HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop


 
幼児用歩行器
   
2008/04/06

構想

2番目の孫である優真君は去年の8月生まれですがそろそろハイハイを始める時期になりつつあります。 1番目の孫の茉菜ちゃんは既につたい歩きを始めており、幼児用歩行器もありますので、優真君用の歩行器を作ろうという計画を立てました。 
とはいっても今までに作ったことは無論ありませんから、サイズ、構造全てどうするかを検討しないとなりません。  そこで例によってインターネットで歩行器を色々調べて標準的な大きさや構造などの情報を集めました。

 幼児用の歩行器には大別して2種類あるように思い
 ます。 数的に多いのは大小2つの輪を支柱で支え
 横から見ると台形のような形で(左写真)、この場合
 幼児は輪の中に入ります。 これの特徴は幼児が転
 びそうになっても歩行器そのものは先ず倒れないの
 でつかまるところが確保し易く怪我をしにくい点にあり
 そうですが、歩く方向は360度どちらの方向へも可能
 で前進の練習には向かないように思われます。

 次は右写真の荷物を運ぶ台車のようなもので、歩く
 方向は前進のみを強制的に求めますので、前方に歩
 く練習になりそうです。 但し押して進んでいるうちは
 良いのですが、何かの拍子に手前に引くような力を
 加えると倒れてしまう可能性が高いのが難点です。

どちらが良いのか私には判りませんが、日曜大工的には後者の方が板で作りやすいことと
後述するカラクリを組み込めるので面白そうです。 またその昔私が子供の頃は「歩行器」
いうと後者ばっかりだったようなので、懐かしさも含めて後者のタイプを作ることにしました。

大きさとしては幅が250mm-300mm、長さ300mm-350mm、高さ400mm前後となっているよ
うです。  またこの台車型の歩行器には車輪に取り付けられたピンで前方に取り付けられたフィギュアが上下にパタパタと動くカラクリ機構が入っています。  手前に引くと倒れやすい問題は、次のような倒れ防止を検討することにします。

    1.歩行器の重心を前方に設定し倒れやすさを軽減。(完成後に対処可能とする。)
    2.後に傾いた時に傾きストッパーを取り付ける。(完成後に対処可能とする。)
    3.後には進まないように構造を考える。(予め組み込み。)
    4.ハンドル位置を極力前方に設置する。
(予め配慮。)

 以上のようなことを考えて暫しの間モニターとにらめ
 っこの末に左のような構想図面を描き上げました。
 大きさは幅288mm、長さ385mm、高さ438mmとして
 いますが、これらは厳密な値ではありません。
 車輪は厚さ20mmで直径は前輪が80mm、後輪を
 100mmとして描いています。 
 取っ手は30φの丸棒でこの両端を2本の板で挟み
 本体に固定しますが、撓み防止の為に上下の中央
 付近に12φの丸棒を入れて補強します。

 内部構造をまとめるなかで描いたのが右の図です。
 緑色の板は回転軸が大幅に右に寄っておりますが
その右端は後部車輪軸に取り付けられたピンで車輪が回転した時に跳ね上げられます。
従ってこの緑の板の前端に取り付けられたフィギュア(ここでは小鳥にしています。)は上に跳ね上げられ、ピンが外れた時に落下して板に当たりパタンと音がします。  緑の板は3枚取り付けられ、車軸に埋め込まれるピンは3本ありそれぞれ120度の角度を成しますので、前進した時に3本の緑の板は代わる代わる跳ね上げられパタン・パタン・パタンという音を出しながらフィギュアはぴょこぴょこと踊るでしょう。(後輪1回転で6回パタン・パタンとなります。)

ところでこのカラクリは逆転防止機構としても働きます。 後部車輪が後ろ方向に進むように回りだすと、パタパタ動作をさせるためのピンは緑の板の裏側に引っかかりそこで回転はストップしてしまいます。  従って上記の倒れ防止方法 3.を満足する構造がこれで得られます。

さてハンドルを支える縦の2本の板はできることなら後部車輪よりも前の位置に取り付けたいところです。 しかしそうすると歩き始めたばかりの幼児は腕を伸ばしてハンドルを握れず体をあてて押すに違いありません。 そうすると脚のつま先が後部の下のほうに当たりやすくなりますので、余り前方に配置できません。 ここでは、この辺りがぎりぎり許される範疇かな?として描いてあります。

といったところが構想が一通りまとまった現時点での状況です。 但し実際には手持ちの端材を最大限利用することで考えており、板厚を始め多少の変化が生じる可能性がありますが、それらは製作の様子も含め次回にお知らせいたします。



2008/04/11

最終設計

色々と思考実験を重ね前回紹介した構想に少し手を加えて設計をまとめ上げました。 構造的には殆ど変わらず前部の所をより簡単な構造とし、製作も容易になるようにした点と、使う材料を決めるにあたり板厚などの変化が生じています。

