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感震ロックの取り付け
   
2007/04/13

ご注意: 以下の解説で紹介している「感震くん」は製造終了し「感震くんII」にモデルチェンジされております。 より使いやすくしかも大幅にコストダウンされております。 詳細はこちらをご覧下さい。 尚取り付け寸法はことなりますが取付けの考え方は「感震くん」を参考にできます。



2006/07/28

 構想
大きな地震がやってくるとの予測から耐震性を高める工夫が色々なされていますが、家屋そのものの耐震性の改善は専門過ぎてアマチュアの手には負えません。 しかし家は問題なくても家具の転倒により亡くなったり大怪我する方が大変多いとの話もあります。 私の家の場合ご存知のように殆どの家具は作り付けとして家屋に固定してしまっており、ごく一部の家具を除いて転倒する心配はありませんが、開き扉があいて中の収納物が落下する問題は対策しておかねばなりません。 特に台所の吊り戸棚は陶器類が沢山入っておりますので最優先で考えないとなりません。 

そこでmini-Shopでも取り扱っている「感震ロック 感震君」を使って扉ロック対策を施すことにし、その作業の様子をご紹介しようと思います。

 1.感震ロック 感震君
   これは新しく作る扉のみならず多くの既存の開き戸に適用可能な汎用性の感震ロックです。
   写真の左側に見える細長い物はストライクと呼ばれ扉の内側に固定され、右の丸い塊のものが
   本体でこの中に地震を感知するセンサーが入っています。 センサーと書くと何か電子デバイス
   のようなイメージを受けてしまいますが、電子回路ではなく純メカニカルな検知装置ですから保
   守のための電池交換などの心配は全くありません。 肝心なセンサー部分は2個のスチールボ
   ールを使ったもので私自身その動作を完全に把握できているわけではありませんが、地震特有
   の縦波、横波、周期の長い揺れ、短い揺れなどを効果的に検知できるとされています。
   一旦それらの揺れを検知するとストライクが前方に移動しないようにロックピンが降ります。

 この感震君を台所の吊り戸棚全てに取り付
 けようというのが今回のテーマです。 我が
 家の台所レイアウトは左図のようなもので
 4畳半にコの字型の流し台を、その上に吊り
 戸棚を配しています。 それらの吊り戸棚は
 縦長で通常は存在するであろう食器戸棚が
 なく、吊り戸棚が食器戸棚になっています。
 当然それらの殆どは陶磁器ですから、地震
 で扉が開くと落下して破損するでしょう。

 図の中でクリーム色に塗りつぶした部分が
 それらの吊り戸棚で、扉幅は1枚が45cmで
 残りの11枚は全て30cm幅になっています。
 それらのうち3箇所が観音開きで4箇所は片
 開きです。 実はこれらの吊り戸棚の扉には
 感震ロック装置が最初からついていました。
 しかしそれらは作動具合が不安定で地震が
 ない平常時でもロック部分が引っかかったり
 開け閉めするたびにロック部分が擦れ合うと
 いう完成度の低いものです。

 これらを感震君に置き換えれば平常時にロックに引っ掛かってガチャガチ
 ャ言うことはなくなる筈で全ての扉のロックを入れ替えることにします。

 但しひとつ問題があります。
 メーカーが提供している感
 震君の納まり図は左図の
 ようですが、我が家の吊り
 戸棚上部断面は右図のよ
 うになっており何らかの追
 加加工をしないと感震君を
 正しく取り付けられません。

 そこで吊り戸棚内部に下駄
 を履かせることで解決すべく
 2通りの方法を考えました。

 第一は感震君のストライク
 が極力上になるようにする
 方法で当然ながら感震君
 本体の出っ張りは最少とな
 りスペースファクターが良く
 なります。 但しこの場合に
 2種類の下駄を履かせない
 とならない(下駄部分は薄
 茶色で示しています。)
こと
 と、感震君本体がより奥ま
 った位置にずれるため、スト
 ライクの出っ張りも下駄の
 厚み(23.5mm)だけ大きくなります。

 第二の方法はストライクを下駄無しで取り付ける方法で、この場合下駄
 は1個で済みますが、感震君本体の取り付け位置が下がり物の出し入
 れの邪魔になる(使いにくい部分が増える?)可能性があります。
             (上の図をクリックしてご覧下さい。)



