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軽荷重の場合の組立て方法
2004/04/16

日曜大工の作業の中で組み立てる作業は切断する作業と共に決して欠かせない。 その昔は組立て言うと釘とかなづちでトントンと通り相場が決まっていた。 しかし現在では組み立てるといってもネジの世の中でありそして接着剤が多種類出回っており、組立てのやり方は日曜大工とは言っても千差万別になった。

私の経験則から強度的に十分OKで、アマチュアが実行してやりやすい方法論をに三つの局面別に解説しようと思う。
それらは、

   1.軽荷重の場合の組立て方法

   2.中荷重の場合の組立て方法

   3.重荷重の場合の組立て方法


で、今回は1.について述べて行きたい。

1.軽荷重の場合の組立て方法

  最大荷重が5-10kg位までの箱を想定しよう。 板の厚さはせいぜい12mmどまり。 典型的なのは引き出しの箱かな?
  お子さんの工作もこの範疇に入るだろう。 そしてその答えは木工ボンドによる組立てがベストと言える。 この程度であれば
  ネジなどを使う必要は先ずない。(註: スピーカーボックスの場合は例外。)
  木工ボンドの強度を決して侮ってはいけない。 正しい使い方をすれば極めて高い接着強度が得られ、この組立て方の出来
  不出来の総てになる。

  何が木工ボンドの正しい使いかたかというと、

  ・接着面同士が隙間なく密着すること。
   切断した板の直線性が悪かったり、直角が出ていないため板と板が面で接触しないまま木工ボンドで接着すると接着強度
   は大幅に低下する。 最悪は木工ボンドで隙間を埋めたような場合だ。 従って接着する前に接着面が隙間なく合わさるよう
   カンナやサンドペーパーで仕上ておこう。

  ・接着面に油分があると接着強度が大幅に低下する。
   接着面は板の生地が出ていなくてはならない。 油分が付いていると木工ボンドはくっつかないのでペイント薄め液を含ませ
   たぼろきれでこすって完全にぬぐい去る必要がある。 油分ではないが塗装してある面も木工ボンドは接着不能。
   ベストの方法はサンドペーパーで塗膜を削り取ってしまうと良い。 よくこのようななシチュエーションで木工ボンドじゃ接着で
   きないからと、合成ゴム系接着剤や瞬間接着剤でやろうとする方がいるが、その場合の接着力は塗られている塗料にゆだ
   ねられその接着剤の接着力には無関係になることがあるので良く考えたほうが良い。

  ・木工ボンドが硬化するまで圧着の状態を保つこと。
   これが意外に実行されていないケースが多いのだが、これも接着強度低下を招く。 木工ボンドで接着したら圧着状態を保
   つ工夫はMUSTである。
   その方法はハタ金、クランプで締めておく、隠し釘を打って保持する、の何れかが良い。
   大型の場合には大型のクランプを自作することをお奨めする。 そして少なくとも2時間はその状態を保つことが重要だ。

 これらの圧着の方法で私が特に推奨したいのは隠し釘を使う方法
 だ。 隠し釘そのものは割高な材料だが、使用頻度の少ない場合
 にはクランプやハタ金を買うのは馬鹿馬鹿しいので、その代りとし
 て費用効果が高い。

 自作した我が家の引出しは100個を超えるが何れも判を押したよう
 に12mmの合板を木工ボンドで組立て、圧着状態を保つのに隠し
 釘を使っているが、ひとつたりとも壊れたり接着面がはがれるような
 ことは起きていない。 多い時には一度に16個の引出しを組み立て
 たこともあったが、そんな時にクランプやハタ金を使っていたらどん
 なことになっていたか?(多量のハタ金やクランプで財布が空っぽ
 になるか、少ないハタ金クランプで組立てスピードが大幅に下がる
 かのどちらかだ!)


