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LED 屋外照明
   
2009/01/23

構想

 LEDを交流100Vで駆動する実用品の第3弾は屋外灯です。  私の家の玄関には60W白熱
 電球の玄関灯がありますが、これ以外に門扉横の塀の上に40W白熱電球による照明があ
 ります。  そして夜間の安全と暗がり防止のために後者の電灯は一晩中点灯しっぱなしと
 しています。  この後者の電球に実は問題があるのです。  点灯時間が長いせいか(平
 均1日12時間)
、良く電球が切れ、年間に3回は交換していると思います。 電球コストは
 \250前後だと思いますが、費用以外に交換するには防水カバーを外さないとならずこれが
 結構面倒なのです。

 ここでフリーソフトで電気料金を簡単に計算してくれるEneCalcというソフトがありますので、
 これにて年間費用を試算してみました。こちらからダウンロードできます。)

こソフトで40Wの電球を1日12時間で1年間点灯した時の電気料金を計算してみると\3,686.-と出ました。 年間3回電球を交換していますから合計で\4,436.-の支出となります。  これを80本弱のLEDに置き換えてやると超効率AC100VLED駆動で実験した消費電力は5.2Wとでていますが、年間電気代としては\479.-と出ました。 LEDを無理に駆動しなければ寿命は半永久的ですので、交換の費用は掛からず年間費用として\3,957.-節減できることになります。  部品代として約9,000.-を掛けてこの屋外灯を改造できれば2年強で元が取れ手間も掛からない!という計算が成り立ちます。

これがLED屋外灯を作ることになった出発点ですが、単に既存の屋外灯をそのように改造するのでは面白くないので、周辺の明るさの変化に応じて自動点灯させることを追加として見込みます。(前述の部品代枠\9,000.-はその費用も含みます。)

一番製作で厄介で事前の十分な検討が必要なのはLED照明ユニットで、手元に50本の今はもう入手不可能となっている5φの電球色LED(MT-LS05060XC)を使うことにして、不足分を補う新たなLED(AQ-L05055XC)を見つけました。 若干色味や明るさは違うはずですが、混合使用可能範囲でしょう。 次の表はそれらの比較です。

型番 形状 色調 Vf If 光量 半値角 50個以上の単価
MT-LS05060XC 5φ砲弾型 電球色 3.2V 20mA 2700mcd 60度 ???
AQ-L05055XC 5φ砲弾型 電球色 3.2V 20mA 3500mcd 55度 \70.-

 LED購入本数を少し多めにして80本とした場合に
 LEDだけで\5,600.-になりそれら以外の部材を加え
 ても\9,000.-以内に十分収まるでしょう。
 そこでExcelの上でLED照明ユニットの形を色々描
 き、それに合理的そうなLEDの配置を考えました。

 一番拘ったのは「ユニットを球体にしたい!」とい
 うことでしたが、非常に手間のかかる製作作業にな
 りそうなため、円筒形とすることにしました。
 左はその構造図で、LEDを半田付けする基板は幅
12.7mm、高さ41mmを想定します。これを6枚貼り合わせて断面が六角形になるよう組み立
て、それぞれの面に縦2列で1列6本のLEDを取り付けます。 6面で12列になりますので、
合計72本のLEDということです。 そしてそれらのLEDは少々基板から浮かせてやり外側に
15度傾斜させてやるとほぼ正十二角形の頂点にLEDが並ぶようになります。 これでLED照明ユニット外形としては円筒に近くなり水平面上の照度はかなり均等になると思います。

72本の半分の36本を直列にして駆動しますので、メーカー公表のVfで計算すると駆動電圧は、3.2V x 36 =115.2Vとなります。
超効率AC100VLED駆動で測定した手持ちの電球色LED(MT-LS05060XC) 37本の平均Vfは3.34Vと高めでした。 これで計算すると、3.34 x 36 = 120.2Vです。  標準的な1系統のLED駆動電圧は123-124Vになりますので2.8Vから8.8V高いことになります。  但しこのテーマではLEDの前に自動点灯回路が追加されますのでレギュレーターに加わる電圧は若干下がりますし、Vfの値も追加するLEDの実際の値がどうなるかは実働テストしないと判りません。 従って最終的にどうなるかは未知数ながらも、電圧調整の工夫をあらかじめしておく必要があるでしょう。

 という前提で検討した駆動回路はこちらの図です。 超効率AC100VLED駆動で示している
 標準駆動回路に自動点灯回路を追加し、LED駆動電圧の調整用抵抗を加えています。
 自動点灯のセンサーには、環境問題からいまや入手性が危うくなりつつあるCDSを使用
 し、これでトランジスター(MOS FET)をON/OFFさせてやることを考えています。

 駆動電圧調整は、???で示した抵抗の挿入とAC100V入力の抵抗で調整することを考えて
 おり、例えばLED駆動電圧を4V低下させるために???の抵抗だけで調整するなら、4V ÷
 0.02=200Ωの抵抗とすれば良いことになります。 また交流入力電流は52mA前後ですので、同じ4Vを交流入力に入っている抵抗を、4÷1.4÷0.052=55Ω分追加した65Ωとしても良いのですが、ここに発熱が集中しますので、両方の抵抗値を調整するほうが多分無難でしょう。 調整の確認は回路のレギュレーター両端電圧が7Vになるよう調整できれば、AC100Vの変動に対して十分安定動作が可能になるはずです。

