HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop
これを知れば家具自作は容易!


 
2出力ヘッドフォンアンプ
   
2015/01/09

構想

ヘッドフォーンを使うことが多い私ですが、年がら年中必要になるというわけではないものの、ヘッドフォーン出力が2つ付いていれば良いのにと思うことがあります。 それは家内と散歩中に同じ音楽を聴いたり、プロ野球の観戦時にインターネットAMラジオでの解説を聞く、家内と出かけた時に電車の中で同じ音楽を聴く、といったシチュエーションが考えられます。

簡単に実現する方法はヘッドフォーンジャックを2つ並列に接続すれば良いのですが、この方法ではそれぞれの音量を独立してコントロールすることが出来ません。 また使用するイヤーフォーンは30Ω以上のインピーダンスを持っていないと、2つ接続した時の合成インピーダンスが下がりすぎアンプに負荷が掛かり過ぎます。 ヘッドフォンアンプを2つ組み込めば理想的ですが、大きさが2倍になっては大きすぎて不可です。

まともな音質に拘ると結構難しい部分が出てきますが、真剣にその構成を検討開始致しました。

第一番は組み込むアンプの数です。 大きさを抑えるにはアンプ1台で2つのイヤーフォーンを駆動ということになりますが、音量の調整はイヤーフォーンとアンプ出力端子の間に可変抵抗を入れる方法になります。


上の例では50Ωの2連の可変抵抗を入れております。 ヘッドフォーンアンプを繋ぐiPod Nanoにレベルコントロールが入っていますから、音量がゼロになるまで絞れる必要はなく、この状態で16Ωのイヤーフォーンを繋いだ時に最大で約12dBの減衰量が取れ目的は果たせると思います。 これで実現できそうですが問題があります。 50Ωなんていう低抵抗の超小型の2連ボリュームは入手不可能です。 一番小さい可変抵抗で1KΩが最小値ですが、これでは値が大きすぎます。

解決策が無いので、組み込むアンプは2台とし個々のイヤーフォーンを独立して駆動することにしました。 その場合にはアンプの大きさが2倍にならないことが極めて重要になります。 そうならないような前提条件を予め設定しておきます。

1.使用する電池

  これまでに作ったヘッドフォーンアンプの中でもっともコンパクトなのは、95 x 41 x 15mmで単四アルカリを3本使っており、
  音量調整はありません。 電池は最もかさばる部品ですが単四3本を単五3本に変えることでサイズアップを抑えます。 この
  場合連続駆動時間が減少しますが、簡単なシミュレーションではアンプ1系統が50時間駆動できるところが40時間に減少する
  という結果が出ました。 実際にはアンプ2台を駆動するので連続20時間となり、十分に長いとは言えませんがまずまず実用
  になる範囲だと思います。 尚駆動電圧は4.5V〜2.7Vということになります。

2.使用するオペアンプ

  低電圧での動作が十分期待できること、オフセット出力電圧が小さくDCサーボなどに頼らなくても十分であること、信号源に
  対し大きな負荷とならないよう入力インピーダンスが高い方が良いなどの理由で、バーブラウンのOPA2350をベスト オペアン
  プとして考えます。 次の図は高音質、高性能で人気の高いLME49720、低インピーダンス駆動能力の高いAD8397A、そして
  OPA2350の駆動力テストの結果です。

動作電圧 負荷抵抗 オペアンプ名 最大出力電圧 最大出力電力 消費電流 オフセット出力
±2.5V 300Ω LM49720 1.06V 3.7mW 9mA 左: -3mV 右: -6mV
AD8397A 1.77V 10.4mW 17mA 左:+27mV 右:+26mV
OPA2350 1.73V 10.0mW 9mA 左: -1mV 右: 0mV
100Ω LM49720 0.95V 9.0mW 11mA  
AD8397A 1.70V 28.9mW 22mA
OPA2350 1.66V 27.6mW 13mA
50Ω LM49720 0.85V 14.5mW 13mA
AD8397A 1.70V 57.8mW 29mA
OPA2350 1.52V 46.2mW 19mA
30Ω LM49720 0.64V 13.7mW 15mA
AD8397A 1.66V 91.9mW 39mA
OPA2350 1.24V 51.3mW 25mA
16Ω LM49720 0.39V 9.5mW 15mA
AD8397A 1.63V 166.1mW 57mA
OPA2350 0.78V 38.0mW 27mA
±1.5V 300Ω AD8397A 1.04V 3.6mW 14mA 左:+25mV 右:+24mV
OPA2350 1.04V 3.6mW 8mA 左: +2mV 右: -2mV
100Ω AD8397A 1.03V 10.6mW 17mA  
OPA2350 0.99V 9.8mW 10mA
50Ω AD8397A 1.03V 21.2mW 21mA
OPA2350 0.92V 16.9mW 13mA
30Ω AD8397A 0.99V 32.7mW 27mA
OPA2350 0.81V 21.9mW 18mA
16Ω AD8397A 0.95V 56.4mW 39mA
OPA2350 0.64V 25.6mW 23mA

電源電圧±2.5Vはメーカーが保証するLME49720の最低動作電圧です。 平均的なヘッドフォーンを駆動するのに10mWの出力が出れば十分と考えていますが、LME49720は高いインピーダンス、低いインピーダンスで駆動能力が不十分となるようです。 但しこれは±2.5Vと低い電源電圧で言えることであり、本来の例えば±15Vの電源電圧ではそれこそスーパーショットの成績が得られますので、誤解無きよう。

OPA2350は±1.5Vの電源の場合100Ω以上の負荷抵抗で駆動能力不十分になる可能性があり、AD8397Aにはそのような弱みがありません。 但しイヤーフォーンだけに限ると100Ω以上のインピーダンスの物は非常に稀であり、大半は16Ωで少量の30Ω近辺があるのが実態です。 従ってOPA2350は問題なく使えます。 それどころか消費電流についてはAD8397Aよりもぐんと低消費電力であり、使われる可能性が高い16ΩのインピーダンスではAD8397Aの1.7分の1という低い値です。 これは電池寿命にそのまま置き換えられOPA2350AD8397Aの1.7倍の電池寿命(最大出力が連続した場合だが、無信号時でもメーカー発表値でAD8397Aは、1.35倍の消費電流がある。)と省エネタイプです。

一番右の欄はオフセット出力電圧の値ですが、OPA2350は低く抑えられており補償回路の追加は必要ありません。 AD8397Aは何らかの補償回路が必要になってきます。

そして次の表は私がヘッドフォーンアンプによく使う4種類のオペアンプのメーカー発表値の比較です。

モデル名 形状 電源電圧 入力抵抗 出力抵抗 歪率 入力雑音 スルーレート 帯域幅 オフセット V
OPA2350 8P DIP 2.7〜5.5V 1013Ω 0.01Ω 0.0006%
(1KHz
2.5V p-p 600Ω)
5nV/√Hz 22V/μs
(0.8V p-p)
38MHz
(-3dB)
±0.15mV
AD8397 SOIC 3〜24V 87KΩ
(100kHz)
0.2Ω 0.0029%
(100KHz
1.4V p-p 25Ω)
4.5nV/√Hz 32V/μs
(0.8V p-p)
50MHz
(-3dB)
1.0mV
OPA2134 8P DIP 5〜36V 1013Ω 0.01Ω 0.00015%
(1KHz 3Vrms
600Ω)
8nV/√Hz ±20V/μs 8MHz
(-3dB)
±0.5mV
LME49720 8P DIP 5〜34V 100MΩ 0.01Ω 0.00003%
(1KHz 3Vrms
600Ω)
2.7nV/√Hz ±20V/μs 55MHz
(-3dB)
0.1mV

青く表示している値は4種類の中で最も良い値を表していますが、OPA2350OPA2134はFET入力となっているため非常に高い入力抵抗を持っております。 そして入力のオフセット電圧はLME49720がベストになっているものの、出力のオフセット電圧ではFET入力タイプにあるオフセット電流の小ささにより、殆どのケースでOPA2134OPA2350が良くなるのが普通です。 そしてDCサーボのようなオフセット打消し回路も不要で、部品点数を減らせます。(上の表右端を参照。)

こんな点からOPA2350を採用する事を決めた次第です。 




2015/01/16

構想の続き

アンプは2台組み込み、電源が単五アルカリ乾電池3本、オペアンプはOPA2350と決まりましたので、詳細の構成を決めるべく検討を進めました。 その中で大きく悩んだ部分はゲインコントロールです。 まともに考えたら2台のアンプそれぞれにゲインコントロールを持つ事になりますが、可変抵抗はかさばる部品のひとつですから、小型の3段ゲイン切り換えをスライドスイッチでやることも含めて考えました。


レベルコントロールの方式

可変抵抗、スライドスイッチの両面で色々レイアウトを考えたのですが、ひとつ結論が出ました。 それはゲインコントロールは1系統だけにしてもう1系統はゲイン固定にしようといことです。 ヘッドフォーンアンプのゲインを固定にしてしまっても音源たるiPod Nanoのゲインコントロールで入力信号電圧は変えられます。

そこでこのヘッドフォーンのゲイン固定側で聴いて音量調整をiPod Nanoで行い適正値にセット後に音量調整可能側を使う人が聴いてみて、2出力ヘッドフォンアンプの音量調整で適正値にセットすれば良いわけです。 もう少し噛み砕いて言えば、2人で聴く際に大音量派はゲイン固定側にイヤーフォーンを繋ぎ、それより小音量派の人がゲイン可変側のアンプにイヤーフォーンを繋げばなんら矛盾無くレベルセットが可能になります。 そしてこうすることで大きな体積を持つ可変抵抗、スライドスイッチを1個使用ということで全体の大きさ増大を抑えられることになります。

さて可変抵抗を使うかそれともスライドスイッチによる3段切り替えか?ですが、ここでちょっと脱線ですが、採用しようと考えているヘッドフォーンジャックを基板に固定して基板をアルミフレームに1.5mm浮かせてやると、ヘッドフォーンジャックの中心はケース厚を18mmとした場合ほぼケース厚中心に一致します。 従ってボリュームの軸中心もケース厚中心に合わせたいのですが、プリント基板に可変抵抗を埋め込めばそうなることが判りました。 一方スライドスイッチを使ったタイプはさらにうまい具合の寸法配分となります。 詳細は次の前面から見た2つの断面図をごらんください。

どちらのタイプでも計算上はヘッドフォーンジャックを基板に接着する時に0.3mmのスペーサーをかませるだけで、ヘッドフォンジャックとボリュームツマミ、またはスライドスイッチのツマミが中央1直線状に収まります。 従ってこの観点からはどちらを選んでも良いのですが、スライドスイッチを選択した場合には固定抵抗が合計で6本追加になり、それらの収まりがどうも気に食わないことがあり、可変抵抗型を採用することとしました。


