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蝶番の使い方
2004/07/30

 蝶番は扉の開閉を始め様々な局面で使われる金物であるが、大別すると、1.金属板を曲げて作った
 2枚羽根構造のタイプ
2.ダイキャスト製のミシン蝶番やアングル蝶番と呼ばれるようなもの
 3.回転軸が移動するタイプ(スライド蝶番)の3種類になる。

 3.のスライド蝶番に就いては、mini-Shop内の技術解説、 吊り戸棚の製作解説
 アマチュア的手法の設計編、 アマチュア的手法の加工組み立て編などで詳しく解説しているので、
 そちらを参考にしていただきたい。

また2.のタイプは使用する頻度が低いことと使用に当たってはメーカーの技術/使用説明に従うしかないのでここでは触れない。

ここでは最もポピュラーな2枚羽根の蝶番を正しく使う方法について詳しく解説したい。


2枚羽根蝶番の種類

2枚羽根蝶番にも結構色々な種類のものがあり、材質で言えば、鉄製、ステンレス製、真鍮製、アルミ製、プラスチック製などがあり、構造的には各羽根を回転軸を中心として折り曲げて作ったもの、羽根の端を回転軸の周りに巻きつけたものがある。

 更に構造的には一般に見過ごされることが多いのだが、
 背押し無し蝶番と背押し付き蝶番とがあり前者は小型の
 ものに、後者は大型のものに多いようである。

 実はこの背押し付きと背押し無し蝶番を正しく使うにはあ
 る約束事を知っておかねばならない。
 背押し無し蝶番は羽根を広げた時に回転軸がオフセットし
 ていて片面は完全にフラットになりどちらかというと小型の蝶番に多い。 この蝶番
 を単純に取り付けると、蝶番を折りたたむようにした時に取り付け部分の間には蝶
 番回転軸の外径に等しい隙間が出来てしまう。

 一方の背押し付き蝶番は広げた際に回転軸の中心が羽根の面を通過するような
 構造になっている。 そしてこの場合には単純に取り付けた時の隙間は蝶番の板
厚の2倍になる。

 一般に蝶番の羽の厚みは回転軸の外径の数分の1しかないからこれらの隙間の差は結構大きい。
 そしてこの隙間は作るものによっては好ましくないのでこれをゼロにしようと考えた時には、背押し無し
 蝶番では、回転軸外径の半分の彫り込みをしないとならない。

 実際にやってみるとこれは結構な深さだ! そしてこの深い掘り込みが出来栄えを悪くしてしまう場合も
 ある。  一方背押し蝶番の場合には掘り込みの深さは羽根の厚み分だけで済むので加工作業は比較的容易であるし、外観上も良好である。


蝶番の正しい固定方法

 蝶番の固定方法の基本は簡単なのだが意外に守られていないことが多い。 その最も大きな原因は扉
 全体の取り付け位置を調整するため本来あるべき蝶番の正しい取り付けが結果としてないがしろにされ
 ることによる。 扉と扉枠の大きさやゆがみの調整はあくまで扉や扉枠側で行い、それが蝶番取り付け
 位置に影響を与えないようにしたいものだ。

 具体的な正しい取り付け方や間違った取り付け方については左の図をご覧いただきたいが、ご存知のよ
 うに一度取り付けてしまうと位置の調整は不可能であり、きちっとした収まりを得るのは意外に難しい。

 そういった点でスライド蝶番の場合一見使い方が難しいように思えるがその勘所をつかんでしまうと、取
 り付け後の位置の調整が可能なことから収まりが極めてよいものの製作が容易であるので、是非とも一
 度試していただきたいと思う。




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