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LED化電気スタンド
   
2009/04/03

構想

 間もなく完成する「PC周り用LED照明」での経験を踏まえ、更に省エネを進めた物を製作しようと考
 える中で、使うのをやめてほったらかしにしていた蛍光灯電気スタンドの改造を思いつきました。
 これは今から20年近く前に購入した15Wの折り曲げ蛍光管を使い、点灯・消灯はタッチスイッチ!
 と、その当時は格好良い物でしたが、肝心のタッチスイッチの動作がおかしくなりだして似たような
 電気スタンドを頂いたため、ジャンクのひとつとして保管していた物です。  私がタバコを吸う事も
 あり購入当時は淡いベージュ系の綺麗なものでしたが大変汚くなっています。

 「PC周り用LED照明」で大きな発見がありました。 そこで使ったLED(日亜 NSPW310DS-b1V)
 の実際のVfなのですが、10本を無作為に選んで20mAの電流を流した時の平均値は2.93Vで、最大値と最小値はそれぞれ2.96Vと2.90Vと3Vを切っていることとばらつきが少ないことでした。

公称値は因みに3.2Vですから平均値は0.27V低いわけです。 PC周り用LED照明においては3.2Vで計算し1系統38本で2系統分の76本しか購入しなかったので、駆動電圧を下げることに腐心しましたが、交流100Vを整流した電源での最大駆動本数は42本になる計算です。 使用本数が増えれば明るさは増加し約10%アップになるはずですが、消費電流は同じですから消費電力は変わらず5W近辺という誠に好都合になります。

この42本が頭の中にひとつのマジックナンバーとして残っていたわけですが、42本直列を1系統として2系統使えば、恐らく中心で750ルクス/m クラスの物になります。 但しPC周り用LED照明とは考え方が異なり、照射面積は出来るだけ広げることにしたいのと明るさが段階的に変化するような照射分布も避けたいので、LEDのレイアウトをあれこれ考えました。

 私の変な癖は相変わらずで、トイレで用を足している間に、LEDの使用本数(42 x 2 = 84)
 は3の倍数であり、LEDを28本を1列とし3列並べる手が良いのではとのひらめきを感じまし
 た。 そこで早速LED基板のレイアウトを描いてみました。
PC周り用LED照明では穴あき基板に隙間なく38本並べて全長が200mm強でしたが、1列の本数は10本減りますのでLEDの間隔を2.5mmずつ増やすことにより全長が216mmとほぼ同等になります。  またLEDを3列並べた基板の幅は20-23mm位になります。

15W蛍光灯の光る部分の長さは220mm x 45mmですからほぼ同じサイズというか、スペース的にうまく取り付けられないはずはありません。 また3列に並べたLEDの外側の列をそれぞれ10度程度外側に曲げてやれば、半値角は70度程度になります。 私はこれまで蛍光灯の直接の光りが目に入らないよう高さは40cm以内にしてきましたが、半値角70度ということは前後の照射範囲は55cmとなり、その外側が急に暗くなるわけではないので十分だろうと思われます。 横方向の半値角の範囲は60cm程度でこれも十分な値でしょう。

 駆動回路の実装上の問題がないかどうか蛍光灯ス
 タンドを分解して電気回路基板を引っぱり出したのが
 左の写真で2枚の基板が入っており、L-W-Hサイズ
 は、125 x 30 x 27mmと63 x 35 x 15mmでした。
 これまでの経験からすると十分にゆとりのある駆動
 回路が作れそうです。
 但し電源スイッチや光量切り換えスイッチのスペース
 確保には注意が必要です。(タッチスイッチはハウジ
 ングにあったため本体では追加の体積になる。)


 またLED基板の固定は、片方は蛍光管の接続に使う
 ソケット(4Pだが必要なのは3P)を利用し、反対側は
 蛍光管の先端を保持するスプリングを利用すれば、
僅かな改造で実現できそうです。(右の写真の上は蛍光管のソケット側、下は蛍光管の先端保持のスプリングの部分。)