抵抗の占有面積削減方法

使用する部品の中で使用本数が最も多いのは抵抗で、最も減らした場合でも13本あります。 そしてこれまで使ってきたリード型の固定抵抗では基板に接続する専用のランド(半田付けするドーナッツ型の部分)が2個必要になります。 これをチップ型抵抗に置き換えると他の部品が使っているランドを共用できます。 つまり実装面積が小さくなります。 それと半田面に実装するので、水平方向の部品位置が重なりあってもOKになる可能性が大です。 このテクニックによりトータルの実装面積を下げてやります。 但し半田面のスペースは多少大きめにしてやらないとなりません。

以上を元に回路図案(左)と構造・レイアウト図案(右)を描き上げました。

回路図についてはアンプ回路は当然ながら4つありますが、上の2つには50kΩのボリュームが付いていますが、下の2つにはボリュームが無く直接コンデンサー経由でオペアンプ入力に繋がっています。 オフセット電圧を減らすためのDCサーボ回路が無いのと、発振防止のゾーベルフィルターやチョークコイルもありませんから極めてシンプルです。 予め動作試験をして発振が起きないかどうかの確認をしてから最終基板を製作するようになるでしょう。

電源回路には±2電源を得るレールスプリッターICのTLE2426ILPを使っています。 抵抗2本によるレールスプリッターよりもGND電位は遥かに安定化しますが、入力用のミニヘッドフォーンジャックを本体背面側に配置するしかないので、余ったスペースに電解コンデンサーとレールスプリッターIC、そして電源スイッチを配することにしました。  構想がまとまりましたので、これまでに作った物との大きさの比較をしてみました。 次の図がそれです。


真ん中の緑色の物が最も小さく出来ており、そのためか使用率もかなり高いのですが、その体積は56,478mm3です。 同時に製作した上(ピンク色)の豪華版は113,778mm3と緑色の物の2倍近い体積があります。 そして今回の2アンプ仕様(ブルー色)は76,590mm3と2台のアンプが入っているにも拘らず緑色の1.36倍の体積に留まっています。

思いがけずケースサイズが大きくならなかったことで嬉しくなりはしましたが、少し時間が経つと緑色の最もコンパクトな物を更に小さく出来るのでは?との疑念が多少出てきました。 そこで最小サイズに再チャレンジする構想検討を思いつきましたが、それについては次回に触れたいと思います。



2015/01/23

構想の続き 2

かなり構想がまとまったと思っていたのですが、ひょんなきっかけから中程度の変更が発生しました。

それはレールスプリッターの動作電圧です。 レールスプリッターは左のようにオペアンプをボルテージフォロワーとして組み、同相入力電圧に電源電圧の中点を印加したようなものです。 従って使うオペアンプにより動作電圧範囲が決まります。 そこでTLE2426の動作電圧を調べてみましたら4〜40Vとあります。 これは低電圧動作では若干不利であり、電池電圧の2.7〜4.5Vの領域では電池が新しいうちは動作電圧範囲に入りますが、電池1本辺り1.33V以下になるとGNDは正しい中点電圧にならなくなる可能性があります。

解決策としては2.7〜4.5Vが動作電圧範囲内に入るオペアンプ(例えば増幅用に使うOPA2350は2.7〜5.5V)と抵抗数本を組み合わせれば置き換えられますが、組み上げるスペースが確保できそうにありません。 そこで抵抗2本によるスプリッターで取り敢えず収めておきます。(満足できないのでより良い解決策を後程探します。)

次の発見はミニヘッドフォーンジャックの固定方法です。 メーカー公表の図面では4本のピンの間隔は2.54mmの整数倍ではありません。 そこで穴あき基板にヘッドフォーンジャックを固定するための穴を追加であけねばと考えていました。 ところがレイアウト図をより正確に書くために入手したミニヘッドフォーンジャック(MX387GL)のピンを穴あき基板にあててみると、少々無理すれば機械的/電気的に問題を生じることなくピンは挿入可能であることが判りました。 この辺り心配であれば1.2mm位のドリルで穴を広げれば、殆ど抵抗なく挿入可能です。 その辺りは以下の写真をごらんください。

穴あき基板に少々強引に挿入したMX-387GL。 前側の2ピンの先端は内側に曲がっています。

真横から見た様子で特に無理に挿入したような形跡は見当たりません。

後ろから見た様子でピンが下すぼまりになっているのが判りますが、前側ほどではありません。

ヘッドフォーンジャックを引き抜いて逆さにし、ピンの曲がり具合を見ました。 前側の2つはかなりすぼまっていますが、後ろ側のすぼまりは僅かです。 またすぼまりが破壊に繋がるようなことは無さそうです。

この辺り改めてメーカーが公表している図面を見ると、4本のピンは長方形の角に位置していますが長辺は8mm、短辺は5.9mmになっています。 そして長辺の角にあるピンは3スペースで基板に刺さりますので、7.62mmとなりピン間隔との差は-0.38mm、短辺側は2スペースですから5.08mmでピン間隔との差は-0.82mmです。 前者の-0.38mmは兎も角後者の-0.82mmはかなり無理がありそうですが、前述のように機械的/電気的に無理が出そうではないので、これを元にレイアウトの修正を致しました。

左は上が旧のレイアウト図で下が修正後のレイアウト図になります。 簡単に違いを述べると前側のVRとヘッドフォーンジャック2つを1.0〜1.3mm後ろにずらし、後ろ側の基板の穴位置をずらして、SWのツマミの出過ぎを抑えながらヘッドフォーンジャックの先端は背面板と同じになるようにしています。 この変更でICを取り去った後電解コンデンサーを4本このスペースに挿入できるようになります。

一応これで良いような気がしますが、GNDレベルの安定性はかなり悪くなり音質に影響するだけでなく、GNDがふらつけば最大出力電圧もふらつく筈で、電源電圧が低い場合にはヘッドフォーンを正しく駆動できないことも考えられます。 従って何とか低電圧動作能力の高いオペアンプを使って、このスペースにレールスプリッターを組み込みたいと考えています。




2015/01/30

構想の続き 3

先週お伝えしたようにレールスプリッター用ICの動作電圧は4〜40Vと今回作るヘッドフォーンアンプの電源電圧である2.7〜4.5Vをカバーできませんので、代案としてオペアンプと抵抗の組合せでレールスプリッターモジュールを試作してみることにしました。

候補となるオペアンプはこのヘッドフォーンアンプで使用予定のOPA2350を使うのが合理的と考えました。 このオペアンプには2回路分入っていますが、それらを並列に接続することで、制御可能な電流アップを図ることにします。 期待している制御可能な電流は40mA以上としています。 次の図のような回路をブレッドボードで組みテストしました。


電源は可変定電圧電源を4.5Vまたは2.7Vにセットしてモジュールに印加します。 負荷(RL)として+側にのみ220、120、82、56、47、39、33Ωの抵抗を繋ぎ、その両端電圧を測定します。 同時に挿入した1Ωの両端電圧をDMMのmVレンジで読み取り負荷電流とします。 尚−側は開放のままとしておきます。 

一般にオペアンプにコンデンサーが負荷になると発振することがあるため出力に抵抗を挿入してこれを防止することが多いです。 オペアンプでレールスプリッターを作る場合でも22Ω程度の抵抗を挿入する例をいくつか見かけたため、ここでも最初は22Ωを挿入してテストに入りましたが、これによる電圧低下が無視できないくらい大きいことを確認したため、10Ωに下げた場合と取払った場合(0Ω)でのテストを追加しています。 この場合オペアンプが発振する、しない?は大事なチェック項目になりますので、常時+Vccをオシロスコープにて発振の有無が判るよう観測しました。

それとレールスプリッターIC(TLE2426)との性能比較をしてみたかったので、4.5Vの入力電圧にて、+出力に同じ負荷抵抗を繋ぎ電圧と電流の変化を測定しました。(最低動作電圧が4Vですので2.7Vではテストしておりません。) それらの結果は以下のグラフをごらんください。


実験は電源電圧2.7Vから始めましたが、最初のオペアンプ出力に22Ωを挿入した場合の電圧降下がかなり大きく、これじゃ多分使い物にならないだろうなー!と考え、オペアンプ出力に入れた抵抗を10Ω或いは抵抗挿入無しとして、電圧降下を抑えた状態でテストしました。 幸いどの状態でも発振することなくテストは終了しましたが、10Ω、0Ωと挿入抵抗値を下げるに従い、電圧低下はぐんと少なくなり、4.5V 0Ωで56mA取り出しても0.07Vの低下で済む素晴しい結果を得ています。(2.7Vでも40mA取り出し時に0.05V低下と良好です。)

一方TLE2426の特性ですが、負荷電流が10mA位までは良好で電圧低下も殆どありませんが、負荷電流が更に上がると急落してしまい29mA以上には負荷電流が流れない!という結果が出ています。 これは意識的に負荷電流を抑えるような動作をしているのではないかと想像します。 よって+側と−側の負荷電流の差が10mA以上出るような場合には制御能力が急激に下がります。

尚グラフには記入しませんでしたが、2.2KΩ抵抗2本によるレールスプリッターを4.5V電圧、負荷抵抗220Ω、47Ωで試しましたが、それぞれの出力電圧は2.25Vから0.38Vまたは0.095Vと激減し負荷電流はほぼ2mA一定と制御能力は極めて低下しています。

さて結論としては、出力抵抗が無くても発振することなく安定動作するオペアンプを使う!ということになりそうです。 また発振する場合でも小さな値の抵抗をオペアンプ出力に入れることで抑えたいものです。 OPA2350は今回の実験例では発振しませんでしたが、仮に発振しても10Ωの挿入程度で済めば良いのではとおもいます。 今後電池2本で動作させるヘッドフォーンアンプの製作も考えていますので、それに使えるレールスプリッターなども追加検討しようと考えた次第です。




2015/02/06

構想の続き 4

OPA2350を使ったレールスプリッターは出力部分(GNDとなる。)に入れる抵抗が小さくて済めば大変良好な動作をすることが判りました。 試しにバラック配線で組んだテストでは抵抗を挿入しなくても発振するような気配はありませんでしたが、最終的なレールスプリッター基板を製作して実際のヘッドフォーンアンプの駆動、様々な値のコンデンサー負荷に対する反応を見ながら出力に追加する抵抗値を調整などのテストをしてみようと思います。

左の図がレールスプリッター部の基板を考え直したもので、青の1点鎖線内が前のレイアウトからの変更部分になります。 部品点数が増え一部の部品は大きいためフォーンジャックの位置を変更してDIP8、電解コンデンサー2本と抵抗4〜6本を、ケース全体の大きさを変えずに何とか収めました。

また2.7V入力電圧で動作するレールスプリッター用のオペアンプとして候補となる物を抽出してみました。 次の表がそれですが、青で染めたオペアンプはレールスプリッター候補として有力な物で、緑で染めた物は若干心配なところがあるが使える可能性のあるものを表しています。


これらの中には1.8Vから動作するオペアンプが含まれていますが、それらは電池2本の電源用に使えるだろうと抽出した物ですが、当然2.7V用として使っても問題ありません。



