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木工ボンドアプリケーター
   
 2007/01/19

 構想

 2006/12/22のひとりごとで述べている木工ボンドを使いやすくするための道具を具体化しました。 
 第一案であるケチャップの容器を使った物は単に木工ボンドを詰めて使うだけで簡単この上ありません
 が、若干実用上の問題点が想定されるのでここで紹介する第二案としての自作の物も含めて実用性テス
 トをしようと思います。

 自作のものもできるだけ簡単に作ろうと考えましたが、ボンド容器のキャップ無しでホルダーに差し込んだ
 らノズルの先が塞がれるような構造(ノズル付近のボンドの乾燥防止)にすることだけは絶対条件として
 おきたかったので、その部分を入手しやすい材料で実現すべくあれこれ物色した結果、35mmフィルム容
 器ののキャップを候補としてあげました。
                                             35mmフィルム容器のキャップ内側
 このキャップはポリエチレンで出来ていますが内側中央に直径
 5.3mm高さ2mmの丸い突起があります。 500mlボンド容器のノズ
 ルの先端内径は5.7mmですので、この突起がちょうどうまい具合に
 嵌まり込みます。 またその周りには深さ7mmのお皿状になってい
ますから、逆さにボンド容器を立てて中のボンドが漏れたとしてもこのお皿部分で受けてくれ
周りを汚すこともないでしょう。 それとキャップの材質のポリエチレンには木工ボンドはくっつ
きませんし柔らかいですから表面に固まったものを簡単に落とせますし水洗いもOKです。  

 左が考えたホルダー部分の断面を表したものですが、18mmの板
 4枚に所定の丸穴をあけて上の3枚は木工ボンドで貼り合せ、底板
 には位置決めのために6φの木ダボを2本埋め込んでやりました。
 底板固定にパチン錠を使おうかとも考えましたが、きつからず緩からず嵌まり込みますのでこのままでも
 OKなようです。  こういった構造ですから底板と上のブロックに挟まれたフィルム容器キャップ(空色の部
 分)
は簡単に外せて掃除や洗うことができます。

 製作上少々厄介な所は丸穴を厚めの板にあける部分だけだと思います。
 私は35φ、30φ、16φの穴はフォスナービットで、40φの穴は電動ジグソーで少し小さめに切り抜いて丸の
 替刃式ヤスリ(DR-1000P)で所定の穴径に削りました。 製作時間は約3時間ですがその後の水洗いを可能にするための塗装に15時間を要しています。(油性ニスを使ったため。 水性ニスなら3時間程度で終了する。) 
それら製作の様子は以下の写真をご覧ください。

穴あけには16φ、30φ、35φのフォスナービットを使いました。 また40φの穴は電動ジグソー(CJ-250)で少し小さく切り抜き替刃式ヤスリ(DR-1000P)で成形しています。

手製の電動ドリルアタッチメントがここでも活躍。 彫る深さを予めセットできるので作業効率も大変よいです。 写真は30φ 深さ7mmの座繰り穴をあけているところです。

30φ深さ7mmの座繰り穴をあけ終わりました。 このあと引き続き16φのフォスナービットに変更して貫通穴をあけます。

4枚の板はまだ切り離していませんが、所定の穴をあけ終わりました。 右から電動ジグソーで切り抜いた後で替刃式ヤスリで仕上げた40φの穴、その左は左の写真の後で16φ貫通穴をあけたもの、そして16φ貫通穴、左端は35φで深さ2.5mmの座繰り穴です。

4枚の正方形の板に切り離しました。 左上はこれから嵌め込む35mmフィルムケースのキャップです。

所定の順序で4枚の板を積み上げ、フィルムケースキャップもその間に嵌め込みました。

そして500ml木工ボンド容器のキャップを外してズボッと無造作に差し込んでみました。 外からは見えませんがうまく立ってはいます。

そっと全体を裏返して底板だけを取り除くとこのとおり、木工ボンド容器のノズルの先端は期待通りフィルムケースキャップの丸い突起に嵌まり込んでいます。

ここまではうまく行ったので上の板3枚は穴の位置関係を調整しながら木工ボンドで貼り合わせてしまいました。

そして貼り合せた板には6φの木ダボを2本埋め込み底板にはそれらの木ダボが嵌まり込む穴をあけました。(マーキングポンチを使っています。)

底板を嵌め込んだ状態で外周部分の僅かなでこぼこを粗目ヤスリでならし削りをし替刃式ヤスリ(M-20GP)でほぼ面一にし最後にハンドサンダーに#240ペーパーを取り付けて磨き上げつるつるに仕上げました。

研磨面のクローズアップ。 残念ながら一部角の部分に欠けがありますが、全体的にはつるつるになりましたので、ニスで仕上げます。(特にそうする必要はないのですが、ちょっとした拘りです。)

ボンド容器を差込み最終確認をした上でこの後、角の丸めと仕上げ研磨を施しました。

油性ウレタン着色ニスで塗装中に真上から撮影しました。 真中にフィルムケースキャップの丸い突起が見えています。

油性着色にス2回塗りで完成した木工ボンドアプリケーター。 ボンド容器を差し込まないとなにやらデスクトップのペン立てかペーパーウエイトのように見えます。 とても端材で作った物には見えません。 塗装が如何に価値観に影響するかの好例です。