第一の方法でストライクの突出量が長くなる(90mm強)件は実は感震君の横方向
の取り付け位置に注意が必要になります。
詳しくは右の図をクリックしていただきたいのですが、ストライクの先端は扉を開閉し
たときに扉の回転軸と扉の先端の半径よりも大きな円を描きます。
このためにストライクを扉の端ぎりぎりに取り付けると、片開きの場合は側板に観音
開きの場合には反対側の扉に引っ掛かります。 
これを避けるためには扉が描く円弧内にストライクの先端が収まるようにすればよい
のでそれを図的に略式計算しています。

ここでは我が家の吊り戸棚の扉幅300mm(ほぼ回転半径となる。)に対しストライク
の円弧がゆとりをみて290mmとなるようにした場合の計算をしており、第一の方法
の場合ストライクの長さは92mm、第二の方法では68mmありますので、ピタゴラス
の定理を使って回転軸からストライクの端までの距離を275mmまたは282mmと算
出しました。 それぞれ扉の端から25mm18mmの位置に取り付ければ良いこと
になります。

この値を右上の取り付け検討の図面では赤字で記してありこれ以上扉の先端側に
は寄せられないことを意味しています。

以上のような検討をした後にこれら吊り戸棚を実際に使う主役である家内に相談した所、感震君本体の下方向への突出は余り問題にならない!とのことで(現在も同じくらい突出している!)、作りやすい第二の方法で行くことに決定しました。



2006/08/04

感震ロックの取り付け詳細

先週ご紹介した取り付けの図面どおりに取り付ければよいわけですが、実はこの部材の取り付けはそう簡単ではないのです。 本体とストライクをどのような関係になるよう取り付ければよいかははっきりしているのですが、実際に取り付ける吊り戸棚の内側は薄暗いし最も問題なのは扉を閉めた状態でないとストライクの取り付け位置は決めれれません。 観音開きであれば片方の扉をあけて作業できるのでまだしも、一枚扉では完全にメクラ作業になります。  関係位置から逆算してこの位置になるはず!?というような方法をとるのが標準的と思われますが、今までの経験ではそのようなやりかたでは位置の誤差はかなり出て来ると思われます。 

実はこの問題を克服してより簡単にそしてより正確に取り付けられる方法を考えようというのがこのテーマの大きな目標でした。 何しろ12個も関係位置から割り出して取り付けるなんて時間が掛かる割には精度が出ず、この季節天井に近い高い場所はかなり温度が高いだけにとてもやっていられたもんじゃありません。  極めて要領の良いコロンブスの卵的な方法を是非とも紹介したかったのがこのテーマのメインポイントであり、単に7本のネジを固定するだけだったら掲載する価値は全くありません。

 察しの良い方なら「VICはまたなんかジグの類を考えたんだな?」と想像さ
 れるでしょうが正にそのとおり。  左の図がジグを考案するもとになったもので
 すが、色々考えられる中で最も簡単に出来て必要充分な位置精度を出せるだ
 ろう?というものです。  大きな特色は汎用性があることで、今回の私のように
 下駄を履かせて取り付ける場合のみならず、先週お伝えした第一案、第二案い
 ずれでも、また扉が観音開きでも片開きでも使える方法です。

 正直言っていろんな方法を考えました。 その中にはかなりややこしい方法も含
 まれていますが、一般的ではないため少々悩んでいたときにハッと気がつきま
 した。 なんと私の悪い癖でトイレの中で用足しをしているときでした!?

 その方法は2.7mmの合板の両端に4mmの合板を貼ってコの字型としストライク
 に被せます。 そしてストライクの根元から22mmの位置にの穴をあけます。
 こうしておいて本体のロックピンが降りた状態にしてそのピンをの穴に挿し込
 んだ位置がメーカーが指定する本体とストライクの関係位置になります。

 この方法で取り付けたときの位置の誤差は±0.5mm以内に収まると思いま
 す。そしてこの値は充分な精度だと私は考えています。

このジグがどう働くかは次の一連の写真をご覧下さい。

19mmと15mmの集成材端材を貼り合せてドンピシャ34mmの所定の厚みとして切り出した下駄。 小さい物は片開き扉、長い物は観音開き用です。

ジグは2.7mm4mm厚の合板でこのような寸法で作りますが、ほんの少しの材料で済みます。  円状の切り欠きは方向を触って判るためで、切り欠きが後(奥)側になります。