使えそうなオペアンプの選別で大事なスペックは、動作電圧範囲、ユニティーゲインでStableかどうか、そして出力電流です。 動作電圧はこのテーマの次に1.8Vから動作させるヘッドフォーンアンプを考えているので、2.0V以下で絞り込みました。 1.8V電源ではそれより0.2V低い電圧で動作させるのでうまく動かない可能性もあります。 ユニティーゲインがStableかどうかはメーカー表記での選別となりますが詳しくは後述します。 出力電流の大小は制御可能な電流のアンバランス電流の最大値に影響するので大きい方が良いですが、OPA2350のテスト結果からすると30〜40mA以上あれば良いでしょう。

ユニティーゲインとはボルテージフォロワーのことで、電圧を100%入力に帰還してゲインが1倍です。 一般的にオペアンプをボルテージフォロワーにて動作させると容量負荷で動作が不安定になり発振しやすくなります。 これを抑えるためにアンプ内部に発振防止の回路を入れたり構造を工夫しているものがあり、メーカーの技術資料ではユニティーゲイン ステーブルという記述を載せており、その場合この表では"Stable"とマーキングしています。 但しその安定な基準は何で安定度合いがどの位なのか?というとメーカーにより考え方が変り明確ではありません。 また動作のさせ方や部品取り付けのレイアウトでも変化しますので、一義的に評価することは難しいです。

万が一発振してしまった場合にはオペアンプの出力に抵抗を追加することで抑えられますが、OPA2350での実験で明確な通り、大きな電流を制御しようとするとここでの損失が大きくなりレールスプリッター動作ではなくなってしまうので出来るだけ小さな抵抗値(理想はゼロΩ)にしたいわけですが、それは実働試験をやらないと判りません。

OPA2350はDIP8タイプの中で抵抗無しでも発振しませんでしたが、今後レイアウトの違い等により発振することがあっても10Ω以下の抵抗追加で収まると判断しています。 但しもっと安い物がないかどうか、或いは1.8V動作のレールスプリッターを作る、実装面積を減らしたレールスプリッターモジュールを作りたい、などの観点からピックアップ候補を選んで適性試験を致します。

選別基準は表の下に記入しましたが電池3本の場合(動作電圧下限2.7V)の時には選択対象が変ることは言うまでもありません。

最終的に選択したのは青と緑で染めた部分の4本で、青は見かけ上一番よさそうな物になります。 緑はユニティーゲイン ステーブルとの記載無しなので発振しやすい可能性があります。 勿論ユニティーゲイン ステーブルとされた青いものでも絶対に発振しない保証はありませんが。

テスト回路は高性能な低電圧レールスプリッター用オペアンプを簡単に探し出せる物ではなさそうなので、一過性ではないものを作ることにしました。

左はその回路で右は基板レイアウトです。

変更した部分は、

1.OPA2350での実験では+側にのみ負荷を掛け−側は無負荷でしたが、この回路では任意に負荷を掛けられるようにします。
2.負荷抵抗は、33Ω、39Ω、47Ω、56Ω、82Ω、120Ω、220Ω、開放の8種類から選択できる。
3.容量性負荷として0.001μF、0.1μF、無しを選べます。
4.出力に挿入する抵抗は、0Ω、10Ω、22Ωから選択できる。
5.電源のフィルター用電解コンデンサーは100μF 6.3Vと200μF 6.3Vを選択できる。
6.ジャンパーピンで、出力電圧と出力電流測定の切り替えを行う。
7.オペアンプはDIP8のソケットを介して取り付ける。 これにより表面実装用オペアンプもDIP8変換基板に取り付けて測定可能。


といった按配です。 選択したオペアンプは通販にて発注済ですので次回のアップデートの時にはテスト結果をお知らせできると思います。




2015/02/13

構想の続き 5

4種類のオペアンプが入手でき手持ちのOPA2350PAと併せ5種類の実験が可能になりました。 更に後述いたしますが最高20V電源を想定したレールスプリッター候補を手持ちの3種類のオペアンプで追加実験いたします。 それらは次の写真の通りです。

上の段の5個が低電圧(1.8V〜4.5V)動作実験用オペアンプで、左端はDIP8、右側4個はDIP8への変換基板を介して装着します。 下の段は高電圧(3.0V〜20V)動作実験用オペアンプで、全てDIP8パッケージです。 これによりDIP8の8PINのアサインメントが同じとなりますので、ソケットを使うことでオペアンプ交換が容易になります。

前回お知らせした試験回路とそのレイアウトに若干の変更を加えましたので、それを紹介しておきます。

変更点はヘッドフォーンアンプ用のテスト電源として出力端子を設けたことと、DMMの接続変更をトグルSWにしたこと、レイアウトどおりの回路図にしたことです。 それらの詳細は左の回路図と右のレイアウト図をごらんください。 完成した基板は次の写真のとおりです。 1本の抵抗だけが斜に構えていますが、片方の脚の位置を間違えて差し込んだまま半田付けしてしまったためで、電気的には問題はありません。


そしてこの基板での実験の結果は以下のグラフでごらんください。


テストしたオペアンプはDIP8パッケージのOPA2350PA、SOIC8パッケージのLMP7732MALM4808M、MSOP8パッケージのADA4528AD8506の5種類です。 何れも出力抵抗無し(0Ω)で発振しないことを確認しながら実験を進めました。 またレールスプリッター専用ICの TLE2426との性能比較が判るよう先週のテスト結果を入れておきました。

実験に用いた動作電圧は4.5V(乾電池3本の最大電圧値)、2.7V(乾電池3本の最小電圧値)、1.8V(乾電池2本の最小値)の3種類としました。 また負荷抵抗は220、120、82、56、47、39、33にて測定しましたが低抵抗側を増やして実見したくなったので、2箇所にジャンパーピンを刺して抵抗2本を並列にした実験を追加しました。(120と33、82と33、47と33、39と33Ωの4種類)

さて興味ある結論として、5種類のオペアンプ中AD8506を除いた4種類はほぼ同じ傾向を示し、ピンク色の曲線のようになりました。 そして負荷のアンバランスが増加しても出力電圧の減衰が少なく、何れの電源電圧に於いても45mA以上の負荷電流の差に耐えられることが判りました。 これはヘッドフォーンアンプ用としては充分な値であると思われましたので、60mA以上の出力電流域でのテストについては割愛しています。

AD8506は電流出力があるレベルを超えると急激に出力電圧が降下し、電源電圧が低いほど降下開始する電流レベルが低くなります。 これは内部に負荷電流を制限する回路が入っているためと思われ、3V以下の電源電圧用レールスプリッターには不向きと言えます。 但し電源電圧が4.5V位まで上昇すると問題なく使えます。

驚きは動作電圧が2.0VからとなっているLM4808M、2.2VからとなっているLMP7732MA、2.7VからとなっているOPA2350の3本が1.8Vでの動作実験で何れも好結果を示したことです。 特に本来の増幅動作もまともなのかどうかは不明ですが、DIP8型で使える低電圧レールスプリット動作可能なオペアンプとして貴重なものになりそうです。

また出力抵抗無しで5種類全てが発振するようなことはありませんでした。 そこで出力に0.01μFまたは0.1μFを並列に接続したときに発振するようなことがないかどうかの実験を負荷抵抗220Ωと33Ωで致しました。 驚くべきは5種類全部がどの場合も安定していたことで、出力に抵抗を追加しなければならないことはありませんでした。  ことにAD8506LMP7732MAはメーカーの技術資料にユニティゲインでの動作についての記載・コメントがありませんが、容量負荷テストでも全く問題なく動作しています。

以上の結果をもって、ADA4528LM4808MLMP7732MAOPA2350の4種類はレールスプリッター用オペアンプとしてヘッドフォーンアンプ用には充分使えると思います。 また動作電圧が3.0〜5.5VであればAD8506も使えます。

但し電源のプラス側或いはマイナス側がGNDに接触するようなショート状態になるとオペアンプの負荷は過大になります。 そのような状態での破壊防止策が講じられていないオペアンプでは破壊してしまう可能性があります。 この辺りの安全性を明記してあるオペアンプは別として、て発振せずに動作していても出力電流を制限し破壊防止の目的で低抵抗を挿入した方が良い場合もあることは忘れないようにすべきです。(低抵抗を追加した時の特性は先週アップのグラフを参照ください。)

以上で1.8〜5.5Vの電源でレールスプリッターとして使えるオペアンプの選別は終わりですが、事のついでにより高い電源電圧の20Vまでで使えそうなオペアンプを探してみようということで手持ちのオペアンプからNE5532、NJM2114D、LM358Nをテストしてみることにしました。

(ところで20Vでの実験は、偶々製作した今回の回路に使っているフィルター用電解コンデンサーの耐圧は100μFと220μF共に10Vですが、実験中GND電位がずれるとプラス側の電圧は下がりマイナス側の電圧は上昇します。 従ってマイナス側の電解コンデンサーには10V以上の電圧が掛かります。 従って短時間動作の実験なら別としても最終的には電解コンデンサーの耐圧を上げないといけません。)

最初に電源電圧20VにてLM358Nをテストしましたが、出力電流が44mA弱から出力電圧が急激に下がることが判りました。 そこで電源電圧を半分の10Vにして実験したところ33mA辺りから電流が飽和していることが判り、更にメーカー規定の3Vにしたところ飽和点は22mA辺りとなっています。 これらの様子は次のグラフをごらんください。


面白いことに飽和点は電源電圧が下がるにつれて左へ移動して行きますが、グラフに描きこんだ大きな左下向きの矢印のように変化しています。 これをレールスプリッターICと比較しようと先週のTLE2426のグラフを描きこんだ所、何と飽和点が矢印の位置に一致しています。 これはLM358Nの制御能力はTLE2426とほぼ同等でありそうなことを伺わせます。

私の持っているLM386Nはジェネリック医薬品と同じと言うかオリジナルのナショナルセミコンダクター製ではなく韓国のHTC製の物で1個なんと\12という超格安の物です。 10個ほど持っているので、今後新たにレールスプリッター用ICとしての使い道も発見できました。 但し発振しないかどうか確認が必要なので、前述の低電圧動作オペアンプと同様、0.1μFまたは0.01μFで重たい容量負荷を意識的に加えましたが、発振することなく充分に安定であることが確認できています。

これに気をよくしてNE5532、NJM2114Dを試しましたが、何れも電源電圧を変えても、負荷抵抗を変化させても、主力抵抗を追加し値を変化させても動作が不安定で発振してしまい止めることが出来ませんでした。 そこでしかたなくテストを終了した次第です。

最後に来て残念な結果になりましたが、低電圧動作のオペアンプとLM358Nの良好なテスト結果は大収穫だったと言えると思います。




2015/02/27

製作 1

レールスプリッター回路が固まりましたので、いよいよ製作に入りました。 全体的な構造は電池3本をアンプ基板とレールスプリッター基板で挟むわけですが、最初にレールスプリッター基板を製作します。 続いてアンプ基板を作り2つの基板をバラック状態でひととおりの動作テストを致します。 この時の電源は可変定電圧電源を使います。 それが済んだら本体のフレームを作り、それに2つの基板を組込みながら電池ホルダーも形成して行きフレームユニットを完成させます。 そして最後に木製ケースを作って完成!という手順です。

