HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop

子供用作業台
2013/03/08

構想

新年早々私の孫の『優真くん』が大工仕事に興味あることを触れましたが、私なりに頭をひねりながらどう教えて行こうかと折にふれ考えています。 そのサポートの根幹を成すかもしれない道具を作ってやろうと思い立ちました。 それにはこんないきさつがあります。 私の考える(或いは推奨すると言っても良い。)日曜大工で絶対に欠くことのできない技術として最も重要なのは、手引きノコギリでの正確な切断です。 そしてそれを達成するのに木材料を切断する台が必要だと気がついています。 そこで『多目的置き台』という名称で、縁台、踏み台、物を載せる台なども使えてワンバイフォー材だけで安くできる物を作りました。

 私が日曜大工教室の講師をしていた折にもこれを取り上げました
 が、簡単に作れて強度があり実用性が高いためか大変人気のあ
 ったテーマでした。(左) 後日この台の天板部分を19mm厚のワン
 バイフォー材からツーバイシックス材(2 x 6)に変更して作業台に
 特化した形にして現在に至っています。(右)

 1週間ほど前に優真くんが遊びに来たのですが玄翁と釘と端材を
 渡した所私の作業台でガンガンと釘を打ち込んで何やら作り始め
 ました。 その内にノコギリで切断したいと言うのでバクマクランプ
で作業台に固定し切断しやすくしてやりました。  但しこの時に私の作業台は切断するための台としては彼には高すぎる為、別な高さ20cmの台を手前に置きその上に乗って切断作業をさせたところ、より容易に切断できるようになりました。

この状況を見ていて彼にとってもっと都合の良い作業台を作ってプレゼントしてやろうと考えました。 その概要は、

  1.作業台の高さは400mmとして小学生位までは使えるようにする。(標準と考えている450mmより若干低い。)

  2.上背の変化が大きいので、副作業台を一緒に作り高さ調節の脚台としても使う。

  4.副調節台の高さは180mmとする。 よってこの上に乗れば上の台との高さの差は220mmになる。

  5.両方の台の天板はツーバイシックス材とし頑丈さと重さを確保。(重いほうが安定度が高い。)

  6.それ以外はワンバイフォー材を使い多目的置き台と同じ構造で組み上げる。



といったところです。

1.については工作台の寿命を7年程度と見込み使用期間最後の頃の高さを400mmと決めました。 但し現在はそれでは高すぎるので、踏み台になるような高さ180mmの副作業台を作ってその上に乗って作業します。  またこの副作業台は床に座って作業する時には作業台となります。 副作業台の高さは180mmとしますので、これを踏み台とすれば大きな作業台の見掛け上の高さは220mmとなり、小さな現在の優真くんに丁度良い高さになるはずです。

天板はツーバイシックスとします。 玄翁でガンガン叩くような作業が多発しますがそれらによる振動の発生を極力抑えたいので、分厚い材料の方が優位である為です。 ツーバイシックス材は38mm厚ですので十分です。 それ以外はワンバイフォー材としてコストを抑えてやります。


設計

 以上の条件を元に設計図を描いてみました。(左が主作業台、右
 が副作業台)

 先ず主/副作業台の長さを検討しました。 ツーバイフォー材の長
 さは1820mmありますが、それで足らない場合は2400mmになっ
 てしまい端材がかなり残ります。 そこで1820mmで足りるように
 主作業台の長さを550mm、副作業台の長さを350mmとします。
 それぞれ天板に2枚ずつ使いますので総長は1800mmになります。 これをパネルソーで切
 断する場合には切り幅として15mm発生し全長は1815mm必要という計算になります。 従っ
 て端材は残らず経済的です。

ワンバイフォー材の方は端材が出ても価格も安いこともありあまり気にしないことにします。 もうひとつ主作業台の天板は四方全てが30mmずつ出っ張り、クランプで材料を固定しやすくします。 また主作業台では天板2枚を30mmの間隔で固定し、バクマクランプが真ん中のスリットを通して使えるようにします。

設計図に記載した寸法はツーバイフォー材やワンバイフォー材の厚みや幅の誤差を考慮していません。 公称ではツーバイフォー材は幅140mm、厚さ38mm、ワンバイフォー材は幅89mm、厚さ19mmとなっていますが、これがぶれた場合は次に述べる板取で調整してやれば良いでしょう。




2013/03/15

製作詳細

材料のツーバイシックス材とワンバイフォー材は購入したホームセンターで一部の切断をしてもらいました。 その理由は早く作業を進めたかったのと、長さの微調整が全く発生しない部分だけとしています。 具体的には2つの作業台の天板となるツーバイシックス材とワンバイフォー材1枚の縦割りです。