材料としては手持ちの端材を物色した結果、14mm厚のラジアタパイン集成材を主として一部に12mm厚シナ合板、丸棒材として30φ米ヒバ、20φ米ヒバ、15φラジアタパインを使うことにしました。 これらのうち購入した物は米ヒバの丸棒材のみです。  ラジアタパインはその木目が大きめで独特の雰囲気を持っており私のお気に入りの木材で、これまでにスピーカーボックスなどで素晴らしい味わいを出してくれました。 これを目立つ所の殆どに使います。 但し車輪だけはラジアタパイン材の厚み14mmでは薄すぎ2枚貼りの28mmでは厚すぎる感じがしますので、12mmシナ合板2枚貼りとします。 車輪を作るのに2枚貼りにする必要性はあまりありませんが、車軸の固定が多少楽になるのと手持ち端材の都合でそうします。

 折角の綺麗な木目ですから着色はするにしても薄めの色とし、木目そのものをうま
 く訴求できなかったら失敗作と考えても良いでしょう。 従ってニス塗りが主体になる
 のは言うまでもありません。  前回描いた構造図よりも大き目となる縮尺にて寸法
 図を描き上げてそこから寸法を割り出した結果が左の図で、これから部材寸法や板
 取り作業に入ります。 こんなアプローチで進めていますから、何故ここがこのような
 寸法になったのか?については明確な答えが出せません。
 ということは実際に作る上での製作誤差にはかなりの寛容度があります。 極めて
 大事な寸法は、車軸やハンマーアームの回転軸位置精度、ハンドル固定位置の精
 度や両側板を連結する板の長さ(220mm)と直角度精度辺りで後はかなり許容誤
 差は高いはずです。  製作詳細を後ほど紹介する中でそれらについては触れます
 が、総じて気楽に作業は進められると言ってよいでしょう。

加工作業の中で一番面倒そうなのは左右の側板を連結する後ろ側の板3枚で、
右の図のようにそれなりの精度を求められる斜め切断(58度、32度と記載した部分)
で、多分0.5-1.0度程度の誤差に追い込まないとならないでしょう。
その他曲面を削りださないとならない部分もありますが、それらはおおらかに進めて
も大過ないはずです。  ハンマーアームの先端に固定する3個のフィギュア製作は一番悩むところで、相変わらず下手くそな小鳥の絵で誤魔化していますが、最終的にどうするかは未知数です。(動作を確認してから一番最後に作る予定です。)


製作の前準備

設計は完了していますがその前にやっておかなければならないことがあります。 上の説明で触れた左右の側板を連結する板をどのような方法で58度と32度に切断するかです。 これを実現するには色々考えられ、1.先ず直角に切断してからカンナで削って所要の角度に成形する。 2.電動ジグソーの傾斜切断機能を使って所要の傾きになるよう切断する。 てなことを思い出しますが、何れも板幅220mmに渡って0.5-1.0度の精度で仕上げるのはかなり困難です。

また 3.として、電動トリマーを使って所要の角度になるよう切削する方法もありますが、屋内では作業しにくいので、4.ソーガイドを使っていきなり所要の角度になるよう切断する方法、がベストかな?ということでそれに必要なジグを製作することにしました。
何故ジグが必要かというとソーガイドは直角切断と45度切断が正確に出来るように設計されておりそれ以外の角度の切断は出来ないからです。

 左の図をご覧下さい。 これは後部の連結板を切り出す手順です。 多分この方法が最も
 簡単に出来る手順だと思います。 斜めに切断した部材を上下逆さにしてやれば、所定の
 58度と32度のVカットが出来上がるという仕掛けです。
 これら74度と61度の傾斜切断をソーガイドで実現するジグ
 を右図のように考えました。  実はソーガイドの上級機に
 切断角度を任意に設定できる物がありますが、直角と45度
 切断以外の使用頻度は極めて低いのとその割に価格が
 高いので見送ったいきさつがあります。
 今回の方法は通常のソーガイドで如何に任意角度切断を
 するかの回答になります。

水色がソーガイドですがそれを真横から見た状態で、ジグに乗っており、予め45度切断が正確に出来るよう調整しておきます。 直角三角形の形をしたジグは切断する部材とソーガイドの間に、[所定の角度 - 45度]となるように作っておきます。 こうして切断すれば部材は所定の角度で正確に切断できます。(赤の一点鎖線)  ところで重いソーガイドをこんな風に斜めに置くと自重で下のほうにずれてしまいますので、それの防止と切断位置の精度を上げるためにソーガイド付属のガイドを上下反対に固定して引っ掛けることにしました。

このジグは右のような構造として作りましたが、断面が所定の角度をなして且つソーガイドを載せる板が簡単に撓まなければ良いので、実践してみたい方は手持ちの端材に合わせて考えてみてください。

