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電磁石を使った実験・工作 1
   
2009/07/31

最近の小学校の理科の時間で電磁石をどのように取り上げて授業を進めているのか私には皆目判らないのですが、電気を使うとあってなじめずにいるお子さんも多いかもしれません。(電気の動きが見えないだけに!)  ここでは授業ではないので、電磁石を使ってもっと面白そうなことをやってみようと思います。

1.最も簡単な電磁石を作ってみる
  強力な電磁石を作ろうと考えたら鉄の棒にエナメル線をぐるぐる巻いて作る!という方法をご存知の方は多いでしょう。 しかし
  最も簡単な電磁石は太さ0.5mmのエナメル線30-50cm程、そして方位磁石と電地1本があれば作れます。

  以下にその様子をお見せします。

最も簡単な電磁石の仕掛け。 板の両端にネジを締め込み、そこにエナメル線を巻きつけてピンと張ります。 方位磁石はエナメル線と板の間に挟みます。 エナメル線の両端はサンドペーパーで被覆を削って電気が通るようにしておきます。

方位磁石の針とエナメル線が平行になるよう板を回転させて調節します。(左) 電池をつなぎますがこの場合エナメル線右端が電池のプラスに触っているので、矢印の方向に電流が流れます。 そして方位磁石の北(N極)が左に回転しました。(中央) 電池を逆につなぐと方位磁石の北は右に回転します。(右)

次に写真ではお見せしませんが、エナメル線と板の間に挟んでいた方位磁石を引き抜いて今度はエナメル線の上に載せて同じ実験をして見てください。 方位磁石の針のふれる方向が反対になると思います。

 ここで結論と言うか覚えやすい法則を最初に説明しておきましょう。

 直線状の導線に電流を流した時にはその方向と直角方向に円状の磁力線
 が発生します。 その向きは左の図の通りで、ネジを締めこむ方向が電流
 の向きで、回転方向が発生する磁力線の向きと覚えておくと良いです。
 (右ネジの法則と言います。)

 上の実験はエナメル線を方位磁石の上か下に張って、そこに電流を流した
 わけですが、この右ネジの法則に従って磁力線が発生しています。
 その為に方位磁石が触れているわけで、たった1本の導線ですが立派に電
 磁石としての動作をしめしています。

 方磁石の針が触れた方向は次のように理解することが出来ます。

 磁石には必ずN極とS極が存在し
ますが、磁力線は右の図のようにN極から出発して曲線を描きながらS極に進みます。

そして右の図は上の実験開始前の状態を表していると考えてください。

 左の図は上の写真の中央の状態
 を表しています。 太い青線はエナ
 メル線の下側を通る磁力線の向き
 を表し、細い青線はエナメル線の
 上を通過する磁力線の向きです。
 上の右ネジの法則の図と比較すれば理解できるでしょう。

 さて方位磁石の針により強く作用する磁力線は、太く描いたエナメル線の
 下側を通過するものになります。(この方がより針に近いためです。)
 そしてその磁力線で弱いながらN極とS極が図のように出来るので針は引
 き合って回転します。 但しエナメル線で作る磁力は小さく,針に対する地磁
 気の影響がありますから、途中で止まります。

 電流の向きを反対にすると針に対する影響は相変わらずエナメル線の下側
 を通過する磁力線が強いですが、電流の向きが反対になれば、磁力線の向きも反対になるので、針の回転方向は上の写真の右のようになります。

ここまでお話すればエナメル線を方位磁石の下側を通すようにした時どうな
るかはもうお判りかもしれませんが、右の図のようにエナメル線で作られる
磁力線のうちエナメル線の上側を通る方が針により強い影響を与えるように
なります。(そちらの方がより針に接近するからです。)
このために針のふれる方向は全て反対になります。

いかがですか一直線の導線でも電磁石は出来るのです。 但し大変微弱な
磁気力ですから通常は気が付きませんが、右ネジの法則を理解するには
この最も簡単な電磁石と方位磁石の組み合わせが好都合です。

さてこれまでは導線が直線の場合でしたが、導線をぐるぐる巻いた(コイルと呼ばれる。)の場合にどうなるかを試してみましょう。

まず次の写真をご覧ください。

ちょっとややこしそうですが、塩ビパイプにエナメル線を6回巻いて巻き始めと巻き終わりに電池を繋ぎます。 その塩ビパイプの中に方位磁石を入れてあります。 方位磁石のS極(黒い部分)の方向は記入している位置になっています。

電池をつなぎました。 電流の向きは矢印のようになっていますが方位磁石の針には何の変化もありません。

電池のつなぎ方を反対にしましたので、電流の流れる方向も反対になりました。 とたんに方位磁石の針は180度回転して、ご覧のようにN極がS極のあった位置に来ています。

どうもようわからん?!と思われる方は、こちらをクリックしてください。 以上の様子を動画でご覧いただけます。 最初が上の左の状態で、次に電池を繋ぎ変えて右の状態となります。

 このようになる原因を『右ネジの法則』で考えてみましょう。 左の図は上の写
 真の左側(方位磁石の針が180度回転した時の状態)を表しています。

 ぐるぐる巻いたコイルの中を通る磁力線は全て矢印の方向になることが『右ネジ
 の法則』
で導かれます。  一方方位磁石の針のN極から出てS極に向かう磁
 力線は、コイルが作る磁力線と反対方向になります。  そして今回は6回巻きと
 してかなり強力な磁力が得られているため、地磁気の影響を受けずにコイルで
 作る磁力線と同じ方向を向くため180度回転します。

 電流の向きを変えた(電池を反対につないだ)時にはコイルが作る磁力線の向き
 と方位磁石の作る磁力線の向きは同じになりますから、方位磁石の針は動きま
 せん。

 実際に使われる電磁石はこのようにコイル状になっていますが、流す電流を同じ
 にしたとき巻き数が多くなるほど磁力はアップします。


2.簡単な電磁石を使ったおもちゃ 1

 さて最も簡単な電磁石は導線に電流を流しただけのものであることが判りましたが、これでおもち
 ゃを作ってみます。 その名は『電子ブランコ』とでもしておきましょうか?

