HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop


 
トイレ内の製作テーマ
   
2003/01/06

構想

 昨年製作プランに入れたもので着手しなかったテーマとしてトイレットペーパーホル
 ダーとトイレ内の収納というのがありました。 遅ればせながらこれらを製作しようと
 いうのがこのテーマです。
 トイレットペーパーホルダーを製作するというのはどう考えても割に合わないテーマ
 かもしれません。 というのも市販品で価格もこなれていてワンタッチでペーパーロ
 ールを装填できるものが容易に購入できるからです。  それらの素材は圧倒的に
 プラスチックが多いですが、清潔さを保ち易く柔らかな曲面を型物により量産可能な
 プラスチック素材の利用は大変合理的であり、目立った欠点などありません。

 事実左の写真にある我が家の現用の物に全く不満はないのです。  しかし木工
 製に拘り出すと話は変わってきます。 ないことはありませんが自由にデザインや
 色を選ぶなんて大変困難になってしまいます。 そこで自作してみようというのがこ
 のテーマの発想のひとつです。

もうひとつ平行して進めたいテーマがあります。 こちらは木工のトイレットペーパーホルダー以上に私にとっては早く作りたかった物で、それがトイレ内の収納です。 収納とは言いながらそこに収めるのはA4サイズ或いはそれを半裁にした紙と筆記用具です。
これを何に使うかというとトイレ内で用足しをしている際に気が付いたアイデアを即書き留めるためで、全く一般性のない変な使用目的ですが何に気が付いたかどんなアイデアだったかをうっかり屋の私は忘れてしまうことが多いので、結構真剣なテーマです。

2つのテーマを一緒にしようと考えているのは、我が家にはトイレが2ヶ所あり、トイレットペーパーホルダー単体と後者のトイレ内収納にトイレットペーパーホルダーを組み込んだものを平行して製作しそれぞれに設置しようと考えているからにほかなりません。


基本寸法の調査と仮設定

やみくもに設計に突き進んでも実用性に富んだものは作れません。 そこでトイレットペーパーロールの基本寸法を調べてみました。 小型のコンベックスを持参して数件のスーパーマーケットに行き、異なるメーカーのロールの寸法を測ってみたわけです。 偶々比較的混んでいる時だったので、店員さんに見咎められることもありませんでしたが、店員さんが見ていたとしたらかなり不思議な光景だったことでしょう。

その結果を集計してみると以下のようにロールの幅、直径、軸の入る中央の芯の内径にかなり幅があることが判りました。

  ロールの幅: 110mm-120mm
  ロールの直径: 95mm-120mm
  ロールの芯の内径: 25mm-30mm


もっと調べれば更に違った数値が出てくるかもしれませんが、調べたペーパーの全てが使えるようにするためロールの幅と直径は最大のものを採用し芯の内径が調べた値内で問題ないような基本構造を考えました。

 左の図がそれでこれで設計が終わったわけではなくまだまだ付帯部分の検討せね
 ばなりませんが、抑えるべき基本寸法はほぼ決まりました。

 実寸大で描いたため1画面で見えず理解しにくいかもしれませんが、上段と下段に
 2種類を描いてあります。  上段は最もポピュラーに見かけるロールのワンタッチ
 ローディングを下から押し上げてするタイプで、ペーパーホルダー独立型に使おうと
 考えています。

 下段は左側のロールを保持する板が横に開く構造になっておりこの場合はワンタッ
 チでロールを装填できませんし片手操作も出来ませんが、昔金属製の枠にプラスチ
 ックの芯棒を挟みこんだやつよりは操作勝手の良い物をと考えています。
 ワンタッチ装てんできないこれをなぜ考えたかというと上段の最もポピュラーなタイプ
 は上にロールの直径以上の空間がないと装填したロールを外せません。
 例えば直径が120mmの場合120mm以上の空きが必要になります。

 トイレ内収納に組込むペーパーホルダーは収納の下に取り付けようとしています。
 この時に120mmもの空間を空けるとペーパーホルダーが下になりすぎるか収納
 部分が上にずれすぎて使いにくくなってしまうため、パーパーホルダーの上に余計な空間を必要としない構造でなくてはなりません。 実は同じ目的を達成するもう一つの構造を検討中なのですが、手作り木工でうまく作動するかどうかの自信がないためまだご紹介できる段階には至っておりません。

