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地震対策用の金物
 
2006/07/21  以前D.I.Y.雑談に含まれていたものを再編集しました。

大地震による被害防止の必要性の認識が大変高まっています。
私が作る大型収納家具は全て家屋に固定しておりますから、転倒防止という意味での地震対策が施されており家屋そのものが倒壊しない限りそれらの家具が倒れたり壊れたりする心配はありません。
また既成家具などの転倒防止法についてはこちらで触れていますのでそちらを参考にしていただければと思います。

しかし家具が倒れなくても家具の中に入っている物品の飛び出しはまた別な問題です。 引出しの一部が飛び出すのはあり得ても引き出し全体が飛び出すことはストッパー付きのスライドレールを使っている場合まず起こりにくいでしょうが、開き戸になっている収納部分の中身は別です。 大きな揺れで扉は簡単に開き中のものは飛び出してしまうでしょう。

前述の転倒防止法の最後にこうような扉が開いてしまう問題を解決する方法として「感震君」を簡単に紹介していますが、もうひとつのソリューションがありますので、併せて詳しく紹介いたします。

1.感震君
この部材は2つから成り立ちそれぞれを扉裏側及び内部に固定してやります。 地震の揺れにより収納内部に固定した部材からロックピンが落下して扉に取り付けられた部分に引っ掛かり扉をロックしてしまう構造になっています。

感震君は強化プラスチックで作られた2つの部材からなっています。

こちらは収納部天井に固定される地震感知部を上から見たところで、中央やや左上部に見えるスチールボールは揺れを感知する部品のひとつで、底の部分にもう1個のスチールボールが入っています。

感知部を真横から見たところだが、下に突き出ているピンは揺れを感知すると飛び出してくる仕組みになっています。
感震君の基本的な取り付け概念で木ネジを計7本使います。

地震を感知すると感知部に仕組まれたピンが落ちてアームに引っ掛かるため扉が開かなくなる!という仕掛けです。

この部材のメリットは既存の家具に取り付けやすいことが最大のメリットです。 通常はその存在を全く忘れるようなスムーズな動作が出来る点も優れています。 また電子回路を全く使っていないのでランニングコストはゼロであり、感知部は密閉構造だから長期間の作動信頼性も高いです。 デメリットとしては収納部内部に感知部を取り付けるためその周辺と下部(アームが位置する)に物を置けないことがあります。  この部材の詳細な寸法図、取り付け参考図はこちらからご覧ください。


2.耐震ロック金物「LAロック」
前述の感震君が地震を感知してロックを掛けるのに対しこちらは扉を閉めた際には常にロックが掛かっている! つまり地震を感知する機構がありません。 それではロックとロック解除の操作が面倒かというとそんなことはなけ、実はツマミを引っ張る操作(扉をあける操作)がロックの解除に連動しています。 よってロック、ロック解除という操作を意識することなく使用できるわけです。

耐震ロック金物「LAロック」の取り付け図。

構造が判りやすいよう一部の部品を除外しました。 上に見える本体側に固定するプラスチックにくさび状の爪が噛み合ってロックされます。 白い縦長の部分を扉の裏に固定します。

動作を理解しやすくする為爪の引っ掛かり部分を取り除きました。 扉をあけるのにツマミを掴みます。

ツマミを引っ張ると上に出ていたくさび状突起が沈んでロックが外れる! という仕掛けです。

この金具はツマミと連動するので、ツマミが裏から1本のM4のボルトで固定されているタイプである必要があります。 従ってインチネジを使ったツマミや2本のネジで固定されたツマミには適用できません。 但しこれを取り付けることにより収納内部を喰うスペースは感震君よりも少なくて済みます。 それと中から重量物が扉に当るとロック部分が耐えられなくなる場合もあるので、補強策が必要になる場合もあります。

「感震君」は同等の性能を維持しながらより価格のこなれた「感震君2」にモデルチェンジされました。
詳しくはこちらをご覧下さい。




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