|
|
|
|
|
|
材料とした薄い杉の板(左)と4mm厚シナ合板(右)で、これが一組分です。
|
|
4mmのシナ合板は幸い芯材の色が表面と余り違わない物が入手できました。 これなら木口の見え方はそんなに悪くならないでしょう。
|
|
|
|
|
|
|
|
杉の板の端材となる端を利用してV溝切削の深さ調整をしました。 使用したビットはmini-Shopで販売しているVB-90Gで切削後の底は90度の角度になります。
|
|
切削深さは皮一枚残る量が適当で、明るいところに透かして見ていますが、上は切削量不十分(0.5-0.6mm程残っている。)で、下は適当な量(0.2-0.3mm位?)です。
|
|
|
|
|
|
|
|
材料の切削位置の裏側にマスキングテープを貼り(バラバラになるのを防ぐため)、電動トリマーで切削の本番に入りました。(この辺りの手順の詳しくは、「トリマーで作る小箱」をご覧下さい。
|
|
V溝切削が終了した2本の杉板です。 切削位置の精度は極めて重要で、ここまでが上手くできればこのテーマの最も難しい部分は終わりです。
|
|
|
|
|
|
|
|
切削終了したV溝のアップ。 端にバリが見えますが気にすることはありません。 ここでバリを取ろうとするとバラバラにしてしまう可能性があります。
|
|
接着には塗りつけ作業、貼り合わせ作業、はみ出た接着剤の拭き取り作業、そして角度調整作業が落ち着いて出きるよう、30分硬化開始型のエポキシ接着剤(mini-Shopにて販売しています。)を使いました。 はみ出た接着剤の拭き取りにはラッカーシンナーを使います。
|
|
|
|
|
|
|
|
貼り合わせ後角度の調整は念入りにしておく必要があります。
|
|
接着剤の実用強度は数時間で得られますが、完全硬化には12時間以上置いた方がよく、それまで次の作業には移らないほうが安全です。
|
|
|
|
|
|
|
|
エポキシ接着剤が完全に硬化後、V溝切削時に出来て残っている角のバリ(左)を削り落として平らにします。(右)
|
|
硬いエポキシが付着したり吸い込んでいるため削るとカリカリという音がします。 替刃式ヤスリ(M-20GP)でないと上手く削れません。
|
|
|
|
|
|
|
|
ロの字の枠に貼り付ける上下の板の内面側は#240ペーパーをハンドサンダーに取り付けて研磨しました。 ハンドサンダーは大きな面(電動サンダーを使うほどではない大きさ)の均等研磨に有利な道具です。
|
|
木工ボンドを塗り1枚目の板を接着しクランプで圧着保持しています。 圧着保持は大袈裟なように見えますが、確実な接着強度を得るには不可欠な工程です。
|
|
|
|
|
|
|
|
2つの箱の片側の板を貼り終りました。 接着後3時間以上寝かせて反対側の板を貼り付けます。
|
|
上下の薄板を貼り終わり箱となりました。 貼り付けた板が僅かに出っ張っているのが判ります。
|
|
|
|
|
|
|
|
その出っ張りを削り取るコロ付き傘付き目地払いビット(MB-12.7G) ベアリングの面と刃先が同じ位置にあるストレートビットです。
|
|
MB-12.7Gで途中まで削ったところの様子です。 左側は箱の枠と同一の面に薄板が削られていますが、箱本体には全く加工された跡はありません。
|
|
|
|
|
|
|
|
こうして貼り付けた板の出っ張りを全て削り落としてしまいました。 カンナで削るのに比べて作業時間、加工精度共に比較にならない高効率です。
|
|
その後替刃式ヤスリで角の丸めをしてからハンドサンダーに#240ペーパーを付けて仕上げました。 縦に見える細い筋は圧着保持がされていないため出来た隙間に詰まったエポキシ接着剤です。
|
|
|
|
|
|
最後の慎重な加工作業となる箱の切り分け作業です。 ノコギリは精密切断用の「粋な奴」を使いましたが、ぶれないように、一定の切幅で切断しないとなりません。 尚作業方法の詳しくは、「トリマーで作る小箱」で述べていますので参考にしてください。
|
|
|
|
|
|
いくら精密切断用のノコギリとは言っても本来横引き用の物で縦引きするわけで、スコスコと切れるというわけには行きませんが、それでも切り口はやはり他のノコギリで切断した場合よりは綺麗になっているようです。
|
|
|
|
|
|
その切断面は#120のペーパーを付けたハンドサンダーで僅かな凸凹を削り落とした後に#240で仕上げ研磨しました。
|
|
|
|
|
|
|
|
次に幅23mmに切断した4mmのシナ合板を枠の内側に木工ボンドで貼り付け圧着保持し、翌朝まで寝かせました。
|
|
翌朝内側に貼り付けた板の表面を替刃式ヤスリで削り、蓋と本体の間にごく僅かの隙間が出るようにしてハンドサンダーに#240ペーパーを付けて仕上げ研磨しました。
|
|
|
|
|
|
|
|
真上から見た角の様子です。 内側に4mmの厚さの板を貼りましたから箱の底側は10mm強の厚みになります。
|
|
下の箱は蓋を閉めた状態ですが、残る加工作業は本体表面の仕上げ研磨と面取りのみとなりました。 そして塗装が最後の作業になります。
|
|
|
|
|
|
確認のため積み木を入れてみた様子です。 こうしてみると着色することなく白木のままニスを塗っても良さそうですが、一部あら隠し(材料内の穴や節の部分)をせねばなりませんので、当初の予定通りペイントを使って塗り分けます。
|
|
|
|
|
|
|
|