 回路的には減電圧用の抵抗は不要になるはずですので極
 めて簡単です。 但し左の回路にはまだ表現していないもの
 の、光量を下げて更に省エネを図れるものとしたいので、追加検討をする予定です。
 と言っても回路図にある62.5Ωの抵抗値を増加するだけなのですが、そのためのスイッチが
 うまく実装できなくてはなりませんし、スマートに組み込みたいところでもあります。




2009/04/24

構想の更なる詰め

 一時は光量の切り替えを考えていたのですが、その後必要ないだろうと思い直しました。
 従って電源ON/OFFだけの極めて簡単な構造になり、回路図そのものは前回紹介したもの
 から変わりませんが、LM317は低電流タイプ(最大100mA)であるLM317LZに変更します。
 LM317とは最大電流が異なりますが他は全く同じようで、低電流といってもLEDの駆動電
 流は20mAしかないので十分なゆとりがあり、取り付けスペースも小さくなります。

 電源スイッチはトグルスイッチを使い取付金具を介して駆動回路基板に固定します。 スイッチのつまみの先端はプラスチックカバーの合わせ目から出るよう高さを調整します。 実際にはこの基板は左に90度回転させて取り付きますが、LEDへの配線は上部に、電源コードは下部に、電源スイッチは下目の正面中心と恐らく外観的にも操作的にも一番都合の良い感じになると思います。

問題はランプ部分でして、まず15Wの折り曲げ式蛍光管の寸法を知る必要がありますが、
残念ながらメーカー或いは業界で公表している標準寸法がどうしても見つからないので、手
持ちの蛍光管の寸法をノギスで実測という方法を取っています。 このため標準寸法との差
異が生じる可能性がありますが、実用上の問題は起きないでしょう。

 その後描き上げた蛍光管の寸法図とにらめっこをしてLEDランプとして取り付け寸法的に互
 換性のある物の構造を考え図面化しました。 左がその図面ですがこれだけでは良く判ら
 ないと思います。 製作に入った後の写真も含めてご理解ください。

 材料としては4mm、9mm、10mm、12mm厚のシナ合板で何れも端材で賄えると思います。 LEDを半田付けした基板は溝を彫ってスライド式に装てんする、「PC周りの照明器具」と同様の取り付け方をして、修理やメインテナンスのために容易に分解できるようにします。

蛍光管の4ピンのコネクターは太さが2.4φですが、これは手持ちのM3のボルト(電気工作用で真鍮にニッケルメッキをしている)を削って、ネジ山部分を削れば直径2.4mm程度になるだろうと考えています。

このランプブロックは蛍光管と同様ソケットに挿し込んでからハウジングに押し込めばスプリングで支えてくれます。 LEDの先端は蛍光管の面より2mm程突出した位置として、なんらかにブロックされて照射角が狭くならないようにしています。 それと組み込んだ後にはランプハウジング周りであちこちに指を突っ込んでも感電することがないような配慮も無論してあります。

 そうそうLEDを固定する基板も配線の仕方を変更しました。 些細なことかもしれませんが、
 今回の仕様ではLED取り付け時の極性が84本全て同じ向きになることと、LEDの上下左右
 間の電圧差が小さくなるようにしたことにあります。 配線ミスの防止と100V以上の電圧を扱う心遣いを少しでもしているつもりです。

これで製作に取り掛かれそうですが、思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性もありますので、もう少々各部の確認をした上で製作に入りたいと考えています。



2009/06/12

LED基板、駆動回路基板の製作

本体の組立構造に若干の変更を加えた上で製作に取り掛かりました。 最初はやはり電気回路部分から開始ということで、LED基板と駆動回路基板の製作に入りました。  AC100Vを整流し定電流回路を通してLEDを駆動する方法としてはもう定番となった回路で、これまで何度か紹介していますが、駆動効率を最大化するためAC入力に入れる抵抗は10Ωとし1系統で42本の直列LEDを点灯しています。 同じことはオーブンレンジ゙の手元灯でもやっていますがその場合には1系統でしたが今回はその2系統バージョンと考えても良いでしょう。