レールスプリッター基板の最終的なレイアウトは左の通りです。 レールスプリッターにはLM4808Mを採用しました。 レールスプリッターテストの時に使ったDIP8変換基板に装着したものをそのまま使います。

実装スペースの関係で抵抗はチップ抵抗を使い裏付けとしていますが、オペアンプ出力に抵抗を挿入しないで進めますので、2本を裏付けするだけで済みます。 但し後から抵抗を挿入できるよう場所だけは確保しています。

基板の前後方向はぎりぎりまで詰めてやろうということで、左端から最初の穴までの距離を1.6mm、右端から最初の穴までの距離を2mmとしました。

また背面の3.5φイヤーフォーンジャックは0.2〜0.3mm程突出し、スイッチのレバー先端は0.4〜0.5mm程飛び出るようになる筈です。

基板の幅は電池ホルダー部分の幅になりますが、単五乾電池の直径は10.9〜12.0とされていますので、12 x 3 = 36mmに隙間1mmを加算した37mmとしています。 これにより幅は1mm近く縮まります。

2本裏付けするチップ抵抗は2.0 x 1.25mm、誤差±5%の物を使っています。 穴の間隔は1/10インチ(2.54mm)ですので穴と穴の間に渡して半田付けするには好都合です。 但し指先で摘んで!というわけには行かずピンセットが必要になりますが、摘み間違いすると飛ばしてしまうので落ち着いて作業しないとなりません。

右の写真はチップ抵抗を半田付けした部分のクローズアップです。

黄色の枠部分がチップ抵抗ですが抵抗値の印刷してある面を下側にして半田付けしてしまいました。  左に見える青いコンデンサーも小さな部品ですが、それより遥かに小さいことが判ります。

尚基板の裏側で一番出ている部分は2.1mmありました。 構想図ではフレームと基板の裏の距離は2.7mmとなっておりますので、ケースのアルミ板部分に基板裏が電気的に接触するようなことはないでしょう。 また基板上面で一番高いのはDIP8変換基板のピンで7.5mmです。 こちらは構想図では基板面とケース内面は10.8mmとなっており充分ゆとりがあります。

完成したレールスプリッター基板。  ミニフォーンジャックと電源スイッチが並んでおり、何れもケース背面から外に出ます。(左写真手前) 真ん中はDIP8への変換基板に固定されたオペアンプで、その右う2つがフィルターコンデンサーで、6φx 5と最も小さいクラスですが、100μF 6.3Vの容量となっています。 赤ケーブルがVcc+で同時に電池+、青ケーブルがVcc-で同時に電池-、黒ケーブルがGND(仮想接地)となります。

基板完成後にひととおりテストしましたが、既に終了した実験と同一の結果ですので、その詳細は掲載いたしません。 必要とあらば前回の解説を参照ください。




2015/03/06

製作 2

アンプブロック基板の製作に入りましたが、設計時の1.5mm厚基板に対し更に薄い1.2mm厚基板で作ってみようと作業に入りましたが、基板切断の最終段階でジグソーの切れ味が鈍くなってきたため、ぐっと力を入れた途端に基板は割れてしまいました。 切れ味が鈍くなったのはガラスエポキシというブレードに大きな負荷となる材料のため刃の鋭さが失われてしまったためと思われます。 そこで1.5mm厚に戻してジグソーブレードも新しい物に変えて再び切り出し作業を致しました。この基板にはVRをドンピシャで嵌め込む穴を切り取りますが、ジグソーで大雑把に切断してからヤスリで寸法出しをするため大変手間と時間が掛かりますが同じ作業を2回やる羽目になりましたので、基板の切り出し、寸法出しに丸一日掛かってしまいました。

基板の組み立ての最初はVRの固定です。 VRは基板の裏側で基板とVRが面一になるようにしますが、瞬間接着剤を基板とVRの接触面に沁み込ませて固定しました。 接着後に基板に大きな折り曲げの応力が掛からない限り接着部分が剥がれることは無いと思います。

配線作業については2つの丸穴にまたがるようチップ抵抗を置いて半田付けする部分がキーポイントで、この半田付けはワイヤー等も含めて一度で済ませるようにしないと基板面からの出っ張り大きくなってしまいますので、半田付けの順序は充分に考えて決めます。 また半田付け時にチップ抵抗が動かないよう仮固定したいのですが、これにはマスキングテープで貼り付ける方法を取りました。 これらのお陰でレールスプリッター基板を組み立てる時よりも遥かにスマートに出っ張りの少ない基板になっています。

そうそうアンプ基板の回路は、容量負荷による発振防止のゾーベルフィルターを復活しています。 このフィルターに使うコンデンサーはバイパスコンデンサーに使う小さな0.1μFの積層セラミックを2.54mmの脚のスパンで取り付けスペースを確保しています。 これにより回路図は左のように、またレイアウトは右のように変更しこれらが最終となります。

配線作業もこれまでと違ってかなり慎重に進めましたので、これまた丸一日を費やしてしまいました。 従って全配線を一度確認しただけで、通電しての動作確認は一切出来ておりません。 それらの様子及び性能の測定は次回にいたします。

基板の切り出しと寸法出しが終わりました。 真ん中の欠き込みはVRを埋め込む部分で手前両側には8箇所の穴を1.2φに広げてあります。

3.5φヘッドフォーンジャックとVRを嵌め込んで、ツマミも固定してみました。 ツマミはパネル内に埋め込まれます。

基板をひっくり返すとこんな具合です。 VRの面と基板裏面は面一になります。 この状態で基板とVRの接触部分に瞬間接着剤を流し込んで完全固定します。

配線途上ですが上面に取り付けられる部品は全て付いています。 小さな青い粒がゾーベルフィルター用コンデンサーです。 普通はこの中にあるべき抵抗が全く見当たりません。

基板の裏側に12個のチップ型抵抗(100KΩ、1KΩ、3.9KΩ)が半田付けされています。 ゾーベルフィルター用の抵抗だけはまだ付いていません。 実装密度を高めるために今回始めてトライしましたが、非常に手間取るもののその効果は絶大だと思います。

その後配線を進めて全てが終わった上面です。 通常は裏面に施すジャンパー線の一部は、裏面の突出量を抑えるため上面に施しています。 ミニヘッドフォーンジャック2個とその間のVR周りは最も詰めこんだ感じになります。

信号線となるシールド線は2芯シールドを使うと直径が2.5mm以上になり隙間にうまく収めにくくなります。 そこで直径1.6mmの単芯シールド線を2本並べて使います。 言うまでも無くこれで幅3.2mmで高さ1.6mmのスペースを喰う様になります。

基板の裏は最終的にこんな感じになりました。 前の写真に対してジャンパー線とバイパスコンデンサーが追加されていますが、電気的には問題なくてもかなりババッチクなってしまいました。

基板上面の出っ張りはVRの7.5mmを上限としています。 ケースのアルミ板はこの上2.6mmの位置に来るので、アルミ板に電気的に接触する心配はありません。

一方裏側の出っ張りは最大で2.4mmあります。 これは2本のビニール線が交差する部分なのですが、これを減らす名案がありません。 

出来あがった2つの基板と電池3本を所定の位置関係に並べました。 この後アルミフレームの製作に進むのですが、基板上面と下面の隙間をどうするかをはっきりさせないとなりません。

基板裏側の突出部分はケースのアルミ板の面に最小0.1mmまで接近する計算です。 この突出部分は線材のビニール被覆部分なので電気的な接触がいきなり起こるわけではありませんが、薄いプラスチックシートを貼って電気的な接触はどんな状態でも起きないようにするか、基板上面には2.6mmの隙間がありその内0.6mm程度を裏面に回せばプラスチックシートを貼ることなく電気的な接触を回避できます。

但しこれらの対策をした場合、現設計ではツマミとヘッドフォーンジャックはケースの厚みの中央に位置していますが、プラスチックの厚み分(0.3mm?)、または上側から下側に隙間を移した分だけ中央からずれてきます。 これがみっともないようなことにならないか充分検討して結論を出す必要があります。




2015/03/13

製作 3

2つの基板が完成しましたのでバラック状態で動作試験を致しました。 以下がその結果です。

1.増幅度
  ゲイン可変が可能なほうはVRを最大にして測定しました。 設計値は4.9倍(13.8dB)ですが、誤差は使う抵抗の抵抗値誤差で
  決まりますが、公称の誤差が±5%の物を使っています。 ごく僅かに少ない値になっていますが全く問題ありません。

  ゲイン固定側   ゲイン可変側
  Left 4.83倍(13.7dB)   Left 4.85倍(13.7dB)
  Right 4.84倍(13.7dB)   Right 4.83倍(13.7dB)






2.雑音出力
   雑音出力の測定には以前自作したIHF Aカーブのフィルターを介して測定しました。 このフィルターのアンプのゲインは
   20dBと40dB何れかを選択できますが、ここでは40dBゲインで出力を読み取り、それを1/100の値にして表示しています。
   尚入力換算雑音出力は、それらの値に13.7dB(アンプのゲイン)を減じたものです。 一般的に入力換算雑音で-120dB以下
   であれば極めて優秀と考えられますが、それに近い値でありこの項目も問題無しです。

  ゲイン固定側   ゲイン可変側
    雑音出力電圧(IHF A) 入力換算雑音電圧   雑音出力電圧(IHF A) 入力換算雑音電圧
  Left 0.0052mV(-105.7dB/V) -119.4dB/V   0.0054mV(-105.3dB/V) -119.0dB/V
  Right 0.0054mV(-105.3dB/V) -119.0dB/V   0.0053mV(-105.5dB/V) -119.2dB/V







3.オフセット電圧
  電源電圧の変化で変ってくるので、4.5V、3.0V、2.7Vの3点で測定しました。 一番大きな値がゲイン可変側の右チャンネル
  で、電源電圧2.7Vの時に4.9mV、3.0Vの時に4.7mVありました。 他は1mV前後とオフセット電圧対策を何もしていないのに大
  変優秀な値です。 バイポーラー入力のオペアンプではとてもこんな低い値にはならないでしょう。

    ゲイン固定側   ゲイン可変側
    電源4.5V 電源3.0V 電源2.7V   電源4.5V 電源3.0V 電源2.7V
  left -0.4mV -0.8mV -0.9mV   -0.1mV -1.1mV -1.1mV
  Right -1.5mV +1.2mV +1.1mV   -0.2mV +4.7mV +4.9mV


4.最大出力電力
  この値も当然ながら電源電圧で大きく変りますので、4.5V、3.0V、2.7Vの3点で測定しました。 また負荷抵抗については33Ω
  以上の負荷抵抗になることは販売されているイヤーフォーンの実態からして先ずありえないので、33Ωと16.5Ω(33Ω2本の
  パラ)
の2点としています。 4チャンネル間のバラツキが大変小さくて吃驚しました。 色々興味深い点が見受けられますが、
  10mW以上の出力があれば充分な音声出力が得られると考えていますので、ゆとりを持って合格と言えます。
  尚消費電流については無信号時にTotalで71mAと少々大きめの電流が流れていました。

