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コンパクトLEDライト
   
2009/06/05

構想

別項でご紹介しているLEDフラッシュライトの構想・設計を進めているうちにコンパクトなLEDライトの作り方の定石みたいなものについて考え出しました。 そしていつの間にか方向性がまとまりつつあります。 現在蛍光灯スタンドをLEDに改造するテーマとLEDフラッシュライトが先行していますので、今すぐ製作!と言うわけには行きませんが、私なりの考え方について取り敢えず触れ、追って製作の様子をご紹介したいと思います。

作り方の定石というのは少々オーバーな表現かもしれませんが、次のように考え方を進めています。

 1.コンパクトなLEDライトを考える時に電源として考えられる小さな電池は、容量、入手性、使いやすさを考慮すると単四乾電池
  がベストな感じがする。 単五乾電池や006Pと呼ばれる9Vの電池は入手性で劣るので選択の優先順位は単四の次かな?
  更に小さなボタン電池は容量が小さすぎるのと小電流向けなので除外した方が良いだろう。

 2.単四乾電池でLEDを駆動する際に必要な最少本数は3本。(DC-DCコンバーターを使えば電池1本でも駆動可能だが、駆動効
  率がかなり悪化するので優先順位としては低い。)


 3.乾電池3本で得られる電圧は新しいうちは4.5V、寿命が尽きる時点で2.7Vまで下がる。 従って寿命が尽きる寸前まで明るさ
  を保つにはかなり低損失の定電流回路が必要になる。 オペアンプ使用の定電流回路で3本のLEDを駆動した時の損失は0.4V
  程あったが、これを半分の0.2V程度に下げるのが取り敢えずの目標になるか?

 4.3.が実現できたとすると2回路入りのオペアンプで2本のLEDを駆動、あるいは4回路入りのオペアンプで4本のLED駆動か2本
  のLEDを駆動して残り2回路は自動シャットダウンに使う構成が考えられる。

 5.LEDの候補としてはRAIJIN(日亜のNSPWR70CS-K1が設計が新しいこともあってか、発光効率が高そうなのとVfが低い点
  で有力。 1本で11ルクス/mの明るさが得られるから2本使えば22ルクス/mとなり、手の中に入ってしまうようなコンパクトライト
  としては十分な明るさと言えるかもしれない。

 6.2本のRAIJINで消費電流は100mAになるが、パナソニックの発表しているデータではアルカリ単四乾電池で約8時間連続使用
  が可能なようだ。 これだけ持てば十分ではないだろうか? (参考までにアルカリ単五乾電池では5時間なので入手性の悪さ
  があってもコンパクトさから採用もあり得る。)


 こんな思考の結果低損失定電流回路が出来たとし
 てサイズ的にどの程度になるのか描いてみました。

 単四電池3本使いオペアンプ定電流回路でLED2本
 を並列運転します。 電池が消耗したことを検出する
 回路は省きましたので、過放電で劣化するニッケル
 水素電池使用は望ましくないでしょう。

厚み3mmの板で本体を作ったとして大きさは81 x 41 x 19.5mmになりました。 本当にこのサイズで作れるかどうかは別として、ここまで小さくなればコンパクトフラッシュライトと呼べそうなサイズで、かばんやハンドバッグの中に常に入れておいても嵩張らないと思われます。

ところで私が考えるLED照明は頑迷なまでに、LEDを正しく駆動し寿命を最大限に引き出せるように配慮すること、駆動効率を十分に高めることに拘っています。 そしてそれらはいい加減な市販品や怪しげな自作品を多々見かける中でのアンチテーゼとしての想いがあります。



2009/06/19

設計前の基礎実験

前項の3.で触れた『定電流回路での損失低減』は実用性が高いものを設計するに当たり鍵となる部分です。 これを少し別な角度から見ましょう。 「LEDのVf + 損失電圧」が最低必要な電源電圧になりますが、LEDのVfはかなり下がってきてはいるものの選別したとしても恐らく2.9Vあたりが最低値であると思われます。 そうする損失電圧を仮に0.1V位に出来たとしても電源電圧として3.0Vは必要になり、3本の乾電池の終了電圧である2.7Vには届きません。 よって3本の乾電池でDC-DCコンバーター無しにLEDを駆動する際、電池寿命まで光量が低下しない!という物は製作不可能であることを意味しています。