また定電流の素子はLM317LZというLM317ファミリーの中で最も小さなサイズの物を使いました。 このICはLM317の最大出力電流を100mAに抑えた物でその他のスペックはLM317とほぼ同じです。 最大100mAということは殆どのLEDの場合十分な容量と言えますし、外形が小さいので、実装スペース節減になりますから多系統の駆動回路を考える場合には有力な候補となります。
(別に紹介している
LEDフラッシュライトでもこれを使っています。)

LED基板に84本のLED実装は3列にしていますが、構想段階でお見せしたようにかなり面倒そうな接続方法を取りました。
実際に面倒な作業でしたがこれには重要な意味があります。 84本のLEDを42本2系列で3列に並べた時の接続方法は下の図のように2種類あり、今回は2の方法を取っています。


それは何らかの理由で配線した隣通しが接触した場合に大きなトラブルになることを避けられる可能性が高いことを発見した点にあります。 例えば結線方法1で青の円内でショートが発生した場合ショート部位の電圧差は84V前後あります。 そしてショートした間にあるLEDは消灯し84Vの電圧が定電流回路に負荷となってのしかかります。 LM317の入出力電圧の最大値は40Vでそれを超えますから破壊される可能性があり、破壊モードが短絡モードであれば一瞬にしてLEDに高電流が流れLEDは少なくとも1本は破損します。 短絡モードがオープンであればLM317の交換で済みますが、何れにせよ何も起きないということはないでしょう。

それに対し今回採用した方法ではショート区間の電圧差は最大でも18Vとなりこれが定電流回路の負荷になりますが、通常の両端電圧が10V以下になっていますから18Vが加算されても40Vを超えることはなくLM317は破損しません。  従ってこのようなショートを起こしてもショート区間のLEDが消灯するだけで回路全体の全てが破損に繋がることがありません。

その意味ではオーブンレンジ手元灯の配線方法は1の方法を取っておりしかも隣どおしの最大電位差は126Vもあるので、安定性からするとイマイチと言えるでしょう。

小さなことですが、この辺りは製作点数が増えると共に少しずつ知恵が加算されてきており、そのひとつの例です。

駆動回路基板には後程現物合わせで電源スイッチを固定する台座をアルミ板で作らねばなりませんが、それを除いて電気回路は完成いたしました。

完成したLED基板と駆動回路基板。 駆動回路基板にはまだ現物合わせで電源スイッチを固定する台座をアルミ板で作る作業が残っています。  LEDの半田付けは少々ややこしい方法を取りましたので、かなり時間が掛かっています。

これまで使ってきたLM317は左側ですが、右側の今回使うLM317LZは大変小さく小信号トランジスターと同一サイズです。

LM317LZの実装部分。 かなりのスペースが節減できます。 LM317との違いは最大電流で100mAとなっていますが、LED用には十分。

本体のハウジング部分も一度完全にばらし、蛍光管ソケットから新たな3本のワイヤーを引き出して再組立しました。

駆動回路基板はこのように鉄板フレーム内に後ほど収まりますが、ハウジングからの3本のワイヤーは矢印先に結線されます。

LED基板を側面から見ると3列の外側のLEDは適当に外側に傾斜させています。 これにより照射範囲を拡大させようとしています。

LED基板の裏面はこんな具合でかなり手間の掛かる配線方法を取っていますが、既に解説の通り接近した場所のショートで破損する可能性を大幅に低めています。

完成したLED基板と駆動回路基板を結線しテスト運転をしました。 電圧計は定電流回路の抵抗の両端電圧を見ており、この値が1.25Vであれば安定領域にあります。


テスト運転時に確認した各部の実際の電圧は上の回路図に記入したとおりです。 基本的にオーブンレンジ手元灯の時と同じ駆動回路なのですが、2系列のLEDとした為か或いは部材のばらつきの影響か若干低めの電圧になっています。 LEDの平均Vfは3.0Vでこれも予測範囲です。

