは一番小さいこともあって実使用頻度が高いため尚更です。

そこで一度そのヘッドフォーンアンプについて振り返ってみることにしました。 先ずこれまでに気づいた諸点は以下のようなものです。

 1.使用頻度が高い理由はコンパクトさにあり、この点を更に改善(よりコンパクトに)したい。
   駆動能力はAD8397Aを使ったものの方が電源が同じでも一段上ですが、16〜40Ωのヘッドフォーンであれば充分な駆動力
   を持っており、コンパクトさは夏に薄手のシャツの胸のポケットに入れても重みでぶら下がったようにならず、冬はオーバー、
   ジャケットの内ポケットに嵩張らず収まるなどポータブル用では何よりも決め手になっています。 よって電池の使用本数を
   減らすことを始めとして抜本的に小さくする工夫をもう一度する必要があります。

 2.電源は単四乾電池3本としたが電池寿命が長いので(50時間以上)電池交換の煩わしさや不経済さを感じていない。
   電圧低下による駆動能力低下などの問題が無ければ使用本数を2本に減らしてやることも考えます。 また単四電池よりも
   小さい電池、あるいはカメラ用リチウムイオン充電池の検討などもしてみるつもりでいます。

 3.音量調節の出来ないことがデメリットになっていない。
   ポータブル用途なので音源としては99%以上がiPod Nanoとなっています。 音量調節はiPod Nanoのレベルコントロールで
   行いますが、これが煩わしさなどに繋がることはありません。 むしろ音量調整が無いので大きさや厚みの低減に寄与して
   おり、そちらの方が重要なファクターだと感じています。

 4.オペアンプとしてOPA2350の採用は大正解。
   2.7V(±1.35V)から動作するオペアンプの中で音質はすこぶる良好です。 更にFET入力の為にオフセット出力電圧が小さく
   DCサーボが不要であり、容量性負荷に対する安定度も高いので外部追加素子が最少で済みます。

 5.1.8〜3.0V電源での増幅用にOPA2350が駆動力テストを通過できればそのまま使いたい。
   電源電圧は1.8〜3.0V(±0.9〜1.5V)が濃厚であり、この場合OPA2350は規格外の動作となるため動作不十分となる可能性
   がありますので、事前の充分なテストが不可欠です。 駄目な場合にはレールスプリッターテストに使われたLMP7732MAや
   LM4808Mなどが候補になります。

 6.使うヘッドフォーンのインピーダンスは33Ω以下と限定しても差し支えない。
   私がポータブル用に使うイヤーフォーンは現在5種類ありますが、それらのうち4本のインピーダンスは16Ωで1本のみ33Ω
   です。(大型のヘッドフォーンになると状況は変る。) 市場に出まわっている商品を眺めてみると今後とも33Ω以下が殆どと
   言って良いと思います。 従って16〜33Ωが駆動できれば充分であると考えます。

以上を踏まえて回路図とレイアウトの検討を致しました。 左が現時点での回路図です。 簡単に概要を説明しますと電源は単四2本とします。 従って動作電圧は3.0Vから1.8Vとなりますので、使うオペアンプ候補としてOPA2350PA、LMP7732MA、LM4808Mを考えています。

OPA2350PAについてはオーディオ用として良い素性を持っているものの、動作電圧が2.7Vからですのでテストで確認しないとなりません。 LMP7732MAは動作電圧の問題は無いと思いますが最大出力電流は30mAとOPA2350PA(40mA)より小さいので、低インピーダンスでの駆動能力がちょっと心配ですし、オフセット電圧も少し高目かもしれません。 LM4808Mは動作電圧が2.0Vからとなっているので1.8Vで何とか動作するとは思いますし最大出力電流が70mAと大きいので期待したいところです。 但し歪みやノイズなどの面ではオーディオ用としては並のようです。

要はテストしてみないことにはどれが良しとは言い切れない部分が多いです。(3種類全てが駄目ということもありうる。)

入力回路のコンデンサーは0.1μF、抵抗は100KΩですのでChu Moyアンプと同じ定数で、低域遮断周波数は16Hzとなります。 もう少し遮断周波数を下げたいところですが、コンデンサーのサイズが大きくなって入らなかったり、抵抗値を大きくするとノイズの問題もあるので、取り敢えずの事前検討はこのままで進めます。

アンプのゲインは約5倍となりますが、もう少し下げても駆動しきれないということはないと思います。 尚出力に入れたゾーベルフィルターですが、実働テストで発振しなければ入れる必要はありませんので点線で表現しています。
電源にはLM4808Mを使ったレールスプリッターを入れています。 レールスプリッターの実験では出力にRを挿入しなくても発振することはありませんでしたが、部品レイアウトの関係で不安定になることもあるので、0/10Ω/22Ωを挿入できるようにしておきます。

さて基板のレイアウト及び全体の構想は左のとおりです。 電池が2本なので最少の内幅は21mm程になりますが、それでは余りにも狭すぎるので7mm程広げました。 その7mm幅で電池の長さのスペースに電源のフィルターコンデンサーとレールスプリッター、電源スイッチを組み込みます。 よって電源スイッチはアンプの背面となります。

レールスプリッターは別な小さな基板に組み込んだブロックを載せるようにしますが。 ブロック内のレイアウトは後述する図面を参照願います。 ヘッドフォーンジャックは2ヘッドフォーンアンプの構想で発見した最も小さくて基板に端子で固定するタイプ(マルシンのMX-387GL)を使います。 このため配線は基板裏で完了し表面で他の部品と端子などが干渉するトラブルは起きません。

ここで使う抵抗はレールスプリッターのブロック内を除き全て金属被膜抵抗1/4W品を使います。 そうする理由は本体の長さが3.4mmで片方のリードを曲げて縦位置で配線した場合6〜7mmの高さに収まるからです。 以前の超小型では本体長7.1mmの炭素皮膜型を使ったためケース内面のアルミ板に接触しやすく絶縁に苦労したためです。

レールスプリッターはDIP8のオペアンプではスペース不十分で実装できませんので、SOIC8のパッケージを使い、左の図のように12.5 x 6.5mmの大きさに切断した1mm厚ベーク板に実装します。

オレンジ色の部分は配線のパターンですが、0.3mm厚の銅板から切り出してエポキシ接着剤で貼り付けます。 0.3mm厚であればカッターナイフで切断できるでしょう。 エポキシが完全硬化後にオペアンプと抵抗4本(緑色)を半田付けします。

反対側は全面に0.3mm銅板を貼り、表側の黒丸部分と導線で接続してベタGNDとします。 このベタGNDとヘッドフォーンアンプ本体からのGNDを接続し、Vcc+とVcc-も同様に接続してやります。

このブロックは両面接着テープにて所定の位置に固定します。

というようなのが現在までの構想のあらましですが、以前の作品との大きさの比較をして見ます。


今回の構想図からの見積もりは、83.6 x 36.8 x 14.5mmで体積は44,367mm3になります。 以前作った一番小さなヘッドフォーンアンプは、95 x 41 x 14.5mmで体積が56,478mm3ですから21.4%も小さくなったことになります。 これは充分満足できる大きさかも知れませんが、もうひとがんばりしたいと睨めっこしています。



2015/03/20

構想 2

大きさを縮める更なる検討もさることながら、1.8Vでヘッドフォーンを安定的に駆動できないと上で述べた構想は根底から崩れ去ります。 そこで縮める検討は一時棚上げにして、1.8Vで満足できる動作が可能なオペアンプが存在するのかどうかの実働テストをしました。  ところでこの実験においてオペアンプの増幅回路はボルテージフォロワーとし、ゲイン 1で進めました。

そうした理由は、ポータブル用途での音源はほぼ iPod Nanoに限られ、平均した音声出力は0.6V近辺(RMS)です。 これがボルテージフォロワーをとおってそのまま出力電圧になると仮定すると16Ω負荷では23mWくらいになり充分な音量になります。 但し低抵抗駆動能力が低いと出力電力は下がり不十分な音量になりますので、低抵抗負荷能力さえクリヤーできればゲインが 1でも充分な音量が得られるはずです。 そしてこの場合部品点数が少なくなる(抵抗が4個減る)ので実装面積が減る!と言うご利益もあります。

取り敢えず実験に供したオペアンプは手持ちから3種類と新たに追加した2種類の計5種類です。 それらの主要スペックにおける比較は次の表の通りです。 一見してお判りのようにメーカー発表の動作電圧で1.8Vまでを標榜しているのはLMP7732MAのみです。 8-DIPのオペアンプを含めると1.8Vまでカバーしているオペアンプが幾つか揃うのですが、ヘッドフォーンアンプの大きさを小さくしようとするならDIPパッケージは除外しないとならない可能性が大であるので、テスト候補には入れませんでした。 それと他のSOICやMSOPで1.8Vまでカバーする物もあるにはあるのですが、オーディオ用としては物足りないので外しました。

モデル名 動作電圧 THD 入力
雑音密度
GBWP スルーレート 出力電流 パッケージ ユニティゲイン
LMP7732MA 1.8〜5.5V 0.002% 3nV/√Hz 21MHz 2.4V/μs 31mA 8-SOIC Stable
LA4808M/NOPB 2.0〜5.5V 0.05% ? ? 3.0V/μs 70mA 8-SOIC Stable
ADA4528-2ARMZ 2.2〜5.5V ? 5.6nV/√Hz 3MHz 0.45V/μs 30mA(短絡) 8-MSOP Stable
LME49721MA 2.2〜5.5V 0.0001% 2.7nV/√Hz 55MHz 8.5V/μs 100mA(短絡) 8-SOIC Stable
AD8656ARZ 2.7〜5.5V 0.0007% 4nV/√Hz 28MHz 11V/μs 75mA 8-SOIC Stable

テストの第一段階で1.8Vで一応動作が確認できたのはLMP7732MAのみでした。 他の物は正弦波の入力が想像もつかない波形に変化してしまったり、出力に何も出てこなかったり、クロスオーバー歪が発生したりと散々な結果でした。 それらはメーカー発表の動作電圧の外での動作ですから、無論文句の言える筋合いでもありません。

但しそのLMP7732MAも使い物になる値が得られたかと言うと?????でして、以下のテスト結果をごらんください。

  最大出力 (電源電圧±0.9V) 無信号時
負荷抵抗 出力電圧(RMS) 出力電力 消費電流
15Ω 113mV 0.9mW 35mA 40mA
33Ω 205mV 1.3mW 35mA 33mA
68Ω 396mV 2.3mW 30mA 30mA
330Ω 566mV 1.0mW 30mA 30mA
600mV - - - 27mA 27mA

1.8V(±0.9V)で満足に動作するオペアンプが無い!という暗鬱たる結果を得て、方向性を原点から考え直すことにしました。

そもそも、このポータブルヘッドフォンアンプ 4の構想を検討し始めたきっかけは何かと言うと、最も使用頻度の高いポータブルヘッドフォーンアンプの抵抗2本でのレールスプリッターはとても容認できる性能を有していない事が判ったので作り直しを検討しましたが、それに加え本体の大きさをぐんと縮めたい! その方法として電池を3本から2本に減らす! ということで1.8V(2本の電池を直列にした時の最低の動作電圧)に拘ってきたわけです。

本体の大きさを縮めることが単四電池3本のままで可能なら何も2本に減らすことに拘る必要はありません。 言い換えると単四3本→単四2本は中止して他の方法でケースの大きさを縮められれば、オペアンプの選択はもっと楽になる筈です。 そこで実装面積を縮めるため、2つのオペアンプはそのパッケージを8ピンSOICに限定し、抵抗も表面実装として実装面積縮小のレイアウトを検討しました。

その検討結果が左のレイアウト図です。 以前は2本の電池の間のスペースにレールスプリッターの回路と電解コンデンサーを入れましたが、それらを表面実装化したアンプ用オペアンプと共に前方に並べています。 かなり苦し紛れな部分もあるものの、体積としては単四電池2本の時とほぼ同じ体積になっています。(幅は3.5mm増加したが長さが1.6mm、厚みが1mm減少している。)

光明が見えてきましたので、3本のオペアンプの実働性能をチェックすべく実験に入りました。 以下はその結果です。

負荷抵抗 LME49721MA AD8656ARZ LMP7732MA
出力電圧 出力電力 出力電圧 出力電力 出力電圧 出力電力
電源電圧: 1.8V(±0.9V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω 124mV 1.0mW - - - - - - - - - - - -
33Ω 226mV 1.6mW - - - - - - - - - - - -
47Ω 290mV 1.8mW - - - - - - - - - - - -
636mV - - - - - - - - - - - - - - -
電源電圧: 2.7V(±1.35V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω 535mV 19.1mW 409mV 11.2mW 353mV 8.3mW
33Ω 759mV 17.5mW 553mV 9.3mW 568mV 9.8mW
47Ω 746mV 11.8mW 609mV 7.9mW 651mV 9.0mW
830mV - - - 794mV - - - 936mV - - -
電源電圧: 3.0V(±1.5V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω 564mV 21.2mW 455mV 13.8mW 398mV 10.6mW
33Ω 842mV 21.5mW 702mV 14.9mW 632mV 12.1mW
47Ω 876mV 16.3mW 738mV 11.6mW 720mV 11.0mW
979mV - - - 951mV - - - 1.04V - - -
電源電圧: 3.5V(±1.75V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω 709mV 33.5mW 594mV 23.5mW 440mV 12.9mW
33Ω 870mV 22.9mW 777mV 18.3mW 744mV 16.8mW
47Ω 979mV 20.4mW 950mV 19.2mW 859mV 15.7mW
1.21V - - - 1.02V - - - 1.23 - - -
電源電圧: 4.0V(±2.0V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω 665mV 19.5mW 709mV 33.5mW 487mV 15.8mW
33Ω 858mV 22.3mW 957mV 27.8mW 823mV 20.5mW
47Ω 1.07V 24.4mW 1.10V 25.7mW 964mV 19.8mW
1.28V - - - 1.19V - - - 1.39V - - -
電源電圧: 4.5V(±2.25V) 入力: 1KHz正弦波
15Ω *704mV 33.0mW 771mV 39.6mW 494mV 16.3mW
33Ω 1.05V 33.4mW 1.00V 30.3mW 903mV 24.7mW
47Ω 1.15V 28.1mW 1.13V 27.2mW 1.07V 24.4mW
1.56V - - - 1.60V - - - 1.56V - - -
* 註)出力電圧562mV以上で寄生発振があり、0.1μF 4.7Ωのゾーベルフィルターを追加して発振を止めて得た最大出力

負荷抵抗値の33Ω、47Ω、は実際にはそれらに相当するイヤーフォーンは殆どありませんので、あくまで参考です。(ヘッドフォーンならば沢山あるが。)  従って16Ωインピーダンスのイヤーフォーンのみが実際に使われるとしたら、3種類のオペアンプは何れもアルカリ乾電池3本直列(2.7〜4.5V)の電源で駆動能力の問題は起きないと言えます。

上の表では電源電圧1.8V時の結果が入っていませんが、全く受け入れられない波形を観測したためです。 もちろんそれらは規格外の電源電圧で起きているため決してメーカー責任ではありません。 それらの波形及び周波数特性を予測できる方形波応答については以下の写真を参照ください。

LMP7732の電源電圧1.8V、負荷抵抗15Ω時の補足です。 左は歪が少ない状態での最大値で113mV(0.9mW)ですが、更に入力電圧を増すと右のように出力電圧は上がります。 但し歪が増えて波形の頭が丸くなり奇数次高調波が増加していることを伺わせます。 そしてこの状態は使えないと判断しました。

電源電圧1.8VでAD8656が示した挙動です。 低い出力電圧から正弦波とは似ても似つかない再生波形を示し使い物にならないと判断しました。


同じくLME49721が電源電圧1.8Vで示した挙動で、低い出力にも拘らず波形の片側がすっぱり切断されたような再生波形を示し、これも全く使い物にならないと判断しました。


次の一連の波形は電源電圧3.0Vの時の方形波応答ですが、2.7V〜4.5Vの電源電圧内で大きな変化はないと思われます。

僅かなサグのため15Hz以下はレベルが低下します。(カットオフ8Hz) 3つのオペアンプ間での違いはありません。

1KHzにおいても原波形と全く同じ形ですので、100Hzから10KHzまで完全にフラットでありオペアンプ間の違い無し。

10KHzにおいても同様で、原波形と全く同じ形ですから、1KHzから100KHzまで完全にフラットであり全オペアンプで殆ど同じ傾向の周波数特性です。

50KHzになっても傾向は同じで、10倍の500KHzまでフラットです。 以上を総合すると、10〜500KHzの間が全くフラットで、それより高い方にもピークやうねりが見当たりません。 極めて優秀な周波数特性を有しています。

*印で示した寄生発振の実際の波形は右の写真のようなものです。 出力電圧が567mVを超えると写真のような高周波がくっ付いてきます。 そして出力電圧を更に上げるとそのくっ付いた部分が大きくなります。

どのオペアンプを採用するかは悩ましい問題です。 3つの比較の中で総合的に優秀なのはLME49721です。 但し寄生発振を起こしたため、ゾーベルフィルターを追加する必要があり、部品点数が増えます。 その点ではAD8656LMP7732にも魅力がありますが、寄生発振は浮遊容量で起きやすいと言われており、最終回路では浮遊容量事情が変化しますから、ゾーベルフィルターを組み込めるスペースの確保は何れのオペアンプの場合もMUSTであると思われます。 

ところでゾーベルフィルターは容量負荷による発振防止効果もあることから、ゾーベルフィルター付きのレイアウトを再検討してみようと思います。



2015/03/27

構想 3

電池電圧は最低でも2.7Vであれば、先週の実験結果と言うかポータブルイヤーフォーンアンプの駆動力不足は起きないわけで、その電源として単四電池か単五電池が一時電池として有効で、完成度の低いレイアウト案をお見せしています。

これをもっと実現容易で合理的な完成度の高いレイアウトを考えて見ました。 左がそれですが、先週紹介したレイアウトの時より少々大きくなってしまいました。 寸法としては83.4mm(82.0) x 40.3mm(40.1) x 13.5mm(13.5) で体積は45,374mm3(44,391)と若干大きくなってしまいました。

若干補足しますとケースの幅と厚みは限界に来ております。 幅は電池の直径10.5φ x 3、アルミフレーム1.2mm、板の厚み3.0 x 2を合計した39.9mmにアルミフレームが出し入れできるように隙間(0.2〜0.4mm)を加算するひつようがありここでは0.2mmとしています。

厚みは電池の太さで決まり、電池の太さ10.5φ+ アルミ板の厚み1.5mm x 2で、13.5mmが限界値です。 隙間の値を入れていないのは、電池の直径10.5φは規格の最大値であり実際の太さは若干細いのが実状であるためです。

ところで前回のレイアウトに対してスペース確保、製作の難易度改善、基板の裏の突出削除を期して、0.1μFバイパスコンデンサー 4本を裏面から表面に移動、LEDをチップ型に変更、ジャンパーワイヤーを積極的に表面側へ移動、などを配慮しています。 また安定性を確保するため、ゾーベルフィルター(抵抗とコンデンサー各2本)を追加しました。  こんな具合ですのでかなり詰まってきていると思います。


もうひとつのアイデア

以上で構想検討は完了!と思われたのですが、電源としてもうひとつの候補があることを思い出しました。
私の使っているカメラのひとつにリコーのCX-1があります。 同じカメラを娘も子供の写真を撮るために使っていたのですが、一部の機能が故障したきっかけで上の機種に買い換えた時私はこのカメラをバックアップ用として予備バッテリー共々引き取りました。 ところがそれ以前に私は予備バッテリーを2本購入していたため同じリチウムイオン充電池を5本も所持しています。(内2本はかなり使い込んでへたっているが?)