註: 分度器無しで正確な角度を割り出す方法

ある角度をなす2本の線を引こうとしたとき誰でも思い出すのは分度器を使う方法でしょう。
簡単に出来そうですが、かなり大きな分度器を使わないと正確な角度を引きにくいですし、そ
のために分度器を買うのも面白くありません。  こんな場合私は三角関数を使って間接的に
作図します。 タンジェント、サイン、コサインの三角関数を使えば直角三角形のある角度を指
定した時に各辺がどうなるかが算出できます。 右の図がその計算結果で、斜辺を138mmとし
たときに(これはソーガイドの奥行き寸法です。)、74度用側板は底辺が120.7mm、高さが66.9mmで、61度用側板は底辺が132.7mm、高さが38mmとすればよい事が算出されます。 つまり分度器無しで正確な角度が描ける訳です。
三角関数を始め便利な特殊計算についてはこちらをご覧下さい。

さて前準備の作業について述べて参りましたが、この斜め切断作業が本テーマにおいて一番難易度の高いところであるのと、ソーガイドの応用使用法として様々な局面で有効ですのでじっくりと解説しました。 それらのジグの様子は以下をご覧下さい。

ソーガイド付属のガイド板を取り付ける正常な方向はこうなっていますが?

それを改造無しに上下逆さに取り付けることが出来ます。

そうするとこのような傾いた板の上部に引っ掛けてソーガイドが落ちないようになります。 これを利用してジグを作ります。

16度(左)と29度(右)の傾斜を持つ三角板を切り出し上板と補強板を取り付けただけのジグです。

ソーガイドはこのように上板に引っ掛けて使います。

ジグの背面から見た様子。 引っ掛かっている状態がお判りになると思います。

試に切断して見ました。 ソーガイドを支える腕が写っていませんが、撮影上の都合であり実際にはソーガイドを支えないとなりません。

前方から見るとこんな具合です。 これで切断角度は、ソーガイドの傾き(45度)+ジグの傾斜(29度)の74度になります。

製作したジグはそれぞれ220mmの長さを一回切断すればお払い箱となる正に一過性の物ですから手持ちの端材でお金を掛けずに作りましたが、十分な高精度切断を実現できます。


ひとこと

 上で述べた傾斜切断やそのためのジグの製作は、歩行器の前部や後部に自動車を思わせるような曲面
 をつけてやりたい!との拘りから出発しています。

 そしてその為に難易度が上昇しているわけで、そんな拘りを持たずに直線だけで構成すれば難易度はグ
 ンと下がり日曜大工入門テーマに近くなります。

 その一例を左に断面図として掲げておきますので、簡単に作ってみたい方はご検討ください。



2008/04/18

製作 1

最も面倒そうで難易度の高いと思われる連結板の切り出し、接着、そして成形から入りました。 設計時点では前のブロックは2枚の板で、後部ブロックは3枚の板で作る筈だったのですが、端材の寸法が足らず後部のブロックは4枚の貼り合わせに変更になっています。  問題の斜め切断は縦引きであることも含めかなり時間が掛かりそうだ?と想像していたよりも簡単に終わりましたが、その後の成形には予測以上の時間が掛かっています。

というのは後部ブロックは圧着保持が完璧には出来ず接合部分に隙間が出来て接着強度が落ちやすいので木工ボンドは使わずエポキシ接着剤を使ったことにあります。  このため若干発生する隙間にも接着剤は収縮することなく充填でき接着強度は十分に取れるのですが、はみ出た接着剤や成形の際にカンナを使えません。 エポキシ接着剤は完全硬化すると大変硬く刃先がボロボロに欠けてしまうからです。 

替わりに粗目の木工ヤスリと替刃式ヤスリだけで丹念に削り出すしかありません。(電動サンダーでは研磨効率は良いですが、スポンジ板が入っているため固い部分を削るとその周りの柔らかい部分も一緒に削り取ってしまいなかなか平らには仕上がりません。)  言うまでもなく削り取る速度はヤスリのほうが遥かに遅いです。 従って忍の一字でゆっくりと慌てずに腰を落ち着けて作業しています。  結局昨日の切断作業で1日、今日の研磨作業で1日と2日間を潰して連結ブロックの成形までが終了したという非効率な進め方になっています。

単に幼児用の物を作ると言う意味では馬鹿げているかもしれませんが、ここで得たノウハウはまた違ったテーマの加工作業に生きると考えています。

連結板を切り離してしまってからでは加工しにくい部分を先にやります。 前部にある自動車のラジエターグリルを思わせる2本のスリットを電動トリマーにて彫りこみました。

更にヘッドライトらしき物を埋め込む部分に30φ 5mmの穴をフォスナービットを電動ドリルアタッチメントに取り付けてあけました。

切り離しの最初の作業は幅を220mmで切断ですが、この寸法精度は重要です。 私は0.2mm程度以下に収まるよう慎重に切断しましたが、直角精度も重要です。

そして問題の斜め切断。 材料の上にジグを載せ位置を調節した上で、バクマクランプで挟んでジグと材料が動かないよう固定しました。

縦引きを横引きの翔265でやるので切りにくい感じはありますが、ソーガイドを切断に従い少しずつ移動させながら切り進みます。

2回の斜め切断と直角切断を終了し、6枚の連結ブロック用部材を切り出しました。

斜め切断を施した3枚の板のアップ。 前回の説明どおり真中の板は切断時には上下が反対でした。 従って斜め切断は2回で済みます。

接合開始。 圧着保持が殆ど出来ないのでエポキシ接着剤を使い隙間が残らないようにしています。

上板の延長接合でこれも圧着保持できませんのでエポキシを使い出来るだけ密着させているだけ。 光って見えるのは大板の上に敷いたキッチンラップで、はみ出た接着剤で台板にくっ付いてしまうのを防止しています。

