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読者の作品 040
 
2007/06/20

以前AVコーナーとワインラックを投稿していただいた三重県にお住まいの出口様から最新作が送られましたのでご紹介いたします。  今回の作品は既成の食器戸棚の上置きです。 一番手間が掛かったのは色合わせだったとのことで、既に存在している物に合わせるわけですからそれは十分想像できますが、出来栄えは上々のようで上手くマッチしているように思います。

尚今回ニッケルダボを打ち込むための穴を間違ってあけてしまい、考え抜いた末に施した方法が期待以上に上手くいったとのことですので、その様子も以下の写真でご覧下さい。 (写真の説明は出口さんのコメントに私が補足しています。)

上置きを製作する前の食器戸棚全景。 食器戸棚の上が雑然としていますが、これもよくある光景かもしれません。 
ケータイ電話のカメラで撮影した写真とのことですので写りがよくないことをご了解ください。

上置き完成後の全景。 全く同じ色合いとは行きませんが、ここまで色味を近しく出せたら大成功だと私は思います。 既存食器戸棚の上端部分とその上の上置き辺りを良く見れば、色・濃度合わせが上手くいっていることが判ります。
使用材料はシナ合板ですが、扉だけは集成材を使ったとのことです。 比較的濃い色ですからシナの木目との違いはあまり気にならないというか扉面と既存部分の木目はむしろ合いやすいかもしれません。
上置きの内部の棚はニッケルダボで受けていますが、棚がずれないよう10mmのストレートビットで棚に溝を彫って落とし込んであるとのことです。

 出口さんは今回の製作で間違って穴をあけてしまいそれを修復するのに工夫を凝らしています。
 説明を聞いただけでも上手く行きそうなことが理解できますので、その作業法を以下の写真でご覧下さい。




二つの穴が見えますが、右側が間違って開けてしまった穴です。 ニッケルダボの雌を打ち込む穴ですので、8.5φの大きさです。

エポキシパテを使って穴を埋めましたが、表面より若干浅めに埋め込んでいます。

木口テープを裏紙が付いたまま丸く切断し、パテの上に載せて木口テープが若干上に飛び出るようにパテの量を調整します。

その後裏紙を剥がして貼りパテが硬化するまで1日寝かせました。 右側が木口テープで塞いだ穴で若干出っ張っているのが判りこれがミソです。

サンドペーパーを使って若干飛び出ている木口テープを削って平らにしました。 薄っすらと円が見える程度になっています。

木口テープですから着色、ニス塗り何れももOKで、その上から塗装しています。 クローズアップ写真だから判るようなものの、実際には修復した場所を言われない限り気がつかないでしょう。


Vicのひとこと

間違って開けた穴の修復方法としてはベストに近い方法だと思います。

その理由の1.は木口テープを使ったことです。 木口テープが修復後の表面になれば、ステインでの着色やニス塗りが可能で、単にパテで埋めて塗装したのとは全く異なる仕上がりになります。  同じようなことをカンナで厚めに板を削ってそれを使ってやる方法をある大工さんがやっているのを見かけたことがありますが、カンナで削るとそりが出やすく使いにくく木口テープを使う方がアマチュアにとって遥かに要領の良い方法です。

理由の2.はエポキシパテを使ったことです。
普通のパテは目ヤセが大きくてこのような穴を埋めると乾燥後には大幅に凹んでしまい深さの調節が出来ません。  それに対しエポキシパテは殆ど収縮しませんから埋める深さのコントロールが容易です。 また硬化速度が遅いので深さを調節するための時間が十分取れますので落ち着いて作業できますし、パテそのものが木口テープに沁み込むようなことがないので、着色やニス塗りにも影響しません。


但し木口テープの厚みは0.45mmしかありません。 従って飛び出る量が0.45mm以内でないと後で研磨した時に木口テープは削れてなくなってしまいますので、その点は十分慎重に作業しないとなりません。