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読者の作品 056
 

2011/03/04

2/11に加色混合実験機をご紹介いただいた神奈川県相模原市にお住まいの高倉様から続けて「玄関内に設置した折り畳み式ベンチ」を送っていただきましたので紹介いたします。

折り畳む構造を横から見ると収納時には潰れている平行四辺形が使用時に開いて長方形になります。 商品として販売されている物を高倉様が消化して製作した作品です。

(私が作った折り畳み式ベンチは、横から見ると閉じた時には潰れていて使用時にはそれが3角形になりながら最後には直角3角形になる!という構造的な違いがあります。) 

詳しくは以下の解説をお読みください。


VIC's D.I.Y.  大橋様


高倉 厚美 (男66 歳)
添付:設計図面

 前略、
いつも拝読させていただいておりますVIC's D.I.Y.の記事の中に、我が家にも欲しいなあと考えていた"玄関内収納ベン
チ"
があります。  近くに住む義父母が訪ねてきたり、ブーツ姿の娘たちが帰ってきたりするときに、玄関の上がり框に腰掛
けての履物は、いかにも大変だなと普段から見かねていました。

そこで、4 本足の玄関ベンチなら簡単に作れると思い、折角なら座面の下を有効活用した構造にしようなどと発想していまし
たが、狭い玄関に"据え置き形ベンチ"では「普段は邪魔くさいな・・」ということで、躊躇していたところです。

その頃、VIC's D.I.Y.の"玄関内収納ベンチ"の記事を読み、そのままの構造では我が家ではムリだなと分かりましたが、他に
どんな構造があるか考えていくうちに、今回投稿の構造にたどり着きました。


その検討条件としては

  ・ 普段は余り利用しないので、簡単に収納できてスペースを取らない構造がいい。
  ・ 我が家の"付け框"は、50 ミリ出っ張っているので、その上に乗せられる構造が必要。
  ・ 壁の中の"間柱"ピッチを調べたところ、約478 ミリであった。(475 ミリの設計なのかも?)
  ・ 玄関土間の水勾配を計測したところ、0.5 度であった。
  ・ 座面の幅500 ミリ、座面奥行325 ミリ、座面高さを425 ミリと設定
  ・ ヒンジ部のネジ止めなどが丸見えにならない構造のこと。
  ・ 玄関は、水洗時のあと暫く湿っていることがあるので、ベンチ足の小口部は少し浮いていることが必要と思われる。 
   (木口からの吸水防止のため)
  ・ 座面と足部の材料は、ヒンジ(蝶番)のネジ止めを確実にするためにパイン集成材とする。
   構造的には、平行四辺形の上辺を"座面"とし、縦辺の一方の延長を"足"とするような機構で、平行四辺形を横につぶ
   すようにして、座面を垂直に立てて収納しようという構造です。

一目瞭然の為に"仮組み立て"したときの写真を示します。
 
 
 
   

     
苦労・工夫した点
・ 4辺の内隅に平蝶番を4 つ付ければ、簡単に平行四辺形はできると、図面上では納得していたのですが、いざ設計寸法で
 切り出した部材の内隅に平蝶番を取り付けてみると、内隅に平蝶番の軸心をピッタリ配置するのは、平蝶番が微妙に曲げ
 成形されていることから、かなり難しいことが分かった。(平蝶番の取付け位置を彫り込むなどで調整した。)

・ 平蝶番を極力見えなくするのに、以前VIC's D.I.Y.の記事で読んだ"たたむと薄くなる脚立"の"長蝶番"の取付け方(合板の
 間にサンドイッチして隠してしまうこと)が参考になった(図面参照:蝶番@の取り付け)

・ 座面を立てて収納したときに、勝手に倒れてこないか不安があったが、板厚18 ミリの座面が鉛直に立つとき、後ろ壁とは6
 ミリの隙間を設けたので少し後ろ傾きに調整できるはずで、蝶番軸に対して後ろ重心となり、勝手には倒れないだろうと予
 測できたが、更に保持キャッチが必要かどうかは、仮組立してから検討しよう
 ということにした。