以上は構想の現況であり、まだまだ更なる確認が必要ですので、それらをクリヤーした後に最終設計に進む予定です。



2009/01/30

LED実働テスト

手持ちの電球色LEDMT-LS05060XC50本はそのうち48本を使い(残り2本はスペアー。)、足らない24本分を新たに追加すべ
く、AQ-L05055XCを30本購入しました。 混在使用のアイデアとしては後者を各面の中心に4本(6面で24本。)前者を後者の上下に4本ずつ挟んで配置と考えています。

入手したLEDと手持ちのLED比較をすべく早速テスト駆動しました。 両方を同時に比較したかったので、手持ちの物を12本、新たに購入した物を26本と合計38本を直列にしています。 先週にもお伝えしているようにLEDの駆動回路の前に自動点灯回路を追加するため、今回は各LEDのVfがメーカー発表の値とどう違うかに注目しています。

左が新しく追加したLEDで右が手持ちのLED。 どちらも電球色で、こうして見ると右側の蛍光体部分のほうが黄色っぽく見えるが実際の発色は右の方がやや赤味が強い。

新・旧2種類のLEDを38本直列に繋いで点灯しようと準備したところ。 新しい物は上部左にずらした塊の12本がそれらだが、注意しないと見た目では区別がつかない。

発光量は白色LEDに比べると少ないが、暖かみのある色調には、ほっとする面もある。 新・旧の色の違いは若干あるが、写真では判然としない微妙な差だ。

一通りの点灯テストで得た感触は次のようなものです。

    1.LED両端電圧(Vf)が古いMTと新しいAQでは傾向値が異なります。 これについては追加テストをしす。(後述)
    2.明るさの違いは判らない。 露出計で測ってみませんでしたが視覚的にはどちらが明るいのか判りません。
    3.色味の違い。 古いMTの方が赤味が強くAQは黄色っぽさが少し強いですが、ごく僅かの差と言えます。


こんな点から1.だけは別ですが、混在使用しても問題はないというか、混在させても誰も気が付かないでしょう。

問題の1.ですが、MTAQそして比較のために日亜の3φ白色LEDをそれぞれ無差別に10本取り出し、20mAの電流を流した時のLED両端電圧(Vf)を測定してみました。

  LED両端電圧
(Vf)
  LED両端電圧
(Vf)
  LED両端電圧
(Vf)
型番 公表値 実測値 型番 公表値 実測値 型番 公表値 実測値
MT-LS05060XC 3.2V 3.38V AQ-L05055XC 3.2V 3.11V NSPW310DS-b1V 3.2V 2.95V
3.41V 3.12V 2.92V
3.13V 3.11V 2.91V
3.37V 3.10V 2.92V
3.38V 3.12V 2.97V
3.32V 3.11V 2.92V
3.39V 3.12V 2.93V
3.40V 3.10V 2.96V
3.40V 3.11V 2.91V
3.40V 3.12V 2.90V
実測平均Vf:  3.36V 実測平均Vf:  3.11V 実測平均Vf:  2.93V
Vf変化範囲:  3.13-3.40V (0.27V) Vf変化範囲:  3.10-3.12V (0.02V) Vf変化範囲:  2.90-2.96V (0.06V)
公表値と実測平均値の差:  +0.166V 公表値と実測平均値の差:  -0.09V 公表値と実測平均値の差:  -0.27V

十分なサンプリング数とは言えないかもしれませんが、予想に反してバラツキはかなり少ないという結果が出ました。
あるところで公開されていた日亜の白色LEDの実測テストでは10本のバラツキが0.4Vの範囲に及び、Vfのスペックと実測値平均の差が0.41Vなんていうデ^タを見たことがあるからです。

上記の日亜の実測データ(一番右)はそれよりも遥かに良い結果ですが、日亜はVf発表値よりも実測値が下回る傾向がまだあります。(これまで使った日亜のLEDは実働Vfが発表値より低かった。)

一番目のMT-LS05060XCは1年前に購入した物で、その右のAQ-L05055XC共々型番はあるもののメーカー名がはっきりしない製品で、多分中国製の安いものであると思われますが、同じロットの物を使えばバラツキは少なそうです。 特に古いMTに対し新しいAQは、十分信頼して使える範囲に収まっています。


 重要な蛇足:

 ここで私がLEDの実測データについて拘る理由について触れておきましょう。
 超省エネLED駆動の考え方では、交流100Vを直接直流に変換後無駄なくLEDを駆動することに意を払っています。
 駆動電流が40mA(LED駆動本数は40本前後2系統。)の場合、電流安定化回路入力電圧は130-131V辺りで、電流安定化
 回路で約7Vのロスが発生し、差し引き123-124Vの電圧を多数直列に繋いだLEDに加え、これを1系統としています。

 このためLEDを直列にする本数を123-140V÷Vf値でガイドラインとして算出するのですが、例えば上記の日亜のもので計算
 すると、
 123V÷(メーカー公表VF)= 38.4438本か39本、 123V÷(平均実測Vf)= 41.9842本 と、メーカー値を使った計算
 と実際の本数に3-4本の差異が生じます。 特にVfの実際値を測定できない場合に、この差異を調整しないまま組み上げて
 しまうと9-12Vの電圧が電流安定化回路に余計に掛かり、交流入力電圧が増加した時の安全性が低下します。
 (AC100Vでは安全に問題なく点灯できますが!)

