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釘位置探索器製作詳細
   
2002/01/24

構想と留意点
 今回のテーマはより良い日曜大工をするための道具そのものを自作しましょう。という提案です。 
 何しろ同じ構造のものは販売されていませんので名称不祥のため大変いかめしい名前ですが、
 釘位置探索器としておきます。 私が使っている物は18年前にアメリカに滞在中購入した物で名称は、
 Nail Finder(釘発見器)で、たった7ドル(当時のレートで800円)の代物でした。 

 その構造はどのような物かは、左の写真をクリック願えればわかりますが実に簡単な構造で、
 5φ x 25mmの永久磁石が回転できるようになっているだけです。 軸受けもガタだらけでお世辞にも精密感など無い代物。  ガチャガチャと音をたてて粗っぽい動作をするものの、釘の頭までの距離が12mm位迄であれば確実に検出でき、釘の方向にマグネットの頭が振れるので判ります。 

これを壁に何かを固定したいが間柱が何処にあるのか?なんていう時に便利に使ってきました。 しかし透明なプラスティックのケースは傷だらけとなり、バラバラにならないようスコッチテープで押さえている始末でいつ使えなくなるか判りません。 

そこで替わりのものを探したのですが日本ではこのような簡単な構造の安い実用品がなく、プロ用のものばかりでエレクトロニクスを使ったものとはいえ2500円以上もします。 釘までの距離が12mm位迄検出できれば十分ですので、自作してしまおうということで検討し始め今回第一次の試作となりました。


 試作した物の構造と製作過程は、上の図と左の写真を参照下さい。 今回はマグネットを除き手元にある
 材料を流用することにしたのと、この寸法で作らないと駄目ということがありませんので、全ての寸法を記
 載してありません。 

 入手が困難と思われる部品は一小型の強力なマグネットです。 実はこれを探して随分長い間探しま
 したが、型番:51-431、直径3mm、長さ10mmの円柱状のネオジウムマグネット \650.-を東急ハン
 ズで発見しました。 販売元は株式会社ツチノ(Tel: 06-6723-0836)という会社で、電話で確認した範囲では、東急ハンズ(渋谷店、新宿店、池袋店、横浜店)で売っているそうで、ツチノからの直接購入も可能との事でした。 


次がケースですが、検出可動部に鉄粉等が付着し易くなりますので、完全に覆わねばなりませんし、外部から見える構造でないとまずいので、透明なプラスチックケースを使いました。 ここで使ったのはジャンクボックスにあったマイクロカセットテープのケースで、実測した寸法は42 x 54 x 12mmでしたが、画鋲ケースなど適当な透明ケース等の流用を考えましょう。

マグネットを支えるのは0.3mm厚の銅板を加工したもので、これも手元にあった銅板を使い、マグネットを巻きつけるようにして固定しましたが、薄いプラスチック板や、細い木の棒でも結構。 鉄板などの磁性体でなければ、手持ち材料を工夫して使えます。 組立に私は半田を使いましたが、マグネットそのものは軽いですから瞬間接着剤やエポキシ接着剤で組上げても良い訳です。

回転軸受けは、ケースにテープハブを押さえる突起に内径3mmの穴が開いてましたので、紙やすりを丸めて削り内径約3.2mmに広げて回転軸受けとしました。 回転軸はオーディオケーブルについているRCAピンジャック(直径)の頭の部分を切り落とし銅板の可動部本体に半田付けしました。 従って片持ちの回転軸という構造となったのですが、これが後ほど述べる反省点となります。 可動部分のバランスを取らないと検知能力が良くなりませんので、釣に使う板鉛を巻きつけた上で前後に移動しバランスを取れるようにしてあります。  また可動部のピンをケースの穴に入れただけでは摩擦が大きかろうということで、3mmのワッシャーを挟んでやりました。

以上で出来あがりで、材料さえ揃えば一時間もあれば完成してしまいます。

 出来あがったものをUSA製のものと比較した所、外形は試作品の方がコンパクトであり、壁や天井の隅な
 どに打ち込まれた釘の検出には有利だと思います。 しかし残念ながら検出感度は、ネオジウムマグネ
 ット
という高価な強力磁石をつかったにも拘わらず、私の試作したものよりUSA製のものの方が高く、USA
 製が12mm位離れていても検出できるのに対し、私の試作したものは8mmが限度でした。 
 しかし大半の場合、検出すべき釘の頭は壁の表面から5mm以内にありますので、実用上の支障は無い
 と思います。


反省と第二次試作への挑戦
完成後USA製と一次試作品を同時に色々使用してみました。 その結果次のようなことが判りました。

●一次試作品とUSA製で検出感度が違うことによる実際のハンディキャップはなさそうである。
  (USA製が発見できる釘は一次試作品も発見できる。 釘が5mm以内にあったため。)

●使用感で大きく違うのは、USA製は軸受けのガタが多く釘に近づくとガチャガチャ言い出しそれと判るが、
 一次試作品は上品と言うか音も無くスーッと動き出すため、見ていないと釘に近づいたことが判らない。 
 正直言って品性はないが前者の方が使い勝手がよい。


以上の結果を踏まえて、近いうちに改良したものをもう一度試作しようと考えています。 その要点は、

●回転軸受けを片持ちとしたのは多分失敗。 ここでの摩擦が大きく検出感度が低くなったものと推察。

●もっと簡単に安く容易に手に入るマグネットで実現したい。(\650.-はどう考えても高い。)

●感知したときに可動部分と軸受けのガタや、可動部分がストッパーに当たることから発生する音は、見ていなく
 ても感知したことを知らせてくれてむしろ便利。 このような構造を考えたい。


●検知能力は12mm以上を目指したい。 (非常に稀だが合板の上にプラスターボードを貼った場合などは、合板に打た
 れた釘を検知できなくなるため。)


以上が今回の報告です。 私が作ったとおりに自作しても使い物になりますし、問題点はほぼ判っておりますので、皆さんなりに工夫していただければもっと良いものが出来るでしょう。 何れにしてもこの道具を自作してレギュラーの道具に含みお使いになられるようお奨め致します。



追加情報 (2002/02/01)
(株)ツチノから磁石の販売先などの情報が届きましたのでお知らせします。  尚磁石の技術情報・購入に関する追加情報などは、(株)ツチノへ直接お願い致します。  

   連絡先: (株)ツチノ 東大阪市金物町4-9 (Tel: 06-6723-0836)

・希土類マグネットの入手法

 販売店: 東急ハンズ 渋谷、新宿、池袋、横浜、江坂、三宮、心斎橋、広島の各店と、
       ホームセンター おくの(大阪)で扱っているそうです。

 通信販売: 通信販売も可能です。 詳しくは(株)ツチノにお問い合わせ下さい。

・釘位置探索器に使えそうなマグネットの情報
 ツチノで扱っているマグネットの中から、釘位置探索器に使えそうなものだけをピックアップしました。
品 番 品 名 サイズ 定 価 備 考
51-425
51-443
51-421
51-423
51-431
51-432
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石
角 4 x 4 x 8
丸 5φ x 6
角 6 x 6 x 4.5
角 18 x 5 x 4
棒 3φ x 10
棒 6φ x 10
\540.-
\730.-
\550.-
\950.-
\650.-
\750.-
吸着力??
吸着力??
吸着力1.8kg(価格手頃で強力!)
吸着力2.0kg
吸着力0.9kg (私が使ったもの)
吸着力1.0kg

 
  
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