天板部分をこの上で接着した後部ブロックに接着。 天板と後部の底の板は直角をなすので、直角接合ブロックを介してクランプで接着位置を保持しています。 これもエポキシ接着剤使用。

前部のL型をしたブロックだけは圧着保持が出来ますので、木工ボンドを使いました。

一晩寝かして完全に硬化後クランプを緩めました。 ここまでで1日作業になっています。

作業中の写真は載せませんが、木工あら目ヤスリと替刃式ヤスリを使ってはみ出た接着剤の削り落としと成形作業をやりました。(1日仕事となりました。)

前面ブロックのアップ。 上下方向を緩い曲面としましたが、柔らかさが出てきたように思います。

後部天板から背面までのアップ。 これも緩い曲面にしていますが、削る量が意外に多いので大変でした。

その後部ブロックを真横から見た所で4枚の板の貼り合わせになっています。



2008/04/25

製作 2

製作の続きは左右の側板と2本の柱の切り出しとそれらの成形型加工から始めました。 これらの部材には40φ、30φ、20φ、15φの座繰り穴と貫通穴があけますが、いずれもフォスナービットを自作電動ドリルアタッチメントに取り付けてあけています。

側板には直径20mmの車軸が2本通るのですが、車輪が側板に擦れないよう側板と車輪の間に1mmの隙間が出来るように細工します。 そのために1mm厚の何かを車輪軸穴周りに貼り付けることにします。  1mm厚のプラスチック板を切り抜いて貼ればその目的を十分果たしますが、ここでは偶々ステンレス製のワッシャーで、外径40mm、内径21mm、厚み3mmの物をホームセンターで発見したのでこれを使いました。  ワッシャーが3mm厚ですので、そのまま貼り付けたのでは隙間が大き過ぎますので、側板外側の車軸穴の周りを直径40mm、深さ2mmの座繰り穴をあけてここにワッシャーを埋め込み1mmの出っ張り(これが隙間になる。)となるようにしています。 またその後に車軸穴として20mmの貫通穴をあけました。

40mm幅の柱には30mmと15mmで深さ5mmの座繰り穴をあけ、前者は30φの丸棒のグリップを後者は15φの補強丸棒をエポキシ接着剤にて固定しますが、これはまだまだ後の最後の工程でやります。

以上が済んだら設計図の曲線に従い成形加工を施します。 ここでは電動サンダーで大体の形に切り取り、木工粗目ヤスリ、替刃式ヤスリを使って所定の形に整えました。 後部連結ブロックには柱を通す切欠きをつけねばなりません。 成形が終わった柱を側板の所定の位置に当てて連結ブロックに切断線を現物合わせで描き込み、ノコギリと電動ジグソーで切り落としヤスリでドンピシャに仕上げました。

次に30φと15φの丸棒を202mmの長さに切断し、2枚の側板と2つの連結ブロックをハタ金を使って組み上げ各部に問題がないかの確認を念入りに行いました。 幸い変な隙間や食い違いが生じることもなくやれやれ一安心といった所で、車輪はないものの全体の感じがつかめる段階に至っています。

側板2枚を切り出しました。 曲線部分の切断は後ほど連結ブロックを当てて現物合わせで成形します。 車軸穴位置とカラクリ機構の穴位置は予め描いておきます。

車軸穴外側に直径40mm、深さ2mmの座繰り穴を左上に見える電動ドリルアタッチメントに40φフォスナービットを取り付けてあけました。 右側の穴にはステンレスワッシャーを落とし込んであります。

その座繰り穴のクローズアップであまり綺麗にあいていませんが、この部分は車輪で完全に隠れますから問題なし。 但し深さの2mmは出来るだけ正確にしたいところです。

そしてワッシャーを落とし込んだ所。 ワッシャーの厚みが3mmありますからワッシャーは1mm側板面から出っ張っていることになります。

その後座繰り穴の中心に20φの貫通穴をあけました。 ワッシャーの内径は20mmですから車軸はワッシャーには触れずに回るはずです。

こちらは幅40mmの柱ですが、30φと15φの座繰り穴(深さ5mm)をあけてあります。 ここに丸棒が嵌りこみます。

側板の成形に入りました。 2枚の側板を合わせてクランプで固定し電動ジグソーで一度に切断しています。 板の厚みは2倍の28mmと分厚いので、中型の電動ジグソーを久し振りに使いました。