長さの微調整がなぜ発生するかというと、ワンバイフォー材の板厚とツーバイシックス材の板幅に起因します。 CFGDの寸法がそれらの誤差につれて微調整する必要が出てきます。 私の場合ワンバイフォー材の板厚は19.4mmと公称の19mmより0.4mm厚く、ツーバイシックス材の板幅は公称140mmが138mmと2mm短かったので、設計図面の寸法から修正して上で切断しました。 尚台の高さも厳密に言えば調整ということになりますが、2mm低くなるだけですので無視しています。

 左は板取図ですが、記載された寸法は板の幅や厚みの公称値を元にした設計
 値であり、実際には微調整をした上で切断しています。 公称値からのブレの量
 で調整後の値は変わりますので最終値は記載しておりません。

 ツーバイシックス材は計算上の余りは5mmしか残らない計算になっています。
 但し長さの実寸は1830mmありましたので、その場合15mm余ることになりますか
 ら嫌な顔をされることもなく切断してもらいました。 若しそんなギリギリの切断は
 受けられない!などと断られたら、副作業台の天板の長さを5mm短くすればよい
 でしょう。 その場合Iも5mm短くなるのは言うまでもありません。

 以下の製作解説の中で、
『三角形の頂点をネジ位置として!』なんていう表現が出てまいります
が、製作過程ではそれが解るような写真を撮っておりませんので、完成
後の写真をここでお見せしておきます。 右の写真がそれで、ネジの並
び方を見て参考にしてください。 これらのネジは外側からは見えません。

製作の様子はたくさんの写真とその説明をご覧いただいた方が理解が
早いと思います。 主作業台と副作業台は交互に製作を進みましたの
で、写真掲載順序も交互にご覧いただくことになります。

製作しながら合計で100枚以上の写真を撮っているため実製作に2日掛
かっていますが、写真を撮る手間を省けば長い接着の乾燥時間を考慮
しても1日半で完成すると思います。

ということで以下の写真をとくとご覧下さい。

購入した部材。 左側4枚は所定の長さに切断してもらったツーバイシックス材。 その右は縦割りにしてもらったワンバイフォー材。 その右がワンバイフォー材3枚です。

所定の長さに切断開始です。 簡単に正確な直角度で切断できるソーガイド(mini-Shopで販売しています。)を全面的に使いました。 ±0.5mm以内の切断が極めて容易なのも特徴です。  ソーガイドの詳しい解説はこちらから。

切断が終わった全部材。 向こう側が主作業台で手前が副作業台用です。

副作業台から組み立て開始。 全てのネジの締結個所は上側の板には貫通ネジ穴(3φ)をあけます。 これはHJに締結するネジ穴ですが、位置は端から9.5mmで2ヶ所。

使うネジは3.3φスレンダースレッドネジ(スリムネジ) 35mmです。 電動ドライバーはFDD1000でネジ締めトルク目盛を5に設定しました。

ネジ締め完了後です。 ネジの頭はHの表面より僅かに沈んだ位置にあります。 こうすればネジの頭に引っかかることもありません。

こうして副作業台の脚4本が完成しました。

次は主作業台の組立に移ります。 Bにネジ穴(3φ)4箇所をあけます。 位置はBの端から9.5mmです。

副作業台の脚と全く同じ要領で4本の脚が出来上がりました。

脚の下側から140mmの位置に線を引きます。 この線がFCを固定するときの上側の位置になります。

脚2本にFをネジ止めします。 Fには4箇所のネジ穴(写真の水色と緑の○)をあけます。 そして先ほどの線にFを合わせて2本のネジ(水色)だけを締めます。

Eに3箇所ずつの穴(3φ)をあけます。

Dに2ヶ所(水色)のみネジを締め込みます。 そして曲尺をこのように当てて正確な90度になるよう調整し、締めていなかった緑色の場所のネジ(合計6本)を締め込みます。

反対側の部分も同様に組み立てて、主作業台の側面側が完成しました。

再度副作業台の組立に移ります。 HJが締結された脚をGにネジ止めします。 三角の頂点がネジ位置ですが1本を締めたら写真のように曲尺を当てて正確な直角となるよう調節して残りのネジを締め付けます。

反対側も同様に組み立て側面側が完成しました。

側面のブロックをIにネジ止めします。 ここでもネジ位置は三角形の頂点になるようにしますが、1本締めたら側面ブロックとIが直角になるよう調整して残りのネジを締めます。 内懐が狭いので電動ドライバーは使えず手締めとなります。