ということで使用可能になった木工ボンドアプリケーター。 この状態では元のボンド容器のキャップは外したままですが、フィルムケース蓋の突起で塞がれていますから木工ボンドが固まったり乾燥することはありません。 それ程場所を食わないので保管中もこの状態のままで問題なさそうです。



 2007/01/26

 実際に使ってみました

 自作した木工ボンドアプリケーターと逆
 さに立てられるトマトケチャップ容器に
 木工ボンドを詰めて、たまたま製作中
 のペン皿付きボードの製作で両方を試
 してみました。

 特に説明は必要ないと思いますが、左
 の写真左側が自作の木工ボンドアプリ
 ケーターで、右側がハインツの逆さに立
 てられるトマトケチャップ容器に木工ボ
 ンドを2/3程詰めたものです。

 左の容量が500g、右が460g(いずれ
 もメーカー発表値)
と僅かな差がありま
 すが、ご覧のとおり使用上は違いがな
 いといってよく、握り具合も殆ど同じで
 す。






使ってみての感想を簡単に述べます。 
まず自作のアプリケーターですが、立ててある状態からボンド容器を握って持ち上げたところ、稀にホルダーも一緒に持ち上がってしまうことがあります。 きつく嵌まり込んでいるのではないのですが、ノズル先端がくっつき気味の場合に起きるようです。 こんな場合には片手でホルダーを押さえねばなりません。 それをなくしたければホルダーの重量を増やせば解決できるでしょうが、私はそれが面倒とも感じませんでしたので(今までのキャップを外す手間よりは楽)このままで良いと思っています。 

ボンドを塗布する作業は今までと全く変わりありませんし無論ノズルが長いので使い勝手に問題はありません。
使った後でホルダーに差し込むときにも、ノズル先端が丸い突起にうまく嵌ったかどうかの確認をする必要もなく無造作に差し込んでもきちんと嵌っているようです。

一方トマトケチャップの容器の方は蓋を開けて使うわけですがその蓋は80度前後く開くので特に邪魔になるようなことはありません。 但しノズルの先端が飛び出ていないので、使い方としては搾り出したボンドを垂らして落とす感じになるため横から覗き込むような使い方になりやすいです。 従って少々馴れが必要でありボンドを塗る部分が狭い場合などはうまく使いにくいこともあります。 但し搾り出し具合は大変良好で、搾り出す太さが細めで容器が硬めであるせいか搾り出す量のコントロールも期待以上にうまく出来ました。 使い終わったら蓋をパタンと閉めてしまえばキャップ裏の突起がノズル部分を塞ぎますので、特に気をつける必要もなく立てておくだけですので使い勝手も大変良好です。

2つの使い勝手上の一番大きな違いはこちら。 トマトケチャップ容器流用タイプはノズルの突出がないためボンドを垂らして落とすような使い方になる。 但しノズルの直径が細めであることと容器の硬さが適当で搾り出しのコントロールはしやすい。

とここまでの結果ではどちらも特に致命的な問題はありませんでしたが、ノズル先端付近のボンドが固まって問題を起こさないかどうかを確認するため接着作業を終了した後で48時間(2日間)放置した後で確認してみました。

自作ボンドアプリケーターからボンド容器を引き抜いてノズル先端をクローズアップ。 ノズルの先の周りはドーナッツ状に木工ボンドが固まって透明になっています。 この部分がフィルム容器キャップに貼り付いていた部分ですが、キャップのポリエチレンは木工ボンドがくっつかず簡単に剥がれます。 そして保管状態ではこの固まってリング状にキャップに密着した部分が外気を遮断し内部の乾燥や硬化は極めて遅くなりおそらく数ヶ月経っても抜いたときに簡単にむしりとれる程度だと想像しています。  尚キャップを外してみたところ右のように中央突起部分に木工ボンドが付いていて濡れたままで無論固まってはいませんでした。  木工ボンドを使う時にはノズル先端の固まったドーナッツをむしりとるだけです。

トマトケチャップ容器の方はどうかというと、蓋の内側の突起部分は木工ボンドで濡れた状態のままでした。(左) 一方ノズルの内側には木工ボンドが固まったような部分が見当たりません。 写真でその様子を確認しにくいですが、実際に容器を握って搾り出した所何の抵抗もなくボンドは出てきましたし、自作の場合のノズル先端の固まったような部分もありませんでした。 容器の頭部分全体をキャップを閉じたとき密閉するような構造のため、乾燥が非常に遅くなるのではと想像しています。 更に長期間寝かせないと本当のところは判りませんが、十分実用になりそうです。

取り敢えずの所見は以上ですがトマトケチャップ容器の流用は想像していたよりもかなり良かったように思います。 唯一の欠点はなんと言ってもノズルが突出していないことですが、だからといって改造したくても十字の切り込みの入った特殊な柔らかい弁があり簡単に改造出来る構造ではないので、ノズルが突出していないことを承知の上で使うしかないでしょう。  その意味でやはり自作の木工ボンドアプリケーターの方が使い勝手は一歩優れています。

結論としては作るのが面倒であるならトマトケチャップの容器を使ったスタイル、より完成度の高さを求めるのであれば自作のアプリケーターということになります。 どちらも便利であることには変わりまりません。

----- 完 ------


 
  
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