電動ジグソーで切断が終わった所ですが、この後粗目ヤスリで切断線ぎりぎりまで削りこんだ上で替刃式ヤスリ(M-20GP) で仕上げます。

同じように2本の柱の上端も丸め加工を施します。 成形作業が終わった4つの部材です。

後部連結ブロックに柱が通る位置の線引きをした上でノコギリ(翔250)にて2箇所の切込みを入れます。

その後電動ジグソーで切り落とし粗目ヤスリと替刃式ヤスリでドンピシャ寸法に仕上げます。

柱を後部ブロックと側板で挟んでみました。 欠き込み過ぎもなく良い具合に仕上がったように思います。

30φと15φのの丸棒を202mmの長さで切断して柱で挟み、側板、連結ブロックと共に組み立ててハタ金で仮固定して全体の様子を確認しました。 車輪はありませんが外観の雰囲気がつかめるようになりました。

その前部は自動車をイメージさせようとしていますが、ほんの少し笑っているような感じになればと期待しています。

後部はこんな感じで上下方向は連続した曲面です。 何れの場所にも変な隙間や食い違いは発生していません。



2008/05/02

製作 3

 車輪と車輪軸の切り出し、そして車輪取付け部分の加工を先ず済ま
 せました。  車輪は12mm厚シナ合板を2枚貼り合わせた構造にし
 ていますが、貼り合わせる前に1枚のシナ合板に車軸位置に20mm
 の貫通穴をあけ、貼り合わせその後円形に切断します。 従って車
 輪には正確な深さ(12mm)の座繰り穴が出来ます。 当初この穴に
 エポキシ接着剤を塗り車軸を差し込んで完全に固着しようとしていま
 した。

 しかしそうした場合に2つの問題がありそうです。 第一は車輪を外せ
 なくなってしまうことで、第二にエポキシ接着剤で固定するとはみ出
 た接着剤がステンレスワッシャーに付いて車輪がスムーズに回らなく
 なる可能性が大です。 歩行器側板と車輪の隙間は1mmとしていま
 すから、はみ出た接着剤を拭き取るのはほぼ不可能です。

 どうすべーか?? と暫し考えた後セットキャップボルトで車輪を車
 軸に固定することにしました。 こうすることで接着剤を使わなくなりま
 すから分解できます。 セットキャップボルトは頭の直径が軸径に対し
 て大きいので締め付け面積が大きくしかもコインで回せますから分解
 も容易、更にプラスチックのキャップを被せれば見栄え良し!といい
 事尽くめになります。

車軸には雌ネジを埋め込まないとなりませんので鬼目ナットを使うことにしますが、ここではM6 13mmの鍔付きタイプの物としました。 鍔はなくても良いのですが、13mmタイプは偶々鍔つきの物しかなかったという次第です。 尚鬼目ナットは更に長い方がこの部分に掛かる応力に対して安定しますが、鬼目ナットを締めこむ時に穴を押し広げる力が増大し車軸が割れ易くなります。(事前の実験段階では見事割れてしまいました。)

鬼目ナット埋め込みは8.5mmの穴をあけて鬼目ナットの鍔が当たるまで締めこんだらOKで、後は車輪の中心に6φの穴をあけてセットキャップボルトで車輪を車軸に固定するだけです。 セットキャップボルト、鬼目ナットは部材として少し特殊ですが、作業は難しいこともなく進められます。

車軸の本体に隠れる部分には3本のカラクリ作動用のピンが埋め込まれますが、車軸に6φの穴をあけ、これに直径8mmの木の棒を現物合わせで削って緩いテーパーを付けた物を圧入し固定しますした。 穴は3箇所で互いに120度の角度をなすようにします。 このピンは後部車輪の逆転防止となりますが、かなりの力が加わる可能性があり折れるかもしれません。 そこで交換しやすいよう瞬間接着剤を太い方に若干付けて緩み止めとしました。(瞬間接着剤はアセトンで溶かせるので、ピンを外すことが可能。)

 厚さ11mm幅21mmの板を250mmの長さで3枚切断しシーソー板としますが、これには6φの
 穴をあけてそれに6φの鉄パイプを通して本体に嵌め込みます。 このシーソー板も壊れる
 可能性があるので修理しやすいように内径6φの軟質ビニールパイプを切断して3本の板の
 位置決めをすると共に、パイプが本体から脱落しないようパイプを嵌め込んでから一部を瞬
 間接着剤で固定しました。(左図のピンクの丸い部分が瞬間接着剤の塗布位置です。)
 外す際には一番右側のパイプをナイフで切断すればよいことになります。

左の側板に深さ3mm、右の側板には深さ7-8mmの穴をあけますが、因みに最終組立ての時には右の穴にパイプを奥まで差込みその後パイプの左側を穴に入れて奥まで差し込んだら、一番右側のビニールパイプを右側に寄せて瞬間接着剤で固定という手順になります。  これで先ずパイプが外れることはないでしょう。

以上は最終設計図では描き込んでいなかった部分(正確にはまだ検討中であった部分)ですが、出たとこ勝負でやってしまうと良い結果が出ませんのでずーっと継続して考えた上で出した結論です。  これらが完成しもう一度全体を仮組立て(ハタ金で押さえるだけ)の状態でカラクリ機構を始め各部の動作を確認しました。