・ 仮組立の結果、蝶番Aのネジ穴を少し長穴にして、木ネジを緩めに接着固
 定しておけば、リンクに微妙なガタが生まれ、収納位置にスムーズにピッタリ
 納まり、勝手には倒れてこないことが判明した(苦肉の策? 写真3)

・ 足が収納部にピッタリ収まるのには、アジャスター釘(写真4)を使ったことも
 貢献している。水勾配に合わせて長さが微妙に違う
 2 本足がスッポリ納まるには、足の長い方のアジャス
 ター釘の球面状の底面(PVC 材に包まれている)が、
 点接触で滑り込むことによる。 もし、線接触で滑り込
 むようなクッション材のようなものをつけると微調整が
 難しかったと思われる。 写真では分かりにくいが、
 右側のアジャスター2個は、足が少し短い為少し浮い
 ている。(写真5)



・ リンクは、長さが足りなかったので作り直したが、残材が足りなくなり、ダボ
 接着で延長して修正した。このとき、ダボ穴の位置合わせ加工のし易さと、
 接着強度を考慮して、柾目側で木口とを繋ぎ合わせた為、木目が合っていな
 いが、位置が目線より相当低い所なので全く気にならない。(写真5 塗装前)


費用について
・ パイン集成材 18t×450×915\1,390 
 (座面、足、リンク及び本体の前面部材を製作)
・ ラワン合板 9tと15tは手持ち端材から  
・ 平蝶番 65mm 2 組入り@228×3=\684(計6 個)
・ 木製引手(パイン材)\298 
・ アジャスター釘 φ18 4 本入り\380 
 塗料および手持ち端材を除く合計\2,752 











塗装
玄関フローリング色近似を目標に、水性ウレタンニスを3 回塗って、つや消しで仕上げました。

図面について
詳細は、添付図面を参照願います。

製作後の感想
・ 費用から考えると、全て合板を使えば少し安くなるかも知れませんが、蝶番のネジ止めが心配なところです。(蝶番の板厚
 分を彫ってしまうのでネジが効きにくいかもしれない。)

・ 取手には、木製の袋形のものを使いましたが、機能的にも気に入っています。もし丸棒形のものを採用していたら、座面を
 引き出す時に下向きに押す力がかけられるかもしれず、すると、座面はロックされたような状態であり、引き出すことが出来
 なくなります。袋形の取手だと、横か上方向にしか子供でも引けませんから、利にかなって簡単に倒せます。

・ 耐荷重がどのくらいか分かりませんが、体重100 キロくらいの人でもビクともしないです。

・ 塗装後、正式に壁に取り付けたら、同じ土間に置いてある簡単な"傘立て"にとても違和感があり、この後すぐに
 "傘立て"の製作にも着手しました。  この投稿写真の後方に写っているのがそれですが、アクリル皿付の傘立てです。
 玄関網戸の支柱との隙間にピッタリにしましたので、玄関がすっきりしました。


完成写真
     
  ↑ 座面とリンクは平行四辺形です。

     
     


VICの一言

この構造での最大のメリットは耐荷重を大きく取りやすいことにあると思われます。 何故ならば座面に受ける荷重(殆ど人の体重)は作品に対し垂直に掛かり斜めとか横には掛かりません。

その場合の荷重としての種類は大半が圧縮荷重(座面に一部曲げ荷重)になります。 圧縮荷重は容易に確保しやすいので、仮に工作精度に多少のブレがあろうとも(高倉様がそうだと言っているわけではありません。 念のため!)
耐荷重に影響しにくいです。 従って初心者にも大いに参考にしていただきたいと思います。

正直言って私の作った折り畳み式ベンチも充分な耐荷重が取れてはいますが、圧縮荷重・曲げ荷重以外に斜め方向や横方向に掛かる引っ張り荷重や引き剥がし荷重など破壊に容易に繋がりやすい要注意の荷重が発生するので、作り方を間違えると耐荷重は下がりやすいです。

尚今回の応募作品ではありませんが、最後の方でちらと見える"傘立て"の写真を送っていただいていますので、ここでご紹介しておきます。
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2011/03/04