ストライクに被せて接着中。 淡いベージュの部分が2.7mm合板で、カラー合板がこの厚みでした。

接着後所定の寸法になるようヤスリで削り、の穴もあけました。 右側は蓋です。

ジグの使い方の説明。 ストライクの上面にジグを被せます。

反対側に蓋を被せて粘着テープ(ここではマスキングテープを使っています。)をこのように貼り付けます。

本体のロックピンが降りた状態でピンをジグの穴に差込みテープを本体に巻きつけて固定します。

これはひっくり返して底側から見たところです。

本体とストライクの位置関係はこの写真と次の写真をご覧下さい。

前方を下に向けて撮った写真ですが、2ヶ所見える穴が位置決め時にマーキングする場所になります。

マスキングテープでまとめたブロックはちょっと柔な感じがしないでもありませんが、本体とストライクの関係位置が±0.5mm以内の精度で確実に出ます。 これで準備完了ですので、観音開きの扉での取り付け作業手順をお見せしましょう。

観音開き用の下駄は長い1本に2個の感震君本体を取り付けました。 2個の本体のスパンは56mmあります。 本体の底面に円弧状の金属板がある部分が後(奥)になります。 この写真では下方向が前です。

吊り戸棚上部中央の裏側に木工ボンドで下駄を貼り付けクランプで圧着保持した後に各本体2箇所をネジ止めしました。 接着部分は油汚れがかなりあったのでペイントシンナーで洗浄後貼り付けました。

4個所の観音開き扉部分に下駄を接着し感震君本体を固定しました。 木工ボンドが実用強度まで硬化するよう3時間寝かせています。

マスキングテープは少々ひ弱なので本番ではガムテープでジグとストライクを感震君本体に固定しました。

扉を閉めてストライクの下側2箇所のネジ穴位置にキリで印しを付けます。(最初はキリで印しをつけましたが鉛筆の先を細めにしたものでぐるりと穴の内側を書くように印したほうが良いことがこの後気が付いています。)

下2箇所の印しに従いストライクをネジ止めし上2本をその後ネジ止めします。

そうしたらジグのカバーを間に挟みこんで扉を閉じ本体とストライクの間が僅かな隙間で収まることを確認して終了です。


 実は本体とストライクの間の隙間に付いて最初の1個を取り付けて後でいろいろ実験した所、メーカーの推奨値である
 2.6mmよりも僅かに大き目の方が良いことが判りました。 これは最後のまとめのところで解説しようと考えているのです
 が、ストライクに内蔵された磁石の作動に関係しており、隙間が小さすぎると問題が起き易くなるようです。
 絶対保証というわけではありませんが、ベストの隙間の寸法は3.0-3.5mm位にありそうです。



観音開きの扉に取り付けた感震ロック装置感震君。  私の場合色々な実験や写真撮影にかなりの時間を食われていますから1日がかりでしたが、前述のジグを使えば観音開きの扉4箇所(合計8個)の取り付けはゆっくりやっても1時間程度で終わるでしょう。 扉と戸棚の構造によっては下駄など必要ありませんから全作業はもっと簡単になります。



2006/08/11

片開き扉への取り付け

観音開き扉への取り付けは片方の扉を開いたまま位置決めが出来ますから中に手を入れることも出来簡単ですが、片開き扉の場合には位置決めのために扉を閉めると内部へアクセス不能となりますので、更にひとひねりしないと位置決めが出来ません。

ストライクの取り付け穴の位置を転写できればよいのでここでは2種類の粘着剤を使って位置決めの型紙をストライクから扉内側に移動させます。 具体的なアイデアは以下のとおりです。

型紙には予めストライク固定ネジ穴位置を描いておきます。 そしてその両面に2種類の粘着剤を貼り付けますが、ストライク側には粘着力がごく弱い物を、扉側には粘着力の強い物を使います。 そうしてこの型紙の弱粘着側をストライクに貼ってジグに取り付け、感震ロック本体にガムテープで固定した後に扉を閉めます。 実はストライクの固定面は扉の裏面位置より僅かに突出するようジグは作られています。 そこで閉まった扉を更に押し付けると強い粘着力剤が扉内側に貼りつきますからそーっと扉を開けば型紙は扉にくっ付いて来ます。(転写) そして型紙のネジ穴位置にキリで下穴をあけてストライクをネジ止めする! という手順です。