このバッテリーはDB-70という型番で、(右写真参照)
公称電圧: 3.6V
定格容量: 940mAh(Min.)/1000mAh(Typ.)

となっています。 放電終了電圧は3.0Vと考えてよいので、単四エネループ3本直列と同じ出力電圧でそれより33%増しの容量となります。 そして大きさは40.5 x 36.5 x 7.0mmで体積は10,349mm3で、一方単四エネループ3本が占有する直方体の体積は14,884mm3ですから、これを電源に使えば大きさをより小さくしながら連続使用時間が更に長くなる物が作れます。

充電器は既にメーカーの純正急速充電器を2つ持っているので、電池の取り外しが出来る構造になっていれば問題ありません。 但しリチウムイオン充電池を使うに際し放電終了の管理をしっかりやらないと発熱、発火、爆発などの危険を伴いますから、正確な自動放電終了の機能は不可欠です。 そしてその部分の回路が追加となり体積増加要素となることを忘れてはなりません。

これに基づいてレイアウトを検討したものが左です。 長さが83.4mmから74.0mmと10mm近くも減少し厚みも13.5mmから12.7mmと0.8mm減少したのですが、幅は40.3mmから46mmと5.7mm増加してしまいました。 体積比では45,374mm3から43,231mm3と2,143mm3減っており、正確な自動放電終了機能の追加による増分が約3,810mm3ありますので、5,953mm3体積を減らしたに等しく、電池の体積減少はそれより少ない4,535mm3であることから評価に値するのではと考えます。

基本的にはSMD品の使用によりここまで体積を減らせたわけで、SMDでないものは電解コンデンサー、積層セラミックコンデンサー、コネクター、スイッチだけとなっており、仮にそれらをSMDタイプに変更しても部材としての占有面積、占有体積に大きな違いがありませんから、このレイアウトの大きさは手作り電子工作の手法で小さくするほぼ限界と言えると思われます。

ケースの厚み(基板の高さ)の解決策として0.22μFの入力コンデンサがあります。 これまで金属化ポリエステルフィルムコンデンサを使ってきたのですが、容量は0.1μFで、大きさは6.5(高さ)、2.5(厚み)、7.4(長さ)です。 最近になって低域のカットオフを下げるために0.22μFを使うようになり、大きさは8.0(高さ)、3.5(厚み)、7.4(長さ)とふたまわり大きくなってしまいました。 この高さ8.0mmはケース厚の限度を決めてしまうため色々物色した結果、チップ型積層メタライズドPPSフィルムコンデンサを発見し、0.22μFの場合6.0(長さ)、4.1(幅)、2.8(厚み)と従来の0.1μFに較べてひとまわり大きいサイズに留まります。

但し取り付け面積を小さくするために本来のSMDの取り付け方ではなく、幅が高さとなるようにリード線を側面に半田付けした上で基板に立てて半田付けすることで、本体の厚みの限度がコンデンサーの高さではなくなります。(高さが8.0mmから4.1mmに減るので) 右上の写真と図を参照ください。

正確な自動放電終了機能は以前に開発して数回使ってきた電池電圧低下監視、自動電源遮断回路を無調整動作するようリセットICの追加でまとめています。 これらの動作(まだ検証していないので推測です)については次の図をごらんください。


図の左側は何度も使って実績のある回路です。 電源はFETのソースに繋がっており非使用状態ではトランジスターがオフのためゲートがソースと同電位となりFETもOFF状態で、Vccには電源電圧が出力されません。 スイッチをON側に倒すとゲートの電位は下がってFETは瞬時にONになります。 そうするとVccに3.0〜3.6Vの電圧が発生しこれが分圧されてトランジスタのベースに電圧が掛かりトランジスタはONとなるためFETのON状態が保持されます。(スイッチONです。) さてVccが下がってベース電圧が0.65V以下になるかスイッチをOFF側に倒すとトランジスタがOFFとなるためFET ONの保持も解除されるので、Vccは出力されなくなります。(スイッチオフです。)

以上がこれまでの回路の動作ですが、図中の可変抵抗で遮断時の電圧値を調整し、サーミスタによりVbeの簡易的な温度補正をしています。 この回路を今回採用すると最も小さな半固定抵抗でも7.5 x 7.5mmの大きさで、FETやトランジスタをSMD化しても場所を喰います。 また温度に対してより高精度にしたいので右側の回路を考えたしだいです。

ここに描かれたリセットICは電源電圧が2.9Vに下がるとVoutが0Vになります。(2.9V以上では電源電圧と同じ?)Voutは抵抗2本で減圧されてベース電圧となりますが、電源電圧2.9V以上では0.75V以上となるようにします。 こうした時電源スイッチONでFETはONとなりますが、ONと同時にリセットICのVoutはハイとなりトランジスタがONになるためFETのONは保持されます。 一方スイッチをOFFにするかリセットICが2.9V以下を検出するとVoutは0VになりますのでトランジスタはOFF。 従ってFETのONは解除されます。 次にFETがONとなるまでリセットICにはVccが掛からず動作は停止したままになります。

検出ポイントは2.9Vの固定でしてメーカーの資料によれば、検出電圧精度は±0.2V以内、検出温度係数は±0.05%と高精度になっています。 従って検出電圧の調整回路は不要で温度変化に対しても充分に安定です。 またここに描かれたFET、トランジスタ、リセットICの本体外寸は全く同じで2.9 x 1.3mmになっています。 外形の違いはFETとトランジスタが3本脚に対しリセットICは5本脚というだけです。(全てSMDタイプ)  よってコンパクトにまとめられるわけです。

このレイアウトで最も不満足な部分は一番右の図の前面パネルです。 電源スイッチやパイロットランプが全く必然性の無い位置でバランスが崩れていることと、ミニヘッドフォーンジャックが両端に接近しすぎているように思われます。 これらの位置は基板面のレイアウトの都合上で決まったもので、満足できないからと言っても簡単に変更できません。 これが解決できさえすればこの案は即実行となるのですが、少々頭を冷やしてからもう一度考えてみることにします。



2015/04/03

予備実験・失敗・再検討

まだ最もコンパクトなヘッドフォンアンプの構想が固まったわけではありませんが、表面実装部品が使われる部分は穴あき基板では対応できませんので、薄いプリント基板生板にパターンをエッチングして切り抜き、母材となる穴あき基板に貼り付ける構造(仮称ハイブリット基板としておきます。)を採用します。

全ての部品を表面実装する事も考えられますが部品選択の自由度が狭くなるので、2.54mmスパンの穴に部品を差し込んで裏で半田付けの構造と表面実装の混合を先ず考えることにした次第です。

作業の要は如何に正確にプリントパターンをエッチングするかです。 その昔(40年以上前の話です。)、プリント基板の製作は、マジックインク(油性マーカー)でプリントパターンを塗りつぶした上で、塩化第二鉄の溶液に浸し、マジックインクが塗られていない部分を溶解してからラッカーシンナーでマジックインクを拭い去って作ったものです。 この方法では現在使おうとしている部品の足の間隔(最小1.27mm)には対応できません。 そこで薄い紙にプリントパターンを印刷してこれを生板に貼りつけてプリントパターン部分だけを基板上から切り抜いて落とします。 その後ラッカースプレー塗料を吹き付けて乾燥したら生板に残っている薄い紙を剥がします。 そうしてから塩化第二鉄溶液に浸してパターン以外(ラッカーで塗装されていない部分)を溶かし、最後にラッカーシンナーでラッカーを落とせば良いだろうと考えました。

実はこのような方法はあまり取られておらず現在の主流は感光基板と紫外線ランプを使う方法です。 この方法ではプリントパターンを切り抜く作業がなく写真技術でプリントパターンを作りますので、正確さ、細かさで大変優れた基板が製作可能です。 但し感光基板、紫外線ランプ、専用現像液など大変高価でありプリント基板メーカーのそれらで構成すると総機材の費用が4〜5万円にもなってしまいます。 何十枚もの基板を作るのであれば別ですが、せいぜい5〜6枚も作る程度でしたらそんな費用は出したくありません。 そんな理由で上に述べる方法を考えたわけです。

さてそのような作り方が可能かどうかの実験を致しました。 うまく細い線を切ってプリントパターンを切り出すには、剥がしやすい、粘着部分が薄く伸びが少ない、薄くて丈夫な紙を生板に貼り付けねばなりません。 手持ちにある材料や近所で入手できる材料を色々物色した結果、マスキングテープを生板に貼り付け、その上に極薄のインクジェット紙にパターンを印刷し、裏にスプレー糊を吹き付けてマスキングテープ上に貼り付けます。 これで1時間経過後に先細のカッターナイフでパターンを切り出すというものです。

この方法はカッターナイフで切り出す前は如何にもうまく行きそうに思えました。 しかしカッターナイフで1mm幅ほどのパターンを切り抜こうとすると妙にぐにゃぐにゃした感じでうまく切り出せず、作業の継続は極めて困難であることが判りました。 そうなる犯人はマスキングテープに付いている粘着材です。 パターンを印刷した紙を直接生板に貼って乾燥後に切り出せばぐにゃぐにゃした感じはだいぶ薄れて切りやすくなりますが、今度はパターンを剥がしにくくなります。 試した3Mの『スプレーのり 55』は、剥がしやすい!との触れ込みですが、どうしてどうして簡単に剥がせませんし糊が残りやすく溶かせない部分がそこここに出てしまいそうです。 マスキングテープは全ての粘着テープの中で最も剥がしやすく粘着材が残りませんから選んだのですが、その粘着材がぐにゃぐにゃで切りにくい原因になったわけです。



例によってExcelでパターン図を描きました。 左端の図からパターン部分を描き出して6つを並べました。 1マスが印刷時に5 x 5mmですが4マスの長さを5mmとして描いています。 よって印刷時に25%に縮小します。

描いたパターンの出来具合を実際のオペアンプを載せて確認中。 上のオペアンプは少々上にずれていますが、パターンそのものに問題ありません。 下はオペアンプがドンピシャの位置に載っています。

厚さ0.4mmのプリント基板生板にマスキングテープを貼り付け、その上に印刷したパターンをスプレー糊で貼り付けました。 この後右に見えるカッターで切り出しにチャレンジしたのですが・・・・・・・??  結果として作業は断念しました。

マスキングテープに代わる粘着材層が薄くてぐにゃぐにゃせず剥がれ易いものですが見つかりませんし思い付きません。 また幅1mmのパターン切り出しは想像以上に厄介な仕事でした。 そこで王道というか感光基板を使う方法で安く上げる方法をあれこれ探し出し、費用を抑えるアイデアを練りました。

第一は紫外線ランプですが色々物色する中でUV乾燥型マニキュア用の物が\2,300.-で購入可能でありランプの寿命はそれほど長くなさそう、100 x 120mm程度までの基板にしか対応できない? と多少の問題があるものの、価格が魅力的なので試してみることにしました。(右写真参照)

またパターンフィルムはOHPフィルムを利用するのが最も簡単ですが、最近では殆どの文房具屋さんや文房具売り場には置かれていないので、マニキュアUV乾燥機共々ネットで購入しました。(10枚 \832.-) 現像材、感光基板、フラックス・・・・・、など締めて\5,000で材料/道具を揃える予定です。 従って総費用は\8,000強というケチケチ志向で済みそうです。(メーカー推奨の物で揃えると4万円以上の出費になる。)


基板作り方法変更に伴うレイアウト変更

基板の構造は既にお話しているように0.4mm厚生板基板と1mm厚穴あき基板の貼り合わせでしたが、0.4mm厚の感光基板はありませんので、1mm厚感光基板に全部品を実装することにします。 そこでこれまで好んで使ってきた指月電機積層型金属化ポリエステルフィルムコンデンサはパナソニック製のチップ型積層メタライズドポリフェニレンサルファイドフィルムコンデンサに置き換えます。 バイパスコンデンサーもチップ積層セラミックコンデンサに変更で抵抗と同サイズになります。 ミニフォーンジャックはここのところ好んで使っているMX-387GLを基板にあけた穴に埋め込んだり、足を外側に曲げて表面実装タイプにして使うことを考えます。 トグルスイッチもスイッチ本体をエポキシで基板に接着し足を曲げて表面実装してやればよいでしょう。

ということで単四電池3本型のレイアウトを考えました。 右がそれですが、これでは何がなんだか判らないでしょうが、クリックして拡大図をご覧ください。 ここではミニヘッドフォンジャックは表面実装型に改造して取り付けられます。 全長が1.7mm増加していますが、これ以上いじめてもという気がします。

レイアウト図を良く見ると組み立て順序を良く考えないと組み立て不能に陥る可能性がありますので、充分注意が必要ですしその意味では完成度が低いわけですが、大きさを抑えないといけないので、どこで妥協するかを良く考える必要があります。

次がリチウムイオン充電池を使ったレイアウトの再検討なのですが、あるパーツショップのサイトを見ていた時に気がついたのですが、3.7V 400mAhのリチウムイオン充電池を発見しました。 大きさは 35 x 25 x 5mmです。 スペック上はエネループ単四3本を直列にした時とほぼ同じで、ヘッドフォーンアンプ用として適当な値です。(消費電流15mAとすると連続使用で約27時間もつ) リコーのDB-70に較べると大幅に小さくなりますので、この電池が使い物になるとしてレイアウトを検討しました。

それが右のレイアウト図になります。 上の単四3本型と同一縮尺になりますので、感覚的に大きさが如何に小さいかが良く判ります。 計算してみると単四3本型よりも28%も体積が下がります。 そう出来た理由は電池の小ささがなんと言っても大きいのですが、ここで描いた電解コンデンサーは100μF 6.3Vでそれを4本も使っています。 つまり±それぞれ200μF 6.3Vとなるわけで、電気回路の充実度も大きいです。 苦しいところと言えばミニヘッドフォーンジャックの取り付けで、基板の角を切り落としてフレームとの間に挟み込まないとなりません。 これはヘッドフォーンの中心がケース厚みの中心となるためにしているのですが、この部分の加工作業はかなり慎重にやらないとなりません。

これは是非ともやりたい構想になりそうですが、電池がまともに使える信頼性の高いものかどうかに掛かっています。 従って電池の実働試験をやって満充電、完全放電を繰り返しながら発熱、電圧の推移、放電時間を測定してみたいと考えます。 当然ながらSMD素子で作った自動放電終了回路の動作実験もその中に含まれます。



2015/04/10

無名に近いリチウムイオン電池のテスト

発見したリチウムイオン充電池が使い物になるかどうかの見極めの実験をするために、専用の充電器と共に発注し入手いたしました。 価格は電池が\975.-、充電器は\895.-と格安でした。 現物は生のリチウムイオン充電池をアルミ蒸着されたプラスチック製の袋に包み、メスのコネクターを付けた赤黒の出力ケーブルを外部に引き出しています。 単刀直入に言えば、仮にまっとうな代物であったとしても、このまま使い続けるのはケーブルを切断しやすいですし、充電器との接続も固くてスムーズさが無く(その前に充電器も裸の基板にUSB接続のコネクターと電池に接続するオスのコネクターと周辺部品数点が付いているだけのスケルトン!)、半完成品その物です。 詳しくは以下の写真をご覧ください。



これがリチウムイオン充電池のパッケージで、左が表側で右が裏側です。 左上に小さくSparkfun Electronicsと入っていますが、メーカーのパッケージではなさそうです。

ラベル左下の青い文字のクローズアップ。 放電下限電圧が2.75Vは低すぎるのでは? スペックの一部と『使用者の自己責任』が強調された文書。 そして注意書きとは? 



