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ノコギリ選びとマスター法
2004/01/16

日曜大工である以上材料としての木材無しでは成り立たちません。 従って木材を加工・切断するためのノコギリはどうしても避けることのできない道具です。 しかしこれに関し世の中に何となく存在している常識は「電動ノコギリ」であり、特に「電動丸ノコ」は不可欠な道具として考えられていると思います。  無論電動丸ノコを買ってはいけないと言うつもりは毛頭ありませんが、なければ困る道具だとは決して思えないのです。 その理由とは、

   1.家の中でとてもじゃないが電動丸ノコなんて使えない!
   2.電動丸ノコで簡単に真っ直ぐに切れるということはない!
   3.切断寸法精度を上げようと考えたら使い方は超難しくなる!
   4.使い方を間違えたり油断したりすると指くらいは簡単になくなる!


室内で日曜大工を実践しようと考えている私にとって1.は致命的であり、2.3.についても期待して使ってみたらがっかりした方も結構いるのではないかと思います。 4.についてはプロの職人さんでも怖がっている問題であり、ましてやアマチュアの我々にとっては重欠点と言わざるをえません。

それじゃあ電動丸ノコは何もメリットがないじゃないかとおっしゃるだろうし、これだけ売れているのはおかしいと言うことになってしまいます。 無論その優位点はありその最たるものは楽に木材を切断できることにあります。 もう一つは切り口の角度を一定に保ちやすい(直角)という点です。  ここで大事なのは電動丸ノコで「楽に切断できることには違いないが、高い精度で切断できる保証はない!」ということなのです。 よくこれを混同する方がいて電動丸ノコを使えば高い精度で切断できると思っていますがこれは大間違いです。 

例えば切断精度を1mm以内に収めようとしたらこれは至難の業になります。 従って切断誤差が重要になる工作(屋内で使用する家具などの工作では1mm以内に切断誤差を収めないと物にならない場合が多く発生する。)の場合、大きめに切断後カンナで削るなどして修正せねばならずトータル的には決して楽に作業が終了できたことにはならないのです。

 それでは私がお奨めする切断方法は何かと言うと手引きノコギリの使用です。 そのメリットは、

   1.屋内で問題なく作業が出来る。
   2.少し練習すれば1mm以内の切断誤差に追い込むのはそれほど難しくはない。
   3.指を切り落とすような心配がない。 (とは言ってもノコギリも刃物だから注意しないと切り傷は
     作ってしまうが)

   4.騒音でクレームが入ることは全くありえない。

です。  手引きノコギリでのお奨めは替刃式の片刃ノコギリであり、歴史的にゼットソーがその代表と言えます。
手引きノコギリで快調に切断するには常に最高の切れ味でなければなりませんが、そのための刃研ぎ(目立て)の負担がバカになりません。 目立てをしなければ当然切れ味は落ちてしまい木材が切れずに息が切れる!  そんな風景が過去の日曜大工風景にはあったと思いますが、替刃式であれば切れなくなったら交換すればよくその費用も目立てに出すより遥かに安いです。(替刃は\500,-前後で売られている。)

ゼットソーはプロの大工さんが使っているのを見て8年前に使い出したのですが、現在では翔265というゼットソー265と完全互換のノコギリを使っています。 切れ味は本家のゼットソーよりも長持ちするようです。

最初はこれら265(刃渡り寸法を表す)と呼ばれる物がお奨めですが、265に使い慣れてきたらゼットソー8寸目或いは翔250を追加することをお奨めしたいのですが、替刃だけ購入しても実現します。 グリップ込みだとかなり高いですが、265とグリップは共通に使えるから使用目的に応じて刃を交換すればよいのです。 

この片刃ヨコ引きノコで殆どの切断処理できますが、タテ引きにはタテ引きノコが必要!と考え、両刃式を考える方がおられるかもしれません。 しかし厚い板や長い距離を切るのでない限りヨコ引きノコでタテ引きをやることは可能です。
(この逆のタテ引きノコでヨコ引きはとてもじゃないが切りにくくて駄目です! その詳しい理由は省きますが上の写真をクリックしてノコギリで切断できる原理をご覧になれば何となく理解願えると思います。)

どうしてもタテ引きノコがいる場合には、これまた別売の替刃を購入すれば、265のグリップに取り付けられるから解決しますが、そこまでの必要性は殆どないと思います。(私はタテ引きノコを持っていませんが困ったことはありません。)  長いタテ引きには別な解決策を考えた方が良くそれはこの項の最後に触れます。



正しいノコギリの使い方

手引きノコギリでより正確に切断するには、切断する時の姿勢とノコギリの操作の仕方にあります。 言葉で表現すると、

1.手引き切断に最適な作業台(工作台)を用意する。 高さは左足を乗せて脚の位置を真上から楽に見下ろせる高さ
  が適当で、約40cm。
多目的置き台はこの為に設計した物で私は2台使っています。)

2.目線は切断している部分を真上から見下ろすのが基本で、厚い材料の切断で直角出しを重視する場合には目線を
  切断部分前方に置いてやる。

3.ノコギリは必ず両手で握るがぎゅっと力をいれて握り締めては駄目。 グリップは軽く握っても滑らないような処理が
  してあり、力を入れて握り締めることは不正確な切断につながる。

4.切断材料の左側を左足で押さえ、切り落とす右側は固定する必要はないが、同じ高さで受けるようにする。

5.ノコギリを引く時に下方向に押し付けるような力を加えるのは正確に切れない原因となる。 腕の運動はノコギリを
  正しく前後に往復するように専念すべし。
(決して力技で切るのではありません。)

となりますが、以下の写真もご覧になってご理解ください。

私が使っている高さ42cmの2台の工作台で、タテヨコが近しい物はこのような並べ方で使い、

長い材料の切断などではこのように並び替えて使います。

常に切断点の真上から見下ろすのが原則です。 肩の力を抜き、腕はノコギリが正しく前後に往復することに専念します。

ノコギリの傾きはこの程度が適当。 切り離される部分が台の上に残るので、切り終わり部分に欠けや割れが出ません。

以上を心がければこのような精度の高い切断が可能。 鉛筆の線に対し0.2mm位の誤差に収まっており、カンナで容易に切り幅の修正できます。 (使用ノコは翔250)

板厚18mmに対して0.2mm位傾いていますが、カンナで簡単に直角度を修正できる範囲に収まっています。

こちらは角棒を直角に切る方法で2面に線を引き両方の線が見えるよう目の位置は真上から少し前方に移動します。

目の位置を保ちながら最初の切込みを爪に沿わせながら入れます。

目の位置を保ち常に両方の線を見ながら切って行きます。 切り落とす部分がもう一つの台に乗っている点に注目。

2つの線に完全に沿って切れていることが判ります。 このように作業が出来るコツは正しい姿勢しかありません。


以上のやりかたで私は厚さ18mmの合板で、長さは900mmまでは手引きで切断しています。 但し切断する長さがそれ以上になるとさすがに手引きノコでの切断は辛くなります。  そのような場合には木材を購入する材木店やホームセンターで切断してもらいます。 何がなんでも総て自分で切断する!なんて無理をしないほうが合理的です。

以上の解説の中で触れた私の実使用で最もお奨めの翔265翔250こちらで販売しています。 割安な替刃とのセット品もありますので、是非ともお試しください。



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