これからすると電灯線電圧が100Vから数ボルト下がっただけで20mAの定電流を維持できなくなり低下しますが、光量がそれに伴い低下するだけでしかも気が付くような低下には到らない筈ですのでこのままにしておきます。 どうしてもそれがいやであれば、1系列のLEDの本数を42本から41本に減らすだけです。 次回にはLED基板のホルダー製作、駆動回路と電源スイッチの実装の様子をお伝えいたします。



2009/06/26

LED照明ユニットの製作

LED照明ユニットの大半は4mm厚シナ合板で作りますが、シェード内のコネクターに接続するピンの埋め込みとLED基板挿入の溝彫りは工作精度が高くないとまずいので慎重に進めないとなりません。

ピンそのものは直径2.4mmで長さが7mm突出すれば良いのですが、10mm厚の合板に挿し込んで反対側は数mm出してそこにワイヤーを半田付けしたかったので、ニッケルメッキされた真鍮の2.6φ 20mmのネジを使いました。 無論真鍮は鉄よりも良導体です。
そしてそのままでは太すぎますので、ノギスで太さを確認しながらネジ山の表面をヤスリで削っています。 一見大変そうですが2.6mmを2.4mmと0.2mm削れば良いので簡単にできます。

そのピンを埋め込む部分は10mm厚の合板を使いましたがいきなり最終的な大きさに切断してしまうとピンを埋め込む穴の位置精度出しがさらに大変になるため、穴あけ後にピンを挿し込んでノギスで位置の確認をしてから外形部分を切断と言う手を取っています。(私が加工した物はネジの位置精度は±0.1mm程度になっています。)

LEDホルダーを挿し込む部分も同様の手順でホルダーが入る四角い穴を電動ジグソー(CJ-250)で切り抜いてヤスリで寸法出しをしてから外形切断をしています。(設計値に対し穴の大きさは+0.1mm、−0mmとしています。) 板の切断には背金の無いドウツキノコギリ(粋な奴)を使っています。 今回のような小さくて精度の高い切断を要求する場合に少々高いですがもってこいのノコギリです。

出来上がった2つの木片をエポキシ接着剤で貼り合わせて完全硬化後に外形の形を替刃式ヤスリ(M-20GP)で削りだしています。(こちらは突起部分を除き精度というよりも恰好良くするのが主目的で寸法精度は±0.3mm程度に仕上がっていると思います。)

そうそうこれらLEDホルダーの組立は接着ですが、接着面積の大小や接着強度の必要性に拘わり無く全てエポキシ接着剤を使っています。 その大きな理由は水分を含んでいないから!!で、100V以上の高電圧が掛かる部分ですので、枯れた材料を使い新たな水分を吸わせることを絶対厳禁としています。 後で油性ウレタンニスで湿気の沁み込みを防止します。

LEDホルダーにLED基板を固定する方法はPC周りの照明器具でやったのと同様コの字型のケースの内面に1.6mmのストレートビットで深さ1.5mmの溝を彫りその溝にスライドインさせる方法としました。 また完成後でも分解して外すことが可能になっています。

出来上がったコの字型の断面をしたLEDホルダーを既に出来上がっている接続ブロックにエポキシ接着剤で固定し、先端に基板の抜け止めのピースを作って完成です。

その後駆動回路基板を仮接続して通電テストをしましたが、ゆっくりとひとつずつの工程を確認しながら、また加工後の寸法確認には全面的にノギスを使って万全を期したため、これらだけで2日間を使ってしまいました。 但しこのテーマで最も緊張を強いられる部分は正にこれらの作業ですので、山を越えたことになります。