 一方上記のAQのような実力値となれば、
 123V÷(メーカー公表VF)= 38.4438本か39本、 123V÷(平均実測Vf)= 39.5540本 と、差異の本数は1-2本で
 すから電圧調整幅は3-6V程度で済みます。 この位であれば調整なしでも安全に安定した動作をする範囲に入ります。
 (計算上ではAC100V±10Vの変動幅で安定性、安全性に問題ないはずです。)  そうなればAC100V直接LED駆動の工作
 がもっと気楽に出来ます。(テスター、半田鏝、ドライバー、ニッパーなどは必要ですが?)
 

上記の測定値を使って実際のLED駆動電圧は、MT-LS05060XCを24本、AQ-L05055XCを12本の合計36本を1系統に決めていますので、3.36 x 24 + 3.11 x 12 = 117.96Vが設計上のLED駆動電圧になります。超省エネLED駆動の標準駆動電圧である123-124Vよりも5-6V低いことになりますが、定電流化回路に加わる電圧は自動点灯回路でのロスがありますので、交流入力電流制限抵抗を増加させる程度で調整できる可能性があります。  それらについては自動点灯回路の動作確認後再度検討を加えます。



2009/02/06

自動点灯回路のテスト

自動点灯回路にはCMOS FET2SJ512を使った電子スイッチとします。 このFETは最大で5AまでON/OFFが可能なFETですが、十分な耐圧であることが重要ですので選んでいます。 最大250Vまで耐えられますが、似たようなもので2SJ407(耐圧200V)でも使えるでしょう。 いずれも東芝製で\100前後の購入価格です。

 FET以外にはCdsと抵抗1本の大変簡単な回路です。 Cdsに関しては原材料として使う
 カドミウムが環境に優しくないことから、どんどんフォトダイオードやフォトトランジスターに置
 き換わっており、現在では素性のはっきりした物は入手しにくいです。
 今回購入した2種類もメーカー名不明で、直径が11φの物は15-58kΩ、400mWと、直径が
 8φの物は15-60kΩ、15mWと販売店が表示しているだけでした。 但しデリケートな動作を
 要求しないこととCdsに大きな電流を流さず損失も小さいので、今回購入したどちらでも問
 題なく使えるでしょう。(小さいと許容損失が下がる傾向にある。)

 このCdsは暗いところでは自身の抵抗値が大きくなり、明るいところでは抵抗値が小さくな
 ります。  露出計で明るさを測りながらCdsの抵抗値の変化を簡単に調べたところ、20W
 蛍光灯スタンドに再接近(約9,000ルクス)させた時に1kΩ以下、完全に覆って光を当てな
 い時に500kΩ以上、パソコンのモニターから20cm程離れたところ(明るさ44ルクス)で、11φの物は16kΩ近辺、8φの物は27kΩ近辺でした。  この44ルクス辺りが切り替える明るさとして適当だろうと仮に考え感度調整抵抗の値を計算したところ11φの物の場合500kΩ前後、8φでは900kΩ前後と求められました。 そこで続く実験では11φを使い感度調整抵抗を470kΩとして試しています。

実験に使った回路と基板のレイアウトは上の図のとおりです。 電子スイッチの後には20mAが流れるようなダミー抵抗を2系統繋ぎ、その片方には赤色LEDを直列に挿入しています。 ONになったらこのLEDが点灯し視覚的にON/OFFが確認できます。

自動点灯回路は左側のCds、抵抗、FETだけで構成され大変簡単です。 右側の抵抗はダミーでLED点灯に40mAを流しますので、それに近似した負荷とするために入れてあります。 またその中に赤色LEDを挿入しましたので、ONになった時に目視でそれと判ります。

取り敢えずの自動ON/OFFの実験開始。 電圧計はFETの入出力電圧を見ています。 135.2Vと表示されていますが、FETは遮断状態(OFF)であることを示しています。

Cdsの上に手をかざして上からの光を遮りました。 赤色LEDが点灯しFETはON状態になっています。 そしてFETの入出力電圧は0.036Vに下がり、これがFETでの損失電圧になります。

結果は期待していたとおりで、FETでの損失が0.036Vとほぼ損失を無視できる程度であることが判りました。 これらから電圧を調整する方法の結論を出さねばなりません。 

それらについては既存の屋外灯にどのように組み込めるのかを総合的に考えないといけないので(組み込みスペースは限られます。)、基本的な回路は以上の確認で良しとしながら、屋外灯を分解して実装方法の検討に進むことにします。



2009/02/13

組込み方法の詳細検討

さていよいよどのように組込むのかを決めねばなりません。 そこで屋外灯を外してどのような構造になっているかの確認と回路組み込みのスペースをどこにするかの検討に入りました。  元々の屋外灯は40Wの白熱電球を点灯するだけでスイッチも屋内の壁に仕込まれているため、実に簡単であっさりとしており回路の組み込みスペースとして考えられるのは2箇所しかありません。

