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ベッド横の本棚/飾り棚
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2003/01/30

発想と留意点

 我が家の寝室は10畳の大きさでツインベッドと既に紹介したクローゼットが一番スペースを占めています。
 私の空間論で紹介した10畳の寝室と同じレイアウトを取っており長手方向の片側にベッドを寄せている関
 係で反対の窓側にはかなりのゆとりがあります。 

 以前はここにアンティーク調というかアメリカンオークの素朴な感じの机を置いていましたが、どちらかとい
 うと飾りに近くなっていたため隣の個室2に移動してしまいました。 現在は壊れてしまったスピーカーを台
 代わりに並べその上に中途半端なサイズのガラスの人形ケースが置かれておりなんとも面白くない一角
 となっています。  また家内が使う電気スタンドも気に入らない置き方です。 

長いことああでもないこうでもないと家内と話してきましたが、2003年日曜大工プランに掲げていた美術全集専用本棚とガラスケースの人形飾り棚を一体化して作ってみては?ということでかなり煮詰まってきました。

外観的な構想は左の図のようなもので基本的に家内も合意をしているのですが、設計が終わったからといって慌てて作ると必ず大きな変更を加えたくなる傾向がありますので、製作着手はせず時々図面を眺め回したり、家具屋さんで参考になりそうなものを見るなどして暫し様子を見る必要があります。 従って構想説明を以下に述べますが引き続いて製作に入るわけではないことをご承知置きください。

留意点としては次のようなことを考えています。

   ●百科事典は別としても美術全集は全て入ること。(310 x 240mmで延べの厚みは1500mm位)
   ●ガラスケースに入れるべき人形が全て入ることが望ましい。(W1200 x D300 x H500位のサイズ)
   ●電話、電気スタンド、ミニステレオコンポが置かれる可能性が大。
   ●場合によってはミニPCをおく可能性もないわけではない。(LANのコンセントは設置済み)
   ●明るく軽快な感じのものとしたい。重厚感は部屋の雰囲気に合わない。


 左の構想図に従って少し注釈を加えてみたいと思います。
 我が家のベッドは下に引出しがついているため、引出しを使うためには30cmほどの
 空間をあけて棚などを置かねばなりません。
 この為電気スタンドを置く場所がないわけで、現在の設計では電気スタンドを置く折
 畳式の小さな棚を付けるアイデアでいます。

 棚自体の幅は1200mmとしていますが、これ以上広げるとベッド下の引出しが使え
 なくなります。 また高さについては予定材料の定尺である1820mm迄増加できま
 すが、なんとなく高すぎるような気がして約1600mmで止めています。
 奥行きは美術全集の幅240mmから300mmと決めていますがこの値だけは変わら
 ないでしょう。

 材料としては軽快で明るい感じとなるよう無節エゾ松材で作ったフレームに松の集
 成材の棚板の組み合わせとし無着色のニス仕上げを想定しています。
 但しこれだけでは変化に乏しいので最下段にはインセットの扉を付け扉に焼き杉の
 板材を貼ってアクセントを入れてみてはと考えていますが、まだ完全にピンときてい
ません。 過去の経験では丸太の半割り材を使うともっとよいと思うのですが、半割材の反りが大きな問題になるのとと入手性の点でまだあれこれ迷っている部分です。

棚の高さは内寸で下2段が340mm、その上が273mm、ガラスカバーつきの上段が500mmとなっていますが、これらも視覚的な問題も含め更に検討する必要がありますが、上記に述べた物品は全て入り且つゆとりがかなりあるだろうと想像します。

材料上の問題はガラス板のコストとガラスの強度でしょう。 これは一度ガラス屋さんに行って相談してみないとなりません。 特にガラス特有の板取りというか定尺について厚みと強度について調べる必要があります。



2003/02/06
ガラス屋さんを訪ねました

自宅から1km程離れた所にある近くのガラス屋さんを電話帳で見つけ訪ねました。 無論今まで行った事のないガラス屋さんで年の頃65歳くらいでしょうか若干耳が遠いようでしたがそこのご主人が面倒がらずに私の話を聞いてくれました。 
短時間でしたが以下のような情報を得ています。

  ●ポピュラーな板ガラスの厚みは3mm5mm。 2mmもあるにはあるが需要が少ないため3mmよりむしろ割高となる。
  ●定尺828 x 1702mm914 x 1829mmの2種類。
  ●切断してもらった時の寸法精度は指定寸法の±1mmと考えて欲しい。
  ●価格は3mm828 x 1702mm\9,000.-5mm914 x 1829mm\16,500.-で何れも小売表示価格で実売価格
   はもっと安くなる。
  ●ガラスを挟み込む部分は板厚以上あればよい。
  ●ガラスが最も割れやすい応力は捻じれである。