電源電圧 負荷抵抗 チャンネル ゲイン固定側最大出力 ゲイン可変側最大出力 消費電流Total
4.5V 33Ω LEFT 40.8mW 40.8mW 150mA
RIGHT 40.1mW 40.8mW
16.5Ω LEFT 33.2mW 32.3mW 178mA
RIGHT 31.4mW 32.3mW
3.0V 33Ω LEFT 18.4mW 18.4mW 110mA
RIGHT 18.4mW 18.4mW
16.5Ω LEFT 21.8mW 22.6mW 150mA
RIGHT 22.6mW 22.6mW
2.7V 33Ω LEFT 14.4mW 14.4mW 99mA
RIGHT 14.4mW 14.8mW
16.5Ω LEFT 18.4mW 18.4mW 137mA
RIGHT 18.4mW 18.4mW



5.周波数特性
  私は所謂周波数特性のグラフを描くのは大変な時間と労力を要しますので、殆どの場合代わりとして方形波の再現特性を観
  察しています。 そのポイントは方形波をアンプに通した時に得られる再現波は、基本周波数の1/10から10倍において周波
  数特性にうねり、上昇、減衰などが無ければ、原波形と相似(酷似といっても良い)となります。
  ほんの少し(例えば0.05dBの違い)でも違いがあれば、再生波形で明瞭に確認できますので、下手に周波数特性カーブをプ
  ロットしてゆくより状況の正確な把握が出来るくらいです。 以下に提示する再生波形も、念のために低周波発振器と電子電
  圧計を使って周波数特性をチェックすると、20〜100KHz間はフラットになっています。 従ってこのアンプに実用上の問題では
  ないものの、100KHzよりずっと高い領域で若干の暴れがあることを示唆しているわけです。

低い周波数から原波形と再生波形を較べると、100Hzにおいてはかなりサグ(右肩下がり)が認められます。 これはアンプ入力部の遮断周波数が15.9Hzとなっており、30Hz近辺辺りで既に約1dBの減衰が始まっているためです。 このサグは1KHzの波形にも大変僅かですが見受けられます。 本当は0.22μF辺りを入れてもう少し遮断周波数を下げたいところですが、コンデンサーの厚みが増して基板に挿入できなくなるので妥協して0.1μFとしています。(100KΩの抵抗を大きくしても良いのだがノイズが増加するので止めた。)

次に10KHzの波形ですが、僅かなリンギングが認められます。 少々気になったので周波数特性をザッと観察しましたが、100kHzまではフラットでした。 従って100KHzより高い領域に複数のピークがあったり、ピークのレベルが少々高目である可能性があります。 50KHzの再生波形はそれらを更に想像させます。 念のために0.1μFを始め複数の値のコンデンサーを負荷として安定度を見ましたがほんの少しピークレベルが上がる程度で発振などの問題はありませんでしたのでこのままとします。



2015/06/05

製作 4

本テーマの後の2つのテーマと一緒にケース関連を製作するため3ヶ月近く中断しましたが、アルミフレームの詳細設計に着手しました。 アルミフレームは板厚1.2mm、 5 x 15mmの断面L字型押出材を曲げて作ります。 その曲げ位置精度はかなり高くしたいところで、手曲げでは難度の高い作業ですが、深さ0.5mmの切り込みを入れることで精度の高い加工を実現できます。

この方法での弱点は、一度曲げたら曲げ戻しが出来ないことで(無理にそうすると簡単に折れてしまう。)、やり直しが間違っても起きないよう事前の加工寸法出しの正確さが最重要です。

一応出来上がったアルミフレームの展開図は左の通りです。 一応出来上がったと述べたのは、この図面で加工作業に入らないことを意味しています。

実は一通り描き上げてから総点検したところ4ヶ所程修正しないとならない部分を発見しました。 そしてその結果を左にお見せしているわけですが、もう間違いや勘違いが絶対に無い!とは断言できません。

従って間を1日空けてから総点検をもう一度してから製作に入るつもりでいます。

完成したアルミフレームの高さは15mmとしていますから、購入した押出材の幅詰めは不要でありその分は加工作業が楽ですが、折り返し部分の削りだしはかなり多いのでトータルの作業量は同時に進める2つと余り違いが無いでしょう。

ところでこのケース設計では構造上奇妙な所があります。 1.5mm厚アンプ基板はアルミフレーム折り曲げ部分に1.7mm厚スペーサーを貼りその上に接着します。 3本の電池はアルミフレーム折り曲げ部分に貼る電池受け板を1.5mm厚とします。
そして後ろ側の基板(厚み1.2mm)はアルミフレーム折り曲げ部分に1.5mm厚スペーサーを貼りその上に接着します。

こんなややこしい結果になったのは、前後の基板をそれぞれ端材で作ったためと前側の基板は裏のでっぱりの関係で少しでも浮かしたかったので、当初の1.5mm厚スペーサーを1.7mm厚に変更したことによります。

次回にはアルミフレーム製作の様子をお伝えいたします。


2015/06/12

アルミフレーム再設計

同時進行している別な2つのヘッドフォーンアンプ共々、アルミフレームの設計をやり直す羽目となりました。 正確には設計のやり直しと言うよりも図面の描き直しと言った方が正しいです。

そうなってしまったきっかけはこのモデルのフレームを製作すべくアルミの押出材に加工線を罫描いて境目がはっきり判るようマスキングテープを貼ってディスクグラインダーで削りだした後です。 実はとんでもない勘違いをして削ってはいけない部分を2mm以上も削り進んでしまったのです。

頭は真っ白になり暫し呆然の状態でしたが落着いてその原因を考えると、寸法の確認がしにくい図面の影響でいらいらするほど罫引き二時間が掛かり、マスキングが大雑把で手抜きになったようです。

そこでアルミフレームの展開図面を白紙に戻して描きなおすことにしました。

左がその結果できあがった図面ですが、ミスが無いかもう数回見直してから製作作業に入ります。





2015/06/19

アルミフレーム製作 1

別項の2つのヘッドフォーンアンプ用と一緒にアルミフレームの製作に入りました。 このモデルのアルミフレーム幅は15mmで材料幅と一緒ですから作業手順がひとつ抜けるため加工の手間が大幅に省けます。 一緒に作業を進める2モデルはアルミフレームを10.5mm幅と9.5mm幅にするため最初に幅詰めの作業があります。

切り出しには電動刃研ぎグラインダーを使いました。 1.2mm厚のアルミ材はキックバックを始めとした力で簡単に材料が曲がってしまいいびつな物になってしまいますが簡単に切断できる電動ジグソーはそのトラブルを起こしやすいからです。 但しいきなり精度の高い切断をするのは不可能なので、最終寸法より0.5mm程大きく切断し、寸法出しはヤスリで行います。 これらの作業方法の為に作業時間は大変掛かります。(今週お届けする加工作業は2日を費やしています。)  これら長い作業時間はいびつな物を作らないための保険と考えています。

普通は幅を詰める作業があるのですが、15mm幅と材料幅と一緒ですから5mm折り返しの部分を展開図どおりに罫引き、罫引線に沿ってマスキングテープを貼り削り落とす部分のみ露出させます。 切断は刃研ぎグラインダーを使いました。

刃研ぎグラインダーで削った面は最悪の汚らしさですが、それは気にせず0.5mm程度残して削り込みます。

折り返し面に直角な方向から見ました。 間違ってもマスキングテープを削り込まないよう身長に作業を進めます。

刃研ぎグラインダーで大雑把に削り込んだら寸法出しを金工ヤスリでします。 仕上げは替刃式ヤスリを使いました。 加工寸法は±0.05mmの精度に収められます。

最も複雑に削り込んだ部分です。 これらはフレームを曲げて繋ぎ合わせてから調整研摩をする場合があります。

次の加工作業は穴あけですが通常のセンターポンチでは位置精度が低いので、0.6mmのドリルを手回しピンバイスに取り付けて穴あけ位置のマーキングを施しました。



2015/06/26

アルミフレーム製作 2

今週はアルミフレームに穴をあける作業に掛かりましたが、所定の穴をあけ終わって基板を当てて収まり具合を確認したところ背面の収まりが良くなく暫くあちこちチェックしたところ、大きな勘違いを発見しました。 それは入力信号用のコネクターで、コネクターの先端(6φの丸)が出るように罫引き線を引いて加工しましたが、7 x 6mmの断面を持つ本体が入る穴が正解でした。 但しこのコネクターは本体を巻いているバンドが信号の端子にもなっているので、フレームに接触して困ります。 そこで穴は7.6 x 6.3mmとして金属のバンドがフレームに接触しないようにしました。

これでフレームはOKになったのですが、ケースの寸法図をよく見ると、背面板が3mm厚の板では厚すぎて電源スイッチの頭が余り出なくて操作しにくいのと、入力のコネクターもフランジが飛び出ないためプラグとジャックが完全に接続されない可能性があることが判りましたので、背面板は1.5〜2.5mm厚のアルミ板に変更することとしました。

左の図は以上2つの変更を反映しています。 大きな勘違いですが大きな変更にはならなかったのでほっとしています。


穴あけの終わったアルミフレーム。 他の2つと共に作業が同時進行しており一番下が当テーマ用のフレームです。

入力コネクターを通す穴は6φの丸穴として罫引きされ一旦加工されましたが、7.6 x 6.3mmの角穴に変更しました。 幸いこの為に発生する傷はありません。

前面は中心に音量調整のツマミがあり中心でフレームは突き合わされるので、このように12φの半丸が両端に加工されています。



2015/07/03

アルミフレーム製作 3

今週はアルミフレームの折り曲げ部分の加工です。 アルミフレーム製作で一番大きな山に来たわけです。 でもこれまでに4回同じような作業をしてその都度発見したテクニックの積み重ねで、随分気を使わなく済むようになりました。 最も神経を集中しないとならないのは溝を切り込む深さの正確さですが、今週アップした同時進行のテーマ内で詳しく解説しているので、こちらからご覧ください。 というわけで慎重に作業を進めた関係で、同時進行分を含む3本のフレームの折り曲げ加工は結構時間は掛かったものの無事進みました。 それらの様子は以下の写真をご覧ください。

別テーマでもお見せしている写真です。 右手の糸鋸の刃は赤矢印の先の溝に落とされて溝切りが始まります。

ジグにフレームを固定しますが、切断位置をよく確認して押さえ棒とクランプで固定します。

所定の深さに溝を切り終わりました。 溝の左右のブレも全く問題ない程度です。

溝の深さの精度が出ているかを確認するため接写しましたが0.5mm±0.1mm位になっておりOKです。

反対側の部分は折返しを含みこんな感じです。 右端の一番幅の狭いところが1.2〜1.3mmになっており、目視ですがこれもOKです。

折り曲げ部分の最後の加工は45度研削です。 このV字は目視ですが、47度前後と45度より若干広げて折り曲げ時の干渉を避けています。 

アルミフレームの準備加工は殆ど終わりました。 次週は背面のM4雌ネジ加工を致します。



2015/07/10

アルミフレーム製作 4

背面のネジ加工の前にフレーム全体の出来具合を確認すべくロの字型にフレームを曲げてみました。 ここでの注意は一旦曲げてしまうと曲げ戻しは絶対に出来ないことです。 曲げる部分は溝の切込みにより薄くなっている以外に曲げる際に溝の両縁の角と角がぶつかり合うため、溝の底部は引き伸ばされる力が加わり強度がかなり下がって脆くなります。 従ってもしも曲げ戻しをすると折り曲げ箇所は間違いなく折れるでしょう。

