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納戸の収納/棚の工夫
   

2002/02/14

構想と留意点

 納戸の収納/棚の工夫は一連の作品の中で最も初期の4年前リフォームが終了と同時に作ったもので
 す。 私が発行しているメールマガジン(VIC's D.I.Y.最新情報)のD.I.Y.一口ヒントで触れているよう
 に、大工さんに不思議がられた答えとして最初に手がけた場所です。

 リフォームが終了し、仮住まいから引越しのとたんに収納場所がなくて暫しの間はえらい騒ぎとなりまし
 た。 従ってこの作品は、仕上げを初め細部を皆さんにお見せできるようなものではありませんが、収納
 部の適切な寸法に関して私の主義主張を全面的に取り入れた作品という意味では典型的と言えます。

また納戸のような収納だけが目的の場所の通風についてそれなりの工夫がしてあり、高音多湿となる夏を4回経過した現在までかび臭くなるとか、風通しが悪くなるための問題は発生しておりません。 以上の観点から以下をお読みいただけると幸いです。

1.収納場所の適切なサイズについて

 収納場所のサイズに関しては私が発行するメルマガに掲載しているD.I.Y.一口ヒントでも詳しく説明してお
 りますので、こちらをクリックしてお読みください。  

 私は押入れのサイズは合理的でないと考えており、和室においては部屋全体の寸法配分がおかしくな
 らないために否定できないものの、洋室であれば全く作らないことにしています。 そうなると布団は何処
 に収納すれば良いのか? ということになりますが、洋室ではベッドで寝るため敷布団は不要!なため、
 量が減る事を考慮し専用の収納場所を納戸に作ることにしました。 
 内幅が1000mm奥行800mm、2段とした総高さは1700mmとなっています。 この中に来客用の2組
 の寝具と3人分の掛け布団・毛布などが丁度入る寸法となっており幅が所謂押入れよりも広いため、
 U字型に折らないと布団が入らないということもなく、両脇に適度な隙間が残りますので空気の流通も良
 くなっています。

 次に寝具以外の収納部の寸法ですが、もっとも奥行のある収納部でも600mmを最大値としています。 その一番の理由は腕の
 長さからきており、600mmを超えると中にもぐり込むような姿勢をとらない限り、手が届かない=物を出せない。という図式で、
 極めて使いにくくなってしまうためです。 
 また600mmという寸法は別の意味でも具合いが良く私は絶妙な値だと考えています。 先ず板取りが効率的になることで、幅
 1220mmのシハチ合板で2枚を切りだすと僅かな端材(14-16mm)が残ります。 この無駄のなさが嬉しい。 更に洋服ダンス
 の場合、奥行600mmが狭からず広からずの寸法であると思うからです。  無論600mm以下の棚の標準寸法も決めてあり、
 450mm、300mm、200mm、150mmがそれらで、それらの倍数或いは複数の組合わせが、シハチ合板やサブロク合板の幅
 に近いため、最少の端材で切り出せる寸法となっています。

2.納戸の位置と通風
 前述のように納戸は4畳の大きさで1/4は勾配天井になっており、位置は家屋の北西の角に面していま
 す。 西面に窓があったら夏の西日はかなりきつい事になるでしょうが、北側に面した縦長の小さなルー
 バー窓しかないので日差しは全く入りません。 従って居室としては法的にも失格ですが、通風さえ良け
 れば暑い夏でも内部の気温はそれ程上がりません。 また壁面積が大きく取れるように考え収納棚は
 目一杯取れるようになっています。 入口は南東の角に引き戸としてありますが、引き戸は適当に開ける
 という操作が容易ですので、部屋の通風を考えると開き戸よりも有利だと思います。 事実部屋の反対
 側のルーバー窓もハンドルで窓を開ける量を細かに調節できますし、台風でなければ雨が吹き込まれる
 心配もなく、引き戸との組合わせは通気性を良くする仕掛けの主体です。
 換気扇を取りつける手もありますが、ランニングコスト ゼロの方が良いに違いありません。




3.納戸内の仕切り   寸法図を参照下さい。)
 4畳の短い方の壁を西側から600mm - 690mm - 450mmの位置で長手方向に線を引いた形で3つのブロックに分けました。
 600mmと450mmの部分が収納棚となる部分です。 通路は幅690mmということですが、中には奥行600mmより突出する物
 も出てきますので、実際には600mm前後が通路の幅でしょう。 一人が通るのであれば狭からず広からずの寸法です。
 但しこうすると布団収納の奥行800mmが確保できませんので、布団収納部の位置は入口引き戸の真ん前としました。
 布団は幅の広いものですから、この位置が一番出し入れしやすくなります。

4.縦方向の仕切りと使った材料
 西面は左端に布団収納部を確保した後3ブロックに分けました。 左から内寸で990、570、*840mm
 となっていますが、これらは義母が大事にしている5つの茶箱を一番下に入れることを想定し、割り出した
 ものです。 茶箱は私の考えでは必ずしも合理的な収納の箱と言えませんが、理屈だけでは処理できな
 い部分もあります。 右端*840mm*印は現物合わせを意味しており、天井が傾斜してくる少し手前の
 位置になっています。 また右端の下部は大型のスーツケースが4個はいるようになっており、茶箱と合
 わせて湿気が溜まり易い床に近い場所に湿度に弱いものは置かれておりません。

 仕切りの材料は30 X 40mm角の垂木です。 これで枠を作り天井と床の間に挟んで、ネジで固定しま
 すが、その枠にコンパネを81.5mm幅に切った板を間隔が18.5mmとなるように木工ボンドを塗ってネジ
 で固定します。(左の図をクリック)   この隙間に棚板を挟み込む事で棚板の高さを10cm刻みで調節
 可能となります。 この構造を幅990mm570mmのブロックで使いました。 可変棚というと、ニッケルダボを使うことが多い私で
 すが、材料の節約と使わない隙間が通風を良くしてくれるという2つの目的でこんな構造にしました。 

 右端は洋服ダンスの部分として、季節はずれのものや滅多に着ないものを収納してあります。 
 布団収納部分と共に扉がありませんが、納戸自身が大きなタンスだという考え方を取り、通風の観点か
 ら扉をつけていないわけです。  この洋服ダンスと布団収納の内貼りの一部は写真でお目にかけられ
 ませんが、3mm厚の穴あきのラワン合板を使いました。 これも収納部内の通気性を良くするためです。

 通路の反対側は最大奥行が450mmですが、ルーバー窓側よりの上部はルーバー窓に引っ掛かるため
 若干浅くし395mmとしました。 また入口のすぐ右手は450mmのままでは通路が狭くなり出し入れが
 しにくくなるのを防ぐため250mmの奥行としてあります。   寸法図を参照下さい。)

 こちらの収納棚を作る部材は、奥行が色々とあるため18mm厚ラワン合板で作
 りました。 棚板の高さ調節もニッケルダボを使った方法で、奥行が浅いことも
 あって特に風通しを良くするような工夫はしてありません。 写真を見ても判るよ
 うに一部重いものを載せているため相当たわみが出ている棚もありますが、視覚的にはともかくとして強
 度的な問題はありません。 尚側板と固定棚の接合は、強度をかなり取れる方法を使っています。



参考図:  寸法図
  
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