との事でした。 
大雑把に言うと1尺(約30cm)の倍数で寸法が決まると板取りがよくなり(手元の端材がつかえて安くなることも含め)有利だと言われています。 持参した上に掲載した図面を見せたところ、この大きさでは3mm厚のガラスでないと持たない。とか、ガラスの高さ部分が約46cm位なのは板取りが悪くてもったいないなどの意見ももらっています。

ガラス板を購入して自分で運ぶためには出来る限り近いほうが有利ですので、このガラス屋さんに注文することをほぼ決め、ガラス屋さんのアドバイスに従い人形ケース部分の高さを500mmから600mmに増やすことにしました。
以上で事前検討は全て終了ということにしいよいよ製作に入る予定ですが、最初の報告は2週間後辺りかと思います。

尚皆さんの近くのガラス屋さんは違った条件をつけるかも知れませんので、上記はあくまでも参考としてください。


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2003/02/13
最終設計

 ガラスの効率よい板取りが判ったので最終設計に入りました。
 大きく変えたのは人形ケース部の高さで500mmから600mmに変更しました。
 また検討不十分であったガラスを固定する構造について細部を詰め最終設計としま
 した。 左の図はそれらを反映したものです。  ややこしい部分が何箇所かありま
 すので補足します。

 前面のガラスは凹状の断面を持った棒(12x18mmHで表しています)が、ガラス
 の周りを挟み込むような構造です。 棚の本体が出来上がってから現物合わせでこ
 の棒を切断して取り付けることにします。 

 側面のガラスは下は前面に使うのと同じ棒で受けますが、柱と最上段の横棒(E')の
 部分はL字型に削り落とした部分にガラスを落とし込み、細い棒(J)を細い釘で固定
 してガラスを押さえます。

 上のガラスはL字状に欠き取った枠にガラスを落とし込み細い棒(J)を釘で固定しガ
 ラスを押さえます。

 正直言ってこんな構造の物は初めて作るのですが、市販されている人形ケースの
 構造を調べた上で多分これなら作れるだろうとの判断で決定しました。
 問題はE'F、そして柱Aの上部600mmの欠き取り加工や凹状の棒の製作です
 が、後述するように昇降盤(精密加工が可能なテーブルソー)を借りて作ることにし
 ました。

 また板取りの変化が心配でしたのでこれも書き直してみましたが、比較的無駄の
 少ない設計といえると思います。 尚板取り図には設計図に記載されていながら表現されていない部材が何点かありますが、それらは手持ちの端材を使うことを考えているためです。   (板取図

使用材料はエゾ松の棒(24mmx45mm)で構造部分となる枠を、棚板は18mm厚の松の集成材を使いました。 一時は全て19mm厚のSPF材を使ってコストを徹底的に押さえようかとも考えましたが、SPF材は乾燥度合いが低く完成してから狂いが出やすいのと、節を極力無くしたかったのでエゾ松としています。 杉やヒノキよりも廉価で充分乾燥していますので完成後の狂いも少ないはずです。

一番下の棚は扉で覆いますが、手持ちの12mm合板の端材に焼き杉材を扉の中心に3枚貼り付けその両側は9mm厚のシナ合板を貼って化粧しようという魂胆ですが、焼き杉材以外は端材で作ります。 こうすると最下段の棚は扉を開けない限り見えなくなりますので、手持ちの端材(18mm厚のラワンやシナ合板を敷き詰めてやる予定です。

塗装については24x45の角材部分は全て白を多くした茶系のステインで薄く着色、最下段の棚と幕板はダーク調のステインで着色、集成材の棚板、扉のシナ合板部分そしてガラス固定の枠は着色無しとした上でウレタンニスの2回塗りを考えています。



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材料加工

エゾ松材の単純カットだけでしたら非常に簡単なのですが、Aの柱4本、Cの枠2本、FE'各2本は昇降盤で欠き取り加工をせねばなりません。 昇降盤の操作は危険が伴うだけでなくノギスを使って0.1mmオーダーの加工は大変な作業でした。 
誰にも出来る!と全く言えない作業であり、正直言って一般的には2枚の板を貼り合せた方が簡単に出来見栄えも余り替わらないと思います。

これら昇降盤による加工を必要とする部材を切り出すだけで1日掛かってしまいましたので、組み立てまで進みませんでした。 一連の写真で切り出した部材をお見せしますので、設計図と比べてみて下さい。

端材を除いて、切り出した使用木材を並べました。(予備加工も終わっています。)