フレームの前面はアンプ基板に固定された2つのミニジャックとボリュームツマミが通りますが、ツマミの通る切り欠きは上下がツマミに軽く当る程度で他に位置精度を含め問題はありませんでした。 ツマミの通る切り欠き上下の当りは予備加工時に設計値より意識して短く加工していた(最終的にはパネルを貼った後に研削するつもりだった。)ため何かの間違いでもありません。

問題点として曲げたのちに若干の捩れがあるとか、後ろ側の電源スイッチがフレームに干渉し基板の収まりが悪いとか調整で直る部分がありました。 但し一点だけ大きめの問題として、後ろ側の折り曲げ1箇所だけは折れる寸前の状態になっているのを確認しました。 原因は切りこんだ溝が深すぎていたようで、このまま進めると僅かな力で折れてしまいますので、エポキシを内側の角に流し込んで強化してから先に進めることにしました。

単純に強化するのでしたらエポキシが盛り上がるようにした方が良いのですが、そうすると後ろ側の基板が装填できなくなりますので、0.2〜0.3mm程度の盛り上がりになるよう楊子で量を調整し、角材を当てて直角を保持しながら1日寝かせました。 補強策としては余り効果はありませんが、最終的に基板をエポキシで固定すると基板が強固な補強材として働きますので、フレームの組み立て、加工の作業中に折らない為の施策と考えています。

それらの様子は以下の写真をご覧ください。

フレームを折り曲げた状態です。 こんな角度で見ている限り何も問題は無さそうですが?

背面の右端の電源スイッチの首の部分が出る穴は少々小さくて首が通りませんでした。 現物合わせで削ります。

前側はご覧の通り捩れがあり、うまく突合せが出来ませんので調整が必要です。

但しミニフォーンジャックの穴とツマミの穴は位置精度もよく問題ありません。 慎重に進めた甲斐がありました。

問題は背面の折り曲げた部分です。 この写真では角が引き伸ばされたためにぶつぶつの凹みが出来ていますが、均等に出来ており正常です。

こちらは問題の角で上から下まで細い溝が出来ています。 これは極端に薄くなっている部分であり、更に折り曲げたり曲げ戻すような力が掛かるとポロリと折れてしまいます。

そこで問題の角の内側にエポキシ接着剤を塗り込み溝を接着剤で埋めて角を90度に保持し1晩寝かせました。

接着剤が硬化した後の内側の様子で、はっきりとは見えませんが一応エポキシで溝は埋め立てられています。

フレームの捩れも修正して曲げた後の調整作業が終わったフレームです。 捩れは完全に調整できましたが、本来の今週の目的であった雌ネジ切りは前面にパネルを貼りフレーム強度が更に上がった後に先送りします。



2015/07/17

アルミフレーム製作 5

前後に取り付けるパネルを作りました。 前のパネルはフレーム前側の連結をエポキシ接着剤により行います。 また後ろのパネルはケース最後部に固定しておき、フレームに切った雌ネジにボルトで後ろのパネルとフレームを締め付けることで固定します。 厚さ1mmのアルミ板を使いますが、所定の大きさ(15 x 42.5mm)に切ってしまうとアルミ板の固定がしにくくなるので、穴加工がかなり厄介になります。 そこで所定の大きさに切り出す前にその中に全てのを加工しておきます。 

とまあここまでは全く問題なく進んだのですが、その後の所定の大きさに切り出す作業で大失敗を致しました。 穴が沢山あいた1mm厚アルミ板は簡単に曲がる可能性大なので2枚の板で挟んでクランプで固定し、切断時のキックバックでアルミ板が曲がらない工夫をするべきです。 しかし折からの猛暑(私の屋内の作業場は日陰ですがほぼ36℃になっていました。)でいささか思考がにぶり面倒くささも手伝って、そのような対策無しで切断に入ってしまいました。 そして案の上折角3時間掛けて穴あけしたアルミ板は電動ジグソーのキックバックで一瞬にフニャッと曲がってしまいました。

そのため前面・背面それぞれ作り直しとなり、結局15 x 42.5mmの小さなアルミ板2枚を加工して切り出すだけで今週は終わりました。 作り直したそれらはかなり正確な加工が出来ていますが、昔やった失敗を学習効果も無くまた大失敗をやらかしたことに反省しきりでいます。

大失敗の結果加工をやり直しているところです。 アルミ板の表面保護の薄いビニールはデバイダーで円を数回描くとご覧のように切り抜けます。

デバイダーでケガいた円が2つ見えますが、この中間のところまで削り込む予定です。

中央の穴は12.5φ、左右は6.2φの大きさになっています。 中央の穴はフレームに接着後に調整研摩をしツマミの周囲に適切な隙間が出来るようにします。

そして曲げ防止にアルミ板を薄板2枚で挟みクランプで固定してジグソーで多少大きめに切断しました。 最終寸法はマスキングテープを貼った位置になります。

最終寸法になるまでヤスリで削りこんで加工と切り出しが終わった2枚のパネルです。 これでようやくフレームの接続加工に進めそうです。 尚両パネルとも表面に印刷した薄い紙を貼り付けることで文字入れを致します。



2015/07/24

アルミフレーム製作 6

フレームの前面にフロントパネルを接着いたしました。 接着には90分硬化開始型エポキシを使っていますが、完全硬化を期して接着後24時間寝かしています。 尚接着位置の正確さを期して2つのヘッドフォーンジャックの通る穴(6φ)に6φの木ダボを挿して圧着保持しています。 但し木ダボをそのまま挿したのでははみ出てくるエポキシが着いて抜けなくなってしまいますので、木ダボの周囲を紙やすりで軽く削りその上をマスキングテープで覆った物を挿し込んでいます。

こうしてやれば正確に加工されたフロントパネルとフレームであればフロントパネルの周囲はごく僅かにフレームからはみ出るように収まるはずなのですが、24時間保持後に確認したところ右上の角はフレームがフロントパネルより0.4mm飛び出る状態でした。 この問題の解決策としてフレームの飛び出た0.4mm部分を削ってしまうことにしましたが、それに伴い本体の厚みを決定する電池の上下方向の位置を0.5mm下げてやることにします。

そのような問題がありましたが一応解決できましたので、背面の雌ネジ切りの補強板の接着を致しました。 そして2つの基板をフレーム内面から1.5mm浮かすためのスペーサーを作りました。 作りましたと言うのは、実は1.5mm厚発泡塩ビ板を考えていたのですが1mm厚の上は1.5mmではなく2mmになってしまい存在しません。 そこで手持ちの透明0.5mmと発泡白1mm(何れも塩ビ)を貼り合せて作ることにしました。

接着方法については暫し思考実験した結果、矢崎加工のイレクターに使われる液状の接着剤を使いました。 これを使う理由は、ゼリー状の接着剤の場合には2間の板の間に接着剤層が形成されやすくこれが厚み斑を作る原因になります。 金属製の重量級ローラーで、不要な接着剤を搾り出せれば別ですが言うまでも無くアマチュアがそんな大袈裟な作業を出来るわけがありません。

イレクター接続用の接着剤はさらさらの液状ですから接着面に注射器のようなアプリケーターで接着剤を塗りつけてその上に貼り合せる塩ビ板を中心から外側へと載せて行きます。 私は不透明の1mmの板に透明な0.5mmを載せましたので、貼り合わせ時に2枚の板の間に気泡が残らないよう上からぼろきれでこすって外に出すことが容易に出来ました。 そうすることで最小量の接着液が間に残りそれらは両方の板に沁み込んで溶かしますので、乾燥後は完璧に一体化します。

問題は最後に触れた『乾燥後は完全に一体化!』です。 実は溶剤が蒸発して無くなれば乾燥しますが、蒸発して抜けてゆく隙間が非常に狭いので時間が掛かります。 私の体験では接着後24時間寝かせれば剥がれる可能性は無いだろうとそこで1mm幅に切断しましたが、その際に強烈な有機溶剤臭が漂ってきました。 1mm幅切断そのものには何も問題がありませんでしたので、所定の長さへの切断と貼り付けは更に24時間経過してからとします。 次々に手間と時間の掛かる作業になっていますが、ここは辛抱の一字しかありません。

前面パネルをフレームにエポキシ接着剤(90分硬化開始型)で接着し圧着保持中。 お約束事で24時間保持時間を取ります。 小さなクランプの両側に見える小さな丸が位置合わせに使った6φの木ダボです。

それを横から見るとこんな具合で木ダボを使っているのが良く判ります。 エポキシで木ダボがくっ付いてしまうのを防止するマスキングテープも黄色く見えます。

上の写真をひっくり返すとこんな具合です。 ここに見える5.5mm厚合板に6φの貫通穴を25.4mm間隔で2個あけておき、この面から木ダボを差込んでその先にフロントパネル、エポキシを塗ったフレームを通して圧着し位置出しをしたわけです。

3つの穴の仕上げ研摩を致しました。 中央のツマミが出る穴は目視で等量の隙間が周りに出来るようにしています。 ただ1箇所貼り合せでずれが出来たようで、矢印の先のフレームが僅かに出ています。

その角部分のクローズアップです。 フレームの方が僅かに飛び出ているのが判ります。 ノギスで測ると0.4mmありました。 そこでフレームの右角から前面および後面までをテーパー状に削り落としました。 そしてこのために電池が出っ張ってこないよう電池位置を0.5mm沈めます。

基板固定用の1.5mm厚スペーサーは1mm厚発泡塩ビ板に0.5mm厚透明塩ビ板を貼って作ります。 これはイレクター用接着剤で貼って乾燥中ですが、間に気泡が残らず厚み斑が少なく出来ました。

24時間後にカッターナイフで1mm幅に切断した物のクローズアップです。 非常に結果良好ですが強烈な有機溶剤臭が出ているので更に24時間寝かせてから使います。

こちらはフレーム背面の内側に貼り付けるネジ切の補強板で、1.5mm厚のアルミ板から約10mm角に切り出し1.2φの穴をあけました。

それをフレームの所定の場所にエポキシで接着しました。 位置決めはフレームと補強板の穴に1.2φのドリルを差し込むことでしています。 こちらも24時間放置します。

ここで確認のため2つの基板を所定の位置に収めてそれらとフレーム間の隙間を測定しました。 設計値は1.5mmの隙間ですが、実測値は1.5mm±0.05mmに収まっていました。 フレームと前面パネルの位置ずれと言う少々大きい問題はありましたが、なんとか無事に対処できほっとしています。