裏側の『必ずお読みください』と題した下の小さな文字の箇条書きがそれのようですが、リチウムイオン電池の一般的な取り扱い注意事項にしか過ぎません。

充電器に接続するコネクターですが、メーカーのホームページを調べたら JST(日本圧着端子)のPHシリーズであることが判りました。 些細なことですがこれは朗報です。



リチウムイオン電池はアルミ蒸着プラスチックに包まれています。 これを分解するのは避けたほうが良いでしょう。 気になるのは表、裏のどこにも生産メーカーが記載されていないことです。 パッケージを分解すれば判るのかもしれませんが、これでは何が起きても責任の所在がはっきりしません。



充電器のパッケージは電池以上で説明書はおろか注意書きも何も付属していませんでした。 ご覧の通りスッポンポンの裸基板で、手前が電池に繋がるJSTのオスのコネクターです。

充電器基板の背面。 LiPo Charger Basic の記載があるだけで、こちらも生産メーカーの記載が全くありません。 この後実際に動作させてみたら、充電中に赤のLEDが点灯する自動充電器であることが確認できました。

充電する場合にはこのように接続してUSBケーブル(mini-Bタイプ)でパソコンに繋いでやります。 一応充電動作らしきことははちゃんとしたようですが、全く説明書も無いので不安を感じます。

リチウムイオン充電池の扱いの気難しさや事故のリスク!を考えると、まともな説明書が電池、充電器共に付属していないこんな商品は、ズブの素人には全くお奨めできない物です。 とは言えこのようなことはおおよそ判った上で購入しているので、リチウムイオンまたはポリマー電池の一般的な技術知識を元に、実働試験などで致命的な問題が出なければ使う予定でおります。

最初に充電器で満充電とします。 充電時間も知りたいところですが、充電前にどの程度の残留電力があるのか不明ですので、完全放電後に再度充電しその時に測ります。 充電開始は簡単で上の写真のように接続後パソコンのUSB端子に繋ぐだけです。 そうすると基板上のLED(SMDタイプ)が赤く点灯します。 1時間ちょっとでLEDは消灯し充電は無事終わったようです。

充電後に定抵抗放電による電圧と電流の変化を10分毎のインターバル撮影モードで撮影しました。 本当は定電流放電としたいところですが、放電器を作らないとならないので、抵抗1本と電流計、電圧計だけで実行出来る定抵抗放電(放電電流が徐々に下がっていくので、放電時間は少し長めになります。)としました。

抵抗は手持ちの51Ω 2Wの抵抗を使いましたので、メーカー公称の3.7Vでは72.5mA、放電停止の3.0V時には58.8mAに放電電流が低下します。 実際のヘッドフォーンアンプの消費電流はこの値の1/4〜1/5程度になるはずですので、得られる放電時間の4〜5倍がおおよその連続動作時間になります。 その結果は次のグラフをご覧ください。


思っていたよりも電圧が高めでスタート直後は4.13Vでした。 メーカースペックの3.7Vになったのは何と4時間20分も経ってからです。 そして最後に撮影された5時間40分後の写真で電池電圧は3.3Vでしたが、次の5時間50分後には電池電圧・電流共にゼロとなっています。 どうやらこの間にシャットダウンされたようです。

従ってシャットダウンまでの経過時間は5時間40分から50分の間で、シャットダウン時の電圧は3.3Vより僅か下(推測ですが3.0〜3.1V)と考えられます。

消費電流は80mAから68mAへと暫時下降しており、平均値としては73〜75mA辺りだと思われます。 放電電流平均値を仮に74mAとし、放電時間を5.75時間とすると放電電力量は426mWhとなりますが、定抵抗放電では放電時間がやや長く出る分大きめの値になっているでしょう。 メーカー公表の定格容量は400mAhですからほぼ合っていると言えます。


以上の結果をリチウムイオン電池の一般的な放電特性と比較してみました。 次の図は2,000mAhの電池で横軸は放電容量(mAh)になっていますが、これと比較してみました。


このグラフの0.2Cの赤線と私が測定した変化の仕方は非常に似ています。 0.2Cのラインは何かというと、満充電容量が1時間で完全放電する電流をCと定め、その20%の電流で放電したときの電圧変化を表しています。 この例では2,000mAhが満充電容量ですから400mAが0.2Cの放電電流になります。

同様に私のテスト結果ではどうだったかと言うと、満充電容量は400mAhですからCの値は400mAとなります。 一方平均放電電流は75mAですから、0.19Cに相当しこの上のグラフの0.2Cに非常に近い条件です。 このため電圧変化もよく似ている結果になると考えられます。 1Cや2Cになるとグラフは下の方に平行移動しますが、これは電池の内部抵抗による電圧の内部ロスが大きくなるためです。

放電終了は自動検出により3.0〜3.1Vでシャットダウンしたと推測されています。 そこでメーカーのスペックシートをつぶさに調べたところ過放電検出・遮断回路の動作電圧は3.02V〜3.18Vであることが判りました。 そこで電池をもう一度満充電し51Ωの抵抗を繋いで今回は1分毎に電圧・電流の変化を撮影して更なる検証を加えました。

その前に再び満充電いたしますので充電時間を測定します。

充電時間の測定は5分後のインターバル撮影にて実施しています。 単純に充電が停止するまでの時間測定で、左端が充電開始の写真で、右上の充電器の赤のLEDが点灯していおり7:00時を指しています。 中央はLEDが消灯する前で8:10、右が消灯した後の写真で8:15です。 これらより充電時間は1時間10分から1時間15分の間であることが判りました。 急速充電であることが確認できています。

左端の写真は放電開始直後で時刻が09:47になっており、出力電圧は4.13Vです。 真ん中の写真はシャットダウンする前の写真で電圧は3.09V、時刻が15:31です。  右端はシャットダウン後の写真で時刻は15:32、電圧電流共にゼロ値です。 放電時間は5時間44分ということになります。 この間めまぐるしく下ってゆくDMMの電圧値を目視で確認していましたがシャットダウン時の電圧は3.01V3.02Vでした。 さすがにその時刻までは読み取れませんでした。

以上の追加実験でメーカーが規定している過放電検出・遮断回路は正確に動作していることが確認できました。 そして無名に近くて素性がはっきりしないまま販売され、しかし廉価なリチウムイオン充電池が、まともで安心して使えそうなものであることが判りました。 ひとつだけ不可解なスペックである、『放電下限電圧 2.75V』ですが、これはメーカーが一切表示していない明らかな誤表記ですので、至急直すよう販売店に申し入れました。

さて既にまとめつつある回路をもう一度見直して簡略化出来る部分の削除と追加すべき回路の検討を続けてみます。 随分手間が掛かっていますが、かなり光明が見えてきたように思います。



2015/04/17

無調整シャットダウン回路のテスト

リセットICが入手できましたので早速実験を始めました。 そしてリセットICのVoutはオープンコレクターになっていることが判り以前提示した回路を若干修正しました。 またシャットダウン電圧を3.1Vと電池に入っているシャットダウン回路が作動する0.1V高い電圧で動作するよう設計変更しました。 と言ってもポテンショメータを挿入するようなことはなく1608の抵抗ひとつの追加ですから設置スペースも殆ど変わりません。

次の回路図が電源スイッチ周りの最終回路で、2点鎖線枠内がリセットスイッチの動作確認実験回路です。


リセットICには5本の足がありますがM/R、SUBはここでは使わずGNDに落とします。  820Ωと12KΩは動作電圧調整の抵抗で、電池電圧が4.1Vの時3.8V、電池電圧が3.1Vの時に2.8VがリセットICのVccになります。 そしてこの電圧でリセット動作しますので、電池電圧が3.1Vに下がると動作することになります。(メーカーのスペックではリセット動作電圧範囲は2.75〜3.05Vでありその範囲に入っています。)

この回路で電源スイッチが一時的にONになるとFETのゲート - ソ−ス間の電位が大きくなりFETはONの状態になります。(電源ON) そうするとリセットICは動作開始しますが3.1V以上のVccであれば、VoutはオープンであるためVccは8.2KΩと2.7KΩで分圧されNPNトランジスターのベース電圧は1.01V〜0.77Vの値になります。 そうするとNPNトランジスターはONですのでFETのゲート電位はGNDとなりFETはON状態を保持されます。

さてVoutは ONでは開放状態になりますがリセットICが作動した場合にはOFFとなりGNDレベルの0Vになります。 そうするとトランジスターはOFFとなり、FETのON保持は解除されてOFFに変ります。 そしてリセットICの電源も遮断され、全てがOFF状態となります。

以上の動作で大事な部分は、リセットICの温度係数(±0.01%)のみが全体の動作精度に拘わることで、放電終了のタイミングを精密に管理できる点にあります。


最終的な基板レイアウト・プリントパターンネガの作成

リチウムイオン電池を使った場合の電源回路構成も固まりましたので、2つの仕様(乾電池とリチウムイオン充電池)による最終構想をまとめました。 乾電池使用の場合は後述するリチウムイオン電池使用の場合より電源回路が簡単(電池寿命時の管理不要。)であり、言い換えれば作りやすいわけですから、乾電池使用の最小型として作っておこうと考えています。

1.単四アルカリ乾電池3本仕様

回路図は左の通りで部品点数が少なく収まっています。 使用するオペアンプはAD8656ARZとしていますが、オーディオ用のSOICパッケージで2.7V以上で動作してユニティゲイン ステイブルな物であれば使えます。 レールスプリッター用はSOICパッケージで2.7V以上で動作してユニティゲイン ステイブルな物であればオーディオ用でなくても構いません。

LEDも青の単純な電源ONであることを表示するものとしていますが3φの砲弾型では設置スペースが取れそうも無いので、1608型表面実装タイプをサブ基板に固定してアルミフレームに貼り付けてやる予定です。

最小限の大きさとすべく、表面実装用の部品を全面的に使ったレイアウトは右の図の通りです。

但しミニヘッドフォーンジャックは基板挿し込み取り付け用の3本のピンを外側に曲げて基板に表面実装します。 1本だけ配線しないピンが残りますが、これは基板に穴をあけて挿し込み裏側で曲げて固定します。

基板の裏側は1.2mmのスペースしかありません。 そこでジャンパー線や電池への引き出し線などは全て部品取り付け面で行うことになります。 従ってすっきりという外観にはならないでしょうが仕方ないところです。 電源スイッチはON-ONタイプの超小型のものですが切断電力容量に注意が必要です。 ここではショート時を除けば最大で4.5V、50mAを切ると考えると切断電力は0.225VAとなりますが、スイッチの規格は0.4VAですのでゆとりがあります。

以上のレイアウト図からプリントパターンネガを起こすのは精度不十分ですので、2倍に拡大したレイアウト図とプリントパターンを起こしました。 左の図がそれです。  左側のレイアウト図は部品の大きさを正確に表していますから、更に部品定数を描き込んでやれば、実際に組み上げる時に役立つと思います。

中央は左のレイアウトをそのままコピーしてから部品や配線を全て削除後にパターン部分を黒く着色しています。 良く見ると小さな丸穴がありますが、これらは元の穴と同じ位置に0.5φで描き込んであり、銅箔に小さな穴があきますが後でドリルの穴あけでマーキングポンチの代わりになります。

一番右は中央のパターン図を左へ90度回転させたものですが、その左下の空白にVIC's D.I.Y.の文字を入れたかったためです。 この右端が印刷用原図になります。


2.リチウムイオン充電池仕様

リチウムイオン電池仕様ではアルカリ乾電池仕様に対し電源回路に自動電源シャットオフ回路と電源電圧表示回路を追加しています。

使用予定のリチウムイオン電池は自身で3.01〜3.02Vで自動的に遮断されますが、更に安全を考えてそれよりも0.1V高いところで電子SWを遮断いたします。 それには今週冒頭で述べたリセットICを使います。

電源電圧表示回路はお馴染みのPNPトランジスタと2色LEDによりますが、全て表面実装の部材で賄えることが確認できました。 特に半固定抵抗はおよそ3mm角というとんでもなく小さな物が入手できました。

それらの部材は背面に充電器を繋ぐコネクターを取り付けるために出来た残りのスペースに何とか組み込めました。 充電器を繋ぐコネクターは区分2のDCコネクターですが表面実装タイプではないので、3本の端子は外側に90度曲げて表面実装とします。 また固定ピン2本は基板に1.2φの穴を2箇所あけて挿し込み、出たピンを曲げて固定します。  それとミニヘッドフォーンジャックは単四3本型と同じ物ですが、こちらは凸型の基板の欠けた部分に当ててアルミフレームとフロントパネルにあけた6φの穴にジャックを挿し込みながらアルミフレームとの間に落とし込んで接着する! というえらく工作精度を要求する方法で固定します。 この為にアルミフレームは数回作り直しになるかもしれません。

もうひとつ、全体の大きさは以前にお見せした自動遮断回路や充電器コネクター無しの計算値32,938mm3を10%近く大きな35,974mm3になっています。 それでも以前には考えていた100μ 6.3V x 4の電源の電解コンデンサーも半分に減らし、0.22μFの入力コンデンサーも0.1μFに減らさざるを得なくなっています。

然しながらそれでも単四型に較べて22%近く小さくなっておりますので、辛うじて本構想は意味があると思います。 左はその基板レイアウトの2倍拡大図面とプリントパターンネガです。
こちらは電池の厚みが5.5mmと薄いので基板に載せるような構造にしました。 こうすると基板の裏のスペース(1.2mm)は前方-後方を結ぶ7本のケーブルパスとして有効です。

そうそうミニヘッドフォンジャックは接続ピンが上になるよう取り付けます。 従って入・出力の配線は全て基板の上側で為されます。 また言い忘れていますが、背面は木の板ではなく1mm厚アルミ板です。 そうした理由はDCコネクターのジャックを基板にしっかり固定させようとすると、コネクターが2mm強引っ込んでしまうことが判ったためで、3mm厚の木の板から1mm厚アルミ板への変更でジャックは背面にほぼ面一に取り付けられます。

プリントパターンネガ原図まで完了させるのに10回近くやり直しをしたでしょうか。 後は間違いがないかどうかの確認をした上で、OHPフィルムへの印刷、感光基板に転写、そしてエッチングへと続きます。



2015/04/24

プリント基板のエッチング

プリント基板のエッチングでは以前にも申し上げたように一部の材料にメーカーが販売しているものではなく、一部は一般に入手可能な物に置き換えています。 その理由はコストです。 OHPフィルム、紫外線の光源、感光基板とネガフィルムのホルダーなどがそれらで、購入費用は数万円の差が出てきます。


基板作りで購入した物はここにお見せする左上から、露光テストチャート、その右の現像剤、中段左から感光基板、ひとつおいてフラックス液エッチング液です。 他に既にお見せしたUVネイルドライヤー(USpicy USND-3603)OHPフィルム写真現像用バット2つ、そしてゴムカバー付竹ピンセットがあります。

それによる仕上がりの結果への影響がどのくらいあるか比較できませんのでなんとも言えませんが、結果としては使い物になると言う意味で60点の合格点が付けられるだろうと思います。 私のやった方法を推奨できるわけではありませんし、基板作りの詳細解説記事でもありませんので、簡単に作業の経過を説明します。


基板製作作業のあらまし

1.プリントパターン原図の作成
  原図はMicrosoft Excel上での描画で作りました。
  私はセルの縦横の長さが印刷時に5mmになるよ
  うにしています。

  パターンネガ用にはこの5mm間隔は荒っぽすぎ
  るので4倍の4マスが5mmになるとして描いてい
  ます。  こうすると四角形描画のデフォルト幅は
  0.5mmになります。 そしてこの幅の1/8が表現で
  きる幅の限界になります。

  つまり0.0625mmが書き表せる最小のステップと
  なりますが、いうまでもなく可能な工作精度からし
  て充分なステップです。(ほぼノギスを使って計測
  可能なステップです。)


  描き上げた図面は100mm x 100mm の大きさ(80
   x 80マス)の黒塗りつぶし枠内にコピーします。
  これは購入したUVネイルドライヤーで焼き付けら
  れる最大サイズが100 x 100mmであるところから
  きています。

  ということで右の図のような原図が出来上がって
  います。


2.OHPフィルムへの印刷

  100mm x 100mmの原図をExcelのコピーファンク
  ションでコピーしてそれをPaint Shop Proに貼り付
  けました。 その画像をイメージ情報で確認する
  と、1600 x 1601ピクセルで画像サイズは22.222イ
  ンチ x 22.236インチ(72ピクセル/インチ)です。

  ここでイメージサイズ変更モードで解像度が72ピ
  クセル/インチになっているのを406ピクセル/イン
  チに変更します。 そうすると印刷時サイズが
  10.01 x 10.016cmに変ります。 0.01〜0.016cmの
  誤差が出ますがこれは良しとします。

  次に画像の左右を反転させて、印刷する準備は
  整いました。  使うOHPフィルムはエーワンの品
  番27077で厚みが0.1mmのポリエステルフィルム
  でインクジェット用です。 そしてプリンターはキャ
  ノンのPRO-100を使っていますが、念のために紙
  に先ず印刷して確認後に本番印刷をしました。

  右はOHPフィルムに印刷後110 x 110mmと左右
  5mmずつ拡大して切断しています。 右のフィル
  ムは高さが85mmですが、これは100 x 75mmの
  基板に合わせたためです。

  それと左のフィルムは下40mm部分が真っ黒ですが、この部分の生基板は20mm幅2枚に切り落とし次に述べる露光時間調整
  に使っています。


3.露光時間の調整

  先にも触れたようにメーカー純正の紫外線の光源を使い
  ませんので、どの程度の露光時間が適当なのかを探し出
  さないとなりません。

  ここでめくらめっぽうなやりかたは費用と時間が掛かるだ
  けなので、ネットにて先人の経験談を総合してみたところ
  5〜10分辺りになりそうです。

  因みにメーカー発表のデータでは、基板が製造された直
  後は90〜120秒の露光時間(メーカー純正のライトボックス
  を使った場合。)
です。 そhして製造後5ヶ月くらいは急速
  に必要な露光時間が伸びて120〜150秒位になります。
  その後メーカー指定の寿命(1年)までは安定しています。

  そこでメーカー製の露光テストチャートである、
  サンハヤト NZ-PT001を入手し1枚目は5分の露光を与え
  てから現像しました。 そしてもう1枚は10分の露光を与え
  同様に現像しました。

  それらを比較したものが右の写真です。 テストチャートに
  は灰色の帯が1から12までありますが、白い数字を見て最
  適露光時間を見出します。 その条件とは、

  白数字の1〜2が読めず3以上が読める。 または1〜3
  読めず4以上が読めるのであれば適正露光。

  1〜2のいずれかが読める場合は露光不足。 4以上が読
  めない!は露光オーバー!とあります。

  これらの条件を照らし合わせると偶然ですが、5分、10分
  何れの露光時間も適正露光範囲に入っているようです。
  後で述べる結果からはピンホールを減らすためにも露光
  時間は減らした方が良さそうでした。

  そこで私が用意した機材の組合せでは現像時期が製造後
  3〜4ヶ月までは5分、6ヶ月を超えたら10分を適性露光量とすることにしました。(今回使った基板は製造後3ヶ月です。)


4.露光と現像・エッチングの本番

  現像とエッチングに使う薬品はメーカーの純正品です。 現像薬はサンハヤトの感光基板用現像剤 DP-10でこれを200ccの
  水に溶いて30℃で使いますが、100 x 150の基板3〜4枚の処理能力があります。 但し一度溶解したものは保存性が良くない
  ので処理枚数が少なくても、使用後に中和処理して廃棄した方が良いと思います。

  エッチングは塩化第二鉄の溶液ですが、これもメーカー純正の物であるサンハヤトのプリント基板エッチング液 H-200A
   (200cc)を使いました。 これは40℃が指定の使用温度ですので、使う前に容器毎高温の水に漬けて温度を調整する必要が
  あります。(但し45℃以上は不可)

  以上の処理液は写真現像用のプラスチックのバット(240 x 190 x 40mm)に入れて作業しました。 何れの液の場合も200ccと
  いう少ない量ですが過不足無く、液の撹拌もバットの端を持って軽く上下するだけで液が飛び散るようなこともなく作業できま
  した。


露光は自作の受け板(私は羽子板と言っています。)に生感光基板を載せてその上にプリントパターンネガを載せた上にガラス板をそっと置き、位置を調整したら輪ゴム2本で抑えます。 そしてこれをUVネイルドライヤーに挿し込み奥に当たったところで置きます。(上の写真では感光基板ではない普通の生基板を代わりに使っています。)

  露光時間の10分が過ぎたら電源スイッチをOFFにして基板を取り出し、25℃の現像液に入れて時々液を撹拌しますが30〜60
  秒経ったら水の入ったバットに移動して水洗します。 水洗を数回繰り返したら40℃のエッチング液に浸して10分で不要な銅
  箔部分を溶かしてくれます。 目視で溶かすべきところが溶けていることを確認した上で水の入ったバットに移して数回水を交
  換することにより水洗します。

  さてこの後パターン部分に残っている感光幕を落としてからフラックスを塗って錆び防止と半田載りの改善をして完成なので
  すが、理解に苦しむ異常を発見したためそれらの作業を止めました。(詳細は以下をご覧ください。)
  

この写真の上の方はなにやら黒い粒々が見えます。 これはいったい何なの?とばかりに、VIC's D.I.Y.の辺りをクローズアップしたところ・・・・・・



どうやら小さな穴のようです。 その大きさは後ほどの写真で出てくる小さな丸は直径0.5mmで描いていますから直径約0.05mm位のピンホールのようです。

銅箔部分を貫通しているかどうかの確認のため明るいところに向けて透かしてみました。 左の写真と同じところを見ているのが矢印の先で判ります。



他の部分で穴が多い箇所ですが、穴の大きさはVIC's D.I.Y.の周りよりは小さいようです。

こちらは単四3本タイプですがグンと穴の量が少なくなっています。 これはどこから来るのか? もしかしたらネガにそんな穴が??