断面が凹の形をしたHです。

これはCの木口のアップです

ややこしいのがE'F、一方から見るとこんな格好。

反対側から見るとこんな格好になります。

上端から600mmの所までL字型の切り込みを入れたA


鉛筆で記した所が上端から600mmの所で、丸ノコの中心がここまで来るように切り込んでいます。


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2003/02/20

二次加工と組み立て

いよいよ組み立てですが同時に二次加工も進めます。  今回披露する工程の中で真中の枠の組み立てが全くなされておりません。 これあは忘れているのではなくてこうしないと組み上げられなくなってしまうためですので(来週のアップ時には充分その理由がご理解願えると思います。)、組み立ての順序についても注目ください。 ということで、両端の枠、最上段の枠そして棚板の予備加工について以下の写真をご覧下さい。

Aのぷらぷらの部分を上端から600mmの所で切断。



棚板が固定される位置に線を引き横棒EE'Gを固定するネジ位置に8φ深さ25mmの穴をあけます。
(この固定方法はコーナーラックと全く同じです。)

木工ボンドをEGの片端に塗りネジでAに固定しました。


EGの反対側にもう1本のAを固定した後にE'を固定して、ひとつの枠が組みあがりました。

E'Aの固定部分を上から見たところです。

同様に内側はこうなり、この窪みにガラス板が嵌ります。

上側のEの接合部分。 突起状に見える部分は棚板と同一面になります。

上の枠(CF)を組立てて横から見ました。
(上下が反対に置かれています。)

接合部のクローズアップですが、これも上下反対です。

その内側。 この窪みにもガラス板が落としこまれます。

 KL2枚のABがはまり込む部分を切り落とします。

切り落とす寸法はABの断面(45x24)寸法ですが、Lは効率よい板取を考えて2分割にしたのでBが嵌る部分はそれぞれ12x45となります。
組立て終了の外側の枠と上蓋の枠。 左は加工前の棚板。

 


2003/02/27

組立ての続き

いよいよフレームと棚板を組立てます。 工程が構造体の組み上げとなり十分な精度を保てないと捻じれ撓みが発生しものにならないはずです。 特に最上段の部分にはガラス板が嵌りこみますからこの部分の捻じれは禁物です。 構造部分組み上げの過程を以下の写真でご覧下さい。

間の柱BEGを接合した上で、上から2番目の棚板Kを挟みこみます。

もう1本のBに棚板を挟みながらEGに接合し棚板を木工ボンドでEに接着。隠し釘で密着度を高めました。

棚板の左端にAで作った枠を接着。 Aで作った枠の位置・方向を間違えないよう(ガラス板の入る部分)注意します。 隠し釘で固定してありますが非常に不安定。

右端にAで作ったもうひとつの枠を接着し隠し釘で固定。 だいぶぐらつきは減りましたがまだまだひ弱です。

最上段の棚板Kを木工ボンドで接着、隠し釘で固定します。


下から2番目の棚板Lを同様に固定しました。 真中の繋ぎ目の隙間が最小となるよう注意します。



底板の下にDを挟み木工ボンドとネジで上から締め付け固定しました。
端材(ここではラワン合板)から切り出した最下段の棚板を嵌め込み固定しました。
(この部材は板取り図にありませんが奥行きが270mmと小さくなっているだけで、他はKと同じです。)

これでフレームが組みあがりましたが、ABの柱と棚板との間の直角が出ているかどうか? 捻じれがないかどうか?
等を充分チェックし修正した上で木工ボンドが完全固着するまで(12時間以上)寝かせます。



 今回は以上です。 失敗は許されないので大変ゆっくりと作業を進めていますが、そのためかかなり高精
 度の加工と組立てが出来ています。
 これは家具製作用の胴付きノコギリの性能に近しいゼットソー8寸目のお陰で、平均した切断精度は
 0.3mm以内に収まっていると思われ殆ど嵌合面の修正無しで組みあがりました。
 また目で見て判るような歪み捻じれはなく柱と棚板の間の直角度も曲尺長手方向で0.5mm以内に収ま
 っています。   (左の写真をクリックしていただくと、柱と棚板の接合部分の詳細が判ります。)


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2003/03/06

細部の組立

本体骨格が組み上がり後1日経つと木工ボンドが完全に固着しますので、ひ弱そうな感じの割には以外に横方向の揺れが少なくなります。そして、スライド蝶番取り付け板 V、蝶番避けのカバー、側面の覆い、ガラス板受けの枠取り付け、そしてネジ穴埋めの作業を済ませ、本体は塗装前の下地処理を残すのみとなりました。 以下に順を追って写真でご紹介します。