2.6φ 20mmのニッケルメッキ真鍮ネジのネジ山をヤスリで削って2.4φとしました。 上が研摩前、下が研磨後のアップの写真です。

4つのピンを挿し込むのは10mm厚合板ですが、穴位置は高精度でなくてはなりませんし、垂直にあけないとなりません。 私は電動ドリルアタッチメントを使いました。 穴あけ後ネジを挿し込んでノギスで位置の精度を確認したところ、±0.1mmでした。

その後に外形を大雑把に切り出します。 外形の寸法出し研摩は次の部材を作ってからです。

こしらは12mm厚の板から作るLEDホルダーが挿し込まれる部分ですが、穴を正確に加工することが肝要で、+0.1mm、−0mmの精度に納まるよう研摩しました。(確認には勿論ノギスを使っています。)

そしてこちらも外形より少し大きめに電動ジグソーで切断しました。

貼り合わせ位置を慎重に確認した後エポキシ接着剤で貼りあわせました。 絶縁不良防止のために木工ボンドは使いません。

エポキシ接着剤が完全硬化後に外形の成形を行いました。 使った道具は替刃式ヤスリ(M-20GP)のみで、相変わらず便利な工具です。 仕上がりの確認のために蛍光管と並べて撮影しました。 設計寸法どおりですが並べてみるとほんの少し大振りのようですが、ハウジング本体に固定する上で支障は無いようです。

断面がコの字型をしたLED基板ホルダーには1.6φストレートビットで彫った溝があり、基盤がスライド式で装填されます。

20φのラミン棒を高さ6.5mm、長さ20mmに切断し、研摩しました。 これがコの字ホルダーの先端に貼り付けられスプリング受けに嵌まり込みます。

それら4点をエポキシ接着剤で固定する前にランプハウジング内にきちんと収まるか確認してみました。 ご覧の通りピッタリ収まります。

ネジの頭をニッパーで切断しワイヤーを半田付けしてからネジを挿し込みました。 そして内側からネジの周りにたっぷりと液状瞬間接着剤を沁み込ませてネジを固定しました。

表面に出ているネジの長さは7mmとしています。 これより長くても短くても接続上の問題が起きるかもしれません。

LED基板にもワイヤーが半田付けされておりますが、基板を挿し込んでこの位置にて同じ色のワイヤーを接続して接続部分の絶縁をして基盤の下に押し込みます。

そして基板を更に押し込んでやります。
(註: 配線は塗装が終わってからやるので、ここではワイヤーの先端が表面に飛び出しています。)

そしてホルダーの先端はこのようになります。 右下に見えるのは基板抜け止めで、小さく切った3枚の木片をエポキシで貼り合せてあります。

それをこのように挿し込んで裏側から小ネジで固定するということになります。 こんな構造ですから分解してLED基板の調整・修理は容易です。

LED照明ユニットがうまく固定でき且つピン接続の問題が無いか確認後仮接続し、通電テストもしました。(右下の写真ですが明るすぎて周りが判らなくなるので、交流電圧を80Vまで下げて明るさを落としています。) 問題は全くなくLED照明ユニットは無事完成しています。



2009/07/03

LED照明ユニットの製作2

残る作業は塗装です。 小テーマにおける塗装は通常の塗装とは別な意味を持っています。 言うまでもなくAC100Vを整流してLEDを駆動する場合、直流電圧の最大値は130Vを超える高電圧になります。 従って感電事故が起きないような構造にすることは無論ですが、絶縁にも気を遣わないとなりません。

LED照明ユニットで一番気に掛かるのはピンの周りです。 +側と−側の間には100V以上の高電圧になるのと同時に、ピンとピンの間隔が数mmしかありません。 そしてピンを埋め込んだ材料は合板ですからこの合板が水分を多量に吸い込むと絶縁不良を間違いなく起こします。 従って絶縁不良を起こさないよう吸湿性を抑えてやろう!というのが塗装の目的です。