今回お知らせできるのはここまでですが、本格的な設計は近日中にまとまると思います。 あまりメリットがありそうなテーマではないとは言え、私自身はからくりの部分も含めて興味が結構あります。



2006/01/20

ペーパーホルダー単独版の製作

 基本寸法が決まったので具体的な製作としてペーパーホルダー単独版の製作に入りました。
 その後あーたらこーたらと考える中で基本寸法は尊重しながらももっと実用的かつ実際的な構造と
 いうことで左の図のように3点の変更を加えてまとめ上げました。

 それら変更の第一は曲面のふたをつけたことで図では緑色で表しています。 この部分を木製に
 拘るかプラスチックの板を曲げるかなどまだ考えがまとまっていませんが、これがないとミシン目の
 ないペーパーはうまくカットできませんから必ず必要になります。 
第二は壁にネジ止めするための裏板の追加で9mm厚の合板を使うことにします。  そして第三はロールペーパーを受ける左右のアームの回転機構で、最も簡単に出来そうな蝶板を回転軸として使うことにします。 またこのアームは自重と若干緩めの蝶板の軸部分で、ロールを装填する際所定の位置に収まることを期待しています。  市販のホルダーではここにコイルスプリングを嵌め込むなど手のかかることをしていますが、多分これでもうまく動作するであろうと想像しています。(動作がまずければ次の手は考
えていますが?!)


使用する材料は厚さ12mm9mm5.5mmの3種類の合板です。 大きなものが必要ではないのでまたぞろ端材を使いました。 曲面のふたの部分だけはまだ考えあぐねていますから何を使うか決まっていません。  それ以外に必要なのは蝶板が2種類各2枚ずつですが、以下の文中を参照ください。

切り出す部材の詳細は右の図を参照ください。 この中でロールを受けるアームの部分は判りやす
しようと立体的に描いたつもりですが、かなり稚拙なために後ほどの写真を見たほうが理解しやす
いと思います。

といったところで、構想段階ではえらく難しそうなことをやりそうな感じでしたが、このテーマは日曜
大工入門テーマに入るべきものだと思います。 そして私のように端材だけで作れれば、材料費的
にも市販品を買うよりもメリットが出てくる?かも知れません。 残るは外観ですがこればかりは完
成してみないとなんとも言えません。

ということで以下の写真と解説で曲面のふたを除いた部分までの製作の様子をご覧下さい。

切り出したふたの部分を除く全ての部材。 合計7点しかありません。

左の写真の右下にあったロールペーパーを受けるアーム部分を上から見た。 角は替刃式やすりで丸めて最後にスポンジ研磨剤の細目(#240-#320)でつるつるに磨き上げた。

同様に左は横から、右は先端方向からみたところ。 丸め具合は適当だが表面はロールの芯とこすれ合うため余計な摩擦が出ないようにすることが肝心。 すべりを良くするため仕上げの段階でニス塗りしてから床用のワックスを塗ることを考えている。

12mmの板と5.5mmの板を貼り合わせます。 左右では穴の位置が反対になりますので、間違えないよう注意が必要です。

5.5mmの板はこのように9mmの背板を当てたとき僅かに突出するよう(矢印部分)貼り合せるほうが仕上がりが良くなります。(この部分は見えなくなるが?)

木工ボンドが完全に硬化したら貼り合せた木口面を粗目ヤスリ、替刃式やすりにより所定の寸法と曲面になるよう削ります。

そしてボーズ面ビットBZ-10G)を使って表側は片ギンナン面、内側はボーズ面で切削し、スポンジ研磨剤(細目: #240-#320)でつるつるに磨き上げました。

研磨した片ギンナン面のアップ。 この段差がひとつあるのが片ギンナン面と言われますが、段差は約1mmあります。 右はそれを真横から見たところで、片ギンナン面(上側)とボーズ面(下側)の違いが判るでしょう。


 と、ここまでとんとん拍子に進んできたのですが、何とロールを受けるアームが納まる切抜きの高さが10mmも低いことに
 気が付きました。 設計図面の寸法値を間違って37mmと記載したのが原因ですが、貼り合せてしまった為ノミで10mm
 削りだすという余計な作業が入りました。  猿も木から落ちる! 弘法も筆の誤り!のお粗末です。

 (設計図の寸法は修正をしてあり正しくなっています。)