下側のスライド蝶番座板を固定する板Vを嵌め込み、
接着しました。



設計時点では考えていなかった厚み38mmの蝶番避けのカバーを取り付けることにしました。 これがないと蝶番が邪魔して本の出し入れがやりにくくなります。 図中黄緑色の四角が蝶番の座金の位置になります。

端材から切り出した蝶番避けカバーの材料です。

隠し釘と木工ボンドで組みあがったカバー4組です。

カバーを木工ボンドで貼り付けました。 密着度を高めるため突っ張りで押さえています。

カバーをはると側面がこのように見苦しくなりますから、

端材の4mm厚シナ合板を嵌め込み接着しました。


M5 13mmの鬼目ナットとM5 30mm六角ボルト4本で本体に固定しますが、この図は穴あけ寸法を表しています。

上蓋を本体に乗せ位置を充分調節した上でのドリルで上蓋・本体に下穴をあけました。 この写真は上蓋です。

そこに10φの木工ドリルで深さ6mmの座繰り穴をあけました。 この後のドリルで中心に貫通穴をあければ図面通りとなります。

一方本体側にあいた2mmの下穴位置には7.5φ深さ15mmの座繰り穴をあけます。 そしてM5 13mmの鬼目ナットを写真のように六角レンチで捻じこんでゆきます。

鬼目ナットが木枠表面から0.5mm程沈んだ所まで捻じ込めばOKです。

断面凹型のガラス受けHを現物合わせで切断し木工ボンドで接着しますが、密着度を上げるためクランプや旗金を使っています。

これは棚板Kの両端に貼り付けられているガラス受けです。


 ガラス板受けの接着は直線性を保つことと突合せ部分のずれが出ないようにしないと後でガラス
 が嵌りこまない!!というトラブルの原因になりますから慎重に作業する必要があります。

 ガラス受け枠の完全固着のために1昼夜寝かせた上で、本体組立時にあけたの深い穴をラミン
 棒で埋めました。 この辺りの要領はコーナーラックの製作で詳しく触れていますのでそちらを参照
 ください。

 左の写真をクリックすると接着したガラス受けの詳細写真がご覧になれます。



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2003/03/13
扉の製作

この作品は家内が主として使用するため家内と色々相談し彼女の要望を取り入れようとしていますがその中に、「極力白木に近いものが良い。」という項目があります。 そこで白のステインで着色し半艶のニスで仕上げようとしています。

となるとかなりシンプルなイメージとなりますのでちょっと変化が欲しいかな?といろいろ考えた上で焼き杉の板でアクセントをつけようとしました。 但し焼き杉の板は14mm厚でスライド蝶番取り付けには薄過ぎ幅も60mmしかありませんので、これだけでは扉は出来ません。 手元の端材を見回しましたら12mm厚のシナ合板がありましたので、これに貼り合わせて26mm厚の扉とすることにしました。 
更に焼き杉板のべた貼りもうるさすぎる感じがしましたので、焼き杉は扉中心部に縦に3枚貼り、その両脇の隙間には9mm厚シナ合板(これも端材です。)を貼って、焼き杉との段差5mmを与え凹凸感を出そうと考えた次第です。

従って1枚の扉は6枚の板を貼り合わせと言う手間と接合に時間のかかる構造となりましたので、扉4枚を作り取り付けるのに1日掛かってしまいました。

以下それらの作業の経過です。

扉は図のような6枚の板の貼り合せ構造としました。



扉の材料を切り出して並べた所です。 焼き杉板は不規則な木目が目立ちますので、芸術的?と思える組み合わせを考えておきます。

扉1枚分の材料を並べた所です。


焼き杉とその横の板間には5mmの段差があり凹凸感を出します。

インセットスライド蝶番の取り付け寸法図です。



12mm厚のNに35φの蝶番取り付け穴をフォスナービットであけます。 深さ11mmがメーカー指定ですがここは抜き穴としてあけました。

扉貼り合わせの第一ステップ。 Nと片方のPを木工ボンドで貼り合せ2時間放置。

もう1方のPを貼り合せ2時間寝かせた後に、周囲をカンナと木工やすりで仕上げます。

焼き杉板3枚を間に落とし込み木工ボンドで接着します。 
4時間以上放置。(焼き杉の表面は平らでないためボンドの量が多く固化に時間がかかる。)

出来上がった扉に蝶番を取り付け、本体に座金を固定して扉を取り付け調整しました。
(詳しい調整法はこちらをご覧下さい。)