と考えてネガを透かしてクローズアップ。 右半分は左に対し明るさを4倍に増加したものですが、沢山のピンホールとなりそうなやばそうな穴は全く見えません。

もうひとつ銅箔が完全に溶け切れていない部分を発見しました。 取り敢えず写真で判りやすいよう細いマイナスドライバーで削ってみました。 多分上との関連性はないでしょうが、こちらはどうして起きたのか?


前者はパターン全体を半田メッキして穴を埋めてしまえば良いのでしょうが、オーディオ的には其のままでも問題ないかもしれません。 後者は工芸用ルーターに小さな切削ビットを取り付けて削り落としてやる必要があります。 さもないとそれらの周辺は電気的なショートの原因になり得ます。 いずれにせよ使い物になる範囲のトラブルであると思うので辛うじて合格の60点としました。 基盤作りはなかなか難しく敷居が高い作業であることを再確認しました。

後者の銅箔が溶け切らなかった部分は、0.8 x 0.7mmのカッター目の精密ミニヤスリ ビット(軽金属、木材、宝飾、樹脂切削用)を購入し、ミニルーターに取り付けて削り取りました。 始めてこんな細かな切削作業を致しましたので、手元が滑って余計に削ってしまった部分もありますが、電気的には問題が出ないようになっています。 以下の写真もご覧ください。



ミニルーターに取り付けた精密ミニヤスリ。 先端は直径0.8φ、長さ0.7mmがカッター目のヤスリになっています。 軸はテーパー状になっていますが、最も太い左上の部分で直径2.34mmです。 極めて小さな先端です。

そのクローズアップ。 ルーターを握って垂直に突くように当てるとフライス盤で切削するのと似たようになり、そのまま水平移動すれば幅0.8mmの溝が彫れるわけですが、左右にぶれやすく必要のない所を削ってしまいました。 しかし後半には矢印の角の部分を軽く当てる方法でもっと正確に削れることが判ってきました。



ミニルーターで修正前の基板。 赤っぽく見えるのは状況を確認するため小さなマイナスドライバーで削った跡です。 既に削らなくて良いところを削っています。

エッチングで溶けなかった部分を削り終わった後です。 矢印の先は垂直に当てたヤスリが滑って、削らなくて良い部分を削った跡でちょっとみっともないですが、これでパターン間の変なショートは発生しないはずです。


もうひとつの問題(小さな穴が沢山出来てしまう件)はどうやら露光時間とパターンネガを作るOHPフィルムに問題がありそうです。 露光時間は今回はオーバー気味にしたようで、小さな基板に入れたVIC's D.I.Y.の文字が一部欠き取られて読めなくなっていることで、そう思われます。(ネガではちゃんと読めます。)

もうひとつのパターンネガを作ったフィルムについては、『メーカー純正のシートを使えばピンホールは出ないが価格が市販のOHPフィルムの10〜20倍もするので使い切れない!』という意見を発見しました。 私も極めて高いために一般のOHPフィルムを使っていますが、問題を起こさずに済むソリューションがどこかにあると思っています。

そのヒントのひとつとして、『あるOHPフィルムを使ったら問題が起きずに作業できた! 比較したエーワンの物より結果が良かった!』なんていう意見もありました。 私はエーワン製を使っておりますが全く同じ物かどうかは不明なものの、その良好と言われるOHPシートを入手し露光時間も少なく抑えて再実験しようと思います。



2015/05/01

プリント基板のエッチング 2

さて問題発生の原因を突き止めるべく『あるOHPフィルム』なる物を入手しました。 (株)イーサプライズが販売しているインクジェット用OHPフィルム(型番: NIJA4-10 OHPで、サイズはA4、厚みは0.11mm、染料インク対応とあります。 最近顔料インクがかなり採用される傾向にあり、特にマゼンタ、シアン、イェローは染料なのに黒だけは顔料というのが増えてきています。 顔料インクでは良い結果が得られない!という意見がネットでもかなりありますので注意が慣用です。(勿論基板のエッチング用ネガフィルムを作る上でのコメントです。)

さてこれで再度エッチングを試みました。 但し先週考えたトラブル原因を確認すべく今回は、露光時間: 5分、現像時間: 40秒、エッチング: 目視で間違いなく銅箔が溶け切った事を確認するまでという条件で実施しました。 その結果はすこぶる良く、まだポツポツの穴は発生しますが発生量は以前の1〜2%位(感覚的な数値ですが?)と言えるでしょう。 良く調べると乾電池3本用の基板に書き込んだ小さなVIC's D.I.Y.の文字の一部と隔壁の位置を表す点線が消えています。 従ってこれはまだ露光時間が長すぎることを暗示しているのですが、一般論では充分に満足出切る結果であると言えます。

しかしながらこれはOHPフィルムの違いによるものではなく、露光時間と現像時間によるものではないかと思われます。(想像にしか過ぎませんが、新たなOHPフィルムに印刷したパターンを20倍ルーペで以前のOHPフィルムのそれと比較したところ、ピンホールに繋がるかもしれない印刷斑や極々小さな付着インクの薄い部分は新しいOHPフィルムの方が多かったのです。)

さてもうひとつの、『銅箔が溶け切らなかった原因』は感光面に基板の切り屑が付いていたのでは? と思わせる現象というか事実確認がありました。

というのは今回実験に使った感光基板は、近くにある販売店で購入したのですが(交通費の負担が少ないので)、1mm厚ではサイズが100 x 150mmの物しかありませんでした。 このままでは大きすぎてUVネイルドライヤーに入りきりませんし、どだい無駄が多すぎます。 そこで露光前に部屋を暗くして電動ジグソーで100 x 100mmと 100 x 50mm弱に切り分けました。 そして切断後に切り口のバリ取りをしたのですが、その時切り屑が感光面にかなり付いているのを気が付いたので、綺麗に拭き取ってから露光作業に進んでいます。

一方以前の基板で溶けなかった部分が発生したのは100 x 100の基板を、100 x 60弱と100 x 40弱に切り分けた前者で起きています。 そして暗い中で切断作業をしていて感光面に付いているであろう切り屑を取り除いた記憶がありません。 従って切り屑付着が原因だろうと想像しています。

感光膜を剥がしてソルダーフラックスを塗り酸化防止をした以前の基板。 沢山あるピンホールがこのように離れていてもざらつきや汚れのように見えてしまいます。(左上が特にひどい)

今回作り直した基板。 上の写真に見えるようなざらつきや汚れのようなものは全く見えません。(実は僅かにあるのですが数が大幅に少ないだけでなく大きさもぐんと小さいです。)

その違いを拡大してみるとこのとおり。 上が以前の基板で下が今回作ったもので、同じ部分の拡大です。 余計な粒々(ピンホール)の出方の違いがはっきり判ると思います。(数と大きさ)

更に小さなVIC's D.I.Y.を強拡大すると(この幅は7mm位で肉眼では違いが判りにくい。)、まだ露光時間が長すぎるのか、かなり消えてしまっている部分があります。

以上の違いは露光時間や現像時間によるものであり、これら試したOHPフィルムの違いによるものだとは思えません。(左は今回使用の物で、右は前回使用の物。)

次に基板の所定の位置に穴をあけました。 最初に全ての穴を0.7φのドリルであけました。 ここではミニトリマーを使いますが、コレットチャックを外して専用のミニドリルチャック(0.3φ〜2.0φ用)に付け替えて0.7φのドリルを取り付けます。 通常は穴あけ位置がずれないようセンターポンチでマーキングするのが常識ですが、ガラスコンポジット基板ではマーキングできませんのでそのままあけます。 但し横滑りは僅かですしコツを掴めば滑らなく作業できるため、かなり正確な穴位置にできます。

次にドリルを1.2φに変更し3.5φヘッドフォンジャックの1個のピンが入る穴と、充電器接続のDCジャックの前面側の2箇所のピンが入る穴をあけます。 そしたらヘッドフォンジャックやDCジャックを当ててみて固定上の問題がないか確認します。 また電源スイッチは5つの穴にワイヤーを挿入して半田付けにて固定しますが、これらも取り付けの確認をしておきます。

そうしましたらそれぞれの基板に切り離しますが、電動ジグソーに鉄工用ブレードを取り付けて切断しました。 その後ヤスリで念入りに寸法出しをしながら仕上げます。 それらの様子は以下の写真をご覧ください。


基板の所定の位置に穴をあけました。 大きい穴は1.2φですが、残りの小さな穴は全て0.6φとしています。



これら5個の穴は見ている角度が異なるものの、この下のスイッチの固定穴で、もっとも穴あけ位置の精度が重要です。

0.6φの小さな穴は全てジャンパー線を半田付けしますが、ジャンパー線は0.5φの錫メッキ線を使うのでこの口径としました。



電源スイッチの取り付け穴中3個並んだ物は電気的な接点で半田付けされますが、残り2個は固定のみが目的です。

固定する2箇所はこの矢印のぐるりとスイッチを巻いたようなワイヤーで、基板に差し込んで曲げて先端はエポキシ接着剤で固定します。



これは右側に付くヘッドフォーンジャックですが、矢印先の3本の電極は基板のパターンに半田付けし、見えない向こう側の1本は穴に差し込んで曲げ、エポキシ接着剤で固定します。

こちらは左側に付くヘッドフォーンジャックで左と同じですが、半田付けされる前側のピンは左右反対になります。



DCジャックの背面側で、2本の電極は後ろ側に半田付けして接続と固定を兼ねます。

真横からDCジャックを見ると3本目の電極がありますが、黄色のピンはジャック固定用のピンであり、基板に差し込んで裏側で折り曲げ固定されます。


2次加工の穴あけ終了後電動ジグソーで切り離してヤスリで寸法出しをしました。 ノギスを使いながらゆっくりと作業しましたので、仕上がり寸法は設計値に対し±0.1mmの精度に収まっています。


2015/05/08

プリント基板への実装

プリント基板への実装は単四3本型から手をつけました。 基板自身が問題なく出来ていれば淡々と進む筈と考え半日を掛けて集中して半田付けに没頭し組み込みは終了しています。 そして電源を繋いでいざ動作実験と意気込んだのですが、まったく動作している様子がありません。 仕方なくDMMで一部の電圧を調べましたが、レールスプリッターが正しく動作しておらず、電源電圧3Vに対しプラス側が3V、マイナス側は0Vとなっています。 それと定電圧電源の出力電流計が全く触れていません。 ということであればまだ破損していなさそうですが極めて小さく作ったということは大変厄介なもので、DMMのプローブを当てるのにも隣のパターンをショートし易く、場合によっては一貫の終わりになるわけでとんでもなく気を使います。

そんなことで不良箇所発見は暫し棚上げにして2台目を組み上げてやることにしました。 その2台目はいきなり全ての実装をしてしまうのではなく、先ずレールスプリッター回路だけを組み上げてその動作と性能を確認してから素うどん状態のアンプ部分組み立てをして再び動作確認し、残りの部材を実装という3段階の手順でやることにします。 最初からそのような手順を組めば良かったのですが、後の祭りというわけです。


最初に組み上げてしまった単四x3本の基板ですが、通電しても電流が全く流れていないようで、破損してしまったのかどうかも不明です。 レールスプリッターが動作していないのは判っているのですが?  暫し棚上げとしてもう一台組むことに!



レールスプリッター部分のみ組み上げました。 これなら25倍ルーペを使った目視で誤配やショートを確認できます。

そしてプラスとマイナスの給電部分にワイヤーを配線し、GNDはワニ口クリップで接続し実験に入りました。


レールスプリッターの動作試験は左上のように、±出力とGNDの間に抵抗を接続しその両端電圧と流れる電流を測定します。 先ず2つの抵抗を150Ωとした場合が右上で電流は9.3mAずつが、そして電圧は何れの1.50VとGNDは正しい中点になっています。 左下はマイナス側の抵抗を75Ω(150Ω2本をパラ)としたときで、プラス側の電流は変わりませんが、マイナス側は17.3mAと増加しています。 また電圧はプラス側が0.05V増加しマイナス側は0.05V低下しました。 変化率3.3%ということになります。 右下の図はプラス側の抵抗を75Ωにした時で、先程と全く反対の現象が出ています。

以上の結果を現状の抵抗2本でのレールスプリッターと比較してみます。 同じように±それぞれに150Ωの抵抗を繋いだ場合には中点であるGNDの電圧は入力の1/2である1.50Vが出ますが、片方を75Ωとするとそちら側は約1.0Vまで下がります。 そして反対側は約2.0Vです。 変化率で言えば33.3%ということですからオペアンプによるレールスプリッターは制御能力が10倍あるということになります。 更に良くしたければ10Ωの抵抗を取払うことで、更に10倍くらい良くなると思いますが、オペアンプが過大電流で破損する可能性があるのでここで妥協します。


アンプ部分の組み立て前半

レールスプリッターは完璧な動作をしていますので引き続きアンプの組み上げに進みました。 1箇所ずつ半田付け後使った半田の量を25倍ルーペで確認し多すぎれば半田吸い取りワイヤーで吸い取って、少なすぎたり充分に沁み通っていなければもう一度やり直すとこれ以上ない丁寧さで進め、2個のミニヘッドフォーンジャックと電源スイッチを残して一旦終了としました。

ここでアンプに仮配線した出力側のヘッドフォーンジャックと電源を繋ぎ、電源電圧3.0Vと4.5Vにてアンプが増幅動作をしているかの確認をしました。 それぞれの電圧にて入力コンデンサーに触れるとブーンという音がヘッドフォーンで確認でき増幅動作を間違いなくしていることが確認できました。

2回目の基板製作ではレールスプリッター用にLM4808を、増幅用にはLMP7732を使っています。 そしてメーカーの技術資料ではLM4808が電源電圧5.0Vの時の無信号時に1mA、LMP7732は電源電圧4.5Vの時の無信号時に4.4mA(何れもTypical)となっていますので、合計すると5.4mAになります。 それが実測で5.8mAですから正常な範囲であり、発振しているようなことはないと思われます。 また入力端子に指で触れてバズ音が出ている間は10mA前後に増加しますが、この程度であると実働の消費電力は低い部類にくなりそうです。 ここまで出来た基板の状態は次の写真をご覧ください。



2つのミニヘッドフォンジャックと電源スイッチを取り付けていない状態まで組み立てが進みました。 ここまでくればアンプは動作するはずなので一度チェックしておきます。

出力の3本の線は適当なミニヘッドフォンジャックに接続し、それにヘッドフォーンを繋ぎます。 そして入力信号の替わりに矢印の先に指で触れたらブーンという音が出る筈という原始的?な方法です。

動作することが確認できましたのでもう一息とミニヘッドフォーンジャックと電源スイッチを半田付けして組み立ては完了しました。 そして入力にはiPod Nanoを繋ぎ出力には壊しても惜しくないヘッドフォーンかイヤーフォーンを繋ぎ実働テストに入りました。 無論動作はOKでほっと一安心しました。 ヘッドフォーンジャックの取り付けはジャックの若干の改造をしてちょっぴり荒療治のような固定法ですが、しっかりと付いています。 基板組み立て終了後の写真は以下をご覧ください。


組み込みが終了した基板。 電源配線は裏側から取り出したこともあって、1回目の時より数段綺麗に仕上がりました。 多少の学習効果があったようです。


iPod Nanoを繋いで電池の代わりに低電圧電源を使い動作確認中。 大変爽やかで分解能の高い音質ですが、バスンというような力感もかなり出る素晴しい音色を持っています。 休憩も兼ねて1時間ほど聴き入ってしまいました。

さて性能はどうかいなと33Ωと16.5Ωの負荷抵抗、電源電圧として4.5V、3.1V、3.0Vの時の最大出力、出力オフセット電圧、方形波による周波数特性の観測を致しました。

電源電圧 負荷抵抗 消費電流 チャンネル 出力電圧 出力電力 オフセット出力電圧
4.5V 無信号 5.8mA - - -
33Ω 53mA 0.861V 22.5mW 0.24mV
0.859V 22.4mW 0.21mV
16.5Ω 105mA 0.516V 16.1mW 0.19mV
0.514V 16.0mW 0.24mV
3.1V 無信号 5.4mA - - -
33Ω 39mA 0.630V 12.0mW 0.21mV
0.628V 11.9mW 0.18mV
16.5Ω 97mA 0.415V 10.4mW 0.17mV
0.416V 10.5mW 0.22mV
3.0V 無信号 5.2mA - - -
33Ω 38mA 0.615V 11.5mW 0.22mV
0.613V 11.4mW 0.19mV
16.5Ω 96mA 0.403V 9.8mW 0.18mV
0.404V 9.9mW 0.23mV

電源電圧が3.0Vの時の出力電力は私が標準としている10mWを僅かながら下回っています。 然しながら今週『ひとりごと』で述べているように私の実際の使用環境ではイヤーフォーンの変換能率が高いのでこのままで全く問題ありませんし、念のためと3.1Vでの値も測定したのですが、ご覧のように10mW以上を確保しています。

オフセット電圧については電源電圧の変化で若干変るものの、オフセット対策を全くしていないにも拘わらずすこぶる付きの優秀さでした。 これらの値であればイヤーフォーンを痛める心配は全くありません。 それと33Ωに対する駆動力は必要にして十分な値です。 そんなイヤーフォーンを使う機会は先ずないでしょうが?

