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穴や隙間を埋める材料
2004/06/11

木工作業をしていて失敗というか木材の表面に傷をつけてしまったり、繋ぎ目に隙間が出来たり、或いは木ネジを埋め込んで出来た穴などを埋めたいことが生じる。 そんな時どのような材料をどのように使うか? そして注意点は何か? というようなことが、今回のテーマである。


浅い傷や隙間の修正

木材を接いだ部分に出来る僅かな段差も含めこんな場合には木工パテが最も簡単で作業性が良い。 私が常用しているのはコニシボンドのウッドパテSで油性のものだ。 色がラワンとタモの2種類あるがパテで埋めただけで済ますことは殆どないため明るい色のタモ1色で済ましている。 市販されているパテの中には水性のものも見かけるが、扱いが楽な反面固まった後に崩れ易い面があり塗料の乗りも良くないため全く使うのをやめた。

使い方としては適量をチューブから搾り出して付属のへらで凹み、傷、隙間の部分に擦り込んでやるだけだが、完全乾燥には結構時間が掛かる。 パテ塗りした面を研磨するには最低12時間寝かしてから作業することだ。

浅いか或いは幅の狭い隙間(何れも1mm以下)であれば一度で問題なく埋まるが、それ以上に深かったり隙間の幅が広かったりすると一度では埋めきれない。 その一番の理由は目痩せである。 目痩せとは乾燥するに従って収縮し体積が小さくなることを指す言葉だが、後ほどお目に掛ける写真でどの位収縮するものかを確認して欲しい。

経験上は2mm幅の隙間や深さが木工パテで快適に埋められる限界ではないかと思う。(この場合でも2回塗りが必要になる。) 一回で完全に埋めようと収縮分を予測して盛り上げてやる手もあるのだが、完全乾燥後のパテは意外に固いので表面研磨に手間取ることもあり一長一短である。

またパテを使った場合にはその上をペイント塗りつぶしは可能だが、パテ塗りした部分が透け透けに見えるのでニス塗りには向かないし、ステインも乗らないから要注意。  ある塗料店でステインが乗るパテなるものを紹介され使ってみたことはあるが、これまでのパテよりもステインが乗りやすいかな?という程度のもので、とても実用性があるとは思えなかった。

へらで擦り込む際の注意であるが、へらの傾き具合で擦り込み加減が随分変わる。 これは木工パテに限ったことではないのだが、要領よく埋めたかったら一度は確認していただきたいと思う。 詳しくはこちらで解説している。


深い穴、幅の広い隙間の修正

作業性は落ちるがコニシボンドのウッドエポキシがお奨め。 これに限らずエポキシ系の接着剤などエポキシ系は硬化しても体積の変化(収縮)がない。 この為深い穴や幅の広い隙間を埋めようとしたらこのウッドエポキシの方が少ない回数で完全に埋まる。というか1回で埋めきれるシチュエーションが殆どだ。  またこのパテの面白い性質として完全に硬化する前であれば、切削加工、ネジ打ち、釘打ちが出来てしまう。(経験上は12時間以上経過し十分硬化したなと感じた時点から1週間以内でそれ以上たつと木材より硬くなり加工不能となる。)  この間の研磨は楽で上記の木工パテよりも容易かもしれない。

またこのタイプのパテは水に対しても強いから(四六時中水に浸っている状態は駄目)、屋外工作の補修材として適している。  その上接着剤としても期待できるから充填接着の目的にもOKだ。(スピーカーシステムで塩ビパイプをウッドエポキシで接着した例がこちらにある。)

唯一の欠点は2種類の粘土のようなものを使用時に混ぜ合わせなければならないことと若干割高な点だが、その優秀な性質は十分にありがたみを感じる。 また木工パテと同様ペイント塗りつぶしはOKだがニス仕上げ、ステイン着色は出来ないから注意が必要。


水にぬれる部分はどうするか?

 水に濡れる場所では前述のウッドエポキシが結構耐性があるがシリコーン系のコーキング剤や水中エポ
 キシであると更に良い。 シリコーン系コーキング剤は建築用のコーキング剤としてポピュラーだが、量が
 多過ぎるのと専用のアプリケーターがいるので、補修用としてチューブ入りのものの使用が便利だ。

 注意としてはシリコーン系コーキング剤の上には塗装が乗らないので塗装してから継ぎ目の隙間を埋め
 るのが原則であり、色付きの物も販売されているので、色合わせが出来る場合がある。
 また年数を経ると収縮のために亀裂が生じることがあるので(コーキング切れ)、注意が必要である。 
その点水中エポキシは目痩せが発生せず水の中でも作業できる便利さ(材料が濡れていても問題ない。)があるがコーキング剤のような柔軟性はない。


ニス塗りの場合にはどうするか?

上記の解説でお判りのとおりニス塗りする場合にはパテは穴埋めの材料として適切ではない。 どうしてもネジ穴を埋めたいのであれば、ラミン棒で埋めてしまう手がある。 埋めた後が判らなくなるという事はないが、パテで埋めたよりも綺麗に仕上がるし、ステインも乗るので濃い目にステイン仕上げする場合には殆ど目立たなくなる。
使用するネジが3.3φのもの(25mmから50mmのスレンダースレッドネジがこれに相当する。)であれば、ネジの頭の直径はであるので、あらかじめネジを打つ位置に深さ5mm-10mmの穴をあけてネジを締め込んで木工ボンドをたらし、のラミン棒を叩き込んでノコギリで払うように切断してから出っ張りをカンナで落とせばよい。

使用するネジが3.8φのもの(55mm-75mmのスレンダースレッドネジがこれに相当する。)であるなら、頭の直径は7mmあるからのラミン棒の使用が適当だ。

この作業の実例がコーナーラックの製作で詳しく解説されているので、こちらをご覧頂きたい。


目痩せがどの位発生するかの実験

ウッドパテSウッドエポキシそしてシリコーン系コーキング剤の3種類を使い深さ5mmの穴をあけた板に擦り込み目痩せがどう発生するかを実験してみた。 以下それらの写真だが百聞は一見にしかずの典型的な例だ。 尚左側のアップの写真は埋めた直後で、右は12時間後の様子であり、右の写真は凹み具合が判りやすい様傾けて光が斜めから当たるようにしてある。

集成材の端材に深さ5mmの穴をあけた。 実際にはこんな大きな穴を埋めることは少ないが、目痩せの出具合を拡大するために大きめの穴とした。 右は上からウッドパテSウッドエポキシシリコーンコーキング剤で埋めた直後。

ウッドパテSの例。 まだ完全乾燥には程遠いのだが、極端に目痩せし収縮のため一部はひびが入ってしまった。 これでは上手く充填は出来ないので浅いくぼみか狭い隙間の埋め込みにしか使えない。

ウッドエポキシの例。 光の当たり方の違いでざらつき感が12時間後に増大しているように見えるが、実際には変化無く収縮は発生していない。 完全硬化までには更に12時間程度は掛かる。

シリコーンコーキング剤では表面の滑らかさに変化は無くウッドパテSのようなひび割れも発生していないが、ウッドパテS程ではないものの目痩せが発生し窪みだした。 表面は完全に乾燥している。

穴や隙間を埋める作業は何も失敗したときだけではない。 適切な手法によりより完成度の高い作品を作りたいものだ。


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