柱となる部材を25mmのスレンダースレッドネジで所定の位置に仮固定。 車軸穴に被ってしまう部分は同じ厚さの板を白点線部分に当てて反対側からフォスナービットであけてやります。

20φのフォスナービットを自作電動ドリルアタッチメントに取り付けて車輪の板に穴をあけている所です。

20φの穴をあけた板にもう一枚の板に木工ボンドを塗って接着し圧着保持中。 4時間後に電動ジグソーにて墨線よりほんの少し大きな円に切り出します。

その後粗目ヤスリ、替刃式ヤスリで念入りに真円となるよう研磨しましたが、根気の要る4時間の作業でした。

車軸に車輪を固定する部材。 中央の左側がセットキャップボルトでその右が鬼目ナット(M6 13mm)で、左端は鬼目ナットにセットキャップボルトを捻じ込んだ様子。 右端が鬼目ナットを捻じ込む六角レンチ(M6)です。

鬼目ナット取り付けの手順その1で、8.5φ 深さ15mmの穴を正確にあけます。

あけた穴に鬼目ナットを差込み六角レンチで締めこんでゆきますが、直角に入るよう確認しながら。 また無理すると車軸が割れますから慎重に。

鬼目ナットの鍔の部分まで捻じ込めたら終了。 最終組立てをする前にはここで見える鍔の周りに液状の瞬間接着剤を沁み込ませて補強をする予定です。

セットキャップボルトを埋め込んだ鬼目ナットに締め込んでみました。 実際にはこの間に車輪を挟みこむことになります。

車軸の次の加工は3本の跳ね上げピンの埋め込みで、車軸の3箇所に6φの貫通穴を互いに120度の角度をなすようにあけて、8φの丸棒を削って緩いテーパー状にしたものを埋め込みました。

そのクローズアップですが、緩いテーパー状が判ると思います。 上から叩き込んでいますが、その上側と車軸の接触部分には瞬間接着剤を沁み込ませました。(ピンを外す際には、アセトンを接着剤に塗りつけて軟化させた後に下からピンを叩けば外せます。)

3本のパタパタ用シーソーアームには6φの穴をあけて同じく6φの鉄パイプに通しました。 尚写真では判りにくいですが、それぞれのアームの位置決めは内径6φの軟質ビニールパイプを切って挿入しています。 こちらも参照ください。
赤矢印の先がパイプロック用のビニールパイプです。

パタパタカラクリ機構を取り付けて裏側から見た所です。 一番右のアームはピンに押されて跳ね上がりつつあります。

それを上から見た所で右端のアームは最も高い位置に跳ね上がっています。 中央と左端のアームは通常の位置です。

3本のハタ金で仮固定して全ての可動部分の最終確認をしましたが、まったく最終設計で目論んだとおりで何も修正の必要はありませんでした。 残る作業はほんの僅かです。



2008/05/09

製作 4

残る加工作業のうち組立てや塗装の前にやっておかないとならないのはヘッドライト(目玉)の部分です。 これはハンドルを切り出した30φの丸棒の端材を輪切りにして作りました。 最大厚み8mmとし周辺は6mm厚の球面状としますが、切り出してからの研磨は大変ですので、替刃式ヤスリで曲面に削ってから切断しています。

次が面取り加工で、側板の外側の縁と車輪についてはボーズ面ビットで丸く削り取り、その他の面取りは替刃式ヤスリ(M-20GP)にて軽く角取り程度に行っています。 そして仕上げ研磨ですが、小型電動サンダー(S-5000)に#240ペーパーを取り付けて大きな面部分を研磨し、それ以外はハンドサンダーに#240を付けたもので完全につるつるにします。
(この仕上げ研磨は塗装作業の一部で、塗装が上手く出来るかどうかの半分はこれに掛かると私は考えている重要工程で、塗装が上手く出来ない原因はこれをないがしろにしている例が多いように思います。)

そして本体部分の着色作業です。 ここではポアステインのネーブルイェロー色を水を2倍強加え薄くしたものを2回塗りしました。 またハンドルの下の棒に通す木製パイプ3個は、赤、緑、青の3色で着色しました。 その他は全て生地のままでニス塗りします。

着色が済んだら水を吸い込んだ木繊維が起き上がって表面がざらつきますので、#400ペーパーで軽く研磨しざらつきを取り除きます。 そして側板に柱となる板をスレンダースレッドネジ2本で仮固定し、これと連結ブロックを6φ木ダボで固定する穴あけ作業をしておきます。(実際の接合はまだ先。)  板厚が14mmしかありませんので木ダボは30mmを半分に切った15mm弱としました。 そうしましたら再びばらして塗装作業に入りました。(今回は組み立て前に全ての塗装を済まそうというわけです。)

塗料は水性ウレタンニスで、透明クリヤー3回、艶消しクリヤー1回の計4回塗りとしました。
ニスを2回塗って乾燥した時点で柱を木工ボンドで側板に貼り付けネジで完全に固定してから3回目の透明クリヤー塗装を済ませ、これが乾燥後に4回目の塗装(艶消しクリヤー)とし、色違い部分の見切りを確実にしました。