こんなことから水性の塗料や顔料の入っている塗料は駄目で、油性ウレタン透明クリヤーニスに限ります。 水性が駄目な理由は説明不要でしょうが、顔料が入っていると何故駄目かと言うと顔料は無機質の材料です。 そして何らかの導電性を有する材料が含まれる可能性があるからです。  そんな意味で油性ニス塗装後に油性ペイントで明るい灰色に塗装しましたが、ピンの周りだけはマスキングしてペイントは塗っていません。 また十分に沁みこむようニスは薄め液を20%程度加えています。 こうすると乾燥速度が遅くなりより深く沁み込みやすくなります。 こんな次第で通常の塗装と異なり仕上がり状態を余り気にしませんが、乾燥時間は3倍程度に延びるので作業時間は結構掛かります。

塗装後LED基板とピンの間を半田付けし結線部分には熱収縮チューブを被せて絶縁しワイヤーを基板の下側に折り込んで基板を奥まで挿入し固定してLED照明ユニット製作の全ての工程は終了しています。  ここで蛍光灯と照射分布や明るさがどう違うのかのテストというか確認をすることにしました。 例によって精密な測定が出来る器材はありませんから定性試験として理解した方がよいのですが、なかなか興味ある事実が判りました。 尚蛍光灯の方は27Wタイプですが、今回の測定のために蛍光管は新品(パナソニックのFPL27EX-N)を購入しています。

測定に際しては発光部分の長手方向が横になるよう蛍光管とLEDを2段重ねしています。 クランプやゴムバンドなどで固定しており、正確に平行が取れているかどうかは怪しく特に仰角には若干の狂いが目視で判りますが、そのまま測定に入っています。

違いの一番目は中心位置ではLEDの方が蛍光灯よりも明るかったということで、50cm離れた状態で、蛍光灯が1100ルクスに対しLEDの方は1900ルクスと約1.7倍の違いがありました。  LEDは84本を使っており同じLEDを80本使ったPC周りの照明が1mの距離で700ルクス取れていたのに対し今回は475ルクスとかなり低下しています。 これはLEDの間隔を広げたり脚を曲げて照射範囲を拡大しようとの違いによるもので、後述する照射範囲の大きさに現われています。

 第二番目は照射範囲の違いで、LEDの場合あるところ
 から急激に明るさが落ちますが蛍光灯の場合には離
 れるに従い徐々に明るさが低下するという違いがあり
 ます。 これはLEDの半値角に依存しており今回の
 LEDの場合50度ですが、100度以上の物を使えば蛍
 光灯とそれほどの違いはなくなるでしょう。

 但し照度が半分になる範囲はそれほど大きな差には
 なっていません。 左の図は測定結果を元に設置角度
 のずれを修正してLEDと蛍光灯で中心の明るさから半
 分になった範囲を描いたものです。

 これを見ると蛍光管の場合、蛍光管の長手方向では
 中心から400mm強、それと直角方向では400mm弱が
 照射範囲です。

 一方LEDでは長手方向が中心から300mm弱、それと
 直角方向では300mm強が照射範囲です。

 無論広い方が良いには違いありませんが、私にとって
 は十分な照射範囲です。 もっと広くしたい場合には
 半値角が更に大きな物を使えば解決します。 

尚前後方向の照射範囲を広げる策としてLEDの脚を曲げましたがその効果がでています。 横方向の照射範囲より前後方向が広いのは私の使い方ではありがたい結果です。   ところでPC周りの照明では1m離れた距離で横方向が835mm、前後方向は565mmでした。 50cmの距離では半分になると考えるとそれぞれ417mm、282mmになります。 今回の物は横が600mm弱、前後が600mm強ですから照射範囲はかなり広くなっています。 その為に中心位置での明るさは減少しているわけです。

尚消費電力の違いについいて言及しておきますと、蛍光灯はメーカーのスペックどおり27Wの消費電力であることを確認しています。 LEDの方は5.2Wno消費電力ですので、1/5以下となります。