さて周波数特性については4.5Vの電源電圧で33Ωと16.5Ωの2種類の負荷抵抗で方形波応答特性を撮影しました。

電源電圧 4.5Vで負荷抵抗33Ωの時の4点における方形波応答です。 原波形に非常に良く似ており、周波数特性としてみると16Hz〜500KHzがフラットになっています。 ボルテージフォロワーのお陰でしょう。

16.5Ωの方形波応答ですが、10KHzや50KHzを上と良く比較すると高い周波数での伸びが若干悪くなっています。 但しピークやうねりのあるようなものではなく、12Hz〜300KHzがフラットというような特性であり違いでしょう。


2015/05/15

プリント基板への実装2

単四3本型のプリント基板は完成しましたので引き続きリチウムイオン充電池型の基板を組み立てます。 こちらは単四型基板に電池スペース、自動遮断機能付き電子スイッチと減電源電圧表示回路を追加したような物になりますが、電子スイッチと減電源電圧表示回路部分を先に組み立てて全ての動作確認をいたしました。 それらの様子は以下の写真をご覧ください。


完成した後部電源機能部分。 真ん中のVIC's D.I.Y.は電池のスペースになります。 上に飛び出ている赤黒のワイヤーは電池出力に繋がります。 下の方の黒い部分がJIS規格区分2のDCジャックです。



大きさが判るよう1円玉(直径20mm)を横に置きました。 矢印の先は入手できた最も小さなポテンショメータです。

電池が基板に載り基板の裏に1.2mmの隙間が出来るので、太さ1mm以下の7本の線を収める場所とします。



DCジャックには固定ピン2本(青矢印)と接続ピン3本(赤矢印)がありますが前者は基板に1.2φの穴をあけて通し裏側で曲げて、後者は外側に90度曲げて短く切断し半田付けとします。

この写真はDCジャック前方にある2本の固定ピンを穴に通して基板裏で曲げた状態です。


可変定電圧電源を使い、DMMでFETのソース-ドレイン間電圧(損失電圧)を測っているところです。 DMMはmVレンジ、テスターは25mAレンジですが、電源電圧3.49Vで負荷電流が16mAの時に損失電圧は1.23mVですから損失は0.03%と大変低損失に収まっています。

動作結果については充分に満足できるものでした。 ダミーロードは220Ω(実測218Ω)の定抵抗負荷としましたが、電源電圧をリチウムイオン充電池の最大である4.2Vとした時に19.5mA流れていました。 そしてFETのソース-ドレイン間の電圧は1.4mVです。 そこから徐々に電圧を下げて行きましたが、3.15Vをちょっと下回ったところで電源は遮断されました。(多分遮断時の電源電圧は3.12〜3.13V位だろうと思われます。) その3.15V時に負荷電流は14.7mA流れておりソース-ドレイン間のロス電圧は1.2mVでした。

実使用上で損失を全く気にせず使えるレベルであり完全に満足できます。 また自動遮断は設計値を3.1Vとしていますが、仮に実遮断電圧が3.13Vであったとすると誤差は+0.96%であり、これも十分満足できる結果です。

減電圧表示回路はお馴染みのPNPトランジスタと抵抗1本に動作点調整の半固定抵抗で構成されますが、3mm角という超小型のポテンショメータは若干回しにくさがあるものの、ずばり色の変化点の調整が出来ています。 最終的に変換をどの辺りにするかはもう少々考えて見ます。


レールスプリッター部分の組み立て

レールスプリッターは単四3本型と全く同じです。 電源電圧3.8Vの時の出力電圧をチェックしたところ、プラス側は1.909V、マイナス側は-1.891Vとなりました。 誤差がなければ1.9Vと-1.9Vになるはずですので0.009Vの誤差を生じています。 0.47%の誤差ということですが、オペンアプの入力に入れた4.7KΩの誤差は5%ですので、この程度に留まっていれば立派なものです。


アンプ部分の組み立て

アンプ部分は使うオペアンプは単四3本型で使ったLMP7732MAではなくAD8656ARZに変えました。 変えた理由はオペンアンプの違いで生ずる物理特性の違い、音色の違いを確認するためですが、後程詳しく紹介するように物理特性はLMP7732MAより一段良いようです。 オペアンプ以外の回路上の違いは入力コンデンサーが0.22μFから0.1μFに下がったことと入力の抵抗は100KΩを150KΩに上げた点にあります。

こうした大きな理由は後者の場合スペースの関係で0.22μFは挿入できなかったのですが、抵抗値がそのままだとカットオフ周波数は7.6Hzから15.9Hzまで上昇してしまうので、抵抗値を1.5倍にして10.6Hzのカットオフに食い止めています。 因みに抵抗値を220KΩまで上げればカットオフは同じ7.6Hzになりますが、入力抵抗値の増加は雑音の増加に直結するので150KΩと妥協しているわけです。



レールスプリッター部分と後部の電源部分からの配線を接続し終わった状態です。 リチウムイオン充電池は他の電池に較べると小さいですが、それでも大きなスペースを喰うことが判ります。

その裏側はこんな按配で、7本のワイヤーが互いに交差しないよう配置(後程接着剤で固定)されます。 黄色いマスキングテープはバラケ防止に仮止めしているのみです。



更にアンプ部分を組み立てて基板作りは完成しました。 表面側に出てくるワイヤーは、2つのミニヘッドフォーンジャックに接続する6本のワイヤーと2色LEDへのワイヤー3本があり、結構混雑した感じになります。

レールスプリッター・アンプ部分をクローズアップしても1608サイズのチップ部品はどのように取り付けられているのかは判りませんが、こうして写真で見た感じよりはずっと綺麗に実装されています。

早速動作しているかどうか(入力コンデンサーに触って出るブーン音)を確認した後にひととおりの測定をしました。 電源電圧はリチウムイオン充電池に変ったので最高電圧を4.2Vに、放電終了近傍は3.15Vとしたかったのですが、ちょっとした事で電源が遮断してしまう事が多かったので3.2Vに、また出力不足の心配はなかったので中間電圧は3.5Vとしています。
電源電圧 負荷抵抗 消費電流 チャンネル 出力電圧 出力電力 オフセット出力電圧
4.2V 無信号 10mA - - -
33Ω 67mA 0.945V 27.1mW 0.03mV
0.876V 23.3mW 0.01mV
16.5Ω 82mA 0.677V 27.8mW 0.03mV
0.604V 22.1mW 0.01mV
3.5V 無信号 9.7mA - - -
33Ω 55mA 0.778V 18.3mW 0.04mV
0.727V 16.0mW 0.01mV
16.5Ω 70mA 0.549V 18.3mW 0.04mV
0.489V 14.5mW 0.02mV
3.2V 無信号 9.5mA - - -
33Ω 50mA 0.700V 14.8mW 0.04mV
0.662V 13.3mW 0.02mV
16.5Ω 70mA 0.513V 13.9mW 0.05mV
0.459V 12.8mW 0.02mV
単四3本型と比較すると最大出力は左右でちょっと違いがありますが、1段上と言うか余裕を持って16Ωのインピーダンスに対応できます。(ゲインの差は0.2dB程度ですので差し支えはありません。)

単四3本型と較べると100Hzの方形波のサグの傾斜が少々大きくなっています。 これは単四3本型では7.6Hzであったカットオフ周波数が、リチウムイオン充電池型ではコンデンサーの容量を小さくしたことで、10.6Hzに増加したためです。


負荷抵抗を16.5Ωに下げても方形波応答の違いは殆ど判りません。 そしてこれらの写真では判りにくいですが、単四3本型よりも周波数特性は16〜350KHzがフラットいうような高い方に伸びている特性が得られていると思われます。

大変優れた物理特性が判ってきて神経を集中して取り組んだ製作の疲れは吹っ飛びましたが、単四3本型で使ったLMP7732MAとリチウムイオン充電池型で使ったAD8656ARZは何れも優秀な物理特性があることが確認できました。

但し前者は無信号で消費電流は小さいのですが高負荷で消費電流が増加するタイプであり、後者は無信号時の消費電流は前者の2倍になるものの高負荷となっても増加する程度は前者に較べて低いという違いがあります。 どちらの方が電池寿命上で有利かは実働試験をしないと判りませんし、音質上どう違ってくるかも興味あるところです。



2015/05/22

少々脱線

さてリチウムイオン充電池型も電気回路部分が完成し、これで3つ(2ヘッドフォーン対応アンプ、単四電池3本型、リチウムイオン充電池型)のポータブルヘッドフォーンアンプがアルミフレーム製作待ちとなっていますが、ひとつ問題解決をはかっておかないとならない問題がありますので、それに集中します。

その問題とはLEDの扱いです。 これまでパイロットインジケーターや電池電圧低減インジケーターとしてひたすら3φのLEDを使ってまいりましたが、アルミフレームに基板を収めようとしている3台は何れも3φのLEDを収めるスペースがありません。






左上: 2ヘッドフォーン駆動型では矢印の先の僅かなスペースにLEDを収めねばなりませんが3φのLEDでも大きすぎて入りそうにありません。

上: 単四3本型ではコンデンサーとフレームの僅かな隙間(約2.2mm)に収めるしかなく3φのLEDは奥行き不十分で入りません。

左: リチウムイオン充電池型ではLEDを収めるスペースは電源スイッチの上の高さ2.5mm程の僅かな空間のみです。 言うまでもなく直径3mmのLEDは入りません。


以上の状況は構想段階から判っていたことで、その対策として『チップ型LEDを使うしかないなあ!』と考えていました。 しかしその場合プリント基板は別ピースとなるので、後で詳細検討をしよう!と先送りしていたわけです。

チップ型LEDにはこれ以上小さな物はないという青色の1608型、赤・青2色は1.6 x 1.5mmの物を使うことにしました。 前者は厚み0.4mmで後者は0.7mmですが、何れもフランジ部分は0.2mm厚になっており、前者では1.2 x 0.8mm、後者では1.2 x 1.5mmの長方形の穴をあければLED本体を埋め込みフランジで引っ掛かるように出来ます。 そこで厚み0.4mmの生基板にそれらの穴をあけ、半田面側からLEDを落とし込んで半田付けにて接続を兼ねて固定することとしました。

ところで3φのLEDを使うとしたらどのくらいスペースを喰うか感覚的に判るよう同じ縮尺の図をお見せします。(左)

この図はこの後お見せする3種類の図と同じく1.2mmと1mmアルミ板を重ねた構造でそこにLEDを取り付けます。 全ての場合においてこんなに場所を喰う物は使えそうにないことが良く判ると思います。(茶色の部分はLEDをアルミ板に固定するための3mm厚板です。)

青色LEDを使う2ヘッドフォーン型では電流調整の抵抗(1608型チップ抵抗)を載せるスペースを確保して基板サイズが3.5 x 5.0mmとなるようにします。 LEDの発光部が基板の隅から1.25mmの所に来るようにしています。 これはLEDが少しでもバランスの取れた位置になるよう意識してやっていることで、右の図もご覧ください。(左の図をそのまま小さくして嵌め込んだような状態です。)

尚左の図の赤線の四角が基板にLEDを埋め込むための穴で、以下の図でも同様です。


次は単四3本型のLED基板ですが、同じ青色LEDを使うもののこちらは左右上下スペースはゆとりがありますが、奥行きのスペースが2.2mmと狭いので4.5 x 5mmと大きめです。

実装後の基板の厚みは1.4mmしかありませんからチップ型LEDのメリットがフルに出てきます。

右の図では左の図を右に90度回転させて実装した状態になっています。 3種類の中で最も無理のない実装が可能だと思われます。


3番目はリチウムイオン充電池を使うタイプです。 2色LEDはサイズが1.5 x 1.6mmと大きくなるものの電流調整
の抵抗を基板に取り付ける必要がないので、基板の大きさは2.25 x 5.0mmと最も小さく出来ます。

但し上下のスペースが計算上で2.5mmですから0.25mmしかゆとりがないことと基板幅は強度の関係でこれ以上詰められない(というか現状でも基板が割れやすい!)ので、ケースの厚みを増さないとならない可能性もあり得ます。 右の図は左の図をそのまま縮小して嵌め込んだような状態で、ぎりぎりの実装であることがお判りいただけるでしょう。

ところで以上の3つの図の紫色の部分は、基板に接続するケーブルを表しており、太さは最も細い1mmで描いています。 そしてこれに基板の厚み0.4mmを加えた1.4mmがこのLED基板の実装後の最大厚みになります。

製作上一番手間取りそうなのは基板に小さな穴(0.8 x 1.2mmと1.2 x 1.5mm)をあける作業でしょう。 小さな丸穴をあけてから角ヤスリで削って所定の寸法に広げられるような極細のヤスリが存在するのかどうか判りませんが、調べて何とか入手し加工の実験をしてみようと考えています。

左上の3種類のレイアウト図からプリント基板エッチング用のフィルム製作用図面を左のように起こしました。 実際の印刷ではそれぞれを多数枚(36〜42枚ずつ)を74 x 35mmの面積に印刷しています。 そんなに沢山使うわけではないのですが、今後使う分の先作りと共に、エッチング後LEDを落とし込む穴をあける時に失敗が出やすいので予備を相当に読み込んだとお考えください。


2015/05/29

LED基板の製作

0.085mm厚の感光基板を入手できましたので製作に入りましたが、その様子をお知らせする前にナイロンワイヤーの必要性について説明しておきます。

左は従来の3φのLEDを使った時の取り付け方を表しています。 3φのLEDの先端から鍔までの長さは約5mmありますので、アルミパネルと薄板の総厚みが5.5〜6.0mmになるようにして1.5〜2.0φの貫通穴をあけてから深さ5mmの穴(貫通穴ではない。)をあけます。 こうするとLEDの頭はアルミパネル表面から少し奥まった所に位置しLEDの凸レンズ効果と併せてかなり広角に拡散した光となります。

さて真ん中の図は今回採用するLEDの取り付け方ですが、LEDの光る部分はパネル表面から2.5mm程奥に移動してしまいます。 また品の良い光り方を期待してパネル面の穴は1〜1.5mmに押さえますので、パネル正面からしか光った状態を確認できません。

これに対しナイロンの丸棒を挿入してやると、LEDが広角度で発する光はナイロン棒内面での全反射と若干濁ったような上体による乱反射のお陰でかなり広角度で光っていることが確認できるようになります。 以下の写真は5mm厚の板に1.2mmの穴をあけ1.2φのナイロン棒を切断して穴に挿し込み裏にチップ型LEDを当てて点灯したもので、左端が正面、中央は左約45度から。右は右約45度から見た状態です。 かなり斜めから見ているので、横方向は潰れて見えますが、明るさはほぼ変らないように見えます。



さてLED基板の製作に入り青色LEDの2種類は見込みどおりそれぞれ2つ製作できましたが、2色LED用はなんと7回も作り直したものの全て失敗で物になりませんでした。 その理由はLEDを嵌め込む穴が1.5mm幅に対し基板幅が2.25mmの設計値で、左右に残る部分が0.375mmしかならないため、工作ミスで簡単に切れてしまいます。

ほぼ半日善後策について考えましたが、電源スイッチにLED基板を取り付けたフレームを挟むように接着し、LED基板とフロントパネル間はナイロン棒を使って連結するアイデアが浮かびました。

この方法での勘所はLED基板の位置を約1mm沈めてケースの天板に当たらないようにする点にあります。 このときにナイロン棒は若干の柔らかさがありますから、光を拡散させながら上方に移動する役目を受け持たせます。 左の図のクリーム色はナイロン棒ですが、軸中心が後ろの方に行くにつれ下がって行きます。

上の右側は電源スイッチに挟み込むフレームの展開図ですが、厚めの燐青銅板であればその弾力で挟み込む力が得られますので接着固定も容易であろうと思われます。 詳しくは後ほどの製作時に解説します。

こうすることでLED基板の幅は2.25mmから3mmに増加できました。
また電源スイッチ幅に合わせてLED基板の長さも7mmに伸ばしています。

以上の変更は切り出すLED基板サイズが、2.25 x 5.0mmから3.0 x 7.0mmに変更になっただけで、プリントパターンその物は変更しません。 従って沢山残っていたまだ切断していない部分から2つを作りました。 そんなこんなで小さな物の製作にかなり振り回されましたが、その他の様子も以下の写真でご覧ください。



小さくても掛かる手間は同じですから、このように沢山の基板を作りました。 しかし失敗が多くてあまり残りませんでした。

刃先30度のカッターナイフと0.7mm位の隙間まで何とか削れる極細ヤスリで穴あけをしています。



あけた穴にチップLEDを落とし込んで半田付けするとこんな具合に。 ここではまだ大きな問題点には気付いていません。

半田付けが進み基板の切り出しに進めそうな段階になりました。 黄色枠のように切り抜くのですが、2色LED用の赤矢印の部分は細すぎて簡単に切れてしまいます。


そこで3.0 x 7.0mmで切り出してOKとしました。(右端) 左2つは青色LED用です。 こんなちっぽけな物に悪戦苦闘するとは夢にも考えていませんでした。



2015/06/05

本体アルミフレームの詳細設計

本体は一番外側の箱の形をなす部分とその中に収めるアルミフレーム部分の2つに分かれます。 アルミフレーム部分はプリント基板を収めるだけでなく電池ホルダーを形成する部分でもあり、電気部分はここに収めることにより電気的な性能は99%以上最終となります。 従って全ての電気的な試験はアルミフレームに収めた後に行います。

アルミフレームは1.2mm厚でL字型の断面を持つアルミの押し出し材を加工して作ります。 大きさは幅15mm、長さ910mm、折り曲げ部分の厚み5mmで殆どのホームセンターで入手可能です。 これに手で簡単に且つ正確に折り曲げられるよう軽金属の切断が可能な糸鋸(刃幅0.7mm)で折り曲げ部分に深さ0.6mmの溝を彫ってやりますが、それ以外に基板の裏面と電気的に接触しやすい部分の折り返し幅を詰めたり、部品が挿入されたりプラグが通る穴など、折り曲げ前に加工するべき部所の詳細加工寸法を決めてやらないとなりません。 そしてそのとおりになるよう加工作業に入ります。

鍵はひとえに正確な展開図を描くことですが、寸法の計算違いや勘違いは致命的な失敗としてフレームの作り直しに繋がるので充分に慎重な進め方をする必要があります。 実は3つのアルミフレームの製作を同時に進めますが、3つの展開図を描き上げるだけで1日半、そして2時間の休憩後にミスがないかのチェックの1回目を致しました。 そしてその作業で何と12箇所も間違い箇所を見つけ、その都度毎に寸法出しをやり直して修正しています。

展開図を描きだしてから通算で3日後の図面の状態が、以下の左の2つの図面です。(もうひとつ2ヘッドフォーン用ポータブルアンプがありますが、それはこちらに掲載しています。)

リチウムイオン充電池を使った最もコンパクトなアンプですが、前後両方のパネルからジャックが飛び出る構造ですので、1枚基板を固定する時に簡単に収められるか不安な部分があります。

それと前方のミニヘッドフォーンジャックは基板とフレームの間に挟みこむ構造を取っているので工作精度が±0.1mmなんていう厳しさの部分がありますから、寸法出しも同様に高い精度でないとなりません。