従ってここで損失電圧を減らして実用性を上げよう!!と言うのは、正確に言えば『光量が低下してしまう電源電圧の範囲を極力狭める努力!』ということになります。 若しも完全に電池寿命が終了するまで光量の低下しない物を作るとなるとそれは乾電池を4本使うしかありませんが、その場合には駆動効率の悪化、電池の無駄遣い、大きさの増大という結果になります。

実験でいじった部分について説明しておきます。 損失電圧はトランジスターの入力電圧と出力電圧の差(Vceと呼ばれます。)と電流検出抵抗の2つの合計です。  先ずVceで、特別な条件での値はVcesatと呼ばれそのトランジスターでは最も低い値になります。 トランジスターのコレクター電流は入力電流であるベース電流の電流増幅率倍になりますが、それ以上となるベース電流を注入してコレクター電流は変えないとした時の値がこれで、日本語ではコレクターエミッター飽和電圧と呼びます。

ここで問題にしている損失電圧はこのVcesatが小さいトランジスターであると小さくなる傾向
にあります。 そこでVcesatが小さくて小型サイズで一般に入手可能でありしかも廉価なもの
を200品種ほど調べる中で、2SD1616というNECのトランジスターを発見しました。
問題のVcesatは0.019V(コレクター電流50mA時)で以前試作回路で使った2SC1815GRは
同じコレクター電流50mAで0.1Vでしたのでその1/5になります。 価格は\63と手ごろでした
のでこれで実験することにしました。 

次の電流検出抵抗については同じ電流を流しても抵抗値が低い方が両端電圧は下がるので
すが、金属皮膜型の1/4Wタイプでは1Ω以下のものは入手が難しくなります。  従って抵抗
値を下げるには複数の1Ωを並列に繋ぐしかなく、そうすると実際に回路を組むスペースが増
大して行きます。 また電圧変動検出の安定度にも影響が出る可能性があります。
そこで2本の抵抗を並列に結線した0.5Ωで試してみることにしました。                   左は2SC1815で右が2SD1616。

 実験回路は左の図のようなもので、残念ながら最終的に使用予定のNSPWR70CS-K1
 はLEDフラッシュライト用に既に使ってしまい手元に無いので、NSPWR70BSで代用してい
 ます。 こちらはNSPWR70CS-K1のIfが50mAに対し30mA、Vfは0.1V近く高いのが実体
 ですから、同一視してみることは出来ませんが、損失電圧変化の傾向については判ると思
 います

 オペアンプの比較基準電圧は15mVとなりますが、これは定電流ダイオード(E101)と抵抗の組み合わせで作っています。 E101は公称0.1mAの定電流ダイオードですが実測値は若干ずれていましたので、抵抗の両端電圧を測り15mVになる抵抗値として160Ωとしています。 この基準電圧は電源電圧の可変範囲である2Vから4.5Vでピクリともしない安定的なものになっています。 定電流ダイオードで作る定電圧は調整が可能ですし電源電圧変化にも強いので便利です。

電源電圧は可変安定化電源を使い2.0Vから4.5Vまで0.5Vのステップ
で変化させて、LEDのVf、If、トランジスターのVceの3種類を計測して
います。 その結果をグラフで表示したのが右ですが、赤い線が最も
気になるVceの変化を、青い線はLEDのVfを、緑色の線はLEDのIfを表
しています。 青線と赤線は実線と一点鎖線がありますが、2系統の
ばらつきが若干ありましたのでそれを表現していますが、Ifについては
全く同じ変化を辿っております。 緑の点線については後述します。

実際に乾電池で駆動した際の電圧変化範囲を薄い水色の背景として
います。

さて電源電圧3Vが定電流動作のターニングポイントのようで、これより
高い電圧ではLEDを流れる電流は30mAの一定となりVfの変化も僅か
になります。  逆に低い方はLEDに流れる電流が低下し電池寿命終
了時には18mAと最大時の60%になります。 これら3Vから2.7Vの間が
光量変化を起こす範囲ですが、光量は電流値にほぼ比例するため、
電池寿命終了時には最大光量の60%になります。