蝶板は幅が20mmの小さなもので、ネジ止め不可能でしたのでエポキシ接着剤で貼り付けました。 間違っても回転軸に接着剤がつかないよう要注意です。

固定位置はこんな按配です。 回転軸にエポキシ接着剤がつかないようアームの角を若干落とし回転軸が1mmほど突出するようにしています。

そしてそのアームを即板内側の溝に固定しますがこちらも蝶板にエポキシ接着剤を塗って貼り付けました。 これも回転軸に接着剤がつかないよう細心の注意を払います。

アームの片面は溝にぴったりと接し、しかも垂直に立つように固定する必要があります。

更に背板を木工ボンドで固定し曲面のふたを除いて完成しました。

ロール受けアームは下から指ではじいても自重でこの位置に収まっています。 回転軸が渋いとこうはなりません。

真正面からみたところ。 左右のロール受けアームはほぼ1直線になっているようです。

どうということはありませんが背面です。 この板にネジ穴をあけて壁面に固定するようになります。


 一応使えそうなところまで出来上がりましたが、まだ若干の改造と言うか調整が必要でした。
 市販品のペーパーホルダーでは回転軸にコイルスプリングを取り付けて常にアームが水平になるような力を加えていま
 すが、その機構を真似るのは難易度が高くなるので代案として考えたこの簡単な機構では、アームが確実にロールの芯
 に嵌り込むという点でいまいちの状態でした。 

 原因はアームが水平になるための復元力不足で、こうなる可能性は考えておりましたので改善の手を打つことにします。

  1.アームを水平方向に押す力を加える。
    何らかのスプリングを側板の溝に取り付けアームが水平方向に倒れるような力を与えてやります。 僅かな力で良い
    のでスポンジゴムをスプリングとして使ってみることにします。

  2.アームの自重を増加させる。
    1.をやっても不十分な場合にはアームの自重を増やして復元力を増大させます。 特に先端が重くなれば効果が
    あるはずですので、先端に穴をあけて釣に使う板鉛を巻いて差し込んでやる方法が考えられます。


 その改良策を実施したところ1.だけで十分安定した動作をすることが確認できました。 従って2.については試しており
 ませんが、蝶番が軽やかに回転しない場合には2.の対策も必要になるかもしれません。




適当な大きさに切断して貼り付けたスポンジ。 これは梱包の緩衝材として入っていたものを流用しましたが、スポンジタワシとほぼ同じ発泡の程度です。

正面から見ると側板より僅かに突出しています。 アームが上に上がるとスポンジを圧縮するためアームを下に押し下げる力が働く!というごく簡単な機構です。 

完璧な動作をするトイレットペーパーホルダーが完成しました。 ペーパーもスムーズに引き出せます。 残るは曲面のふたをどう作るかですが、これなら!という純木工のアイデアがありますので、次回にお知らせいたします。



2006/01/27

ふた(カバー)の製作

ふたの部分は2次曲面で作りにくい部分ですがこれがあるとないとではペーパーカットのやりやすさが大幅に変わります。  構想段階ではこの2次曲面をどうやって作るか? 金属板、プラスチック板を曲げる方法も含めていろいろ考えましたが、やはり木工で
行こうということで4mm厚のシナ合板を曲げることにしました。

 さて4mm厚のシナ合板をどのように曲げるかです。 4mmシナ合板のプライ数(重ね
 枚数)
は3枚で、表裏のシナの表面は約0.4mm、中心が約3.2mmのラワンというのが
 最も多いと思います。(左の写真)

 これを見た目に一番自然な感じがする木目と直角方向に曲げることにします。 そうする
 と真中の層は木目方向に曲げないとなりません。 実はこれは曲げにくい方向ですの
 で、曲げ易くなるように内側に切込みを入れてやる方法を今回は取っています。

 板厚が4mmですから内周と外周の差は、4 x 2 x 3.14 = 25.1mm になります。
 カバーの曲面部分は角度にして45度程ですから、直径120mmのロールペーパーに外
 周で接触させると仮定すると、カバーの曲面部の外周は約50mm、内周は上記の数値
 の1/8の約3.1mm減るように切込みを入れればよいことになります。