このモデルは最も新しい設計であるため、フレームの加工を余り複雑にしないような配慮が為されており、前側では特に顕著です。 後ろ側では充電器接続のコネクターが基板に固定する部分とその配線がフレームと干渉するため、大きく欠き込む場所があります。

こちらのアンプは単四電池を3本使用しますが、全長が僅かに長く、幅が広くなっていますので、当然ながらフレームを展開した全長も長くなっています。

こちらも上のアンプと同時設計しているため、アンプ部分のレイアウトはフレームの折り返しに干渉しないよう配慮されているので、フレーム加工はあまり多くありません。 但し電池が収まる部分はフレームの折り返しで受けるようになるので、140mm近くにわたって、1.75mm程削ってやらねばなりません。

そのかわり背面はフレーム固定用のM4雌ネジが切られるだけですからトータルでは一番加工が容易であろうと思われます。 先程も申しあげたように3番目はこちらにアップしていますが、設計や考え方が一歩遅れていることもあって、フレームの高さを詰める必要がないものの削り取る部分が多く結構手間がかかりそうです。

ここまで進めるのに約4日も費やしてしまったのと、寸法出しの計算ミスや勘違いが無いかどうかもう一度前面チェックをしてから製作に入りますので、その様子は次回に致します。


2015/06/12

本体アルミフレームの詳細設計やり直し

前回紹介した3モデルの図面は間違いがなかったようなので、加工作業に進むべく、2イヤーフォーンタイプヘッドアンプ用から作業を始めたのですが、ディスクグラインダーで作業開始したところ開始してまもなく削らなくても良い部分を削る大きなミスをし、最初からやり直さないとならなくなりました。

大きなボンミスでしたのでミスを犯した原因を探りましたが、展開図の表現の仕方が妙に複雑で判り難いので表現方法をもっとシンプルにした方が良さそうだ!と気が付きました。

先ず既に描き上げた図面は折り曲げ部の溝幅を0.7mmとして、折り曲げた後には溝幅がゼロになる!という概念で描いているのですが、これが複雑化する原因にもなっているので、折り曲げ部分の中心と中心の間の距離は設計時の内寸より1mm広がる!という概念で図面を描く事にします。

そうすると作図上最初に描くのは4箇所ある折り曲げの中心位置とその距離になります。 そして全ての加工部分の位置は、近くの折り曲げ位置からの距離で表現することになります。 こうすると寸法表示はかなりシンプルで精度が出しやすいです。 以前は端から小刻みに辿って行く為罫書きの作業で多数の積算が必要になり精度が落ち易い欠陥がありましたが、これがかなり改善されます。

また折り曲げ部分の溝の幅を0.7mmとして描きましたが、0.7mmというのは使う糸鋸の刃幅であり実際に切断した後の溝幅は多少増加しますので作図上溝は残すものの幅は1mmとして描いてしまいます。 そうすると溝と溝の間の距離は内寸そのものになります。

そして当然ながら図面で一番重要な位置は、曲げ部分の中心線となります。(以前は0.7mm幅の溝位置だった。) 新たな描き方では内寸より1mm広くした長さが2つの曲げの中心線になるわけで、計算上0.3mm内寸が長くなりますが、溝内側のの角と角が曲げた時にぶつかって1mm幅はゼロになる!という考え方に立っていますから問題はありません。

むしろ加工誤差により内寸が設計値より小さくなってしまい、狭くて入らない!という問題発生への安全弁として働くだろうと考えています。

左の2つの図はそうして描き上げたリチウムイオン電池使用と単四電池使用のヘッドフォーンアンプの新たなフレーム展開図です。 以前の図面にあった端から直接測るとどの位の距離?などどいう表示(赤線で示していた。)、溝幅0.7mmと溝端から次の溝端までの距離などが無くなり、溝の中心線が基準となってかなりすっきりしています。

但しこれらの図面は完全に白紙状態から描いたのと同じであり、数回の見直しをして潜むミスや勘違いがないか確認しないと安心してアルミ押出材の加工には進めませんので、次週から加工作業に入ります。



2015/06/19

本体アルミフレームの製作 1

ようやくアルミフレームの製作に入りました。 最初に幅10.5mm、長さ226mmと幅9.5mm、長さ214mmの2種類を15mmLアングル材から切り出さねばなりませんがそれに先立って折り曲げ位置を線引きしてやります。 また罫書き線だけでは作業中に線が見えなくなるので、罫書き線に沿ってマスキングテープを貼り間違って切断しないような対策を講じておく必要があります。

切断の方法は色々考えられますが、私は作業速度が遅いのを承知で電動刃研ぎグラインダーを使っています。 多分電動ジグソーなどで切断するよりも5倍くらいの時間が掛かると思いますし屋内では絶対に出来ない作業になり、今のように梅雨の時期には作業できないことが多いなどの問題がありますが、今回のように1.2mmと薄い材料の切断ではキックバックで一瞬にして材料が曲がってしまい作り直しとなる可能性のある電動ジグソーは絶対に使いたくありません。

但し切断をいきなり正確にするのは絶対に不可能であり、目見当ですが私は0.5mm程度最終寸法より長めに切断して、その後にヤスリで寸法出しをします。(これは電動ジグソーを使っても同じです。) こうすることでノギスで寸法を確認しながら研摩しますので、作業時間が長く掛かるのは別として±0.05mm以内の精度で仕上げるのも難しくはありません。

以下の写真でそれらの様子をごらんください。


厚さ1.2mmと薄いアルミフレームの加工には、作業中に材料を曲げてしまうことの無いよう電動刃研ぎグラインダー(中央)を使います。 その際必要不可欠なゴーグル(中央上)、加工寸法確認のノギスに30cm曲尺(中央下) そして寸法出しは左手のヤスリ群を使います。


所定の長さに切断し切り落とす部分を除いてマスキングテープで覆いました。 上の2本が本テーマ用の2本ですが、下は同時に作業する別項の2ヘッドフォーンヘッドフォーンアンプ用の物で、折り返し部分の加工から始まります。


刃研ぎグラインダーで幅を詰め終わりました。 あせっての作業は禁物なので3時間掛けてじっくりと進めています。



上の写真の一部を拡大。 矢印先の切断面はざくざくで非常に汚らしいです。

また切断位置は最終的な位置より0.5mmほど外側にしています。(矢印の先)



少しずつ削ってはノギスで幅を測るという作業を繰り返し切断面をヤスリで削りこみました。(矢印先)

左の写真の部分拡大です。 仕上がった面は当初のざくざくから大変滑らかな面に変っています。



2015/06/26

本体アルミフレームの製作 2

アルミ押出し材が曲がった幅5mmの部分の加工を致しました。 方法としては罫引き線を入れた後で削らない部分をマスキングテープで覆ってしまい刃研ぎグラインダーでの研削作業で削ってはいけない部分を削り落とすことの無いようにしてやります。(それでも間違って削ることがあるのですが?!)

刃研ぎグラインダーで大雑把な削り落しが終わったらヤスリで寸法出しをします。 そして仕上げ研摩は替刃式ヤスリとなります。

次が穴あけですが、穴位置精度が上がるよう0.8mmのドリルを手回しバイスに取り付け手回しにて深さ0.5〜0.7mmの穴をあけてマーキングとしました。 次に1.5φのドリルでLEDの窓穴を除いてあけます。 その後M4のネジ穴はそのままとして4φの穴は3φのドリルで広げて穴あけは終了、6φの穴は3φ、4.8φとドリルを変えて広げ穴あけは終了します。

最終的な大きさには丸棒ヤスリで広げ、現物合わせで確認しながら僅かな隙間が残るよう削って完了です。 また穴の周り(特に裏側。)に出るバリは指で触れても引っ掛からないよう削っておきます。

穴の中には少し大きな長方形や4φ、12φの半丸がありますが、その内側に1.5φのドリルで沢山の穴を互いに接近するようあけてから、2φのドリルで広げて穴を繋げ切り落とします。 残ったザクザクの切り口をヤスリで所定の寸法に削り落とします。

それらの作業の様子は以下の写真をご覧ください。


折り返された幅5mmの部分の加工の準備が終わりました。 マスキングテープで覆われていない銀色に見えるところだけをマスキングテープ領域には入らないよう刃研ぎグラインダーで削ってやります。


刃研ぎグラインダーで削り終わった状態です。 切削面はザクザクでお世辞にも切れだとは言えませんので、ヤスリでそれらザクザクを削りながら寸法出しをします。


ヤスリによる寸法だしと仕上げ研摩が終わり、ザクザクだった切断面は滑らかになりました。






切削加工の詳細説明

左上の写真: ノギスで確認しながら罫引線を入れた後で、切削しない部分をマスキングテープで覆いました。

上の写真: 刃研ぎグラインダーで切削を終わった状態です。 マスキングテープで覆われた部分に侵入しないよう注意しながら作業しています。

左の写真: マスキングテープを剥がす前に平ヤスリでマスキングテープの部分迄削る込んでやりました。幅狭な部分もありますので、20、11、7mm幅の平ヤスリと3mm幅の角ヤスリを使っています。

これら切削作業の途中でノギスを使って正確な寸法出しが出来るよう何度も確認しています。




矢印の先は穴あけ位置を明確にするマーキングですが、位置を正確にするため0.8mmのドリルを手回しバイスに取り付け手回しにて深さ0.5〜0.7mm程の穴としました。 右はそのクローズアップです。


1個の穴を除き(後述)、全て1.5φのドリルで穴をあけました。 半円形、ちょっと大きめの長方形の穴は内部に沢山の穴を接近してあけています。


M4ネジ切り穴はそのままとし、4φの穴は更に3φのドリルで、6φの穴は3φ、4.8φとドリルを変えて広げています。




長方形の穴、半円形の穴は第一段階でその内側に1.5φの穴を接近して沢山あけてやります。

次にドリルを2φに変えて穴を広げると穴が繋がり中心部分は抜けてしまいます。 その後はヤスリで仕上げます。






左上と上の写真:

6箇所の6φは敢えて4.8φの穴あけを最終としていますので、穴の外側に罫引き線が見えます。 これは所定の穴より大きい穴をあけないための対策です。 もしも6φのドリルを使うとどんなに注意しても穴位置がぶれるため、穴位置の修正研摩をすると穴が大きくなってしまいます。 4.8φのドリルであれば計算上は0.6mm穴位置がずれても穴位置の修正研摩をしても6φより大きくはなりません。

左と上の写真:

最終的に4φの穴が2個見えますが、6φの穴と同じ理由で3φでドリルによる穴あけを終了しています。 左の写真には1.5φで終了させた穴が3個見えますが、何れも1.5〜2.0mm厚のアルミ板を貼ってからM4のネジを切ります。



時々ノギスを当てて寸法を確認しながらヤスリで削ることで寸法出しが完了したフレーム材です。






左上の写真:
これはリチウムイオン充電池を使うモデルのフレームですが、両端に4φの半円が加工され、フレームを曲げて突きあわせた時に4φの円になり、電源スイッチの頭が納まりますが、フレームの突合せ前に基板の後部のコネクターを先に納めないとなりません。

上の写真:
1.5φの穴を沢山空けてそれらを繋ぐことで中を抜いた長方形ですが、平ヤスリと角棒ヤスリを使ってこのように仕上がりました。 ここに充電器接続のコネクターが通ります。

左の写真:
単四電池を使うモデルではLEDの位置がこのマーキングの位置になりますが、LED固定基板を貼った後で1.2φの穴としてナイロンワイヤーを通すことになります。  


2015/07/03

本体アルミフレームの製作 3

フレームの製作もようやく折り曲げ部分に溝を切るところまで来ました。 その溝はアルミ切断がOKの糸鋸刃にて致しますが、いきなり糸鋸で切断というのは切断位置の精度、切り幅の安定の2点で全く満足できません。 そこで切断ジグを作って切断位置精度のアップと糸鋸の左右のブレ防止を図ります。 ジグソそのものは簡単に自作出来ますのが、私は必携の道具としていつでも使えるようにしています。 その詳しくい説明と作業の様子は以下の写真と説明をご覧ください。


ジグの全景です。 2本の棒を直角に切断して隙間は糸鋸刃が通る幅として貼り付けます。 棒の間隔は4〜6cm程度という簡単な構造です。 その内側にアルミ押出材を押さえ棒を当ててクランプで固定します。 右手に写っているのはアルミ切断用の刃を付けた糸鋸です。 そうそうジグは左右に角棒を置いてその上に載せていますが、それはクランプがテーブルに当ってぐらつかないためです。



切断位置のアップです。 切断位置精度は楽に0.2mm以下を出すことが可能です。 スケールが見えますがこれは不要です。

糸鋸刃をジグの隙間に落とし込みました。 これで切り溝の幅のブレは0.2〜0.3mmが最大程度に収まります。 糸鋸刃の切り幅は0.7mmですので、ブレ込みで0.7〜0.9mmの溝が切れることになります。



切る溝の深さは0.5〜0.6mmとしますが、深さの確認はこのような手順で。 先ず0.3〜0.5mm厚の板を切った溝に当てます。 その横に1mm以上の厚みの板を当ててやります。

その状態でそっと引き上げるとこんな感じになります。 薄い板が溝の深さ分だけ飛び出ます。



そのままひっくり返して指でこのように持ちます。 矢印の先が薄い板の出っ張りです。

ノギスをこのように当てて段差の測定をします。 バーニア目盛りは5のところで主目盛りと一致しているので、出っ張りは0.5mmであることが判ります。



実際に溝の切込みが終わりました。 これは単四乾電池型の端(折り曲げ後前面中央になる。)の部分です。

2箇所の溝の間が背面になります。 大変シンプルな構造です。



こちらはリチウムイオン充電池型の端部分です。 上の写真より近距離で撮影したので大きく写っていますが、実際はフレームの幅はこちらの方が狭いです。

背面部分には充電器接続のコネクターがあります。 折返し部分の加工も含め上よりも複雑な構造です。


フレームの準備加工も最終段階に入りますが、ここまでで妙な間違いがないか確認しておきます。




準備加工の最後は折り曲げ部分の45度切断処理ですが、フレームを曲げるような力が入らないようにヤスリで削ってゆきます。 これはリチウムイオン充電池型の端部分です。

背面部分はこの通りで、左の折り曲げ部分も45度に削っています。



上の写真の反対側の様子です。

こちらは単四乾電池型です。 フォーンジャックの端子が干渉する部分があるので、大きく欠き取られています。



背面部分です。 このくらいの加工で済むのであれば楽に進むのですが?!

反対側の端の部分。電源スイッチが干渉するのでこれまた欠き取り量が多いです。


折り曲げ部分の加工が終わりました。 大きな山を無事越えました。 この後は背面にアルミ補強板を貼った上でM4の固定ネジを切ります。 そして電池ホルダー部分の加工を経てフレームの組み立て開始に進みます。



2015/08/21

本体アルミフレームの製作 4

2ヘッドフォーン型ヘッドフォーンアンプのフレーム・本体組み立てに特化していましたので1.5ヶ月近く合い間があきましたが、単四3本型のフレーム・本体組み立てに入りました。

2ヘッドフォーン型ヘッドフォーンアンプのフレーム・本体組み立てでは2つの基板と電池ホルダーをフレーム内に固定するため、色々予想外の事態が発生しかなり作業時間が掛かっています。 しかしこのモデルではブロック間を接続するワイヤーも2本しかありませんので、手間取る部分は殆ど無いと思われます。

フレームを折り曲げて基板が所定の位置に収まるかどうかの確認も何事も無く進みました。 フロントパネルは高さはフレームの高さ(10.5mm)幅方向がフレームから1mmずつ出るように切断しミニフォーンジャック2個が出る穴、電源SWのレバーが出る穴、LEDの光を導く1.2φナイロンワイヤを通す穴をあけてエポキシ接着剤にて貼り付けます。 注意すべきは接着位置の精度を上げることで、90分硬化開始型のエポキシを使いましたので充分時間を掛けて調整した上でハタ金2本で圧着保持しています。

フレームの背面内側には1.5mm厚のアルミ板から10 x 9mmの板を切り出し、フレームに既に空いている1.2φの穴が中央に被るようエポキシ接着剤で接着します。 この接着は上の前面パネルの接着と同時に行い12時間以上の圧着保持を致します。

フレーム背面にあいた穴は1.2φドリルで貫通穴としその後2.0φ、3.2φとドリル径を替えて穴を拡大します。 そしてM4のタップで雌ねじを切ります。

次は前面アルミパネルに貼る紙に文字印刷をしスプレー糊でアルミパネルに貼り丸穴の切抜きを施します。 一方LED基板はこれ用のものを流用してしまいましたので再度製作しました。

そして1.2φのナイロンを2.0mmの長さに切断しアルミパネルに挿入します。 前面は0.3mm程飛び出るようにしてやると背面は窪みになりますが、この窪みにLED基板から僅かに飛び出ているLEDが入るように位置を調整して、瞬間接着剤でLED基板を固定します。 その後LED基板からの引き出しワイヤーをフレーム内部に沿わせて瞬間接着剤でフレームに固定します。(こうしないと極めて細い単芯の引き出し線は半田付け部分で折れてしまいます。)



フレームの4箇所を折り曲げました。 若干の捩れがありますがこの程度であると後程簡単に修正できます。

背面の雌ねじを切る部分には板厚を増加するため1.5mm厚アルミ板を10 x 9mmに切断して貼り付けます。(これは貼り付ける前の様子です。)



1mm厚アルミ板で前面パネルを切り出し、ヘッドフォーンジャックの穴2個、スイッチレバーとLEDの穴などを加工します。

アルミパネルをフレームに接着する準備です。接着位置はヘッドフォーンジャック穴が基準となるので、6φ木ダボを基準出しに使います。 木ダボの先にはマスキングテープを巻きエポキシで木ダボがフレームに接着されないようにしています。


前面パネルの接着と背面のネジ板の接着を同時に致しました。 使用接着剤は90分硬化開始型エポキシですが、クランプやハタ金を使い12時間圧着保持しています。


圧着保持を解いてからはみ出ているエポキシをカッターナイフで削り落としました。 エポキシは完全硬化してしまうと硬くてナイフで削り落としにくくなりますが、12時間後であればこのような作業が可能です。



前面パネルに紙を貼る前にもう一度接着剤のはみ出し、傷などがないか確認しました。

背面の方は穴径を1.2φから2.0、2.5、3.2φとドリルを変えて大きくした後にM4のタップでネジ切りしました。 個々に見えるネジは長すぎますが、ケース背面の板厚に合わせて切断します。



Excel上で描き上げた文字が入った紙パネルを複数印刷してその表面に透明スプレー塗料1回、つや消しスプレー塗料1回の塗装を施しました。 そしてスプレー糊によりアルミパネルに貼り付けます。