 材料は0.5mmのエナメル線、電池1本、ビニール線、適当な板とM3 x 20mmの真鍮ネジ2本です。

 0.5mmのエナメル線を左の図のような寸法で曲げてやります。 その両端はサンドペーパーで磨
 いて被覆を剥がしておきます。 ネジにはビニール線を剥いてくくりつけて適当な台にセロファンテ
 ープで固定します。 その上にエナメル線で作ったブランコの両端をネジの上に載せてやります。

 このときネジに触れている部分はセロファンテープが被っていない必要があります。 以上の様子
 は下の写真もご覧ください。

僅かな材料で作れる『電子ブランコ』です。 この写真には見えませんが、青と橙色のビニール線の先に電池1本をつなぎます。 こんなものでもちゃんと動作するので愉快です。

 さてこれに電池1本をつないだ時にどんな状態になるかは、左の写真をクリックして
 動画をご覧ください。  とてもブランコとは呼べそうもありませんが一応揺れる様子
 が確認できます。 問題は振れの大きさが小さいのと余りにも頻繁に振れること、
 そして長続きしないことにあります。

 これをもう少しブランコらしい揺れ方をするよう簡単な改造をしてみたのをこちらでご
 覧いただけます。 最初のうちはまだ動作がおかしなところがあるものの、暫くする
 と揺れの量が大きくなりいかにもブランコが揺れているように見えます。

 どこをどうすればこのようになるのかの詳しくは、まだ問題が少々残っておりそれら
 を改善してからご紹介したいと考えています。(多分次回に!)

 うまく揺らす方法も『右ネジの法則』に基づいています。 みなさんもその方法を考
 えてみてください。



2009/08/07

電子ブランコのからくり

 私が考えた電子ブランコが連続して動く原理は、磁石同士の斥力(セキリョクと読み
 ます。)
を利用します。 斥力は磁石のNとSが引き合う力(引力)と逆の反発する力
 で、NとN、SとS、或いは磁力線が互いに反対方向を向いている場合に発生します。

 左の図をご覧ください。 これはブランコを真
 横から見た様子ですが、フェライト磁石はNと
 Sがこのような位置になるようにセットします。

 そしてブランコに電流を流しますが、それによ
 る磁力線の向きがフェライトマグネットで出来
 る磁力線の向きと反対方向になるようにつな
 ぎます。(磁力線が同じ方向だと引力が発生
 するが、この時には電池を逆につなぐ。)


 そうするとフェライト磁石とブランコは反発しあ
 ってブランコが左か右に傾いてしまいます。
 仮に左側に傾いたとして、そこで電流を流す
 のをやめればブランコは元の位置(真下)に戻
 りますが、そこで再び電流を流すとブランコは
 反発して反対の右側に傾きます。

 再び電流を流すのをやめれば中央に戻る、そ
 こで電流を流せば左に振れる・・・・・・と揺れる
 動作が続きます。

 そんなうまいことが出来るか知らん? と思わ
 れるでしょうが、ブランコのエナメル線が乗っか
 る部分に仕掛けがあります。

 右の図はエナメル線で作ったブランコが乗っか
 っている状態を横から見ています。
オレンジ色の部分が電気を通すことを表しており、丸い断面のエナメル線は絶縁皮膜(黒線
部分)
で覆われております。 それが載っている横長のオレンジ色の線は錫メッキ銅線で、
絶縁皮膜がありません。

さてブランコの片方の端は絶縁皮膜をサンドペーパーで完全に削り取りますので、錫メッキ
銅線と常に電気的に繋がっていますが、反対側は図のようにエナメル線の真下部分だけを
カッターナイフで削ってあります。 こうするとブランコが真下にある時には電気的につながり
ますが、ブランコがどちらかに揺れて傾いている時には電気的に接触しません。

こうしてやるとブランコが中央にあるときだけ電流が流れて斥力が発生しブランコを揺らす力
になります。 実際にやってみるとブランコそのものが大変軽いので、ブランコとそれを載せ錫メッキ銅線との間の電気的な接触はかなり不安定です。 従って辛抱強く、うまく接触するよう軽く押したり移動させたりしないとなりませんが、必ずうまく動作するときがありますので根気良く試してください。 これらは次に写真と動画でお見せします。

ブランコを載せて電気的に接触させる部分は前回のネジから錫メッキ銅線(裸線)に変えました。

板の前後に沿わせている銀色が錫メッキ銅線、その上に載っているのがエナメル線の端で、片方は被覆を全て削り落とし、もう一方は下側だけをカッターナイフで削ってあります。

フェライト磁石はこのように立ててNが手前を向くようにセットしています。 またブランコの下には薄い板を切って貼り付け、電気的な接触が増すようにしています。

この図をクリックすると動画で電流を流したり止めたりしている様子が確認できます。 右端に見えるメーターの針が大きく振れているときは電流を切った状態で、振れが小さい時には電流が流れています。  良く見るとブランコが下に来たときにメーターの振れが小さくなることが判ると思います。




 
  
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