お気づきのように関係位置をコンベックスや物差しで測って?!なんていう作業は全く無しで正確に位置決めが可能です。

使った粘着剤は強粘着剤としてはごく一般的な両面接着テープで特殊な物ではありません。  弱粘着剤としては付箋紙の粘着剤を利用し付箋紙そのものを型紙として使いましたが、コピー用紙を使ってもっと粘着力の低い物(例えば水で薄くした糊など)のほうが転写が容易に出来ると思います。 

特殊な材料ではなく身近にある材料を上手く工夫しての「定規無し位置出しの術!」は大変上手く行きました。 それらの手順は以下の写真で理解を深めてください。

観音開きのときと同様厚さ34mmの下駄に耐震ロック本体をネジ止めしました。

厚み以外の寸法は適当ですが、戸棚側板側は下駄の端から止めネジまでが28mmになるようにしておきます。 間違えないよう戸棚側板側は鉛筆で矢印を描いてある。(黄色矢印の先)

予め下駄が接着される面と扉内側のストライク固定面をペイント薄め液を含ましたぼろきれで擦り油分を完全に落とした上で、下駄を側板に密着させながら接着しクランプで3時間保持しました。 (まだ手前のネジ止めはしていない。)

私が使った付箋紙で大きさは28 x 50mmで商品名はPost-it Notesという物。

粘着剤は半分しか付いてませんのでその部分だけを使いストライクの扉取り付け面に貼り付けました。

ネジの締め付け側からストライクの穴に鉛筆を挿し込みグリグリと小判状のしるしを付けています。

次に強力な両面接着テープ(と言ってもごく普通の物ですが?)に貼り付けて余計な部分をはさみで切り落とします。

予備加工が終わった4個のストライクです。 まだ保護紙は貼ったままです。

ストライクの扉への取り付け面はこんな風になります。 型紙の位置を正確に保ちながら扉に移動するカラクリの全てです。

ストライクをジグに挿し込んで耐震ロック本体にガムテープに固定、ここまでは観音開きのときと同じでその後両面接着テープの保護紙をそっと剥がします。

準備完了! 右手に見える扉を閉じてストライクの取り付け面に押し付けます。

そしてそーっと扉を開けば型紙はストライクから剥がれて扉の内側にくっ付いて来ます。 鉛筆で小判状に描いたネジ穴位置にキリで下穴をあけます。

型紙と両面強粘着剤を取り除き、ストライクをネジ止めして終了。

以上で「感震ロック感震君」を簡単に且つ正確に取り付ける詳細は終了です。 
私が考えたテクニックは、「専用ジグの製作」「強弱2種類の粘着剤の使用」に集約されますが、何れも低難易度の作業であり、どなたがやっても失敗なく正確に感震ロック装置を取り付けることが可能です。

繰り返しますがこれまで仕方なく使ってきた超過敏で年がら年中誤動作していた古い感震ロックとは月とスッポンで、実に快適な動作をしてくれています。 是非ともお試し下さい。


感震君の作動に関する補足説明

感震君の地震感知機構とロック解除に関して私が調べ分析した結果を以下にお知らせいたします。 何れもメーカーに確認した訳ではありませんので一部私の理解が間違っている部分があるかもしれないことをご承知置きください。

地震感知機構
 地震による揺れには横波と縦波の2種類があります。
 残念ながら感震君の本体は透明なキャップが接着し
 てありうまく分解することができません。
 従って地震による揺れを感知する機構について完全に
 は把握できていませんが、2個のスチールボールの転
 がりによるものであることは間違いありません。

 ボール2個のうち上にあるものはどうやら横波感知用
 でキャップが透明なために横方向に揺らすと丁度ルー
 レットの中でくるくる回るボールのように転がります
 が、ストッパーピンに連動している羽に当るとストッパ
 ーピンが落ちます。
 更に隙間から見える下のスチールボールは私の勝手
 な想像ですが、縦波によりジャンプしてストッパーピン
 に連動した傾斜している羽に当りストッパーピンが落
 ちるという構造ではないかと思います。