1.2φナイロンワイヤーを2.0mmの長さに切断し前面パネルに挿入後瞬間接着剤で固定し、LED基板を内側から当ててこれも瞬間接着剤で固定しました。



LED基板面と右側のコンデンサーの間は2mmしかありますんが、チップLEDのお陰でパイロットランプが実装できました。

試しに点灯したのがこちらです。 ナイロンワイヤーで光の拡散を図っていますのでシャープさはありませんが、視認性は抜群です。


フレームブロックがかなり完成に近づきました。 残るは電池ホルダーの製作と配線です。


2015/08/28

本体アルミフレームへの製作 5

2ヘッドフォン駆動型ヘッドフォンアンプの本体は完成しましたが、その後のケース製作は他の2つと一緒に致しますので、単四電池3本型のフレームの組み立てそしてそれへの組込みに進みました。 このモデルは背面側に別な基板が入らず2ヘッドフォーン型よりかなりシンプルですので、新しい加工テクニックでもない限り説明ははしょってまいります。

電池ホルダーの背面側は1.5mm厚雌ネジ補強板との段差を1.5mm厚ベーク板で埋めてから電池の極板を固定するボードを貼り付けます。 その電極ですが、当初使用を考えていたプラス極とマイナス極を接続する既製の部品は幅が11mmもありますので10mm以下に詰めようとしましたが、マイナス側のスプリング固定部分が切れてしまい詰められません。 そこで単極のプラス電極とマイナス電極を詰めて半田付けで接続して使う方法に変更しました。 この時プラス電極とマイナス電極間が11mmとなっているのも、ここでの設計値である10.5mmに変更しています。

電池の背面側から前面に1本のワイヤーを配線しないとなりませんが、このモデルでは電池ホルダー部分に底板がありませんので、0.5mm塩ビ材で作った2つ折の電池セパレーターを2本電極板を欠き込んだ三角の部分に裏側から貼り付けます。 そしてその1本の裏側にワイヤーを通してやることにしました。 これにて見栄えが良くなったと思います。

LEDの固定の仕方は2ヘッドフォーン型と全く同じで、光を拡散するために1.2φナイロンワイヤーを使うところも同じです。 また前面に貼り付ける文字入れした紙をアルミパネル面に貼り付けるのも同じです。 そのアルミパネルでフレームを連結するところも一緒です。

ということでトントン拍子で作業は進み動作試験と電池寿命試験に入れるところまで来ましたが、このモデルの電池寿命はかなり長くなることが予想され時間が掛かりますので、電池寿命以外のテスト結果も含めて次回にお知らせいたします。


電極板は1mm、厚み調整板は1.5mmのベーク板から切り出します。 電極板の下側両端はフレームに乗っかって電極板の下がフレーム面と同じになるよう削り取ります。


背面の様子はこうなります。 厚み調整板を雌ネジの両側に嵌め込み(上の写真)、その上に伝極板を載せて貼り付けます。(この写真ではまだ接着しておりません。)


前側の電極板も挟み込んでみました。 電極板の上面或いは下面がフレームより飛び出ていなければOKです。



左側二つがマイナス電極でその左は加工前、その右は加工後です。 右側はプラス電極で左側が加工前、右が加工後です。

加工後の二つの電極を切断面で付き合わせるとこうなります。 子の時両電極の中心間の距離は10.5mmになります。


左がメーカー製のプラスとマイナスが接続された電極で、右がここで作った同目的の電極です。 長さが0.5mm長くなる以外全ての寸法が縮まり問題が解決されます。 長さが長くなる部分は問題になりません。



出来上がった電極と単電極を電極板にエポキシ接着剤で接着いたしました。 上が前側用で下が後ろ側用になります。

電極板の三角の切り欠きに被っている電極をヤスリで削り落としました。



電池のプラスとマイナスからの引き出し線を半田付けいたします。 これらのうち下の青いワイヤーが背面から前面に配されます。

2つの電極板に裏からまたがる3角板。 0.5mm厚塩ビ板をへの字に曲げて内側をスプレー塗料で塗りました。(外側を塗ると接着面のため具合が悪いので。)


電極板を所定の位置に瞬間接着剤で貼り付け、その後背面から三角板を渡して接着しました。 そして青のワイヤーを三角板の裏に隠しながら前側に通します。


裏側はこんな具合です。 ワイヤーが上に飛び出ないように、三角板の底に瞬間接着剤で固定しています。


電池のプラとマイナスのワイヤー、そしてLEDからのワイヤー2本の配線を済ませ、組込みは完了いたしました。


遅ればせながら前面パネル面への文字入れはこんな具合です。 on/off と描かれた左側のポチがLEDの光拡散のためのナイロンワイヤーです。 問題なく動作はしてますが、テストは次回です。


2015/09/04

単四3本型の実働性能/電池寿命テストとリチウムイオン充電値型のフレームの組み立て/組込み

実働性能

このモデルも既に実働性能は実測されております。 それらの一部を測定した所同じ結果を得ていますので、以前掲載したデータを再掲致します。

1.最大出力/オフセット電圧  (再測定)
電源電圧 消費電流 チャンネル 出力電圧 出力電力 オフセット出力電圧
4.5V 6.2mA 無入力信号時
107mA 0.523V 16.6mW 0.19mV
0.523V 16.6mW 0.24mV
4.0V 6.0mA 無入力信号時
103mA 0.495V 14.9mW 0.17mV
0.495V 14.9mW 0.22mV
3.5V 5.8mA 無入力信号時
96mA 0.452V 12.4mW 0.18mV
0.452V 12.4mW 0.23mV
3.0V 5.6mA 無入力信号時
87mA 0.396V 9.5mW 0.18mV
0.396V 9.5mW 0.23mV

電源電圧が3.0Vの時の出力電力は私が標準としている10mWを僅かながら下回っています。 然し『ひとりごと』で述べているように私の実際の使用環境で使うイヤーフォーンの変換能率が高く、1mWの入力で必要最大音圧が得られますので、それを使う限り全く問題ありませんし、ごく僅かに届かない状態なので殆どのイヤーフォーンで問題ないと思います。

オフセット電圧については電源電圧の変化で若干変るものの、オフセット対策を全くしていないにも拘わらずすこぶる付きの優秀さでした。 これらの値であればイヤーフォーンを痛める心配は全くありません。


2.周波数特性  (以前のデータそのままです。)
さて周波数特性については4.5Vの電源電圧で33Ωと16.5Ωの2種類の負荷抵抗で方形波応答特性を撮影しました。

電源電圧 4.5Vで負荷抵抗33Ωの時の4点における方形波応答です。 原波形に非常に良く似ており、周波数特性としてみると16Hz〜500KHzがフラットになっています。 ボルテージフォロワーのお陰でしょう。

16.5Ωの方形波応答ですが、10KHzや50KHzを上と良く比較すると高い周波数での伸びが若干悪くなっています。 但しピークやうねりのあるようなものではなく、12Hz〜300KHzがフラットというような僅かな違いと推測されます。 無論可聴周波数帯域はほぼ同じでフラットで音色も同じになっているでしょう。


3.連続運転時間
この特性はiPod NanoとクリプッシュのR6を接続し聴いた感じで通常より大き目の出力に設定して電池電圧が3.0Vになるまでの時間を計りました。 当然ながら出力電力が変化するため消費電流は一定ではありませんが、実用形態に近い状態で測定できていると思います。 尚その記録はデジカメによる10分おきのインターバル撮影によっています。

各電源電圧での消費電流:(電源に電圧可変定電圧電源を使っています。)

  4.5V:  6.5mA
  4.0V:  6.3mA
  3.5V:  6.2mA
  3.0V:  6.1mA

尚あくまで参考ですがこの結果から、パナソニックの公表データ(定電流連続放電特性グラフ)で読み取った予測値は平均消費電流を6.3mA、終了電圧を0.9Vとした時に約170時間となっています。 ここでは終了電圧を1.0Vとしますので、若干短くなる可能性があります。

テスト結果は、
電池電圧が3.0V(1本辺り1.0V)となるまでの動作時間:  158時間10

  



リチウムイオン充電池型のフレームの組立と電子回路実装

フレームの組立とそれへの電子回路基板実装も連続して3つ行うわけで、様々な組み上げテクニックが積み上がっていますのでその勢いを借りて『リチウムイオン充電池型』を組み上げることにしました。 といっても最も小さく作らねばならないので慎重に進めないといけない部分もあります。 その中で一番熟考を要したのはワイヤーの処理でした。

このモデルでは前面のアンプ基板と背面の電源基板の間に合計で7本のワイヤーが存在します。 設計段階では基板裏に1.2mmの隙間が出来るので、ワイヤーの最大太さを1.0mmに抑え基板裏に瞬間接着剤で密着させればよいだろうと考えました。 そしてその通りに進めてきたのですが、大きな問題があります。 その第一は7本のワイヤーのうち2本はどうしても交差させないと収まらない問題です。 交差箇所ではどうしても高さが2.0mm近くになり、フレーム面から飛び出してしまいケースに収める際擦れあったっり、うまく収められない可能性が出てきます。 第二に基板裏にうまく納められたとしてもそれを基板の上側に持って行かないとならないLEDへの配線3本を基板の表側に出す部分の処理が厄介だと言うことです。

にらめっこを数時間続けた結果、LEDへの配線を表側に変更しようと決心しました。 その大きな理由は、LED基板からの3本のワイヤーはそれぞれ直径0.8mmの単線で13cmの長さで切断しています。 一方電源基板にはLEDへ導かれる3本のワイヤーが半田付けされていますので、これをLED基板からのワイヤーと接続しないとなりません。 ということはどこかに接続点が出るはずでこの処理は外観上も含めて面白くありません。

再度電源基板を確認したところ既に半田付けされたワイヤーを外しても基板を組み込み後に配線出来ることが判りました。 そこでLED基板に半田付けされたワイヤー3本を基板の表側を通して電源基板に導き半田付けすることに変更すると、基板裏配線で発生する交差も無くなることが判りました。

都合の良いことに電池を収める空間は高さに2.0mmのゆとりがありますので、LED配線を通す部分を残して電池フォルダーの底上げを1mm致しました。 LED配線は直径0.8mmのワイヤーですから1.0mmの隙間に収まります。  こうして一番悩ましかった問題はスムーズに解決できた次第です。

それらを含む作業の様子は以下の写真でご覧ください。



フレームをコの字型に折り曲げました。 更に両先端を内側に曲げないといけないのですが、曲げ加工後の予測寸法を確認してから実行します。(一度曲げたら元に戻せないので。)

固定ネジの補強板(10 x 7.2mm)をエポキシ接着剤で貼り付けました。 矢印の先に基板が挿し込まれるので、1.2mm程の隙間を残します。



接着後12時間寝かせてから基板を差し込んで不具合がないかどうか確認しました。

そしてM4のハンドタップで雌ネジを切り込みました。 これらは3つのヘッドフォーンアンプに共通した加工作業です、



ヘッドフォーンジャックの予備加工です。 先ず端子を1〜1.5mm詰めて内側へ曲げて半田揚げします。 更に1個のジャックの左側面、背面、底面及びもう一個のジャックの右側面背面底面を0.2mm厚塩ビ板から切り出して瞬間接着剤で貼り付けます。(不要な電気的な接触、ショートの防止目的) 右端が加工前のジャックです。

それらのヘッドフォーンジャックをフレームの前内側に瞬間接着剤で固定しました。 子の時フレームとジャック横の間に0.2mmの塩ビ板が挟まれます。
ヘッドフォーン端子の上面が1.0mm位フレーム面から引っ込んでいることを確認します。



基板裏の最終処理です。 LED配線の3本を取り除き、残る4本のアンプと電源ブロックを結ぶワイヤーは、交差をさせない!、中央に寄せる!の2条件を守りながら基板面に密着させた状態で瞬間接着剤にて固定します。

裏側処理が終了した基板をフレームに挿入し電気的な不具合(フレームとのショート)が起きないかどうかの確認を致します。



ここから4枚の写真は基板の装填方法です。 先ず基板の前側を上に上げた状態で後ろ側を差し込みます。

完全に差し込んだらフレームの前側を3mm程開いて、徐々に基板の前側を落とし込みます。(スイッチのレバーは赤矢印のフレームの突合せ部分の隙間を通ります。)


 落とし込む途中でヘッドフォーンジャックの背面は0.1〜0.2mmの隙間を基板との間に保ちながら入るはずです。
 そうでない時は一旦作業を停止して基板の当る部分を削ってやる必要があります。(加工精度で起きる問題です。)





基板が完全に落とし込まれたらフレームの先を突き合わせることが可能になります。(赤矢印先)

突き合せた前面はこんな感じです。 突合せ部分で段差・食い違いが出来たり隙間が生じる場合には調整する必要があります。



電池が入る部分の大半を1mm厚塩ビ板で覆うよう両面接着テープで貼り付けました。 よって矢印部分は1mmの深さの溝になり、ここを3本のワイヤーが後程通ります。

電池室の仕切り板は1mm厚グラスエポキシで作りました。 上が前側で下が電池からのケーブルパスの欠き込みがある後ろ側です。



基板の電源ブロックに電池からのリード線を繋ぎました。(電池は予め充電しておきます。)

後ろ側の電池室仕切り板を挿入しハタ金で軽く圧着保持しています。 ケーブルパスを電池ワイヤーが通過しています。 この状態で仕切り板を瞬間接着剤で固定します。



前側の仕切り板を同様に接着しました。 中央に隙間が見えますが、ここを3本のワイヤーが後程通ります。

これで全ての予備加工が終わりましたので最終的に基板を挿入し、ハタ金で保持した状態で瞬間接着剤にて基板をフレームに固定しました。


組み込みがほぼ完了した本体です。 イヤーフォーンとiPod Nanoを繋いで動作を確認いたしました。 残るhは前面/背面パネルの製作と取り付け、そして文字入れでその後実働テスト、電池の寿命テストとなります。


2015/09/11

リチウムイオン充電値型のフレーム本体完成までと電気的性能テスト

フレームブロック組立の残る作業は前/背面への文字入れとLEDアセンブリーの組込みです。 一見簡単に進みそうですがどっこい細かくて神経を使う作業が出てきて時間は結構掛かりました。 前半の文字入れはお馴染みの方法で紙に文字を印刷しそれを貼り付けます。

後半のLEDアセンブリーですが前面パネルにあけた穴の中心にLED縦方向の中心を合わせようとするとLED基板がスイッチに当り、赤のLEDはナイロンワイヤーの位置から上方に外れ見えなくなることが判りました。 そこで1mmのアルミ板を加工してLED基板を後方へ約7mmずらして固定するアダプターを作りました。 このアダプターは電源スイッチに瞬間接着剤で固定します。 そしてナイロンワイヤーを使い約9mm光を前面に導きますがワイヤーは曲げられますから、ワイヤー断面中心にLEDを当てられるようになります。

こうして作ったLED電圧インジケーターは9mmのナイロンワイヤーを通した光を見るようになるため当初の明るさよりだいぶ暗くなりますが、電池電圧の低下に従い、緑 → 黄 → 赤 と変化することが確認できれば良いので支障はありません。

そのLEDからのワイヤーは電池ホルダーに作った配線スペースを通過させて背面に持って行き、所定の位置に配線しました。

以上で


前面パネルと背面パネルを切り出し加工しました。 それぞれ1mm厚のアルミ板を使っています。

そして薄手のマット紙にExcelで描いた文字及び背景を印刷しました。 貼り直しが起きても問題ないよう4枚ずつ印刷しています。



それにスプレー糊を吹き付けてアルミパネルに貼った後に穴あけをしてから、フレームにエポキシ接着剤(90分硬化開始型)で接着し圧着保持しました。

一方LED基板を後方に7mm、下に1mmずらして固定するためのゲタを1mmアルミ板で作りました。 矢印が前方ですが、電源スイッチにまたがるように載せて接着します。


ゲタにあけた穴に2つのLED(赤と緑)の光が通る位置にLED基板を接着し、ゲタの丸穴にナイロンワイヤーを差込み、その反対側をパネル面の穴に通してからゲタを電源スイッチに載せます。 矢印の先が嵌め込んだゲタです。



赤のリード線には2.7KΩ、緑のリード線には1.2KΩを接続して、2.7〜4.5Vの電圧を加え確認します。 これは4.5Vの時です。

こちらは3.0V以下に下がった時で緑は消灯して赤のみが点灯しています。 実際の点灯の仕方とちょっと違いますが、ナイロンワイヤーで旨く光を導けています。



LEDからの3本のワイヤーを電池ホルダーに確保したケーブルパスを通し、背面の電源ブロックに導きました。

電源ブロックの所定の位置に3本のワイヤーを半田付けし、電源スイッチを入れました。 現在電池電圧は3.7Vくらいあり緑のみの点灯です。


LEDびよる電圧表示はキャリブレーションは必要ですが、電池の配線を外せませんので後程魔法を使って実施します。 それを除けばヘッドフォーンアンプ本体はこれで完成となります。


一挙に製作した左から、2ヘッドフォーン駆動型アンプ、単四電池型アンプ、そしてリチウムイオン充電池型アンプです。



リチウムイオン充電地型ヘッドフォーンアンプの性能と電池寿命テスト

このモデルも最大出力、その時の消費電流、無信号時の消費電流、方形波応答特性などは既に測定済みですので、以下に再掲します。 そして電池の寿命テストだけを追加します。

1.最大出力、消費電流、オフセット電圧
電源はリチウムイオン充電池ですので最高電圧を4.2Vに、放電終了電圧(3.1V)の近傍である3.15Vとしたかったのですが、ちょっとした事で(例えばiPod Nanoの出力電力の変化)、電源が遮断してしまう事が多かったので3.2Vを最低電源電圧としています。

電源電圧 負荷抵抗 消費電流 チャンネル 出力電圧 出力電力 オフセット出力電圧
4.2V 無信号 10mA - - -
33Ω 67mA 0.945V 27.1mW 0.03mV
0.876V 23.3mW 0.01mV
16.5Ω 82mA 0.677V 27.8mW 0.03mV
0.604V 22.1mW 0.01mV
3.5V 無信号 9.7mA - - -
33Ω 55mA 0.778V 18.3mW 0.04mV
0.727V 16.0mW 0.01mV
16.5Ω 70mA 0.549V 18.3mW 0.04mV
0.489V 14.5mW 0.02mV
3.2V 無信号 9.5mA - - -
33Ω 50mA 0.700V 14.8mW 0.04mV
0.662V 13.3mW 0.02mV
16.5Ω 70mA 0.513V 13.9mW 0.05mV
0.459V 12.8mW 0.02mV
単四3本型と比較すると最大出力は左右でちょっと違いがありますが、1段上と言うか余裕を持って16Ωのインピーダンスに対応できます。