さて気にしていた損失電圧ですが、Vceについては0.008-0.015Vと測
定されました。 2系統での違いが大きいもののかなり低く大成功のよ
うに思えます。  但しこの測定結果には2系統でのばらつきによる違
いと測定誤差が含まれています。 3V付近は非常にデリケートで電源
電圧が0.01V違っただけで測定結果に大きな影響が出ますが、自作
の定電圧電源は電圧可変に巻き線型の可変抵抗を使っており、これ
が原因で電圧の微小な調整が難しくなっています。
従って測定誤差も結構出ると考えられますので、この数値を見て喜び
過ぎないようにしないとなりません。 ただし安全を見て0.05V-0.1V程
度の損失電圧にはなっていると考えて良いと思います。

更に電流値検出抵抗で0.015Vの損失がありますからこの実験回路で
の損失電圧合計は0.065V-0.115Vが得られているわけです。

最終的に使うNSPWR70CS-K1では数十本から選別すればVfが2.9V以下の物が得られると期待していますので、電源電圧が3V近辺でLEDをフル駆動できる公算は極めて大で、冒頭で述べた損失電圧0.2Vの達成はほぼ間違いなかろうと思います。

さてあれこれ複雑でやっかいなことをしているものだ?と思われる方がいるかもしれません。 そこで最も簡単な抵抗を使った場合との比較をお見せしておきましょう。  上のグラフで緑の点線になっているのがそれで、電源電圧が4.5Vの時にLEDに30mAが流れるよう抵抗を調整しました。

電源電圧が低下するに従い電流値は見るも無残としか言いようの無い光量低下を起こし3.6Vで電流は半減、電池寿命が尽きる時には3mA程度しかありません。 最もこれだけ急激に消費電流が低下すれば連続運転した場合の持続時間は長くなる方向になりますので、例えば例えば電池寿命20時間!!みたいな打ち出し方が出来るかもしれません。 また流れる電流はどんどん低下するのでLEDの寿命には影響しないでしょう。 そのような市販品をどこかで見かけたようなきがしていますが懐中電灯で慣らされた電池電圧が下がると明るさは低下する!という思い込みからクレームも付かないのでしょうか???


電池寿命の表示機能

欲を出せばきりが無いのですが何とか電池寿命(3本で2.7Vになった時)が判るインジケーターを欲しいなあ!ということで、ちょっとした実験をしました。 但しそのために材料費が大幅に上がったり、実装面積が増えて本体が大きくなったのでは困ります。 無論シンプルさを求めているテーマですから適度なバランスも欲しいわけです。  実際に次のようなものを考えました。

1.赤・緑2色内蔵のLEDを使い電圧が高い時は黄色、電圧が下がると赤に変わる。

 赤緑のLEDの駆動方法
 を変更して電圧が下が
 った時の発光量の違い
 により色を変えさせ電
 圧低下を知らせようとい
 うアイデアで、具体的に
 は左の回路図のように
 緑のLEDには電流調整
 の抵抗にダイオードも繋
 いであります。

 ダイオードは約0.7Vの
 電圧降下を有しますが、
 それで足らない部分を
 抵抗で補い、4.5V時に緑と赤の両方に同じ電流が流れるようにします。 こうすると緑と赤の光りは混合され
て黄色になります。

こうしておいて電源電圧を下げるとダイオードの電圧降下分は抵抗によるものほど小
さくならないので、緑は赤よりも電流値がより減少して行きます。
この結果緑色のLEDの光量は赤よりも早く低下するので、混合された色は黄色から
赤味が強くなって行きます。

右の写真はその様子を撮影したもので、電圧計の読みは電源電圧を表しています。
最上段が約4.5V時でその下は約0.5Vずつ電圧が低下した状態です。
2.7Vは電池の寿命となる電圧ですのでこれも追加しています。

確かに黄色い色から順次赤味が増えてはいますが、変化の度合いは期待していた
よりも少ないようです。

原因のひとつはダイオードの低電圧時の電圧降下量が私が期待していたものより低
いためか或いはこのLEDの特性なのか、いつまでも緑分の明るさが残っている点に
あります。 これは他のダイオードに変えたりLED自身も変更することで改善できるか
もしれませんが、ダイオードの変更は容易なもののLEDの変更はかなり難しい問題と
なります。

というのは3φの赤・緑LEDの市販品は非常に種類が少なく入手困難であるからです。
私が見つけた物もかなり古そうで発光効率が悪そうな物でしたが(スペック等詳細も
不明。)
、選ぶ余地がありませんでした。 もうひとつ多色LEDの宿命として各色のエ
レメントは物理的に離れているため、混合色は均等にならず部分的に色味の違いが
目立つという問題も有ります。