何れにせよ私の家のシステムキッチンに最初から付いていたものよりも地震ではない揺れや振動で誤作動しストッパーピンが落ちてしまう可能性は遥かに低いです。

ストッパーピンが落ちる誤作動を最も起こしやすいケースは扉をバターンと強く締めたときですが、この場合は後述する構造により単純に扉を開けばストッパーピンは定常位置に戻る事が多く、実に上手い構造だと「感震!」じゃなかった感心!しています。

本体は完全に密閉されていますので長期間に渡り安定した作動をするでしょう。 唯一長期間の使用で問題になりそうなのは台所での使用に限りますが、ストッパーピンの隙間に油分が溜まって落ちにくくなることが考えられます。 私の勝手な想像では十年以上掛かるのではと思いますし、もしそうなったら一度外してアルコールなどプラスチックを犯さない油分の洗浄液に浸して洗ってやれば完全に元通りになるのではと想像しています。 この辺りのことについては後ほどメーカーに問い合わせてみたいと思います。

感震君のロック解除機構
感震君のロックピンが揺れを感知して作動した時の解除方法は2通りあります。

  ・ 第一の方法
   感震君が正しく取り付けられていれば次の操作で簡単にロック
   を解除できます。

   1.扉をロックピンが引っ掛かるまで一旦引いて強めに扉を閉じ
     ます。 こうすると反動でストライクに斜めに埋め込まれてい
     る磁石(プラスチックで覆われています。)が飛び出して本体
     底面の円弧上の金属板(鉄板にニッケルメッキ)に引っ付き
     ます。                                     (上の図をクリックすると拡大図面が見れます。)

   2.この状態にて(目では確認できませんが?)扉をゆっくり引くと円弧状金属板にくっ付いた磁石はくっ付いたまま手前にス
     ライドして落ちているロックピンを上方に押し上げて最後には定位置に戻して解除されます。

   この動作はお見事!!と言いたいくらいですが、そのためにはストライクと本体間の隙間(メーカー推奨値は2.7mm)が適切で
   あることが重要です。 隙間が少なすぎると扉を強く閉めなくてもマグネットが飛び出して本体底面の円弧状金属板に吸い付
   いてしまい、扉をあける時にそれが引っ掛かってガチャンという音が出ます。 また隙間が大きすぎるとバターンと強く扉を閉め
   てもマグネットが円弧状金属板に吸い付きにくくなり(飛び出す上限の高さは5mm程度。)、解除の動作が出来なくなります。
   更に隙間が大きくなり8mm以上になるとロックピン自身が引っ掛からなくなりロック不能となります。

   実験結果ではメーカーの推奨値よりも若干隙間は大きい方が良さそうで、私自身は最終的にメーカーの推奨値(2.7mm)より
   も僅かに広い3mmの隙間としましたが、取り付け解説の中でも述べているように、3.0-3.5mm辺りがベストでしょう。 そして
   この隙間の確認は3mm厚の板を隙間に挟んできつくなくがたを感じるような緩さでないことを確認できれば良いわけです。

  ・ 第二の方法
   ストライクの底面の先端には細長い穴があいています。 この隙間に1.0-2.0mmの針金を曲げて差込み上に押し上げてやる
   とロックピンは定常位置に戻ります。 感震君が正しく取り付けられているならばこの方法を使うことは先ずないと思います。


感震君本体の取り付け方向
 取り付け手順をお見せしている写真の中でも触れていますが、本体取り付けでは前後の
 方向性がありますので補足します。 左の写真は感震君本体の底面を見たところです。

 底面半分には円弧状の鉄板(ニッケルメッキされている)がロックピンを囲むように配置され
 ていますが、この部分が後ろ側になります。 写真では赤の矢印が前方を表します。
 もうひとつ底面の前側の縁には「ABS」という記載(使用プラスチックの種類を表示している
 と思われます。)
がありますので、これで前側であることを確認できます。

 この方向性を間違えて取り付けると前述のロック解除の操作をしてもマグネットが正常に動
 かなくなりますので注意が必要です。


----- 完 -----
 
  
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