塗装が完全に乾燥しましたら側板にステンレスワッシャーを5分硬化開始型エポキシで接着し、2時間後に内側にはみ出たエポキシをヤスリで削り落とします。

そして全体の組立てですが、ここでは90分硬化開始型のエポキシを使いました。 90分硬化開始型を使ったのは接着面積がかなりあり、エポキシの塗布、接合、圧着、はみ出たエポキシの拭き取りに結構時間が掛かるため、ゆとりを持って作業を進めたかったからです。  早く固まれば良いというものではない好例がここにあります。 また木工ボンドを使わなかったのも硬化開始が早すぎることと、エポキシの接着強度の高さ、隙間が多少生じても大丈夫!などの理由によります。

圧着保持には300mmのハタ金と250mmバクマクランプを使い完全を期しています。 尚組み立て前に後輪の車軸を挿入しておかねばなりません。  またその後ヘッドランプ(目玉)を木工ボンドで貼り付けました。

  仕上げ研磨を前にして仮組立てをばらし一同に集めた全部材。 簡単な物の筈なのに結構部品点数があります。

おっともう一点の部材のことを忘れていました。 ヘッドライトになる薄い円盤で表面を凸球面状に成形してあります。

先ず車輪から。 周りをボーズ面ビット(BZ-10G)にて丸く切削しました。 

本体側板の外側の縁はボーズ面ビット(BZ-25G)で切削し丸くしました。 但し底面の角だけはBZ-10Gとしています。

仕上げ研磨は全て#240ペーパーですが、大きな面は小型電動サンダー(S-5000)で。 大きなサンダーよりも片手作業で威力を発揮します。

デリカシーを必要とする面ではハンドサンダーを使います。

そして曲面はスポンジ研磨剤。 以上3点は良好な仕上げ研磨をするための標準工具です。

もっとも時には修正の成形研磨が必要になり、替刃式ヤスリは時々必要に応じて使います。(M-20GP、DR-1000P+追加替刃、RS-310P)

仕上げ研磨が終わったら着色。 本体はポアステイン(ネーブルスイェローでオレンジシャーベットのような色)を水で薄めて使用しました。

ステインが完全乾燥したら側板と連結ブロックを木ダボで接合するための穴あけをしました。

木ダボだけで接合させた所、位置ずれは全く発生していません。

夜中に塗装開始。 ここの所登場頻度が最も高い水性ウレタンニス透明クリヤーですが、雨戸も締め切った部屋でも臭いがこもらないのが好都合。 組立て時に接着する部分は塗装していません。 2回目以降の塗装は翌日としました。

翌朝塗装面をハンドサンダーに#400空研ぎペーパーを付けて研磨。 空研ぎペーパーは塗料の研磨カスで目詰まりしにくく作業性が良好。 曲面はスポンジ研磨剤で。 この後2回目の塗装をしました。

3時間後に柱を木工ボンドで側板に接着しネジで完全に固定します。 これで白木部分に塗装した柱と着色して塗装した側板の合せ目が色の滲みなく繋がります。 そして#400空研ぎペーパーで研磨後3度目の塗装、そして最後の塗装だけは艶消しクリヤー塗装とします。

ここから接着開始。 今回は充填効果があり接着強度の高い5分硬化開始と90分硬化開始のエポキシ接着剤を使い分けました。

側板にステンレスワッシャーを5分硬化開始型で接着。 ワッシャーは予めペイント薄め液で表面の油分を完全に拭っておきます。

本体組立て。 連結ブロックの木ダボ穴に90分硬化開始型エポキシを流し込みその他の面は上面に近い所は2mm程度塗らないようにしながら(表面にはみ出るのを防止するため。)エポキシを塗布します。

そして側板の穴にぐっと差し込みます。 隅の継ぎ目の所がきらきら光って見えるのははみ出したエポキシですが、これは内部ですので良しとします。

もうひとつの連結ブロックも同様に90分硬化開始型エポキシで接着し補強丸棒、取っ手の丸棒も同様に接着後、反対側の側板にもエポキシを塗って嵌め込みます。

そして接着作業では絶対条件の圧着保持。 300mmのハタ金と250mmバクマクランプを使って締め上げます。 はみ出る接着剤があったら拭き取りこのまま6時間放置します。

ハタ金、クランプを外してカラクリ機構を除き組立て・塗装が完了し車輪も付けた歩行器です。

上のがら空きの部分にカラクリ機構が入れば完了です。 車輪を固定したボルトの頭にはベイジ色のキャップを被せました。 また左の矢印の先の溝には艶消し黒を流し込みます。