そこで曲面となる内面に5mm間隔で大型のカッターナイフを使い15本の深さ3mm強の切込みを入れまし
た。 実際にはこのうち50mm幅を使いますが、カッターナイフの厚みはノギスによる実測で0.4mmありま
したので、実際に使う10本の切込みの総幅は4mmとなります。 これは上記の3.1mmより大きいですが、切り込むときに板材を圧縮するので若干幅を大きめにした方がよいだろう? という想定からです。

実際に以上の設定で製作してみたところ、もくろんだ通りの曲面が出来ました。 そのあとその曲面を維持
できるように薄くした油性ニスをたっぷりと沁みこませて切れ目の部分を固めました。 接着剤としての役割をさせたわけです。
こうして内部の面をニスで固めてから最終的な寸法に成形しました。 小型の蝶番を使ってこれを本体に固定し、更にカバーの上面及び全体をニス仕上げし完成しました。

以上の解説も文を読んだのではいまいちピンとこないかもしれません。 以下の写真と解説でそれらをご理解ください。

大型カッターで切込みを入れているところです。

切り込みが終わったところです。 ところでこの板は実際の寸法より大きいまま加工しています。 最後に現物合わせで寸法調整をします。

切り込んだ断面のクローズアップ。 深さは目検討ですが3mm強に揃えています。

その切込みを入れた部分の表裏を水で濡らし十分に沁みこませます。

そうしたら何らかの曲面(ペーパーロールの直径より若干小さいものがベストでガムテープのロールの直径が115mmと好都合でした。)に当ててクランプで中央を固定し更に紐で縛って曲面に沿わせてやります。

それを内側から見たところ。 ガムテープのロールの外周に密着しているのが判ると思います。

3時間経って表面が乾燥したらガムテープは外しますが、内側は濡れているので、紐は外さないまま完全乾燥のために8時間ほど寝かせました。

一旦紐を外してペーパーロールに当ててみました。 曲げた板は若干開いてこんな感じになればOKです。

次にその状態を保てるよう再び紐で外周を縛り上げます。

そうして20%の薄め液を加えた油性クリヤーニスをたっぷりと沁みこませるように塗ります。(塗装というよりも切り込んだ隙間の接着が目的ですから、塗装の常識とは違ったやり方をしています。)


 3時間経つと指触乾燥状態になりますが、再びたっぷりと塗って3時間後にもう一度塗装と3回塗ってから12時間放置して
 完全に乾燥させます。 内部に沁みこんだニスまで乾燥しないとその後の作業で切れ込みの部分がはがれてしまう心配
 があるためです。


 

 カバーは蝶番を使って本体に固定しますが、販売されている蝶番そのままではどうもうまくありませんので改造しました。
 そうする理由についてはこちらに図解しましたのでご覧下さい。 尚改造には万力(バイス)と玄翁を使いますが、作業そ
 のものは決して難しくありません。




小型の蝶番ですが左が市販品そのままで、右が改造後のものです。

改造の方法。 バイスで蝶番の羽をこのように羽の根元までくわえます。



そして当て板(小さな4mm合板を使った。)を蝶番回転軸に当てて玄翁で叩いて曲げます。

曲げ終わったところを横から見ています。 この写真の上の方から叩いて曲げています。



実際に取り付けるときの位置関係。 この写真の上は実際の上、左方向が前方になり、この状態はカバーが下に降りている状態。

カバーを跳ね上げたときはこんな感じになります。 折り曲げた羽でオフセットされているので、カバーの後端が当たりません。



隙間を少なくするためにカバーには回転軸部分が入るよう削り込みをしました。

カバーの厚みは4mmしかないのでネジ止めするとネジが飛び出ます。 そこで蝶番をエポキシ接着剤で貼り付けました。



蝶番の反対側を本体に固定しました。 ここはネジ10mmが飛び出ないぎりぎりで使えます。 尚この写真はペーパーホルダーを上下ひっくり返して見ています。

カバーを固定後前方上から見たところです。 カバーの後端に出来る隙間は大変少なく収まりました。 蝶番回転軸だけは見えますが、これも見せたくないとなると製作が困難な構造にしないとなりません。


独立型のトイレットペーパーホルダーが完成しました。 無論塗装作業が残っていますが、それはもうお好みの範疇です。

次回にはメモ用具収納と一体化したトイレットペーパーホルダーの製作に進みますが、この独立型で経験したことや知恵が更に生かせると考えています。

 
  
Copyright (C) 2001-2017, Vic Ohashi All rights reserved.