塀の上に固定されていた照明器具を外しました。 設置後12年を経過していますが、使われている塗料が優秀なせいか汚れは別として錆は殆ど出ていません。

第一番目のアイデアは底部の円形台座の中です。 左が塀の上端に残った部分でこの上に右側が被さります。 ここに組込めれば電気回路が全く見えないので最高ですが、中の空間は高さ18mm、直径95mmの円筒状で中央の直径35mmは上から降りてくるワイヤーがあり、台座を塀の上に固定するネジの出っ張りが邪魔したり照明器具本体の固定ネジも邪魔をするなど、組み込みに使えるスペースはかなり少ないです。  それでも何とか!!と組込む回路を検討しましたが、Cdsの固定方法、雨水対策、組み立て後の調整や修理などがかなり難しいことが判りました。

もうひとつの組み込み候補は照明器具本体の底面に設置する方法です。 この写真の矢印の先の4つの穴は空気口のようですが、これに被らないような最大のプリント基板は90mm四方の大きさになります。 その外側の穴はガラスが嵌め込まれたカバーを固定するネジが通る穴です。 幸い実設置状態では照明器具は見上げるような高さになることから回路基板の高さを抑えてやれば、カバーの最上部は見えないだろうと思います。 空気口をどうするかで内部の汚れが大きく変わりますので検討要です。 尚右の写真は電球ソケットを外して外側のカップ状のカバーだけ残してあります。

 2番目の方法を使うことで基板レイアウトを検討しま
 した。 先ず高さを抑えるために全ての部品を横に
 寝かせますが、その時一番背の高いのは電解コン
 デンサーになります。 そこでこの直径を抑えるため
 に10μFを5本並列に変更します。

 因みに10μF 250Vの電解コンデンサーの直径は実
 測で10.5mmで3mm減少します。 これに1.5mm厚
 のカバーを被せると基板からの高さは12mmとなり
 ます。 その基板は腐食防止と絶縁を確実にするた
 め2枚貼り合せとし、更に底面から3mm浮かします
 が、そうした時に照明器具を真横から見たときのカ
 バーの上部は約3.5mm突出することが判りました。 この程度の突出量ですと見上げるような位置からではカバーが見えることはないと思われます。 (上の図で右側の下部に見える台形状の僅かな突出がそれです。)

基板のレイアウトはかなり配線がうねうねと動き回るような感じになっていますが、直流動作
ですので問題はないでしょう。 唯一気になるのはCdsで基板の端近くに立てますが、LED
からの光がガラス面に反射して当たりますので、昼間だと勘違いし誤動作する可能性があります。 これを避けるためのフードを付けるかどうかは、製作後の実験で決定することにします。 (右上の断面詳細にはそれらの点を描きこんであります。)

 AC100Vの入力は真ん中のパイプを通ってUターン
 してカップの底にあけた穴を通過し基板に導かれ、
 LEDからのワイヤーはホルダーにあけた穴を通過
 後、やはりカップの底の穴を通って基板に向かいま
 す。(右上の図参照。)  このワイヤーの通り道は
 少々ややこしいですが、組上げや分解はそれ程難
 しくはなく、Cdsの感度調整や各部電圧チェックなど
 が組上げ後でも可能になっています。

 LED駆動電圧調整の抵抗(暫定的に330Ωになっている。)はLEDランプブロック内に移動し
 ます。 これはLED36本を直結にした時合計のLED両端電圧(バラツキがあるので組み上げ
 るまで判らない。)
に調整抵抗の両端電圧を加算した値がLED1とLED2で等しくなるため、
 駆動回路への接続が特定されなくなる点にあります。 330ΩはLEDランプブロック組み立
 ての際に最終調整します。

現時点で結論を出せないのは、底部に開いた4つの空気口です。 小さな穴ですが長期間にはここを通って中に入る砂埃はかなりのものになります。 それら砂埃が入っても電気回路が壊れたり誤動作しないように工夫をするか、あるいは塞いでしまうかは判断の難しいところです。

というのは電気回路自身は事故発熱が極めて少ない(効率が極めてよいから)のでそれを逃がすような配慮は不要ですが、炎天下の直射日光に晒されたら内部はかなりの温度になるはずで、電気部品の動作がおかしくならないために小さいとは言え空気口は必要になる可能性があります。  この辺は実際に設置して夏になった時にどの程度まで照明器具が温度上昇を起こすかどうかを確認してから考えるしかありません。 ただその場合でも回路全体を覆う白いプラスチックカバーは温度上昇を抑える方向で有効に働くのではないかと期待しています。



2009/02/20

LEDランプブロックの製作

LEDランプブロックは断面が六角形ですが、4枚の穴あき基板を貼り合わせて作ります。 当初考えていたよりも長さが長い物が必要になりましたので、おなじみの一番小さな穴あき基板(ベークライト仕様なら1枚\80程度。)を縦に3枚に切り分けました。 6枚必要になりますがそれぞれの幅は13.2-13.3mm程度になるよう替刃式やすり(M-20GP)で仕上げておきます。(当然ながら寸法はノギスで測っています。)

そうしたら縦方向の切断面が60度の傾斜を持つように成形します。

そのために一過性のジグを作ります。 (右はその断面です。)
これは省エネ電気スタンドでやったのと同じ方法ですが、基板を挿し込む溝が
省エネ電気スタンドでは45度であったのが60度に変わっただけです。
問題はその60度の傾斜を如何に正確に得るかで、ここでは45度+15度
行くことにしました。 45度+15度といきなり表現するとなんのことやらさっぱ
り判らないでしょうが、ソーガイドに15度の下駄を履かせる!という意味です。
もう少し砕いて言うと、45度切断用に調整したソーガイドを15度の傾斜の下駄
に載せて切断すれば切断面の傾斜は60度になる!!ということで、表現をは
しょると45度+15度となります。

