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CD ラック
2005/03/25

構想

 CD ラックにはテーブルトップ型やフロアースタンド型など様々
 なものが木、プラスチック、金属などでデザインされ、価格もこ
 れまたピンキリで販売されていますが、フロアースタンド型を
 作ってみようと考えました。
 素材としては勿論木材ですが、何にするかはまだ物色中です
 が極力安く作れ且つ味わいの出るものにするつもりです。

 現在想定している外観は左の図のようなものです。
 構造的には断面がコの字型をした柱に斜めの切込みを入れ
 ておき、この切り込みにCDを差し込むという寸法です。
 板取上の都合と倒れやすくしないために高さを90cm前後に
 とめておいた方がよいと考えており、その70-80%の部分に
 25mm間隔で切り込みを斜めに入れます。

 この25mm間隔はCDアルバムの最も多い厚みが10mm
 り、CDとCDの間隔が15mm前後になるところからきており、
 これ以上詰めるとCDを掴みにくくなるでしょう。

 こんなところからこのCD ラックに差し込めるCDの枚数は28枚
 と算出されました。 決して多くはないですが、この手のラック
 は一時保管場所的な使い方をする性格が強いので、適当な
 保管枚数でしょう。

 物色中と申し上げた材料は、シナ合板、ラワン合板、ラーチ
 (針葉樹系合板)、MDF、コンパネ、集成材、ムク板などが候
 補ですが、それぞれ得失がありまだ決めかねています。

 作り方の中では電動ジグソーで切り込みを入れる部分が鍵に
 なりますので、電動ジグソーで直線を比較的正確に切断する方法のコツを特に念入りにお伝えしようと思います。 製作時間見積もりは塗装を除き1日です。 



2005/04/01

製作その1

今回のテーマの製作上の鍵は何と言ってもCDを挟み込む28の溝をどうやって切るかにあります。
この溝の幅は若干のゆとりを見て11mmとする予定ですが、28 x 4 = 112回の切り込み作業をしないとなりません。 これは数が多いだけでなく傾斜が揃わなかったり、溝の幅が正しく11mmを保てなかったりすると大変みっともなくなります。
またそれらの切り口をヤスリで仕上げるのも数が多いだけに大変です。

この問題を実に明快にクリヤーするため専用の切断ジグを作ることにしました。 これによって極めて精度の高い切断加工が可能になります。 そして切断する道具は電動ジグソーとします。 
電動ジグソーで直線を切るのは難しいという相場ですが、こちらで紹介しているジグを使えば制限はあるものの正確な直線切りが実現できます。

 ここではその考え方を踏襲しながら更に今回のテーマの構造に特化したジグを設計しました。
 このジグさえ出来れば溝の幅は誰がやっても均等になります。 また正確に一定した傾斜で切断できま
 す。(ここでは10度の傾斜とした。) 更に仕上げ切りの替え刃を使いますので、その切り口はいきなり
 #240ペーパーで塗装前の研磨が可能になります。(手引きノコでの切断では#120 → #240のステップ
 が必要です。)
  ジグを作るのに余計な時間が掛かりますが、ジグ無しで切断加工するのとトータルで
 は短い所要加工時間で終わるでしょう。(加工中神経質にならなければいけない部分が大幅に減少す
 るからです。)
  左の図が全部材の寸法図ですが、6 - 9 がジグを作るための部材です。

 材料については散々悩んだ挙句いつもと同じシナ合板の採用に落ち着きました。
 その理由は極力スリークな感じにしたかったのと電動ジグソーで正確に直線切断するには板厚を薄くし
 た方が有利であるため板厚を9mmに抑えたかったのですが、ラーチ、コンパネ、OSB、ムク板にはその厚さの物がなかったこと、MDFでは9mm厚の物があるがもろくて櫛型のCDホールド部分が折れやすいことが挙げられます。
私は木目優先でシナ合板を使いましたが、それより安いラワン合板でも強度的に劣ることはありません。 またランバーコアでも良いですが、木口の見え方は合板の方が綺麗になると思います。

 最も高価なシナ合板を選んだ替わりにその板取がかなり良くなるよう、また加工回数も減るように再設計
 し、サイズの微調整をいたしました。 冒頭に掲げた構想図面もその変更を反映させて入れ替えました。

 左はその板取図ですが、ホームセンターで販売されている900 x 600mmにカットされた合板1枚でかな
 り効率の良い板取となっています。

 今週はそのジグを製作して斜めの溝を切断するところまでを紹介しますが、そこまでがこのテーマの一番面倒なところであり、後は楽に進みます。 それらの様子は上の部材寸法図、板取図と共に次の写真をご覧下さい。