後は天板を固定すれば完成というところまで進みました。 平らな部分に置いて4本の脚ががたつきを起こさなければOK。 そうでないときはばらして直角度を確認しながら組み立て直します。

主作業台の組立に移動します。 Cを側板ブロックの内側に固定します。 Cの上面は140mmの高さに引いた線に合わせます。

接合部分のクローズアップです。 斜めに2本のネジを締め込みますので、Cには予め3φの穴をあけておきますが、締め付けるのは空色の穴の部分だけとし、緑色は後ほど角度調整後に締め付けます。

側板ブロックの上側をAにネジどめしますが、ネジ位置は三角形の頂点になります。 そしてその内の左右1箇所だけ締め込んで、写真のように曲尺を当てて直角度の調整をした上で残りのネジ(全部で6本)を締め付けます。

これで天板の固定を残すのみとなりました。 やはり平らな面に置いて脚のガタツキがないか確認します。

Aの両端から9.5mmの所を2ヶ所ネジ止めします。 うっかりして写真を撮っていませんが、副作業台も同様にIの端をネジ止めしてください。

続いて天板を固定する木ダボの穴(8φ)12ヶ所(ピンク色)をあけます。深さは15〜20mmです。 2枚の板を貼り付けるので1枚辺り木ダボが6本刺さることになります。

ここで副作業台に戻って同じく8φ木ダボ穴あけです。 穴の数は2個少ない10個です。 深さはやはり15〜20mmです。

手前の5ヶ所にマーキングポンチを嵌め込みました。 マーキングポンチはmini-Shopで販売しています。
マーキングポンチを使った木ダボ接合の詳細はこちらから。

天板を接着位置にそっと乗せて位置調整を念入りにした上で、上からぎゅっと押し付けてやります。

その天板を取り上げてひっくり返すとマーキングポンチで付いた円錐状の凹みが出来ていますので、8φ、深さ15〜20mmの穴をあけます。

いよいよ接合です。 脚ブロックの半分の5ヶ所の穴に木工ボンドを少量垂らしこんで木ダボを差し込み玄翁で底当たりするまで叩きます。 更に木工ボンドを接着面に塗りつけます。

その上から天板を載せて木ダボに差し込んだらゲンコツで全体を叩きます。 最後はバクマクランプ4本で思いっきり締め込んで6時間寝かせます。


 ここで圧着保持にバクマクランプを使用しています。 やることが大げさだと思われるかもしれませんが、接合部分の僅
 かな段差による隙間が出来やすいので、その隙間を最小限にすべくクランプを使っています。

 他の方法としては接着剤にエポキシを使えば隙間に対する充填効果が期待できますので、それにより隙間を埋められ
 れば、圧着保持は不要になります。 言うまでもなくこの方法を採ると表面から38mm以上金属が全く存在しませんので、
 工具や刃物を痛める心配がなく、この固定方法の最大のメリットになります。


木工ボンドが完全硬化後にもう1枚の天板を同様に接着して6時間寝かせ完成しました。

主作業台の最後の組み立て作業です。 足のブロックと天板の裏側に穴を開けました。 無論穴位置はマーキングポンチを使って同期が取れています。

半分の6個の穴に木ダボを挿入接着し天板1枚を嵌め込んでバクマクランプで6時間圧着保持しました。

2枚目の天板との間には30mmの隙間をあけます。 これはノコギリの刃が通ったりバクマクランプを通したりする重要な隙間です。

残りの天板を接着しました。 再びバクマクランプで6時間圧着保持します。

接着剤が完全硬化したら主作業台の完成です。 これまで使っていた作業台とは違って天板の周囲が30mmずつ飛び出していて、C型クランプやバクマクランプの使用を意識した構造です。

主作業台の横に副作業台を置きました。 優真くんがノコギリ作業をする場合にはこの副作業台に乗ってやります。 切断するものは主作業台にクランプで固定してやりますので、理想的な切断姿勢が取れるでしょう。



2013/03/22

補修作業と塗装

組立は終了しましたが、節の部分が僅かに突出している(0.4mm位)、私の作業ミスで欠けてしまった部分が数箇所ある、天板のつなぎ目に出来る凹みを埋めて平にしたい、角を丸めて当たってもあまり痛くないようにする(面取り)、といった補修作業をしてから塗装に入りました。 補修作業に使ったのはウッドエポキシで大きな窪みなども簡単に埋められ、目ヤセがなくて強度は十分以上取れる優れものです。 唯一の短所は完全硬化に1週間は掛かる点ですが、埋めて1日たった時点では半ば硬化するもののナイフでスイスイと削れるので、埋めた部分の成形作業が実にうまくできます。 サンドペーパー掛けは2〜3日経ったあたりでやれば良いでしょう。 そして1週間経てばカチカチで削ることは極めて難しくなりカンナで削ろうとしても刃を痛めるだけです。