15度の下駄をどうやって作るか? これはいたって簡単で、適当な板から直角三角
(直角を挟む辺が140mmと37.5mm)を2枚切り出しそれを連結すれば出来上がり
です。 角度の正確さを確実にするには、長さの誤差を0.5mm以内にしたいところで、その範囲であれば角度誤差は0.5度程度に収まる筈です。 (右はその下駄の図面
ですが、後ほど写真でもお見せします。)


この方法で厚さ10mmの板を切断し別の板に切断した斜めの部分にプリント基板を
きつからず緩からず挿し込める隙間を作って貼り付け、更に1mmのプラスチック板を
スペーサーとして隙間から20-30mm離れた位置に貼り付けて60度傾斜研磨ジグは
完成です。 このジグに基板を挿し込んでサンドペーパー(#240)を貼った板の上で
基板の角を交互に研磨しながら幅寸法をノギスで測り、13mm強が12.5mmになれば
良いわけです。

こうして出来た基板2枚を先ず貼りあわせますが、先ほどの60度切断方法と同じ方法
で切断した60度傾斜角の板2枚を貼り合せて接着時の保持をします。  接着には30
分硬化開始型エポキシを使いましたが、1箇所毎に2時間寝かして実用強度に達して
から次の作業に移っています。 3枚貼りあわせた物が2つ出来たら外側だけスプレー塗料で塗装しました。(少しでも見栄えを良くするため。)

塗装が完全に乾燥したらLEDを所定の位置に中央から1つずつ外側に半田付けします。 何故中央からかと言いますと、穴の間隔が2.54mmおきですのでLED同士の間隔は5.08mmとなりますが、LED本体根元の鍔の部分は5.5mmありますので、外側になるほどLED同士が干渉し中心に固定できず、外側に曲げて取り付けるようになります。 これを利用して放射角度を少しずつ上下に振ってやろうとしています。 そうしたくなければ、或いは振る量を減らしたければ、つばの部分を削ってやれば良いでしょう。 LEDの半田付けで注意すべきはテンプラ(半田付け不良)とLEDの極性で、これを守るために基板エッジのプラス側には赤を、マイナス側には黒を塗っています。

以上の作業はかなり時間がかかりますが、きちんと整った外観とするためにはひとつひとつの工程を丁寧にやらないとなりません。 3枚貼り合わせの2つに全てのLEDが取り付けられたら、電圧調整抵抗を半田付けしないとなりませんが、抵抗値は駆動する電源に繋いで決定しますので、次の作業は駆動電源基板の製作となります。

左の穴あき基板を縦に3枚ずつ切りだします。 切断には鉄工用ブレードを付けた電動ジグソー(CJ-250)を使い、その後買えば式ヤスリ(M-20GP)で研磨し、幅13.2-13.3mmとしています。

15度の傾斜角を持った下駄。 12mm厚合板を使っています。 左端の先端が綺麗ではありませんが、精度には問題ありません。

ソーガイドの下にその下駄を挿入して切断中。 ソーガイドは45度斜め切断用にセットしてあるので、45 + 15 = 60度の角度で切断できることになります。

こうして切断した板を貼り合せて60度傾斜研磨ジグを作りました。 隙間は基板が若干きつめに挿入されるようにしてあります。

右の60度傾斜研磨ジグの溝の両側には1mm厚のプラスチック板を貼りました。 これでジグ自身がサンドペーパーで削られなくなります。 左は研摩用の#240ペーパーを貼った台板です。

研磨する基板を溝の底まで挿し込みました。 これを上下反対にしてサンドペーパーを貼った台座上で削ってやります。

研磨が終了した状態。 ノギスで幅を測定すると12.5mm丁度になるまで削られています。

端が傾斜角60度で削られた基板です。 LEDを半田付けする面側の端が削られていることが重要です。

別な板をやはり60度の傾斜で切断しこのように木工ボンドで貼りました。 これが基板同士を接着する際の角度保持の台になります。 内側の角度は180 - 60 = 120度というわけです。

その台にこのようにゴム輪を巻きつけました。 これで基板が動かないよう押さえます。

また2枚の基板のLED挿入側の端を隙間なく突合せ、粘着テープ(最近はセロファンではなくPETが使われてますが、この方が切れたり伸びたりしなくて良いです。)で貼りました。

それをひっくり返してV溝の部分に30分硬化開始型エポキシを楊枝で少量塗り付けて先ほどの角度保持の台に載せゴムバンドで押さえてやります。(少なくとも1.5時間放置。)

この二つを貼り合わせれば出来上がりですが、その前にLEDを半田付けします。 表面側だけはスプレー塗料で塗装します。

このLEDはストッパーの爪がないため、4 x 5mmに削った棒をスペーサーとしてLEDの高さが揃うようにしました。

上下方向に6本並びますが真ん中の2本は新たに購入したAQタイプのLEDを半田付けしました。 基板の端に見える赤ポチは極性を表しています。(赤がプラス側の意味!)