蝶番部分のクローズアップ。 蝶番が出し入れの邪魔にならないためのカバーとの関係が良くわかると思います。

扉取り付け調整が終わり斜め前から見たところで、扉面の凹凸感は期待したとおりのようです。



正面から見た扉部分。


背板を除き総ての加工が終了した収納棚の全景です。 殆どの部分を白のステインで着色しますので、カラーイメージとしては塗装後と大きく違わないと思います。


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2003/04/10
塗装と最終組上げ

ようやく塗装が出来る気候になりましたので、懸案の額縁と一緒に塗装作業に入りました。
ここで使用した塗料は1液性ウレタンニスの「速乾ドリーム」で額縁ともども半艶とし白木や焼き板表面をピカピカにして素朴な感じを壊さないよう配慮したつもりです。 離れてみると塗装してあることが判りにくいですが、そこが狙った所でもあります。 本体の大半は白のステインをぼろきれに染み込まして擦りつけてありますが、これは白木が時間経過と共に黄色っぽく日焼けしてくるのを防止するためで、半艶のニスと共に日焼け・汚れ防止に効果があります。

扉だけはステイン無しで直にニスを塗っておりますので本体よりもやや黄色っぽく仕上がりますが、ともするとモノトーンの単調な色合いになるのを避けるのと、どう考えても焼き板部分をステインで仕上げるのは不自然であり焼き板と隣り合わせのシナ合板も色調を合わせるべく扉だけはステイン無しの直塗りとした次第です。 従ってこの部分は現在でも本体より黄色っぽくなっていますが、時間経過と共に更に黄色っぽくなる物と想像しています。

速乾ドリームはその名のごとく極めて乾燥時間が早く作業性が良いです。 3時間置けば完全に固まりペーパー掛けも可能になりますから1日で2回塗りが楽に終わります。 ペーパー掛けには#400のサンドペーパーで表面のざらつきを軽く落とす程度としましたが、艶ありよりも塗装斑は目立たないので極めて順調に進みました。

最下段の扉内部は粗い木目のラワン合板を棚板に使いこの部分は本体とマッチしないためチョコレート色の水性艶なし塗料で塗りつぶしました。 この塗料も乾燥が大変速く2時間経てば2回塗りできます。 但し水性塗料は塗幕が丈夫でないので2回目の塗装前にペーパー掛けはしていません。 

ガラス板は現物を採寸し測定したガラスが入る最大寸法より縦横それぞれ2mmずつ短くカットしてもらいました。 組立精度が悪いと3mm位小さくしないと入らない可能性もあります。 

といった経過をたどった後に裏板を貼り組立は終了しました。 裏板は下2段を黒のカラー合板で、人形ケース部分はエンボス加工されたビニールをラミネートした合板(何れも2.7mm)を貼りました。 中段1個所は背板なしとしてありますが、これは電話やオーディオコンポ等のケーブル処理に必要と考えたためです。  

以下の一連の写真で完成した収納棚の様子をご覧下さい。

使用した1液性ウレタンニス「速乾ドリーム」。 私の最もお気に入りの定番ニスです。 伸びが大変よく刷毛目が残りません。

3枚重ねた新聞を引いた部屋の中での塗装ですが、刷毛に沢山ニスを沁み込まさなければ、ぼたぼた垂らすことなく床を汚す心配もありません。

この棒でガラス板を押さえます。 固定には25mmのステインレス丸頭釘を使いますが、割れるのが怖いのでドリルで下穴をあけています。

ガラスが見えませんがガラスの表面を玄翁を滑らせ払うように打ち付け棒を固定します。

総てが完成し設置予定位置に収めた収納棚の全景です。 このとおり収納予定のもので塞がりました。

左斜め横から見た全景です。


左横から。 フレーム構造ですので空間を占有している感じがありません。

塗装前のこの写真と似ていますが、本体と扉間の色合い、濃度、コントラストが微妙に変化しています。

扉をあけたところ。 蝶番避けカバーのお陰で本の出し入れで蝶番に当たる心配なし。
上から2段目だけはケーブルなどを通すため背板が貼ってありません。


上部左隅のクローズアップ。 ステインレス丸釘で固定した棒が見えます。 エンボス加工の背板の様子も判ると思います。

今回使用した木のツマミ。 素朴な全体のイメージに良く合います。

扉を閉める時のバカンという戸当り音低減の半球状シリコーンゴムを扉下部に貼りました。

これまでに作った家具とは全く違った材料、構造の物が完成しました。 見た目以上に頑丈そうで下のほうに重心が移動していることもあり大変安定です。 今回の構造(フレーム)とこれまでに作った家具の構造(ボックス)を組み合わせれば、個室2の家具は旨くまとまるのでは?と、もう次のことを考えています。

--- 完 ---


参考資料:   外観・寸法図   板取り図
  
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