2.方形波応答特性
連続したカーブとして得られませんが、短時間でフラットな再生周波数範囲はどのくらいなのかを端的に掴めるので、大変重宝している測定項目です。 原波形と全く同じであればその周波数の1/10または10倍の範囲ではフラット(±0.1dB以内のレベル)と考えて差し支えありません。 例えば100Hzと10KHzが入力と完全に相似であれば、10〜100KHzの間がフラットということになります。 そして低周波におけるサグや高周波でのオーバーシュートはより高い周波数でピークの発生を、リンギングはうねりの発生を敏感に指し示してくれます。

単四3本型と較べると100Hzの方形波のサグの傾斜が少々大きくなっています。 これは単四3本型では7.6Hzであったカットオフ周波数が、リチウムイオン充電池型ではコンデンサーの容量を小さくしたことで、10.6Hzに増加したためです。


負荷抵抗を16.5Ωに下げても方形波応答の違いは殆ど判りません。 そしてこれらの写真では判りにくいですが、単四3本型よりも周波数特性は16〜350KHzがフラットいうような高い方に伸びている特性が得られていると思われます。

3.雑音特性
イヤーフォーンを繋ぎ入力をショート状態にして静かな真夜中に聴くことに集中しましたが、まったく雑音は聴こえませんでした。 これまでの経験ですと入力換算雑音(IHF-Aカーブを通して)で、-110〜-120dB/Vのレベルにあることは間違いありませんので、測定は省略いたしました。

3.電池の寿命
iPod Nanoを繋いで通常聴いている音量より若干大きめにセットしその状態を保ったまま電源が自動遮断されるまでの時間を測定します。 ここで使っている電池は内部回路で3.1Vで自動遮断させるようになっているようですが、ヘッドフォーンアンプに組み込んだ自動遮断回路は3.2〜3.1Vの間で遮断するよう調整してあります。 つまり低電圧に対する自動遮断は2つ直列になっています。 このため電池の見掛けの容量はほんの少しですが小さくなりますので、テスト結果は厳密に電池の容量を表すわけではありません。

通常の音量より若干大きめにセットした状態で消費電流がどの位になるか測ってみました。 以下がその結果です。

    電源電圧4.2V時: 11.6mA
    電源電圧3.5V時: 11.2mA
    電源電圧3.2V時: 10.8mA

以上より仮に平均消費電流を11.2mAとし、メーカーが公表している400mAhの電池容量から、400÷11.2 = 35.7時間という連続動作時間が導かれます。

この値を念頭において寿命テストを開始しました。 テスト方法は入力信号にiPod Nanoを、イヤーフォーンはクリプッシュ R6を繋ぎ、通常のレベルより大き目の音量としています。 それに電池電圧を測るDMMと時計を一緒に5分刻みのインターバル撮影で記録します。 ところでテストの為に電池の結線を外すのはほぼ不可能なのですが、暫し対策を考えた結果コロンブスの卵的発想で実施しています。 詳しくは後述いたします。


電池寿命テストの全体の様子です。 手前のカメラ(リコー CX-1)で5分間隔のインターバル撮影をしています。


上からスタート時点、最低電圧を記録した写真、その30秒後に撮った写真は電圧が上がりだし、電源が遮断されたことが判ります。 よって一番上の写真と中央の写真の撮影時刻の間隔が電池の放電時間となります。

試験は9月5日20:00:00にスタートし撮影は5分間隔ですが電池が終了するタイミングが都合よく9月7日の8時前後になりそうだったので、撮影インターバルを途中から30秒に変更しました。

電圧の読みが最低となったのは9月7日 08:13:30で、その20秒後の08:14:00には電圧は上昇に転じています。 つまりその間の30秒に遮断されたわけですので、放電終了時刻は9月7日 08:13:30とします。
これらから放電時間は36:13:30 36時間1330秒)となります。

前述した予測計算値より約30分長い結果が出ていますが、音源は絶えずレベルが変動しますから消費電流もそれにつれて±2mA位の範囲で変動します。 従ってこの程度の計算値と実測値の差はなってしまうでしょう。 それより無名に近いリチウムイオン電池ながら出鱈目なスペックを表示していることはないのを再確認できて安心しました。

電池の結線を外さずに外部電源を繋いだり、消費電流を測る方法

実装密度を上げるためにかなり詰め込み過ぎた部分があり、例えば電池からのリード線の半田付けは完成後は不可能になっています。

このため消費電流の測定、外部電源の接続などが出来ません。 但し背面にある充電用のコネクターを通じてそれらが実現できることが判り、そのテクニックを使って上記のテストを致しました。
アンプ基板の-Vccのパターンの大きい部分にワイヤーを半田付けします。(黒いワイヤー) 背面の充電端子に新たなプラグを差し込みました。 このプラグの赤いワイヤーには電池のプラスがつながり、黒いワイヤーには電池のマイナスが繋がりますが、電池マイナスは内部の-Vccラインからは切り離されます。

こうすると黄色文字で書いたワイヤー間に外部電源を繋ぐ事が可能になります。 勿論その時の消費電流も測れます。 またブルー矢印間をショートすると内部電池で動作しますし、この間に電流計を入れることで消費電流の測定も可能になります。

左上の黒いワイヤーは使用後先端にチューブを被せて絶縁し束ねて隙間に詰め込んで将来の利用に備えます。


2つのヘッドフォーンアンプの電気的性能の比較

これで2つのヘッドフォーンアンプの電気的な性能が全て判ったのですが、試聴テストも踏まえて使用したLMP7732MA(単四アルカリ型)AD8656ARZ(リチウムイオン充電池型)のどちらが良いかについて触れておきます。

いずれもオーディオ用に高性能な低電圧動作のオペアンプですが電流出力能力において際立った物理特性の違いがあり、AD8656ARZは電源電圧5Vで最大220mAの電流出力能力を有するのに対し、LMP7732MAでは47mAに留まっています。 改めて言うまでも無くヘッドフォーンアンプの負荷インピーダンスは16Ωというかなり重たい負荷ですので、電流出力能力の高さが大変重要です。 そこで一般論としてはAD8656ARZの方が優秀という言い方が出きるでしょう。 これは音質にも若干現れているようで、それぞれ別な機会に聴いたら判らないものの、パルシブな音の変化に対しても俊敏に追従しているように感じます。

測定時の電源電圧が若干違うので直接的な比較は出来ませんが、16Ω負荷で低電源電圧時のLMP7732MAの苦しさはその辺りを象徴的に物語っているような気がします。

然しながら省エネ度という観点ではLMP7732MAの150時間を越える連続運転能力は特筆に価します。 LMP7732MAの無入力時の平均消費電流は約6.0mAですが、AD8656ARZは9.7mA近辺です。 AD8656ARZLMP7732MAに対し62%も余計に電流を消費しているわけで、この差は連続運転時間にもろに効いてきます。

かような観点から、エネルギー容量が単四アルカリ3本より大幅に低い400mAhリチウムイオン充電池を使ったヘッドフォーンアンプではLMP7732MAを採用し単四アルカリ電池タイプではAD8656ARZを使用する方がバランスが良いかもしれません。(前者は省エネ度重視、後者は音質重視で電池寿命の大きな差は緩和されるでしょう。)


2015/09/18

3種類のヘッドフォーンアンプのケース製作

フレームブロックが全て完成しましたので、最終コーナーとなるケースの製作に入ります。 ここでお断りしておきますが、2出力ヘッドフォーンアンプのケース構造はサイズは別としてリチウムイオン充電池型と全く同じ構造ですので、単四アルカリ乾電池型を含む3台の製作を同時に進めてまいります。

ケース構造は3mm厚アガチス材で側板と背面板(単四アルカリ型のみ)を作り、それを1.5mm厚アルミ板で上下から挟んだ構造です。 作りやすくて結構外観にはシャープな感じもありますので私のお気に入りで、既に4台をこの構造で作っています。

従って掻い摘んだ説明で製作過程をご紹介します。 以下の写真とそれらの説明をお読み下さい。



側板の幅は加工精度+0.1mm、-0.0mmで仕上げます。 いきなり切り出しでその精度を出すのは無理ですから先ずカンナで直角出し削りにて寸法を出して、直角出しヤスリで仕上げます。 それらの間に数回ノギスで確認しますので、精度出しに苦労することはありません。


長くて白っぽい材料からは2出力型とリチウムイオン充電池型の側板を切り出し、短くて茶色い材料はコの字型の側板を1枚板から切り出します。 既に墨線を引き終わっており、トリマー加工を済ませてから最終的な長さで切断します。



トリマー加工に使うジグの組立。 一番下の18mm合板に厚み調整の0.5mm厚ボール紙を2列に貼りました。 隙間の所に側板の材料を置きます。

左の白っぽい板は2.4mm厚化粧合板ですが、それで材料を挟むように置きます。 こうすると材料と白い板の表面はほぼ同じ高さになります。


左手に新たに載った白い板はトリマーのガイド板になりますが、ガイド板の位置調整を慎重にした上で左右をクランプ2本ずつで固定します。 このガイド板の取り付け位置精度で加工精度が決まってしまいますので、充分に時間を掛けます。



赤矢印先の線が切削の中心になるよう設定した状態です。 私の使っているリョービの電動トリマーの台座は1辺が45mmありますので、ガイドとの距離が正確に45mmであれば、トリマーの刃の中心はここを通ります。 右の写真は切削終了後で押さえ板も共切りしています。


4mm幅(前側)と1.6mm幅(後側)が終わりましたので念のためにフレーム本体を当てて確認しています。 上の写真は左が前で、下の写真は右が前側になっていますが、何れも収まりに問題は無さそうです。


繋がっていた側板を切り離してフレーム本体に当ててみました。 ここではゴムバンドで挟んでいますが、次の工程で背面パネルと側板をエポキシを使って接着します。 以上が2出力ヘッドフォーン型とリチウムイオン充電地型の作業です。


単四アルカリ乾電池型では一枚板に90度V溝ビットで深さ3mm(板厚と同じ!)の溝を角部分2ヶ所に彫ります。(上) 但し何もしないと3つにばらばらに切り離されてしまうので、切削位置の裏側にはマスキングテープを貼って皮一枚繋がっている状態にしてから切削します。(下)


試しに加工の終わった材料を折り曲げてフレーム本体に当ててみました。 この後矢印のところを切断してやります。


背面パネルを側板に固定、または側板を背面でコの字型に接合の準備です。 接着部分は矢印の先ですが、接着剤でフレームが側板に接着されないようマスキングテープでフレームを覆っています。


接合面にエポキシ接着剤を塗って接着しハタ金で圧着保持しています。 接着面積が小さくて弱いため、24時間放置して完全硬化させてから次の作業に進みます。 右端だけ前後方向にもハタ金を2本使っていますが?



矢印部分の密着度を上げるためです。!

1.5mm厚アルミ板から上下の板を切り出しました。 最終寸法よりも縦・横0.5mm大きく切断してあります。


そして底側の1枚をエポキシ接着剤で貼り付けて圧着保持します。(上の状態)  2時間後(半硬化状態)に中身を抜き取って更に22時間寝かせ、完全硬化させました。


 註) 2時間後の半硬化状態で中身を抜き取る理由は、若しも内部でエポキシが滲み出ているとしたら半硬化状態で本
   体を抜き取らないと本体は内面に接着して抜けなくなってしまう可能性が極めて高くなります。

   滲み出たエポキシは完全硬化後にナイフで削り落とします。 アルミや木材料を傷つけるような荒っぽい作業になり
   ますが、完成後に見える部分ではなくなるので、気楽に実行出来ます。




中側に滲み出ているエポキシをナイフで完全に削り落とし、本体がスムーズに出し入れできることを確認後に上側のアルミ板を接着しますが、ハタ金で圧着保持後に中身を抜いてしまいます。(上の状態) そしてティッシュペーパーを薄板に巻いてケースの中に突っ込み、上板との接着面に滲み出ている接着剤を拭き取ります。 そして24時間寝かせます。


2015/09/25

3種類のヘッドフォーンアンプのケース完成まで

箱型に接着が終えたケースは側面のアルミ板とアガチスの板の境界に段差が無くなるまで削って成形します。 基本的にはアルミ板の方が飛び出ているので、金工ヤスリでアルミ板を削り指で触って段差を感じなくなったら替刃式ヤスリに替えて平面だし、直線出しをしながら研摩します。 最後は#400判で仕上げますが、それはヘヤーライン加工が澄んだ後です。

前面と背面は側面との直角出しをしながらアルミ板とアガチス板の木口が面一になるまで削りこみます。 ここも替刃式ヤスリで最後の成形をします。

面取り作業と角のR加工を念入りに済ませます。 私は替刃式ヤスリで面取りやRを出した後に#400ペーパーで仕上げました。

ヘヤーライン加工もお馴染みの作業ですが、今回はハンドサンダーに#240ペーパーを付けて研摩しました。 この時ケースの天板または底板に板を当てて側板面より若干飛び出るように左手で研摩面が上を向くよう握ります。 そして右手でハンドサンダーを握り当てた板に沿わせて研摩します。 こうすることでヘヤーラインの線はケースの前後方向と平行になり、しかもアルミ面に僅かなうねりがあってもヘヤーラインが均等に付きます。(ハンドサンダーのペーパー取り付け面には2mm弱のスポンジが貼ってあるため僅かなうねりや凹みなどがあっても研摩できます。)

これが澄んだら側面の仕上げ研摩をします。 #400ペーパーをハンドサンダーに付けてヘヤーライン加工の時と同じようにケースの前後方向に平行に研摩します。 この平行研摩作業でアガチスの木目に喰い込んでいたアルミの研磨滓が殆ど取れます。

以上が終わったらケースを水で洗って細かな研磨滓を細い筆などを使い洗い流します。 洗い流す一番の目的は内部にこびりついてるアルミの研磨滓を完全に拭い取ることと側板木目に食い込んでいるアルミ滓を洗い流すことにあります。 水を使ってもエポキシ接着剤で接合しているので剥がれ落ちる心配は全くありません。

乾燥しましたら塗装に入ります。 私の塗装の標準作業である、1.着色、2.水性ウレタンニス透明クリヤー2回塗り、3.水性ウレタンニスつや消しクリヤー1回塗りとしています。  それまでの様子は以下の写真をご覧ください。


ケースの貼りあわせ後にアンプ本体を挿入できることを確認中です。 ご覧のようにアルミの天板・底板はアガチスで作った側板の面より僅かに突出しています。 この突出を金工ヤスリ中目でアガチス面まで削り落とします。 その後替刃式ヤスリでアルミ板の厚み面が均等に見えるまで削って(最初は厚みが1.5mm以上で不規則に見える。)、最後に#400サンドペーパーで仕上げ研摩します。



アルミ板の角の面取りをしました。 板厚1.5mmがきりっと見えます。 無論アルミ板とアガチスの板の間の段差はありません。

なんとなくアルミ板が1.5mmより厚く見えますがバリが残っているためで、適切な面取りを済ませるときりっとした見え方に変ります。


アルミ板のでっぱりの削り落としと替刃式ヤスリ及び#400サンドペーパーによる仕上げ研摩を経て、面取りと角のR成形(右上写真)が終わりました。 残るは上面と底面のヘヤーライン加工です。


ヘヤーライン加工は#240サンドペーパーをハンドサンダーに取り付け沿わせて前後方向とヘヤーラインが完全に平行になるようにして研摩します。 アルミ板についた細かな傷が消えてしまうまで根気良く削り込み、終了したら水洗いしてアルミ滓を完全に洗い落とします。(特に内部に滓が残らないよう注意!)


塗装工程は、水性ポアステインを2倍に希釈して3回塗りで仕上げた後に(各着色の間に#400で研摩)水性ウレタンニス透明クリヤー2回塗り、水性ウレタンニスつや消しクリヤー1回塗り(各塗装の間に#400で研摩)としています。


こちらはDual Headphone AMPとした物で、家内と一緒に使うのですが、家内が使う側をローズピンクで(ツマミで音量調整が可能)、私が使う側はマリーンブルーで(音量調整は外部)仕上げました。


こちらは150時間以上も連続動作時間を有する省エネ型ですが、チーク色のポアステインで仕上げました。 この色にしたのはある購入しようかな?と考えているファッショナブルなヘッドフォーンの革貼りの色に合わせてやろうとしたものです。 歩きながら使う時はバッグの中にしまうのがベストでしょう。


コンパクト型ですが重量も65gしかないので、iPod Nano共々シャツの胸ポケットに入れてもだれて下がるようなこともなく快適に使えます。 歩きながら使う本命になりそうで、最も使用頻度が多いと思われます。



全てに言える共通点は表面の光り方で、半つや消しですからこのようににぶーい反射光を有しており、気品のある感じです。 アルミ面もぎらぎらした安っぽさがなく渋さを持っています。

その面をクローズアップしてみました。 しっとりした肌触りがあり高級感があります。

以上で3台のヘッドフォーンアンプが完成いたしました。 2ヘッドフォーン駆動型を製作開始したのが1/9で2月に入り2つを追加したので約9ヶ月も要したわけですが、初期の目論見、目標は充分に達成できたと考えています。

以下は3台製作したアンプと以前に製作した2台の仕様の比較表です。 薄い緑は外観上VRツマミが付いて似ていますが、新の方は何といってもDual AMPにあります。 ピンク色は省エネ型の比較と言ったところですが、このアンプにおける改善度は目を見張るものがあります。

  VR付 Dual AMP 省エネ型 コンパクト型 VR付 旧型 VR無 旧型
使用オペアンプ OPA2350PA LMP7732MA AD8656ARZ AD8397ARZ OPA2350PA
電 源 単五アルカリ 3本 単四アルカリ 3本 リチウムイオン充電池 単四エネループ 3本 単四アルカリ 3本
駆動電圧 4.5〜2.7V 4.5〜2.7V 4.2〜3.2V 3.6〜3.0V 4.5〜2.7V
最大出力 負荷16.5Ω
  電池電圧 High
30.3mW
4.5V
16.6mW
4.5V
22.1mW
4.2V
41.0mW
3.6V
34.2mW
4.5V
最大出力 負荷16.5Ω
  電池電圧 Low
18.4mW
3.0V
9.5mW
3.0V
12.8mW
3.2V
28.1mW
3.0V
15.0mW
2.7V
連続動作時間 35時間40分 158時間10分 36時間13分 42時間 120時間
外寸 (L x W x H) 99 x 47 x 19mm 86 x 41 x 14mm 86 x 34 x 13mm 107 x 54 x 21mm 96 x 41 x 15mm
体積 88.4cm3 49.4cm3 38.0cm3 121.3cm3 59.0cm3
電池込み重量 120g 95g 65g 145g 100g


----- 完 -----


 
  
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