その両側に2個ずつ手持ちのMTタイプを固定しました。 基板の穴間隔よりLEDの方が太いので、外側になるほど傾いてきます。

合計72本のLEDの半田付けが完了しました。 右側は内側の様子ですが、この後駆動回路が出来たら内部に固定する電圧調整抵抗を追加します。

ゴムバンドで挟んで立てて見ました。 おおむね想像で描いたイメージどおりです。 この部分の部材コストが最も高く\5,200.-ほど掛かっています。

完成したLEDのブロック半分を「超効率AC100VLED駆動」で製作したLED駆動実験回路を使い実働テストをしたところ、駆動電圧調整抵抗は330Ωが丁度良かったですが、これ専用の駆動回路が出来上がったら再度確認します。 尚この半分の照射軸上1mで露出計を使って明るさの測定をしたところ22ルクスと出ました。 もう半分は裏面に向けて照射しますから完全に出来上がっても測定値の増加はないですが、水平方向であればどこで測っても1mの距離で22ルクスになります。 この22ルクスという明るさは40Wの白熱電球にほぼ匹敵します。 そしてほぼ期待通りの明るさです。



2009/02/27

LED駆動回路の製作と最終調整

LED駆動回路の製作はLEDブロックを製作するよりも短時間で終わるでしょう。 唯一注意すべきは全ての電気工作で共通の誤配線と不完全配線くらいなものです。 既に以前紹介した通りのプリント基板レイアウトと配線図に従い製作を進めています。

その中でちょっぴり手を加えているのはLEDランプに行く3本とAC100Vが入ってくる2本の合計5本のワイヤーを接続する部分とCdsの感度調整の抵抗(暫定的に470kΩになっている。)を繋ぐ部分です。 何れも複数回の半田付けの可能性があり容易に半田付けや取り外しが出来るよう留意しました。 その方法は単銅線を加工した特製ポストなのですが、後ほどお見せする写真をご覧になれば容易に理解できるでしょう。

ところで私は駆動回路基板を2回作りました。 というか、作り直しました!!と言った方が理解が早いでしょう。 最初に作った物は偶々格安で手に入れたスルーホールメッキされたもので、既にご紹介している基板レイアウトに沿っています。 この基板は正しく動作しましたが、テスターにて各部の電圧をあれこれチェック中に回路をショートさせてしまい、プチッという音と共にFETとレギュレーターがお釈迦になってしまいました。 原因はレイアウトが窮屈すぎる点にあったためレイアウトを全面的に見直すことにし、一部部品定数の変更を含めて作り直したという次第です。 作り直しは片面の基板を使っていますが、基板材質はエポキシを使い耐久性や耐湿性を良くしてあります。

 部品定数で変更したのは2ヶ所あります。 第一が
 交流入力電流制限抵抗を20Ωから51Ωに変更した
 ことで、これでLEDに挿入する抵抗値は小さくなり、
 若干ですが過大入力にも強くなります。
 第二番目は電解コンデンサーで、10μ 250Vを5本並
 列を4本並列としました。 その理由は部品間の距
 離を広げてショートさせる事が少なくなることを目論
 んでいますが、後ほどの写真を見れば歴然でしょう。

ということで最終的な全回路と各部の動作電圧は左の図の通りで、またその時の基板レイ
アウトは右の図です。 調整を必要とするLEDに直列に入れる抵抗は、ピンクの矢印の間の
電圧が、7.0-8.0Vとなるようにすれば良いのですが、LED1とLED2の両端電圧のばらつきが
あるため、47Ωと56Ωと異なりました。 この程度の違いであれば、両方とも47Ωまたは56Ω
にしてしまっても問題ないでしょうが。

そしてLEDの両端電圧はLED1が116.6V、LED2は116.3Vでそれぞれの消費電力は2.33W及び2.32Wで合計4.65WがLEDだけでの消費電力です。 一方交流入力電流は52mAですので交流消費電力は5.2Wです。 従ってLEDの駆動効率は4.65÷5.2W = 89.4%ということになります。  効率優先で設計を進めていたとすると76-78本のLEDを駆動できますので、その場合には90%を超えると思います。 但し今回は駆動本数を12の倍数に限定したため(6面それぞれに偶数本のLED固定に拘ったので。)このような結果になっていますが、高効率であることには変わらないと思います。  尚LEDに十分な光を当てれば点灯はしませんが、この時の入力交流電流は0.01mAで消費電力1mWとなりますが、測定系の検知能力外にある可能性があり真値は更に低いのでは?と思います。

89 x 89mmの正方形の基板の半田付け面。 穴の列は縦横それぞれ35あり材質はガラスエポキシで耐水性、耐候性に優れます。 中央の穴は基板固定用のパイプが通り、周辺の4個の穴にはプラスチックスペーサーが取り付きます。

中央左手の白い物がプラスチックスペーサーで、ここにカバーが固定されます。 ご覧のように部品の中で最も上背のある電解コンデンサーが同じ高さになっています。

逆さのU字型2つはAC100V入力を接続するポストで、?マークのポストはLEDへの出力端子です。 何れも複数回の配線が容易に出来るための配慮です。

ここに見える物干し竿受けの形の2つのポストはCds感度調整抵抗を半田付けするポストで、抵抗の交換が容易に出来るようにとの配慮です。

配線が終わったLED駆動基板。 真ん中ががら空きですが、ここに直径40.5mmの円柱状のカップが入ります。

裏面の配線の様子。 綺麗とは言えませんが、テンプラ(半田付け不良)だけは起こさないよう慎重にしています。

右は最初に作った基盤で正常動作していたのですが、回路チェック中にショートさせて壊してしまいました。 そこで電解コンデンサーを1個減らして部品間の距離を開けて改善したのが2回目の左の物です。