私自身蛍光灯スタンドは平均して1日に10時間位使いますので1年間の電気代は\2,073になります。 また定格寿命は7500時間とされているので計算すると約2年で交換するようになります。 これらから10年間では\20,730の電気代プラス蛍光管交換費用が\6,720(今回購入した単価\1,344の5倍としています。)で、合計\27,450の出費になります。

これがLEDに替わると1年間に\399の電気代、寿命は10年以上ありますので10年間での出費は\3,990とその差は\23,460あります。    これからすると製作費用は\9,000ほど掛かりますが、4年弱で元が取れる計算となります。





その後LEDホルダーには板が湿気を吸って絶縁性が悪くなるのを防止するために、かなり薄くした油性ウレタンニスをたっぷりと沁み込ませて2回塗装し、完全に乾燥後全体を#400ペーパーで研摩後にスプレー塗料でお化粧しました。

但し接続のピン4本の周りはマスキングしてペイントで塗りつぶされないようにしています。(左の写真)  これは私が心配しすぎなのかもしれませんが、ペイントの顔料に導電性の成分が入っていると絶縁不良を起こす可能性があるためです。

塗装が終了しましたので最終的に結線をしてLED基板を所定の位置に固定しました。 蛍光管との外観の違いはご覧の通りですが、取り付け寸法だけは互換性があります。



照度分布の測定は2つの照明器具をこのように固定して行いました。 写真を見て判る通り光軸は完全に平行になっているとは言えないようで、LEDの方はほんの少し上を向いているようです。  これは測定結果にも出ていますが、所詮精密測定は不可能なので、その辺りをご理解ください。 

尚光源から測定位置までの距離は50cmとしています。 実際の使用状況ではテーブルトップまで40cm位に設定することが多いですが、1m離れたところでの明るさの換算が簡単に出来るので(50cmの明るさの1/4になる。)、50cmとしています。
実際に点灯した状態の違いで、左側は蛍光灯の場合、右はLEDの場合です。 露出は同一条件にしていますので、明るさの分布の違いが一目で判ると思います。  残念ながら照射範囲は圧倒的に蛍光灯のほうが広くなっています。 これは使ったLEDの半値角が50度でそれより広い範囲では急激に照度が低下してしまうからで、これでは狭過ぎるというのであれば、半値角がもっと大きな物を使うしかありません。 ところで中心位置での蛍光灯の明るさは1100ルクス、LEDの場合には1900ルクスの明るさでした。 従って前者は1mの距離で275ルクス、後者は475ルクスということになりますが、この写真からもその違いは判ります。

中心の明るさに対して半分になった位置を測定した結果です。 これを見るとLEDの方は実際には照射方向が少し上の方にずれていることがわかります。 またLEDの方は上下の方が左右よりも広い照射範囲になっていますが、これは外側のLEDの脚を曲げて照射角を広げようとした効果だと思われます。



2009/07/10

駆動回路組み込みから完成まで

もともとの蛍光灯スタンド本体は曲面のプラスチック成形品を最中のように貼りあわせた形ですから、駆動回路の組み込みは現物合わせでやらねばなりません。 組み込むスペースは十分に広いですがスイッチの先をスマートに出してやるのが見かけ上のポイントになると考え、極力低い位置で前面中央(丁度合わせ目になります。)に取り付けます。

先ず本体内のコの字型をした鉄板フレームの底からプラスチックの前面までどのくらいの距離があり、スイッチの先の先端を6mm出すとしたら、基板上のどの程度の高さの台(1mm厚アルミ板で作ります。)を作れば良いのかを作図的に求めました。 右の図はその様子を表しており、計算結果として1mmのアルミ板を使った場合、21.4mmの高さにすれば良いことが判りました。(図では鉄板フレームの底からアルミ板の台の裏側の距離で表示しているので、20.4mmとなっています。)