今回購入した合板は平均よりも質が良かったのですが、それでも2箇所このような隙(穴)が2箇所空いていました。 深いので通常のパテで塗りつぶすのは大変です。
|
|
もう一箇所のあらはこちら。 節の部分による木目の乱れです。 全く美しくありませんが、この部分はペイントによる塗りつぶしで処理することにします。
|
|
|
|
|
|
|
|
大きかったり深い穴を要領よく埋めるには、ウッドエポキシが最高です。 少量で済むので左に爪楊枝で2液それぞれを出しましたが、それぞれボソボソしています。
|
|
ゴム手袋をはめて2液を練りこむと耳たぶ程度の柔らかさになります。 これを穴に擦り込んで少々盛り上げて1日放置し、その上を替刃式ヤスリで研磨し#240ペーパーで磨けばOK。
|
|
|
|
|
|
|
|
箱の内面には水性フローリング用ニスを1回塗ります。 これが乾燥後に#400ペーパーで表面のざらつきを取っておしまい。
|
|
#400の空研ぎペーパーでの研磨終了後。 木目の部分は僅かに艶がありますが、それ以外は無光沢。触るとつるつるになっています。
|
|
|
|
|
|
|
|
ここからの4枚の写真は外側の部分に水性ウレタンニス透明クリヤーを2回塗った後の写真です。 艶の具合が判るよう天井の蛍光灯の反射を使っています。
|
|
この写真と左の写真で大体見当がつくと思いますが、艶の出方はまだ不十分です。 木目の部分の艶はかなりありますが、それ以外がまだいまいちといったところです。
|
|
|
|
|
|
|
|
白木の時と違って木の表面は透明感が増加してきています。 また指で触るとかなりすべすべしています。
|
|
塗装前にウッドエポキシで塞いだ穴ですが、完全に埋まって平らになっています。 色味が違っていますが、この後ペイントで塗りつぶしてしまいます。
|
|
|
|
|
|
|
|
ペイント塗りつぶしの最初の作業はマスキング。 箱に蓋をしてマスキングテープをご覧のように巻き付けました。 矢印の先を塗りつぶそうという魂胆です。
|
|
次に蓋と箱の合わせ目のテープをカッターナイフで切り上下に分解して塗らない部分を新聞紙で覆ってマスキングテープで固定します。
|
|
|
|
|
|
|
|
内側部分は縁の所だけペイントを塗りますので少々厄介なマスキングになりますが、これで出来栄えが決まってしまうので丁寧にやらねばなりません。
|
|
そして塗装開始。 アクリル系のスプレー塗料はラッカーと同じような物ですから乾燥が大変速く、2回目の塗装は1時間後に出来ます。
|
|
|
|
|
|
|
|
完全に乾かないうちにマスキングした新聞紙とテープを剥がして完全乾燥(4時間)置きました。 これで半分が終了です。
|
|
最初のマスキングで蓋と箱を合わせてやりましたから当然ながら上下の見切りはぴったりと合います。 この後もう一箇所のペイント塗装を同じ手順でやります。
|
|
|
|
|
|
ペイント塗りつぶしが終了した二つの箱。 余談ですがこちらの写真の色の方が上の蛍光灯下で撮影した物より実際の色に近いようです。 いずれにせよ赤や青と木目の対比が美しく映えているように思います。
|
|
|
|
|
|
|
|
マスキングではかなり手間が掛かった部分ですが、なんとか上手く境界線がきちんと引けているようです。
|
|
そのマスキングによる境界線をドアップしてみるとこのようで、毛羽立ちや僅かな突起が並びます。 これをスポンジ研磨剤で落としてやります。
|
|
|
以上のスプレー塗料による一部塗りつぶしは私にとってはステインで着色するのと似たような着色作業と考えています。
違いは着色後に木目が見えるか塗りつぶされるかです。 ここでステインを使ったらどうなるかというと、生地の段階で使
用しないとならず、マスキングしてもステインで着色した部分と無着色の境目は滲んでしまって綺麗な線になりません。
(微粒子のステインの顔料は沁み込んでマスキングの境目を容易に越えてしまいます。)
滲まないよう(沁み込まないよう)ニスを塗ってしまうとステインでは着色不能ですが、ペイントであればニスの上に塗膜を
作るので着色可能です。
尚構想段階では塗りつぶしは2色を使うアイデアでしたが、ちょっとやりすぎかな?(木目の美しさを阻害する?)と考え、
1色にしました。
|
|
|
|
|
|
|
|
ハンドサンダーに#400空研ぎペーパーを付けて全体を軽く研磨後、水性ウレタンニス透明クリヤーを1回塗り4時間後に再度#400ペーパーで研磨後、水性ウレタンニス艶消しクリヤーを塗って完成しました。 ペイントで塗りつぶした有色部分と木目が透き通って見える生地にニス塗り部分の対比が更に美しくなり、艶消し処理での落ち着きが出たように思います。
|
|
|
|
|
|
それぞれに積み木を詰めて完成です。 積み木、箱、何れも最後の塗装は水性ウレタンニス艶消しクリヤーですが、この角度ですと独特の艶の具合が良く判ります。 さあ二人の孫がどんな反応をするかが楽しみです。
|
|
以上ですが、作り方については強度重視そひて塗装とかなり拘ったやり方をしています。 これは幼児が使う物のため安全性を重視したことと、何しろ使い方は荒っぽいでしょうから簡単に壊れたり剥げ落ちてしまっては困るからです。 といっても実際にはどうなるかは今後時々様子を見させてもらわないと判りませんが、手に入りやすい家庭用塗料で限度とも言える耐久性と安全性重視の仕上げになったと考えています。Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.