CDラック本体と直線切りジグを作る全材料。 部材寸法図、板取り図に番号はリンクしています。

先ずジグの組み立てから、3.5φ16mmタッピングネジだけで組み立て、接着剤は使っていません。

次に各部材をこのように並べます。 の幅10mmのスペーサーだけは判りやすいようにマジックで緑色に塗りました。

ブレードを外したCJ-250をこのように置き、で両側から挟みきつからず、緩からずの状態にします。また下に斜めに入っているには軽く当たるように挟みます。

そして矢印部分を上から3.5φ16mmタッピングネジで固定します。 CJ-250を前後させてがたがなくスムーズに動くようであればOKです。

最後にをこの位置に挟んでネジで固定します。 は指定した切断長さとするためのストッパーになります。 これでジグは完成です。

ジグを裏から見るとこんな具合になります。 CDラック側板となるは軽く挟まれているだけです。

いよいよ切断開始ですが、その前にCDラック本体の側板()2枚を揃えてクランプで両端を固定します。

その木口に切断位置の印を付けます。 写真の左側が実際の上で、最初の印は133mmの所ですが、実際の切断位置は40mmです。 その右に25mm間隔で合計で28箇所の印が付きます。

側板()の上側を左にしてその上からジグを挟みジグとをクランプで固定します。

左の写真の四角の中の拡大で、に付けられた左端の印がジグとの角に一致するようにしておきます。(矢印の先)

のスペーサーをここに挟み、切断開始です。 切断速度をあまり早くしないように、またジグソーの先端がストッパー()に当たるまで切り込みます。

最初の切断が終わってジグソーを引いた所です。

次にスペーサーを反対側に移動して2回目の切断をやります。

2回目の切断が終わり、ジグソーを引いた所です。

1回目と2回目の切断が終わった状態のクローズアップ。 この後クランプを緩めジグを次の目盛りの位置に移動して3本目と4本目の切断に進みます。

4本目を先に切ってから3本目を切断している所ですが、1本目と2本目からジグを移動した分だけずれていることが判ります。

これを繰り返して56本の切断を終わった本体側板です。 傾斜は10度になっています。

2枚の側板は別々に切断しますが、切断位置のずれはごく僅かで、問題にならない量になっています。(注意: 面倒くさがって2枚を重ねて一度に切ろうとすると板厚が厚すぎて正しく切れなくなります。)

無事目論見どおり切断が終わった側板。 簡単なジグですが完璧な仕事をCJ-250と共にしてくれました。



以上の作業は馴染みのない方が多いかもしれません。 そして一見ややこしそうに見えますが、実際には上の説明どおりにやれば簡単です。 部材切り出し開始からここまでの作業時間は半日あれば終わるでしょう。 (私自身は構造検討と設計をして実際に作って確認・検証しないと責任を持って紹介できませんので、かなりの時間が掛かっていますが。)



2005/04/08

製作その2

斜めに切込みを入れた側板はCDが入る部分の溝を作るべく切り落とさねばなりません。 その方法としてはノミで切り取る方法と電動ジグソーで切り取る方法の2つがあります。  後者については曲線状に切り取りながら数回往復してやりますが、前者は表側に垂直の切込みを入れ、反対側から同様に切り込みを入れることで切断できますので、作業性がかなり良くなります。

後に掲げる写真では両方のやり方を説明しますが、私はノミで切り落としました。 所要時間は2時間強といったところだと思います。
そのノミの使い方については使用頻度が少ないためこれまで解説していませんが、切り落とし作業ということで、標準的なやり方について少々詳しく解説しておこうと思います。

ノミをまず切断する位置に当てます。 ノミの刃が斜めに研磨された側が切り落とされる方になる点に注意しましょう。
そして垂直に4mm程度、板厚の半分近くまで打ち込みます。

ノミを緑矢印方向に動かして抜くのは刃を痛めるので厳禁です。 ノミを抜くには刃先と平行方向にノミを動かします。
そしてノミを抜くと左の図のような切り込み跡が残ります。