これに従い台を作って駆動回路基板にスイッチを実装後固定し配線を済ませました。 更に取り付け高さを調整後駆動回路基板を鉄板フレームに20mmのプラスチックスペーサーをかまして固定しました。  その後再度本体の仮組をしてスイッチの先端部分が出る位置を削って加工作業は完成です。

これでLED照明ユニットの配線も済まし本体を組立てれば完成なのですが、長年使って汚れていた表面を綺麗にしました。 それらの汚れは沁み込んだ汚れというかプラスチック自身の日焼け現象も含んでいるので、スポンジ研磨剤(極細目)で研摩しています。 研磨後の表面は微粒面になっていて汚れやすいので、水性フローリング用ニス(中光沢)を塗って保護しています。

駆動回路基板のこの辺りにアルミ板で作った台に電源スイッチを固定しないとなりません。 その高さを割り出します。

薄い鉄板で出来たフレームの中に駆動回路基板は落とし込みますが、20mmのプラスチックスペーサーを介して浮かします。

鉄板フレームの底からプラスチックカバー先端までは57mmありました。 採寸は全てノギスでやっています。

電源スイッチのツマミは全体をむき出しではなく、先端6mm位を出す程度にして体裁を整えたいと考えています。 これらより最終的に台の高さを21.4mmと割り出しました。

割り出した寸法を元に1mm厚アルミ板でスイッチの台を作りました。 バイス(万力)とペンチで曲げた力技ですから、若干いびつですが、肝心な高さは0.2mm程度の誤差に収まりました。

そしてLED駆動基板に固定し配線を済ませました。 赤のワイヤー2本は電源コードに接続されます。 また左端に半田で光って見える部分にLEDからのワイヤーを接続します。

20mmのスペーサーを挟みタッピングネジで金属フレーム内に固定しました。 スイッチツマミの飛び出しはこの程度です。

プラスチックカバーの合わせ目部分にツマミが通る穴をあけるため、削る範囲を鉛筆でマーキングしました。

反対側のカバーにも同様にツマミの通る穴を削り込み確認のため仮組立をしました。 これは完成後の前面下部の様子となります。 左の写真はスイッチがOFFの状態で、右のスイッチはONの状態です。 スイッチのノブはスタンド本体の色に近似のプラスチックであるため、あたかもずーっとこれまでこんなスタイルにデザインされていたかのように見えます。

LEDランプユニットからの配線と電源コードを接続しました。 後は本体を構成する2つのプラスチックシェルを被せて固定するだけです。

最終的な組立と回転部分の調整が終わり完成です。 メーカー名(SHARP)と品番(LS-U228)が見えますが、何かの参考のために消さずに残すことにしました。

完成した蛍光灯をLEDに置き換えた電気スタンド。 プラスチック成形部分は洗剤で洗った後に極細目のスポンジ研磨剤で磨きその後水性フローリング用ニス(中光沢)を塗りましたので、見違えるように綺麗になりました。(冒頭の写真と比較すると良く判ります。)

通常見る角度ではこれがLEDで作られているとはどなたも気が付かないでしょう。 但し下から見上げるとこのように沢山の光る粒々が見えますから、おっ! こりゃなんじゃ?となるでしょう。

これでAC100Vで駆動するLED照明の5作目が完成ですが、20年近く前に作られた蛍光灯電気スタンドはLEDと一新された電気回路と共にうまく再生されました。 早速私の書斎(作業室で1日で一番存在するところです。)に設置し使い始めました。 左側のモニターに被ることがなく必要な範囲を照らしてくれます。 これから暑くなりますが電気スタンドからの発熱量もぐーんと減ったのも嬉しいところです。

折りしもこの電気スタンドは7月に電球型LEDランプを新発売したシャープ製ですが、これを設計された方がこの記事を読まれたとしたらどのような感想を持たれるのでしょうか?



----- 完 -----

 
  
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