2008/05/16

製作 5

 加工精度は問題にならないものの結構手間が掛かりそうなフィギュアの製作から入りました。
 フィギュアのイメージは家内に協力してもらい、自作ぬいぐるみの型紙から決めました。 ウサギの
 イメージですが曲線が余り複雑ではないのがありがたいところで、その割にはかわいらしくなっていま
 す。(左の図)  材料はラジアタパイン18mm厚の端材を使いましたが、木目を完全に潰したくはない
 ので淡いシャーベットトーン調に調色したごく薄いものをトーンの調子を見ながら数回塗っています。
 また目はジャンクボックスに眠っていた赤いLEDを削って嵌め込み、口と鼻は切り込みに水性ペイント
 を流し込んで表現しています。

 歩行器前部の2本の溝の中は水性ペイントの艶消し黒を面相筆で塗りました。 またシーソーの前部
 下側に下駄を履かせてシーソー先端が前部天板に当たるようにして底にはクリヤーパンポン9.5φを貼
 り付けました。 これはパタパタの音を減少させる(パタパタの音が連続すると頭が痛くなるほどうるさ
 い)
のと、前部天板に叩いた傷が付くのを防止するのが目的です。
 更にシーソー板の軸穴付近の両面を4mm厚シナ合板で補強した上でフィギュアを8φ木ダボ併用で
 エポキシ接着剤にて固定し、水性ウレタンニス透明クリヤー3回、艶消しクリヤー1回塗りとしました。

 最後に歩行器前部の2本の溝の中を水性ペイント艶消し黒で塗装し、パタパタカラクリ機構を取り付け
 て完成です。

設計時点のみならず製作の途中でもあれこれと拘りが生じて製作期間は予測していたものよりも2倍ほど掛かってしまいましたが、内容が濃くて極めて丈夫な物に仕上がったのではないかと自認しています。 そしてつかまり立ちを始めた優真君に間に合ったのでほっとしています。

18mm厚ラジアタパインの端材にテンプレートを切り抜き貼り付けました。 ひとつのフィギュアの高さを約70mmとしています。

目玉の部分に4φの木工ドリルで浅い穴(1mm前後)をあけ、鼻と口の線はカッターナイフで切込みを入れておきます。

電動ジグソーで0.5mm前後大きめに切断します。 その後替刃式ヤスリにてテンプレートの線に沿って削り込み成形します。

替刃式ヤスリで成形後に続いてハンドサンダー、スポンジ研磨剤を使って仕上げ研磨。 ここまででほぼ1日掛かりました。

シャーベットトーン調に調合したステインで着色中。 かなり薄めてあるので既に4回塗ったもののこの程度、結局7回塗って色味を良くしながら木目も映えるバランスになりました。

水性ウレタン透明クリヤーを3回塗り最後に艶消しクリヤーを塗って塗装が終わったフィギュアーです。 木目がはっきり見えますがこれは意図しているところです。

10数年前に買って使わないままになっていた5φの赤のLED(左)をヤスリで削り直径を4φに落として先端を切断しました。 これを目として使います。

フィギュアの目の穴を掘り下げて切断したLEDを嵌め込みました。 また口と鼻の部分をカッターナイフで深く切り込んで水性ペイントの黒を流し込み、はみ出たペイントを濡れ雑巾で拭き取りフィギュアは完成です。

シーソーアームの補強(後部)と下駄を履かせて(前部)から、フィギュアを8φ木ダボ併用でエポキシ接着剤にて接着しました。 この後下駄の裏側に8φクリヤーパンポンを貼り付けてカラクリ機構は完成です。

そしてカラクリ機構を本体に取り付けました。 先々週触れたようにこの部分は壊れる可能性があるので、簡単に取り外し出来る構造になっています。

ということで完成した幼児用歩行器の全景です。 木目を徹底的に見せようと考えており、それは普通だったら塗りつぶしてしまうフィギュアにまで及んでいます。 これを使う優真君には理解出来ない領域で私の拘りにしか過ぎませんが、純粋な木工作品としての主張です。

超ワイドトレッド。 合板で作った車輪の接地面はタイヤパターンを思わせる模様が。 そしてウサちゃんぴょこぴょこ。

設計段階と唯一変わったのはフィギュアの方向で、前後に長い物だったのが左右に長い物になりました。

美しい木目が見せ場になる角度のひとつです。 何か車輪がボディーに擦れそうに見えますが、全く擦れることはありません。

この角度も木目が映えて美しいと思います。 ますますラジアタパインが好きになってきました。

孫の為に作った作品であるのは間違いありませんが、私も十分に楽しませてもらいました。 ラジアタパインの木目を生かす着色剤としてネーブルイェローは極めて有効な着色剤だと思います。 これまで似たような色でラジアタパインに使っていたのは、油性着色ニスのチーク色でしたが、今後は水性ウレタンニスとネーブルスイェローの組み合わせがそれに取って代わりそうです。

----- 完 -----

 
2008/07/25 歩行器を使い出したよー!との連絡があり、たまたま我が家に遊びに来た優真君が歩行器を使っているところを撮影しようと、歩行器も持ってきてもらった。 ご覧のとおりお気に入りの様子で元気良く使っている。 尚歩行器無しではハイハイと伝い歩きがほぼ半々で、時々2−3歩歩けるようだ。 早いものでお誕生日まであと1ヶ月弱。

 
  
Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.