そんなこんなで今回この方式の採用は見送りとすることにしました。


2.赤のLEDを使い電圧がある値に下がったら点灯する。

 これは以前に作ったことがあり左のような回路構成です。 製作実績があるので改めて動作確
 認はしておらず、回路定数は計算値であり実際に試した上での数値が入っているわけではな
 いことを断っておきます。

 動作としては電圧が高い時にはTR1がON、TR2がOFFでLEDは消灯していますが、2.7Vまで
 下がるとTR1がOFFになり、TR2がONと反転します。 その変換点調整は24KΩの変更で可能
 です。

 この方式の良いところは設定した電圧になるとLEDが点灯しますので、電池寿命のタイミングが
 明確に判ることです。 また更に電圧が下がっても点灯状態は暫く続きますから実用性は高い
 です。
 しかしご覧のようにトランジスター2本、抵抗3本、LED1本の合計6本の部材を使うというのは多
 すぎで、実装スペースをかなり食い、これが最大の難点です。


3.青のLEDを使い電圧が徐々に下がり電池寿命時点で消灯する。

 上記2例はLEDが赤く点灯したり赤に変化したりすることで電池寿命を知らせる方法でしたが、この方法は
 電池がOKの場合は点灯していて電池寿命が来たら消灯するということで青のLEDにダイオード、抵抗の合
 計3本で構成しています。 ダイオードを使ったのは急速に光量変化が起きるようにとのことで、その必要が
 無ければ抵抗1本とLEDという簡単な回路です。

 実際に作って点灯した結果は期待していたよりも判りやすく、
 ブルーのLEDのせいか見栄えもなかなのものになりそうです。

 ダイオードには手持ちの1N4007を使っていますが、もっと小
 電力タイプでOKです。 その場合直列に入れる抵抗の値を
 調整する必要があります。

 右の写真はその様子を写真に収めたものですが、露出は全
てマニュアルとし、LEDの明るさの違いが判りやすいようにしています。

電源電圧が4.5Vの場合LEDに流れる電流は5.1mAとそれほど大きな値ではありませんが、見た目にはかなり明るく見えます。 そして電圧が下がるにつれて急激に光量は低下して行きます。

上から4番目の写真は電源電圧が3Vに下がり電池寿命が残り僅かになったときで、
LEDに流れる電流は0.05mAしかありません。 ごく僅かな光り方ですが点灯状態を
見逃すようなことはまずないでしょう。 因みに駆動テストでは照明用のLEDはこの電
圧まで光量低下すること無くギンギンに光っています。

さて2.7Vに近づくと更に光量は低下しますが、それでも青いシミのように見えます。
(右下に矢印の先にある青いシミに見える部分を拡大してあります。)
照明用のLEDは最大光量の60%で光っており光量が低下したことが気が付かない場合もあるかもしれませんが、このインジケーターを見ればもう電池の寿命だと判るでしょう。

しかしこの青いシミも2.7Vをちょっと下回るとフッと消えます。(最後の写真の左下を
参照ください。)

これら僅かなLEDの明かり或いはシミは実際には暗い状態で見るはずですから確認はし易いはずですし、見えなければ電池寿命と判断しても差し支えありません。


こんな実験を通じてこのテーマでは3.の方式を使うことに決めました。

1.の方法は入手できる多色LED次第で完成度が上がって面白い物が出来ますの
で、頭のどこかに残しておきたいと思います。

一番実用性が高いのは疑いなく2.ですが、この方式をトランジスターではなくオペア
ンプを使うと実装面積が減らせて更に高精度な物が作れますし、緑と赤のLEDを使い
電圧が高い時は緑、下がってきて中間で黄色、電池寿命付近で赤に変化するような
更に格好良い?物も可能になります。
4回路入りのオペアンプで3本のLEDを駆動し、残りのアンプでインジケーターLED駆
動なんていうものを今回のテーマの兄貴分として考えるとバランスの良い物になりそ
うな気がします。



2009/07/17

もうひとつの構想

コンパクトなLEDライトのひとつの構想はまとまったのですが、先週お伝えした
『新たな部材テスト』の結果から少し仕様の違ったコンパクトLEDライトを作ってみる価値がありそうなので、構想を詰めました。