2/11に加色混合実験機をご紹介いただいた神奈川県相模原市にお住まいの高倉様から続けて「玄関内に設置した折り畳み式ベンチ」を送っていただきましたので紹介いたします。

折り畳む構造を横から見ると収納時には潰れている平行四辺形が使用時に開いて長方形になります。 商品として販売されている物を高倉様が消化して製作した作品です。

(私が作った折り畳み式ベンチは、横から見ると閉じた時には潰れていて使用時にはそれが3角形になりながら最後には直角3角形になる!という構造的な違いがあります。) 

詳しくは以下の解説をお読みください。


VIC's D.I.Y.  大橋様


高倉 厚美 (男66 歳)
添付:設計図面

 前略、
いつも拝読させていただいておりますVIC's D.I.Y.の記事の中に、我が家にも欲しいなあと考えていた"玄関内収納ベン
チ"
があります。  近くに住む義父母が訪ねてきたり、ブーツ姿の娘たちが帰ってきたりするときに、玄関の上がり框に腰掛
けての履物は、いかにも大変だなと普段から見かねていました。

そこで、4 本足の玄関ベンチなら簡単に作れると思い、折角なら座面の下を有効活用した構造にしようなどと発想していまし
たが、狭い玄関に"据え置き形ベンチ"では「普段は邪魔くさいな・・」ということで、躊躇していたところです。

その頃、VIC's D.I.Y.の"玄関内収納ベンチ"の記事を読み、そのままの構造では我が家ではムリだなと分かりましたが、他に
どんな構造があるか考えていくうちに、今回投稿の構造にたどり着きました。


その検討条件としては

  ・ 普段は余り利用しないので、簡単に収納できてスペースを取らない構造がいい。
  ・ 我が家の"付け框"は、50 ミリ出っ張っているので、その上に乗せられる構造が必要。
  ・ 壁の中の"間柱"ピッチを調べたところ、約478 ミリであった。(475 ミリの設計なのかも?)
  ・ 玄関土間の水勾配を計測したところ、0.5 度であった。
  ・ 座面の幅500 ミリ、座面奥行325 ミリ、座面高さを425 ミリと設定
  ・ ヒンジ部のネジ止めなどが丸見えにならない構造のこと。
  ・ 玄関は、水洗時のあと暫く湿っていることがあるので、ベンチ足の小口部は少し浮いていることが必要と思われる。 
   (木口からの吸水防止のため)
  ・ 座面と足部の材料は、ヒンジ(蝶番)のネジ止めを確実にするためにパイン集成材とする。
   構造的には、平行四辺形の上辺を"座面"とし、縦辺の一方の延長を"足"とするような機構で、平行四辺形を横につぶ
   すようにして、座面を垂直に立てて収納しようという構造です。

一目瞭然の為に"仮組み立て"したときの写真を示します。
 
 
 
   

     
苦労・工夫した点
・ 4辺の内隅に平蝶番を4 つ付ければ、簡単に平行四辺形はできると、図面上では納得していたのですが、いざ設計寸法で
 切り出した部材の内隅に平蝶番を取り付けてみると、内隅に平蝶番の軸心をピッタリ配置するのは、平蝶番が微妙に曲げ
 成形されていることから、かなり難しいことが分かった。(平蝶番の取付け位置を彫り込むなどで調整した。)

・ 平蝶番を極力見えなくするのに、以前VIC's D.I.Y.の記事で読んだ"たたむと薄くなる脚立"の"長蝶番"の取付け方(合板の
 間にサンドイッチして隠してしまうこと)が参考になった(図面参照:蝶番@の取り付け)

・ 座面を立てて収納したときに、勝手に倒れてこないか不安があったが、板厚18 ミリの座面が鉛直に立つとき、後ろ壁とは6
 ミリの隙間を設けたので少し後ろ傾きに調整できるはずで、蝶番軸に対して後ろ重心となり、勝手には倒れないだろうと予
 測できたが、更に保持キャッチが必要かどうかは、仮組立してから検討しよう
 ということにした。