テスト運転中の様子です。 この状態では天井にある蛍光灯の明るさでLEDが点灯しないため黒く塗ったテープをCdsに貼り付けて点灯するようにしています。 左上にワニ口クリップで固定しているのがCds感度調整抵抗で、まだ仮の470kΩになっています。

さて本体の最終組み立てに進みCdsの感度調整もしたいところですが、十分な連続実働テスト(48-72時間くらい?)をして経時変化がないことを確認した上で着手する予定です。



2009/03/06

本体アセンブリーの組立て

72時間の連続運転テストは問題なく推移しましたが、その間をぬってのでLED駆動回路基
板のカバーを1mm厚プラスチック板を加工して作りました。 その図面は右の通りですが、
材質が発泡塩ビであったのでカッターナイフで簡単に切断できています。 また点線部分を
折り曲げて突合せ部分内面をゼリー状の瞬間接着剤にて接合しています。 液状のものと
違い充填効果があり確実な接着が可能です。 Cdsに被る部分はLEDからの光りがガラス
内面に反射して来るのを完全に遮るために長めの庇を付けてあります。
尚こうすると屋外光に対する感度も下がってきますので横方向は全く遮らずに感度低下を
少なくするようにしています。

カバーが出来上がったところで仮組立てをし、変な矛盾がないかどうかの確認をています。
基板の中央にカップを固定しそれを照明器具本体の座受け部分にナットで締付けました。
その状態で基板のカバーの先端は座受けから1mm程度浮き上がっています。 そしてその
上に照明器具のガラスカバーを載せました。 基板のカバーは真横から見たときにほんの
僅か上部が見える程度で、設計時には2mm位の突出と踏んでいたのですがそれよりも少ないようです。  何れにせよ全く不都合は発見されていません。

そこでLEDランプアセンブリーを固定する部分を端材にて作りました。 材料は4mm厚のシナ合板で60度斜め切断した6枚をエポキシ接着剤で貼りあわせたものです。 これに底板を貼り付けてカップ内の座金にネジ止めします。 この筒も断面は六角形ですが、LEDランプアセンブリーの内寸を少し大きめにした外寸としてあり、組立て後ヤスリで外側を削りどんぴしゃ寸法にすると共にLEDランプアセンブリーを挿しこんだ時に所定の位置で止まるようにしています。

これで本体の組立て前の加工はひととおり終わったわけですが、耐湿性アップを考えてLEDランプを
固定した基板とLED駆動基板の裏面(半田付け面)、そして出来上がったLEDランプアセンブリーを
固定する筒は油性ウレタンニスを2回塗りしています。 この油性ウレタンニスは風雨や大きな温度
変化に晒される屋外での使用で充分な耐久性が「VIC's D.I.Y.」の看板で実証されており、半田付け
した部分を初めとした腐食防止に役立つと期待しています。  その後LEDランプアセンブリーはエポ
キシ接着剤で貼りあわせた後組み上げました。 (右の写真はVIC's D.I.Y.の看板。 まもなく製作後
4年になろうとしているが、ひび割れや剥がれがなく大変丈夫です。)



ところで少し前に申し上げたようにわたしのちょっとした不注意でFETを壊してしまったのですが、その原因が妙に頭に引っかかっていました。 というのはここで使った2SJ512というFETの絶対最大定格電圧はS(ソース)とD(ドレイン)、G(ゲート)とD(ドレイン)間が250Vとなっており、多分Gに125Vの電圧を加えてパチンと音がしショート状態になったと思われるのですが、定格以下なのにどうして? と考えていたわけです。

ところが夢見うつつの状態でG(ゲート)S(ソース)間の電圧が云々・・・というようなことがふっと頭をよぎりました。  翌朝FETのデータシートを開いて吃驚! なんとG(ゲート)S(ソース)間は±20V以下でなくてはならない!との記載があります。  これでは125Vの電圧で容易に破壊します。  更に今は問題なく動作しているものの暗くなるとCdsの抵抗値は増大し、G-S間の電圧はどんどん増加して容易に20Vを超えてしまいます。  従って長期的には再びFETは破壊してしまう可能性が極めて大です。

そこで破壊防止の回路を検討しましたが、基本回路は完成して既に組み上げてしまっているので大幅な変更は出来ません。
そんな点から最も簡単に出来そうなCdsに並列に抵抗を追加で検討しました。 抵抗を2本並列にすると合成抵抗値はそれぞれの抵抗値より必ず低くなります。 これでG-S間が絶対に20Vを超えない状態が作り出せます。 色々組み合わせを検討した結果、並列に追加する抵抗が39KΩ、感度調整抵抗が330KΩとの結果が出ました。

右の図がその検討結果を表しています。 上段の暗闇の状態ではCdsは限りなく無限大の
値になります。 従って125Vの入力電圧は39KΩと感度調整抵抗で分圧された111.8Vとな
り、G-S間は13.2Vと20V以下でこれ以上電圧は上がりません。  またこの13.2VはFETを
十分にONとする電圧ですので点灯状態になります。 一方スレッシホールド状態ではCds
の抵抗値は約16KΩ(ON/Offして欲しい明るさの時の値)になり、この時に並列に加えた
39KΩとの合成抵抗値は11.3KΩです。 この時に感度調整抵抗とともに分圧されたGへの
電圧は120.9Vで、G-S間は4.1Vとなりますが、これはFETがON/Offをするタイミングです。
最下段は周囲が極めて明るい時で、Cdsの抵抗値は0に近くなります。 これから合成抵抗
値もほぼ0となり、Gに掛かる電圧は入力と同じ125Vで、G-S間電圧もほぼ0で、FETはOff
(消灯)の状態になります。