 その基本手順を最新作の引出しでご説明しよう。 引出しの箱の枠
 は厚さ12mmの合板で、左の写真は接合位置に隠し釘
 (長さ36mm)を打ち込んだところである。

 厚さ12mmの板の中心に打ち込むので端から6mmの所に隠し釘
 を打っている。 通常の釘であると数本を少し傾けて打つと締結強
 度が上がると言われるが、隠し釘の場合には垂直に打つことを心
 がけたい。 

 釘に玄翁が垂直に当たらないと頭の折れる位置から釘が曲がるか
 折れてしまうので慎重に頭に玄翁が直角に当たることが肝要だ。
 万が一曲がったり折れたりしたらその釘はもう使えない。 曲げを
 直そうと普通の釘と同じように横から叩くとそのとたんに頭が折れ
 るだけだ。 従ってニッパーなどで抜いて新しい釘に替える必要が
 ある。

 慣れないと打ち込むときに頭を折りやすい隠し釘だが、これは玄翁
 で正しく釘を打てているかどうかのテストにもなる。
 余談だが日曜大工教室で15本の隠し釘中10本を折ってしまった方
 がいたが、玄翁の正しい使い方から練習してそのあと15本中1本
 の折れに改善したという実例がある。


 さて打ち込んだ釘の先だが、裏側から見ると1.5mm位先が出るよ
 うに打ち込む。 これが正確に接合する秘訣なのだ。

 指先の感覚が余程鈍い方でなければ、接合位置のずれは、0.2-
 0.3mm
に容易に収められる。

 隠し釘使用を推奨する大きな理由が仮止め(保持)目的以外にも
 実はあったわけで、おそらくどんな日曜大工の解説本にも書いてい
 ないと思うが、コロンブスの卵的な発想で私が発見した簡単に正確
 な接合をする方法である。


 自画自賛はこの辺にして実際にはこうして予め隠し釘を打ち込んだ
 状態で木工ボンドを塗り接合面同士を合わせる。 そして合わせ目
 を指で触り段差が無くなった所定に位置に来たと思ったら、隠し釘
 を打ってある板を押し込むと釘の先が刺さって横方向にはずれなく
 なる。

 接合面全体を指で触って確認してOKとなったら、釘を打ち込む。
 釘の根元に付いている柔らかいプラスチックがやや潰れたかな?と
 言う程度の打ち込みが最適点だ。(左の写真を参照。)

 そうしたら少なくとも2時間寝かせてから隠し釘の頭を横から払うよ
 うにして落とす。 時には木工ボンドが硬化する前に打ち込んだ釘
 の頭を落としてしまう方がいるが、それでは何にもならない。
 隠し釘が圧着する力は潰れかかったプラスチックがすべてであり、
 この部分が(要するに釘の頭の部分なのだが)なくなってしまうと、
 圧着力は殆どなくなってしまうからだ。 

 ところで隠し釘を落とすと1.2mm程度の穴というか傷が残る。
 この傷がみっともないと言う場合には仕上がペイント塗りつぶしなら
 パテで埋めてしまい、ニス仕上ならば塗装終了後に床材補修用の
 商品名「かくれんぼう」でもって傷を埋めてしまえば見えなくなる。


 以上がこの接合のやり方の総てだ。


ところで接着強度には直接関係ないが、綺麗に接着するためのヒントを幾つか列挙しておこう。

  ・はみ出たボンドはすぐに濡れ雑巾で拭き取ること
   はみ出たボンドは後で塗装がその分に載らなくなり汚らしくなる。 これを防ぐにははみ出たボンドを濡れ雑巾で完全に拭い
   去ってしまうことが重要だ。 もたもたしていると木に沁み込むし表面は乾燥してくるので早ければ早いほど良い。

  ・均等に木工ボンドを塗る方法
   大きな面性に均等に木工ボンドを塗りつけるのに使い古しのゼットソーの替え刃を使うと良い。 ノコギリの歯の隙間を利用し
   て均等にボンドを塗布できる。 似たような道具は売られているが使用頻度が少ないのでもったいない。 作業が終わったら
   水でノコギリについたボンドを洗い流して乾燥させておこう。

  ・薄い皮膜状に木工ボンドを塗る方法
   作業としては少し面倒だが木工ボンドを均等に薄く塗る方法として、ほんの少しの水を木工ボンドに加え(5%以下)かき混ぜ
   て粘度を下げて、糊刷毛のようなもので接着面に塗布するとよい。
   この方法は大面積の接着に有利で接着剤の厚みが大きくなってしまうのを防げる。 但し大面積の場合には如何に圧着を
   確実にするかをよく考えてから実行したほうが良い。 またこの場合乾燥時間は少々高めになるのと接着力は僅かだが低下
   すると言われている。
 

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