・ 仮組立の結果、蝶番Aのネジ穴を少し長穴にして、木ネジを緩めに接着固
 定しておけば、リンクに微妙なガタが生まれ、収納位置にスムーズにピッタリ
 納まり、勝手には倒れてこないことが判明した(苦肉の策? 写真3)

・ 足が収納部にピッタリ収まるのには、アジャスター釘(写真4)を使ったことも
 貢献している。水勾配に合わせて長さが微妙に違う
 2 本足がスッポリ納まるには、足の長い方のアジャス
 ター釘の球面状の底面(PVC 材に包まれている)が、
 点接触で滑り込むことによる。 もし、線接触で滑り込
 むようなクッション材のようなものをつけると微調整が
 難しかったと思われる。 写真では分かりにくいが、
 右側のアジャスター2個は、足が少し短い為少し浮い
 ている。(写真5)



・ リンクは、長さが足りなかったので作り直したが、残材が足りなくなり、ダボ
 接着で延長して修正した。このとき、ダボ穴の位置合わせ加工のし易さと、
 接着強度を考慮して、柾目側で木口とを繋ぎ合わせた為、木目が合っていな
 いが、位置が目線より相当低い所なので全く気にならない。(写真5 塗装前)


費用について
・ パイン集成材 18t×450×915\1,390 
 (座面、足、リンク及び本体の前面部材を製作)
・ ラワン合板 9tと15tは手持ち端材から  
・ 平蝶番 65mm 2 組入り@228×3=\684(計6 個)
・ 木製引手(パイン材)\298 
・ アジャスター釘 φ18 4 本入り\380 
 塗料および手持ち端材を除く合計\2,752 











塗装
玄関フローリング色近似を目標に、水性ウレタンニスを3 回塗って、つや消しで仕上げました。

図面について
詳細は、添付図面を参照願います。

製作後の感想
・ 費用から考えると、全て合板を使えば少し安くなるかも知れませんが、蝶番のネジ止めが心配なところです。(蝶番の板厚
 分を彫ってしまうのでネジが効きにくいかもしれない。)

・ 取手には、木製の袋形のものを使いましたが、機能的にも気に入っています。もし丸棒形のものを採用していたら、座面を
 引き出す時に下向きに押す力がかけられるかもしれず、すると、座面はロックされたような状態であり、引き出すことが出来
 なくなります。袋形の取手だと、横か上方向にしか子供でも引けませんから、利にかなって簡単に倒せます。

・ 耐荷重がどのくらいか分かりませんが、体重100 キロくらいの人でもビクともしないです。

・ 塗装後、正式に壁に取り付けたら、同じ土間に置いてある簡単な"傘立て"にとても違和感があり、この後すぐに
 "傘立て"の製作にも着手しました。  この投稿写真の後方に写っているのがそれですが、アクリル皿付の傘立てです。
 玄関網戸の支柱との隙間にピッタリにしましたので、玄関がすっきりしました。


完成写真
     
  ↑ 座面とリンクは平行四辺形です。

     
     


VICの一言

この構造での最大のメリットは耐荷重を大きく取りやすいことにあると思われます。 何故ならば座面に受ける荷重(殆ど人の体重)は作品に対し垂直に掛かり斜めとか横には掛かりません。

その場合の荷重としての種類は大半が圧縮荷重(座面に一部曲げ荷重)になります。 圧縮荷重は容易に確保しやすいので、仮に工作精度に多少のブレがあろうとも(高倉様がそうだと言っているわけではありません。 念のため!)
耐荷重に影響しにくいです。 従って初心者にも大いに参考にしていただきたいと思います。

正直言って私の作った折り畳み式ベンチも充分な耐荷重が取れてはいますが、圧縮荷重・曲げ荷重以外に斜め方向や横方向に掛かる引っ張り荷重や引き剥がし荷重など破壊に容易に繋がりやすい要注意の荷重が発生するので、作り方を間違えると耐荷重は下がりやすいです。

尚今回の応募作品ではありませんが、最後の方でちらと見える"傘立て"の写真を送っていただいていますので、ここでご紹介しておきます。