これらの補修作業が終わり5日目に塗装作業に入りました。 まだウッドエポキシは完全硬化になっていませんが、表面を塗装してもウッドエポキシは溶剤が蒸発して硬化するのではなく、化学反応で硬化するため硬化反応を阻害することもありません。

塗装はお馴染みの水性ウレタンニス透明クリヤーを全面に2回塗りし天板だけは3回塗りとしました。 これらの塗装は雨に濡れても木部が痛まないようにという通常とは違った目的でやりますので、先ほどのウッドエポキシでの補修部分は見えてしまいます。 美しくするのが目的ではありませんので、これで良しとしています。

それらの様子及び使い方については以下の写真をご覧下さい。

僅かに飛び出ている節はカンナで削った後に瞬間接着剤を沁み込ませて固めてからウッドエポキシで隙間を埋め2日後にサンドペーパーで研磨しました。 また天板の繋ぎ目も埋めています。(左側縦に見える部分。)

これは私の作業ミスで白線の間が幅6mmに渡り深さ5mm程度欠けてしまった部分をウッドエポキシで埋めて研磨した状態です。


 これらウッドエポキシやパテ等による補修作業はニス塗りの場合は補修したことがはっきり判るので通常はやりません。
 しかしこのテーマでの塗装は美しく見せることが目的ではなく、使わない時にはベランダに置いておくという趣旨から雨に
 濡れて起きる木材の痛みを少なくしようというのが目的であるため、美的観点からの問題は無視しています。




上面から側面にある角はカンナで削ってからサンドペーパーで丸く削り落とし、当たってもあまり痛くないように面取りをしました。 また上面は3回塗りをしているのでご覧のとおりかなりの艶が出ています。

完成した主・副作業台は150mmバクマクランプ2本と組み合わされて本領を発揮します。 作業性の良さ(速さ)からバクマクランプに限ります。

私が使っている作業台との比較。 全長が短く高さも若干低くなっています。 全長が短いのは板取の良さを優先したためです。 また天板全周囲が30mm出っ張る構造ですので、どこでもクランプで材料を固定できます。

2枚のツーバイシックスを天板として使っているのは新・旧同じですが、中央の隙間は26mm対30mmと4mm広がっています。

隙間を広げたことにより中央の隙間にバクマクランプを容易に差し込むことが出来、ご覧のような材料固定が可能です。 26mmの隙間では強引に捩じ込む必要がありました。

実際の切断ではこのように材料を2本のバクマクランプで固定してやります。 バクマクランプで固定しない場合には片足を上げて材料を抑える必要があるので、材料を動かないようにするため切断に専念できないとか、切断時の姿勢は窮屈になる等、うまく切断できない原因になりますが、これなら無理が全くありませんからより理想に近づいたやり方と言えるでしょう。


 優真くんが我が家にやってきたので出来上がった作業台の引渡しと同時にどうやって使うかを一通り教える事にします。



出来上がった作業台で手引きノコギリ作業のやり方を教えました。 優真くん専用のノコギリはこちらで小型の物。 刃は9寸目とほぼ同じで片手用の柄がついていますが両手で握ります。

クランプで材料を固定したら最初の切込みの練習。 親指の爪をノコギリの刃の上部に当てて位置を決め切り込みますが、ちょっぴり怖そう?!

うるさく細々と教えているわけではなく、どちらかと言えば自然体に近い感じで作業させている!のですが、作業はまずまずうまく進んでいるようです。(一度にあれもこれもと詰め込むのは興味を減ずる結果になるでしょう。)

そして切断完了。 直角度は不十分ですが、予め引いてあった隅線に対し約1mmの誤差で切断しているので上出来です。

大変ハッピーな優真くん。 10回近く切断して少しずつコツを掴みかけて来ているようでした。

まだ完璧な作業ができるわけではありませんが、興味を持って取り組み始めた大工仕事で、失敗を繰り返しながらも興味が削がれることなく上達して行ける補助になれればと思います。  『手引きノコギリ』をマスターする上で、バクマクランプと主・副の作業台の組み合わせは、敷居を低くする適切な組み合わだと改めて確信しています。

----- 完 -----




Copyright (C) 2001-2017, Vic Ohashi All rights reserved.