2015/07/31

アルミフレーム製作 7

先週貼り合せて作った1.5mm厚スペーサーは接着剤の溶液が完全に抜けるまで時間が掛かりますので、先に前後のパネルに貼り付ける紙を作り表面をコーティングしました。 パネル面の編集は例によってExcelで行いましたが、マスの縦横の寸法はそのまま印刷すると2.5 x 2.5mmとなるように設定していますので、40 x 10マス(印刷すると100 x 25mmになる。)の左側に前面、右側に背面のパネルとそれに記入する文字を書き込みました。 これらが書き上がった後にそれらのコピーを上下に3回貼り付けます。 そうすると100 x 100mmが編集した部分の大きさになります。

上の図はExcel内にてパネル面に見える部品の位置を含めて文字位置を検討した結果で、スクリーンキャプチュアで取り込んだもので、左が前面、右が背面です。 上段を丸ごとコピーして、部品や穴などを全て消しパネルの外周枠もパネルと同色にし、切断位置を明確にするためコーナートンボを追加したのが下段です。 この下段をコピーして3回上下方向に貼り付けて合計4組をコピーしペイントショッププロに持ち込んで印刷前の処理をしています。

ペイントショッププロに持ち込んだデフォルト状態では1インチ辺り72ピクセルで取り込まれますが、サイズ変更モードで、印刷時の大きさが10 x 10cmになるように解像度を調整します。 ここでは203ピクセル/インチで10cmが10.022cmと充分許容出来る誤差になりました。 これでサイズの拡大/縮小無しの100%で印刷すればよいわけです。 印刷する紙は薄手のマット紙を使いインクジェットプリンター(ここではキャノンのPRO-100を使っています。)にて印刷しました。 色味はほんのすこーし黄緑色が入っているグレーですが、これは過去の経験から得ている折込済みの好みの色です。

印刷が終わったらインクが乾燥するまで放置してからスプレータイプの透明クリヤーラッカーで2回塗り致しました。 その後つや消しクリヤー1回塗りで終了です。 この後の作業では完全乾燥していないとならないので4時間放置しています。

この間に背面の雌ネジ切りをしました。 既に1.5mm厚の補強板をエポキシ接着剤で貼り付けていますが、それに空いている1.2mmの穴を、1.5、2.0、2.5、3.0、3.2とドリルを変えて徐々に大きくして行きます。 なんともまどろっこしいやりかたですが、一度に大きな穴をあけようとすると接着面を引き剥がすような力が掛かり補強板が剥がれてしまうのでそれを避けるためです。 その後M4のタップでネジを切ってゆきますが、切削油の替わりにCRC 5-56を切削位置に吹き付けて無理が掛からないよう少しずつ切り込んでいます。 後程写真でお見せしますがM4のピッチは0.7で、1.2mm厚のフレームに1.5mm厚の補強板を貼って2.7mm厚としていますから、2.7 ÷ 0.7 = 3.86 と、4周り近く雄ネジと雌ネジが噛み合うので十分な噛み合いになっています。

この雌ネジに締めこむのはお馴染みの頭の厚みが1mmしかないステインレスのボルトを使いますが、販売されている一番短い物は12mmと長すぎるので刃研ぎグラインダーで3.5mmの長さに切断しました。(この刃研ぎグラインダーを使うのもお馴染みの作業方法です。)

乾燥したパネル面に貼る紙は角の1つは2辺を最終位置で切り落とし、残る2辺は貼り付け後にカッターナイフで切り落とします。 その貼り付けには従来は両面接着テープを使ってきましたが、SCOTCHのスプレー糊 55を使いました。 これは『貼ってはがせる』を標榜していますが、ひめ糊等に較べると遥かに接着力があり剥がれにくいのと接着剤面を薄く出来て都合が良いことにあります。

A4のマット紙に印刷し終わった状態。 一度に4組印刷しているので、貼り間違えても十分にスペアーがあり安心です。

透明クリヤーのスプレー塗料を2回塗り後つや消しクリヤーを1回塗りしました。 塗装するたびに2時間乾燥させ最後は4時間乾燥させました。

上の乾燥中に背面の雌ネジ切りをしました。 これは切り終わった後ですが、奥からフレーム、背面パネル、3.5mmの長さに切断したM4ステインレス薄頭ボルトです。

切った雌ネジのクローズアップです。 山が4つ見えているので4回近く雌ネジと雄ネジが噛み合うことになります。

背面パネルとフレームをネジで共締めしました。 最終的には背面パネルはケース後部に埋め込まれますので、この状態でフレームは固定されることになります。

その時の内側。 ネジの先は3.5mmで切断しましたので出っ張りはありません。 従って電源基板の部品を痛めることもありません。

塗装が完全乾燥後2辺を正確に切り落とし裏にSCOTCHスプレーのり 77(左に一部が写っています。)を吹き付けて所定の位置に貼り付けました。

残りの2辺をカッターナイフでカットしました。 この後穴抜きをしますがそれは糊が完全乾燥後にします。(そうしないと切り口がだらけてしまう可能性が大です。)

OLFAの刃先が30度の角度を持ったカッターナイフで少しずつ押し切りして穴部分を抜き取りました。 こちらは前面です。

そしてこちらは背面です。 この後切り口に毛羽立ちがありシャープさがないので、つや消しクリヤーをスプレーして生乾きの状態で角を押し慣らしてきりっとした感じにします。




2015/08/07

電池ホルダーの製作とアンプ・電源基板の組込み調整

前面/背面パネルに文字を印刷した紙を貼る前にLEDの光を通す穴をあけそこにナイロンワイヤーを充填せねばなりません。 ナイロンワイヤーの直径は1.2mmですので、手回し用のピンバイスに1.2φのドリルを取り付け手回しにてあけました。(多少の時間は掛かるものの横滑りが無く穴あけできます。) そこに長さを2.5〜2.6mmに切断したナイロンワイヤーの片方の切り口を長さが2.4mmとなるまで#400で研摩して表面を曇りのような状態に仕上げます。 (これによりLEDの光の拡散性が更に良くなります。)

そこに既に出来上がっているLED基板を点灯して位置合わせをした後に瞬間接着剤を沁み込ませ接着します。 (写真を見るとちょっと形が変なのですが、LED基板の取り扱い中に基板を痛めて修復不能にしてしまったので、もうひとつの単色LED基板を強引に取り付けました。)

次に基板取り付けのスペーサー(既に接着剤が完全に乾燥しています。)を所定の長さに切断しフレーム内4箇所に瞬間接着剤で貼り付けました。

さて2枚の基板で挟まれる電池ホルダーの製作に入ります。 電池ホルダーの前後にはプラス電極、マイナス電極を貼り付けて3本の電池が直列接続となるよう細工をしますが、この基板には1.5mm厚の片面だけ銅箔が貼られた生基板を使いました。(右の図がその加工図です。) そうした理由は銅箔を貼られた面に電極をエポキシ接着剤で貼り付けながらその電極の一部は半田付けして接合と電気的な導通を確実にすることにあります。

図中に点線で描かれた円は電池の位置を表します。 その円の中心に1.2φまたは2.0φの円が描かれていますが、これらは接着時に位置を簡単に出すための穴です。 実はマイナスの電極にはスプリングを固定するため直径約2mmの穴が抜かれています。ここへ楊子を通して電池ホルダーの穴に挿せば、簡単に極板の固定値が判ります。 プラスの電極の中心には穴がありませんので、手回しピンバイスに1.2φのドリルを取り付けてあけました。

また中央と右の電極の間は1mm幅をミニルーターで銅箔を削り取り、隣どおしの電池のプラスとマイナスを接続させる部分とそうでない部分を明確にします。 空色部分が電極ですがそれらの上部と基板は半田で接続しています。(細長い小判状の部分がそれです。) またメイン基板と電源基板の間は7本のワイヤーで結ばれますが、それらは電池ホルダーに貼り付ける断面3角の仕切りの中を通すことにします。 そうすることで背面に配線がごちゃごちゃ出て見苦しいことも無くなります。 その断面三角の仕切りがあたる部分は削っておきます。

一番下に幅1mmの空間を作っていますが、ここに1mm厚ベーク板の底板が貼り付けられます。 この辺りは後程お見せする写真も参照ください。

さて全ての結線を済ませて2枚の基板と組みあがった電池ホルダーをフレームに挿入します。 予め電池ホルダーの前後寸法と基板と基板の間隔はノギスを使ってドンピシャとなるよう調整しておきましたので、きつくも無くがたも無く収まりました。

当初は電池ホルダーを作る前に電気的な最終試験をする予定でしたが、配線をすっきりとするのに電池ホルダーの仕切りをケーブルパスにしようと考えたため電池ホルダーも作らねばならなくなりました。 従って次回に電気的な性能の結果をご紹介いたします。

手回しピンバイスに取り付けた1.2φのドリルで穴をあけ2.4mmの長さに切った1.2φナイロンワイヤーを叩き込みました。

ナイロンワイヤーは0.1mm程前側に出っ張り背面は面一ですが、この為に見た目では丸い円がくっきりと浮かび上がる筈です。

内側から見たLEDの光を導くナイロンワイヤー。 実は叩き込んだ位置を確認後、少量の瞬間接着剤をこちらから塗って抜け止めとしています。

そしてLED基板の位置を通る光を見て調整しながら瞬間接着剤で固定しました。 最終的にはワイヤーの一部もフレーム内面に瞬間接着剤で固定しています。

本来のLED基板ではないのでご覧のようにかなり傾けて強引に貼り付けましたが、ヘッドフォーンジャックとも干渉せず固定できています。

本来の駆動電圧では写真に撮ると白っぽくなってしまうので、2.7Vまで下げて試験点灯しました。 期待通り丸みがくっきりと見えます。 そしてもっと斜めから見ても明るさが下がりません。

基板を1.5mm浮かして固定するためのスペーサーを貼り付けました。 瞬間接着剤を使っています。 この角度からは見えませんが手前側にもあります。

2枚貼り合わせた透明側を下にしていますので、若干浮き上がっているように見えます。

電池ホルダーに使うプラス/マイナス電極の加工。 左が加工前で右は下側を約1mm切り落とした物です。

プラス電極の中心に1.2mmの穴をあけました。 これで位置決めが楽になります。

ホルダーの電極を貼り付ける面は1.5mm厚プリント基板生板を切り出して作ります。 そして位置決めの穴(2.0φと1.2φ)や断面三角の仕切り板の穴にワイヤーが出入りする穴を削っておきます。 また中央と右の電池の間に幅1mmの浅い溝をミニルーターで削り電気的に絶縁させます。 下左は断面三角の仕切り板で、0.5mm厚塩ビ板を幅5mmのL字状に加工したものです。 その右は底板で厚さ1mmのベーク板です。

電池ホルダー側板に電極をエポキシ接着剤で貼り付け、硬化後に上側を半田で繋ぎ合わせるのと同時に電気的な接続をします。

L型に折り曲げた仕切り板を底板の所定の位置に瞬間接着剤で貼り付けます。

完全硬化後にラッカースプレー塗料で上面を塗装しました。

中央の電池はこのように収まります。

電極を貼り付けた側板を瞬間接着剤で底板に貼り付けました。 尚電極のスプリングが長すぎて電池がうまく収まりませんので伸びた長さにして2.5mm程短く詰めました。

とりあえず2つの基板と共にフレームに嵌め込んで見ました。 底板の長さをノギスでドンピシャ寸法になるよう予め加工してありましたので問題なく(隙間なくきつくも無く)収まっています。 周りに見えるワイヤーは1〜2段細い物に変更して、2つの仕切り板を通るようにします。