次にその切り込んだ位置から10−15mm離れた位置にノミをこのように斜めに当てます。
次に刃先が先ほどの切込み位置に到達するまで打ち込みます。 

この時に切り屑を取り去るため緑矢印のように刃先を起こしてやるのは、刃先を痛めるので厳禁です。 大工さんがこのようなやり方をしているのを見かけますが、自分で刃研ぎが出来て刃先が欠ける加減を熟知していて初めて出来る技です。
板をひっくり返して反対側から切断位置にノミを垂直に打ち込みます。

この場合も一気に打ち込むのではなく、2−3回に分けて打ち込む感じが良いと思います。
そうすると切り離されますが、切断面にはバリが残っていたりすることが多いですから、ノミで削り取るかヤスリで仕上げます。


CDが挿入される溝を切断したら残りは比較的単純な木工ボンドによる接着作業ですが、の部材3枚を貼り合せる時は貼り合わせ後の直角度がかなり重要ですので曲尺を使って慎重に調整しておきます。(この調整がいいかげんだと柱が垂直に立たなくなってしまいます。

それ以外の作業は難しい所はありません。 写真をご覧になればそれらの要領は充分ご理解願えると思います。

私が使っている替刃式ノミ。 ノミ柄1本に4種類の替刃(30、24、12、9mm)を使用。 mini-Shopで販売開始した物と同じです。

切断位置にノミを垂直に立てます。

数回玄翁で叩きノミを引き抜いた所。

少し離れた所からノミを斜めに当てて叩きます。

このように削れ落とせました。

板をひっくり返してノミを垂直に当て数回玄翁で叩けば、ぽろっと取れます。

こちらは電動ジグソーで切り落とす方法です。 赤線で示したような半径にかなり小さい丸を描くように切り込みます。

1回目の切り込みが終わった所で、次に赤矢印のような切込みをします。

2回目が終わりました。 未だ直線状に切り落とせていないので、赤線のような方向で成形します。

電動ジグソーのほうが作業時間は掛かりますが、結果としては同じように切り落とせることが判ると思います。

CDを挿入する溝が切り終わった2枚の側板。 まるで「象のクシ?」みたいです。

さて 、そしてを3枚を貼り合わせてしまいます。 クランプでしっかりと圧着します。 台座の方は固着後周りの段差をカンナで削り、木工ヤスリで仕上げておきます。

3枚貼り合わせるは、ひだりのこの位置と、右のこの位置の直角度が重要ですので、曲尺ではかりながら充分調整しておきます。  また接着剤硬化後に木工やすりで重ね合わせ面を削って平らにすると共にもう一度直角度を確認します。

を3枚貼り合わせたブロックを側板の下部に接着します。 ここでは30mm仮釘を使って圧着保持しています。 仮釘は比較的薄い板用の圧着保持用の釘ですが、釘穴が小さくて目立ちにくいので便利です。

固定する位置関係はこんな具合です。 側板の切り込みの方向と、ブロックを片側にずらす関係を間違えないように!

問題ないはずですが、再度直角度を確認しておきましょう。

残りのの板を上部先端に貼り付けます。 やはり仮釘で圧着保持しています。

次に背面の板を貼り付けます。

最後に反対側の側板を貼り付けて本体柱の組み立て終了です。


 木工ボンドが硬化後、仮釘をニッパーで引き抜き、を重ね合わせた台座の裏から40mmスレンダースレッドネジで所
 定の位置(部材寸法図面に描いてあります。)に固定します。 この固定は仮止めで、後日塗装終了後に接着剤と共に
 最終固定します。


完成したCDラックに早速28枚のCDを差し込んでみました。 真上から見て回転方向の捩れが若干起きますが、細身で薄い板を使った割には前後・左右方向へのふらつきはありません。 シナ合板が高いといっても\2,000以下の材料費でした。 この後の塗装で外観のバリューは決まるとは言え、自作する意味が十分あるように思います。

CDラックを正面、側面、背面から見た所です。 解説の中でしつこいくらいに直角度!、直角度! と申し上げたのは、柱を台座に対して垂直に立てるためです。 簡単な構造とは言えこんな点を注意深く作業すれば傾いて立つようなおかしな物にはなりません。 また柱を台座に固定するのに40mmネジを4本も使ったのもぐらつきが出ないようにするためで、最終的には接着剤併用で固定すれば更に安定します。



2005/04/29

塗装

塗装については3段重ねのテーブルと一緒に実施しています。 こちらからその様子はご覧下さい。 以下は塗装が終了し完成した写真です。

       目標にしていたエメラルドグリーンはうまく出せたように思います。 上のほうの無塗装と
       比較すると無塗装の味気なさが良く判ります。


----- 完 -----
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