『新たな部材テスト』で点灯実験をした8φのLEDは値段は安いものの古い設計で発光効率もあまり良くなさそうだし、色味も青みが強いので実用性はイマイチと考えていたのですが、3φ及び5φの最新の高輝度LEDとその後比較してみて、おっ!これは使えそうだぞ!という感触を持ちました。 そのテストの結果は以下の通りです。

LED詳細 レンズの位置 50cmでの明るさ 照射範囲 コメント
8φ 3.1V 20mA 20° LED先端から0.5mm 350ルクス 直径20cm かなり青みの残る白色、設計が古い?
3φ 3.0V 20mA 50° LED先端から1.5mm 80ルクス 直径70cm 日亜 NSPW310DS b1V
" " " LED先端から5.0mm 140ルクス 直径45cm    "   "   トップランクの3φLED
5φ 3.2V 20mA 20° レンズ無し 200ルクス 直径20cm 日亜 HSPW500GS-K1

最初にお断りしておかないとならないのは、上の8φLEDは先週テストした物と異なっています。 今回350ルクス/50cmとなっていますが、1mでは87.5ルクスになり、先週測定した74ルクスより20%近く明るいですが、LEDのばらつきと測定誤差が含まれると思います。

そんな問題が在るにせよ8φLEDはレンズを被せた状態で最も明るいという結果が出ています。 実はテスト前に私が想像していたのは最後にあるHSPW500GS-K1がぶっちぎりで明るいだろうと期待していました。 というのは20°タイプの5φLEDで最新の最も明るい物であり、外部レンズという損失が増えるもの無しでの測定だったからです。

1mの距離で90ルクス近く得られれば、そして照射範囲が直径20cmあれば、コンパクトLEDライトとして既に構想をまとめたものとは違う切り口で実用になります。  第一次構想とどのように違うか比較してみると、

  LED詳細 照射角度 1mでの明るさ 駆動電源 推測連続点灯時間
構想 その1 日亜 NSPWR70CS-K1 2本 80度 22ルクス アルカリ単四3本 8時間
構想 その2 8φ 20度 1本 11度 74-88ルクス アルカリ単四2本 25時間

最後の連続点灯時間はどれだけ効率の良いDC-DCコンバーターを使えるかで大きく変わる可能性があります。 構想 その1では3本の電池でコンバーター無しにLEDを直接駆動することを考えていましたが、8φLEDのVfはやや高めの3.1Vあり、電池3本での駆動は若干厳しいためDC-DCコンバーターで駆動電圧を高めます。 その替わりに使う電池の本数は2本に減らします。

ご覧のように照射角度を除いて全ての点で構想 その2の方が優れています。 だからと言って構想 その1は作る意味が無いとは考えていません。 照射範囲が絶対に必要な使い方が間違いなく存在するからです。

 そこで構想 2の仮設計をしてみました。 左が回路
 図で右が外観/断面図です。
 回路図に存在するDC-DCコンバーター(AS1322A)
 は入手してテストしてみない限り性能の確信は持て
 ませんが、メーカーのスペックでは1-2本の電池を繋
 いで3.3Vまたは5.0Vで150mA-570mAの出力電流
 が取れ、変換効率は80%近辺とのことです。 上記の駆動時間25時間はそれが正しいとし
 て計算した値です。

 また構想 その1と構想 その2の外形寸法の違いを比較した図がこちらですが、若
 干の違いはあるものの体積としてはほぼ同じになります。

 使うLEDが1本で電池本数が少ないので構想 その2の方が1ランク小さくなるので
 は?と期待したのですが、LEDの体積が大きい、レンズが場所を食う、DC-DCコン
 バーターが場所を食う、などが重なった結果のようです。

 尚構想 その2では電池残量のインジケーターもありません。 これはDC-DCコンバ
 ーターの最少入力電圧が0.85Vと極めて低いので、Vfの小さな赤のLEDを使っても
 電池の電圧が低下した状態では点灯を維持できなくなるためです。
 従って構想 その2ではニッケル水素電池の使用は破損させ易いので考えない方
 が良いと思われます。

 色々浮気をしていますが、以上考えたかなり方向性が異なる2種類を製作してみた
 いと考えています。

----- つづく -----


 
  
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