上の仕切り板に3本、下の仕切り板に4本のワイヤーの合計7本が旨く隠れました。

こちらは裏側です。 3角の仕切り板を考える前には裏面の隙間(1.2mm)に沿わせるつもりでしたが、遥かにすっきりとした外観になりました



2015/09/04        (2015/08/14付けの記事は全面削除しました。)

電気的な性能の再測定

現在他に並行して製作している2つのヘッドフォーンアンプと木製ケースの製作を一緒にやるため中断しているのですが、単四電池3本型の電池寿命測定をした結果、本モデルの電池寿命時間はどうしてこんなに短いの?という疑問に当りました。 というのはそちらの電池寿命テストは何と157時間という長時間で、本モデル(9.08時間)の17倍以上になったからです。 従って8/14付けの記事の内容は実体と異なるため全面的に削除しここで入れ替えました。

その問題を見逃した状況ですが、実は寿命テストが終了時に9時間強という結果に対し、2つのヘッドフォーンを一度に駆動しし使う電池も単五だから仕方ないか?!程度に考えて過ぎてしまいました。 消費電流値がそもそも大きいことに気が付くべきだったのですが、方形波再現特性を始め聴感特性も含め動作に異常を感じなかったので通り過ぎてきたのです。

そこで回路基板の動作状況をもう一度調べなおしました。 入力信号無しで消費電流は74mA程流れています。 オシロスコープを繋いで異常な発振などが無いかチェックしましたが特に問題はありません。 入力にiPod Nanoを繋いで再生音を聴きましたが特に問題になるようなことは感じませんでした。

但しレールスプリッター回路を見た時あれっ部品が少ないなあ?と感じました。 そこで設計図面と一つ一つ突き合せていった所、レールプリッターのICの出力に抵抗が入ってないことに気付きました。

並行して進めている2つのヘッドフォーンアンプでは10Ωが挿入されております。 この抵抗の目的は発振防止ですが入れなくても発振しない場合もあります。 尚入れないほうがレールスプリッターとしての性能は上がるため、後からでも付けたり外したりが可能なこともありこのモデルだけは試しにと思い外したのを思い出しました。

耳に聴こえずオシロスコープにも出てこないのであくまで想像ですが、かなり高い周波数(数百メガクラス)にてレールスプリッターのオペアンプが発振していると考えられます。 そこで2個の10Ωを挿入して消費電流の変化を観察しました。 結果は無入力で74mAもあった消費電流ががなんと19.8mAまで下がりました。

やはりレールスプリッター用のオペアンプが発振していたようです。(但しここで発振しても周波数が極めて高いことと電源ラインに大容量のコンデンサーが入っているので発振波形は減衰し、発見しにくかったようです。)

ということで念のため全ての性能テストをやり直すことにしました。 その結果は以下の通りですが33Ω負荷テストは実使用上殆どありえないことから省略しました。

1.増幅度 (以前の測定結果と全く同じです。)
  ごく僅かな誤差がありますが、実使用上全く問題ありません。

  ゲイン固定側   ゲイン可変側
  Left 4.83倍(13.7dB)   Left 4.85倍(13.7dB)
  Right 4.84倍(13.7dB)   Right 4.83倍(13.7dB)






2.雑音出力 (以前の測定結果と全く同じです。)
   雑音出力の測定には以前自作したIHF Aカーブのフィルターを介して測定しました。 このフィルターのアンプのゲインは
   20dBと40dB何れかを選択できますが、ここでは40dBゲインで出力を読み取り、それを1/100の値にして表示しています。
   尚入力換算雑音出力は、それらの値に13.7dB(アンプのゲイン)を減じたものです。 一般的に入力換算雑音で-120dB以下
   であれば極めて優秀と考えられますが、それに近い値でありこの項目も問題無しです。

  ゲイン固定側   ゲイン可変側
    雑音出力電圧(IHF A) 入力換算雑音電圧   雑音出力電圧(IHF A) 入力換算雑音電圧
  Left 0.0052mV(-105.7dB/V) -119.4dB/V   0.0054mV(-105.3dB/V) -119.0dB/V
  Right 0.0054mV(-105.3dB/V) -119.0dB/V   0.0053mV(-105.5dB/V) -119.2dB/V







3.オフセット電圧 (以前の測定結果と全く同じです。)
  電源電圧の変化で変ってくるので、4.5V、3.0V、2.7Vの3点で測定しました。 一番大きな値がゲイン可変側の右チャンネル
  で、電源電圧2.7Vの時に4.9mV、3.0Vの時に4.7mVありました。 他は1mV前後とオフセット電圧対策を何もしていないのに大
  変優秀な値です。 バイポーラー入力のオペアンプではとてもこんな低い値にはならないでしょう。

    ゲイン固定側   ゲイン可変側
    電源4.5V 電源3.0V 電源2.7V   電源4.5V 電源3.0V 電源2.7V
  left -0.4mV -0.8mV -0.9mV   -0.1mV -1.1mV -1.1mV
  Right -1.5mV +1.2mV +1.1mV   -0.2mV +4.7mV +4.9mV


4.最大出力電力
  この値は電源電圧で大きく変りますので、4.5V、4.0V、3.5V、3.0Vの4点で測定しました。 また負荷抵抗については16Ω
  以上の負荷抵抗になることは販売されているイヤーフォーンの実態からして先ずありえないので、16.5Ω(33Ω2本の
  パラ)
のみとしています。 オシロスコープによる出力電圧測定で分解能が低いので4チャンネル間の違いが殆ど読み取れま
  せん。 尚標準的には10mW以上の出力があれば充分な音声出力が得られると考えていますが、実使用のイヤーフォーンは
  1mWの出力で最大音圧が得られるのでかなりのゆとりを持っています。

電源電圧 チャンネル ゲイン固定側最大出力 ゲイン可変側最大出力 消費電流Total
4.5V LEFT 30.3mW 30.3mW 107mA
RIGHT 30.3mW 30.3mW
4.0V LEFT 27.3mW 27.3mW 103mA
RIGHT 27.3mW 27.3mW
3.5V LEFT 24.5mW 24.5mW 96mA
RIGHT 24.5mW 24.5mW
3.0V LEFT 18.4mW 18.4mW 87mA
RIGHT 18.4mW 18.4mW



5.周波数特性 (以前の測定結果と全く同じです。)
  私は所謂周波数特性のグラフを描くのは大変な時間と労力を要しますので、殆どの場合代わりとして方形波の再現特性を観
  察しています。 そのポイントは方形波をアンプに通した時に得られる再現波は、基本周波数の1/10から10倍において周波
  数特性にうねり、上昇、減衰などが無ければ、原波形と相似(酷似といっても良い)となります。
  ほんの少し(例えば0.05dBの違い)でも違いがあれば、再生波形で明瞭に確認できますので、下手に周波数特性カーブをプ
  ロットしてゆくより状況の正確な把握が出来るくらいです。 以下に提示する再生波形も、念のために低周波発振器と電子電
  圧計を使って周波数特性をチェックすると、20〜100KHz間はフラットになっています。 従ってこのアンプに実用上の問題では
  ないものの、100KHzよりずっと高い領域で若干の暴れがあることを示唆しているわけです。

低い周波数から原波形と再生波形を較べると、100Hzにおいてはかなりサグ(右肩下がり)が認められます。 これはアンプ入力部の遮断周波数が15.9Hzとなっており、30Hz近辺辺りで既に約1dBの減衰が始まっているためです。 このサグは1KHzの波形にも大変僅かですが見受けられます。 本当は0.22μF辺りを入れてもう少し遮断周波数を下げたいところですが、コンデンサーの厚みが増して基板に挿入できなくなるので妥協して0.1μFとしています。(100KΩの抵抗を大きくしても良いのだがノイズが増加するので止めた。)

次に10KHzの波形ですが、僅かなリンギングが認められます。 少々気になったので周波数特性をザッと観察しましたが、100kHzまではフラットでした。 従って100KHzより高い領域に複数のピークがあったり、ピークのレベルが少々高目である可能性があります。 50KHzの再生波形はそれらを更に想像させます。 念のために0.1μFを始め複数の値のコンデンサーを負荷として安定度を見ましたがほんの少しピークレベルが上がる程度で発振などの問題はありませんでしたのでこのままとします。




6.電池寿命テスト
  本機の無入力信号時の消費電流及びイヤーフォーンとiPod Nanoを繋ぎ心もち大きめの音量(電池寿命テスト時の音量)とし
  た時の消費電流は次のようになりました。

電源電圧 入力無信号 音声入力あり
4.5V 20.1mA 21.3mA
4.0V 19.6mA 20.8mA
3.5V 19.0mA 20.2mA
3.0V 18.6mA 19.7mA

  電源電圧の変化で消費電流に変化が出ま
  すが、無入力信号時に19.5mA、イヤー
  フォーンを繋いで少し大きめの音にしたとき
  に21mA辺りの値と考えて良さそうです。

  そこで電池の寿命テストに入る前に大まか
  な寿命予測をしてみました。

  右のグラフはパナソニックが公開している
  OEM向けアルカリ乾電池の定電流放電特
  性です。

  このグラフの一番下の曲線が単五であり、
  そこから単四、単三、単二と上にずれて、一
  番上が単一の曲線です。

  私が使う電池は富士通製ですが、残念なが
  ら富士通はこのようなデータを公表しており
  ませんので参考として利用しています。

  さてこのグラフに21mAの赤線を上に引き、
  単五の曲線との交点で左へ進ませると、
  36時間が得られますが、これが予測の電池
  寿命となります。

  実際の電池寿命テストでは、電池にお気に
  入りの富士通製アルカリ乾電池を、信号源
  にiPod Nanoを、そしてイヤーフォーンには
  クリプッシュのR6を2本繋ぎました。

  ボリュームコントロールは最大にセットして
  両ヘッドフォーンアンプのゲインを等しくしま
  す。 そして音量を普段聴くレベルより心も
  ち大きめに調整しました。

  この状態でテストを開始し10分毎にデジカメ
  で電圧計、時計を電池電圧が3.0V以下にな
  るまでパナソニックのGX-7でインターバル
  撮影します。

  その結果は、
  電圧が3.0V(1本辺り1.0V)となるまでの動作時間35時間40分でした。

  終了電圧を1本辺り0.9Vとすれば、予測値の36時間を越えると思われますので(グラフは終了電圧を0.9Vとしている。)、ほぼ
  予測値と同じと言って良いでしょう。




2015/09/18

ケースの製作

ここからはほぼ同時に進行している2つのポータブルヘッドフォーンアンプのケース製作と全く同じ作業になりますので一緒に作業を進めます。 従ってこちらから移動してご覧くださいますようお願いいたします。


 
  
Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.