実際にはCdsのばらつきでON/Offのタイミングで16KΩから変化しますので、感度調整抵抗
の値を調整しますが、感度調整抵抗を220KΩ以下にしなければ、G-S間の電圧は20Vを越
えないことが判りました。 設置状態でON/Offのタイミングを感度調整抵抗の値を変えて調
整し最終的に680KΩとしました。 設計値よりもかなり大きな値になりましたが、FET保護効
果は高まります。

以上の方法でやったときの問題はON/Offの切替がジワーッと起こるにあります。 但しもともとスパーッと切り替わらない回路でその傾向が若干増加する程度の話ですから、実使用での問題はないでしょう。

これでやっと設置できることになりました。 そこまでの様子は以下の写真をご覧ください。

1mm厚発泡塩ビ板を切って作った駆動回路基板のカバーを取り付けたところ。 これの最大の目的は直射日光の遮蔽です。 温度上昇防止のため白色ペイントで後ほど塗装します。

Cdsが覗く窓部分。長い庇を付けてLEDの反射光を完全にブロックします。 外光への感度確保のため横方向は全くブロックしていません。

物理的な本体組立てテスト。 先ずカップを基板に挿し込み固定しました。 このカップにはネジを切ったパイプが入っておりますので、底側でナットにより固定できます。

その裏側がこちら。 中央の白い大きなわっシャーは2mm厚PET板を切って作った物です。 この面は後ほど油性ウレタンニスで腐食防止します。

照明器具本体座受けに固定。 座受けの表面から駆動回路カバーの端は約1mm浮いています。

照明器具本体のガラスカバーを被せました。 俯瞰状態ではこの通り駆動回路カバーは丸見えですが? 

真横に近くなるとご覧の通り駆動回路カバーはその上部がほんの少し見える程度です。 これにより実際には目線より高い位置に設置されるので、内部構造は見えなくなります。

組み立て上の問題がありませんでしたので、配線面の保護として油井ウレタンニスを塗りました。 このニスの耐候性は十分に実証済みであり、透明クリヤーであれば電気的な問題もありません。

乾燥後LEDブロックはエポキシ接着剤で貼りあわせました。(左) また元の電球ソケットを固定していた金属部分にはLEDユニットの高さを調整する連結ブロックを2.7mm合板で6角形に作りネジ止めしました。(右)

本体座受けを利用して連結ブロックの上部にLEDブロックをエポキシ接着剤にて固定。 硬化時に位置がぐらつかないようゴムバンドで保持しています。 AC100V入力とLEDからのワイヤー合計5本はこの段階で通線しておきます。

最終組み立てに入ります。 前の工程で組みあがったLEDランプアセンブリーにカップ、駆動基板カバー、駆動基板を中心のパイプに通して本体座受けに固定しました。 基板カバーは配線が終了したらネジ止めとします。

5本のワイヤーを半田付けのアップです。 狭い場所でワイヤーはぎりぎりの長さに切断してやりますので緊張を強いられるところですが、基板の作りなおしをしたためかなり楽に出来ています。

後から気が付いたFET破壊防止の保護抵抗39KΩは基板に裏づけしました。 この後油性ウレタンニスを塗っておきました。

感度調整抵抗は5-6本を取り付けたり外したりして調整しましたが、最終的に680KΩに落ち着きました。 物干竿は交換が容易でした。 この時外の明るさが70ルクス程度になるとLEDがほんのり点灯するようになります。

元の場所に取り付けて無事完成。 ご覧の通りLEDの粒々が見えますが、一般にはこれが元々は白熱電球だったものがLED照明器具に変貌したということは全く気づかないと思います。

17時30分を過ぎてちらほらと点灯開始。 この時点では各LEDには数ミリアンペアしか流れていないでしょう。 意地悪な見方をするとLED間のバラツキが良くわかります。

左の写真から5分後。 以前の白熱電球の時よりもLEDよりの粒々の光りが鋭さを増したように見えます。 またガラスへの反射、屈折光も綺麗で、電灯光色は大正解でした。

左は昼間、右は点灯開始から15分経過後でまだ最高輝度になっていません。 最高輝度では水平に1m離れた距離での明るさは22ルクスで40W白熱電球にほほ同じです。 また消費電力は最大で5.1W、消灯時は0.1Wです。 

以上で完成ですが、その後問題なく点灯・消灯を繰り返しています。 残るは真夏になった際に器具の内部がどの程度温度上昇するかですが、また其の時点でご報告しましょう。

AC100Vを使って動作する電子工作でしかも使用環境条件が厳しい屋外用は敷居が高めになりますが、少ない部材の組み合わせで充分な実用性を有した物が出来上がったと思います。 使うLEDやCdsにより最適動作をさせるための調整も必要ですが、再現性は非常に高く安定性、安全性も遜色ないものに仕上がっていると考えています。

----- 完 -----


 
  
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