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設計図の描き方 5
2004/03/19
いよいよ設計図の具体的な描き方を説明します。 描き方には二通りあり大枠から描いて行く方法とその中で使われる部材レベルから描く方法とがありますが、ここでは前者の方法で説明します。
具体的なテーマを先ず設定しましょう。 幅が
900mm
、高さ
750mm
、奥行き
450mm
のカウンターのような収納ボックスを想定します。 カウンターのすぐ下には引き出しが横並びに二つ、その下にはスライド蝶番を使った扉を付けることにしましょう。 強度を重視して側板は両端と中央に入れることにします。 それと材料は
18mm
の合板としておきます。 また前面から見てカウンター以外の木口が見えない、側板に扉や引き出し前板が被る構造としておきます。
スタートは縮尺を決めることですが、今回各正面図の横に側面図も追加することを考え
1/10
の縮尺にしました。 前回説明したようにこのとき1つのセルの大きさは
50mm
ということになります。
(2セルで
100mm
)
11.構造基本部分の描画
横
18
セル、縦
15
セルの大きさの長方形を先ず描きます。 これが正面から見た時の外形になり
ます。
(左図クリック)
ちょっとした応用テクニックで高さ2mmの長方形を描きます。
四角形描画ツールをクリックしてどこでもまた横の長さも適当で
結構、しかし高さが最も低い長方形を描きます。
(実は一旦描いてしまってから高さを縮めることは可能なのです
が、四角形描画ツールでドラッグして描ける最も小さい四角形は
2mm x 2mm
で、それを応用しています。 (右図参照)
次に描いた長方形の高さをマウスで1ステップだけ縮めます。
(左図参照)
そうすると先週説明した分解能の原理から高さは
2mm - 0.25mm = 1.75mm
となり
1/10
で
描いていますから
17.5mm
の高さに縮むわけです。 こうして調整した横長の長方形が板になり
ます。 実際には板厚は
18mm
ですが、
0.5mm
の狂いは全く問題になりません。
こうして描いた長方形の高さが変わらないよう更に横に適
当に引き伸ばした上でそのコピーを数本取ります。
(左図参照)
コピーのひとつをマウスで
摘み先ほど描いた外形の
四角形左上角に丁度載る
よう調整します。
(最後の
微調整は矢印キーで)
(右図クリック)
その後細い長方形の横の長さを調節し外形横幅に一致させます。
(左図クリック)
これがカウンタートップになります。
続いてコピーのひとつを90度回転させてから今移動したカウンター
トップ左端下にマウスで移し矢印キーで位置調整をします。
(右図クリック)
次に高さを外形に一致するよう引き伸ばして
(幅が変わらないよう注意!)
やります。
これが左側板になります。
同様にして右側板も追加してやります。
(左図クリック)
今度は底板を描きこみます。 コピーした長方形のひとつを外形の
下から2セル分上になるような位置に移動し長さを調整しました。
これで底板面は床から100mm上に取り付くことになります。
(右図クリック)
同じ方法で引出しとその下の仕切り部分を描きこみます。
(左図クリック)
ここでは引出しの高さを予め決めていないので適当に描いていますが、実際には決めた高さで描
かないといけないことは言うまでもありません。
次に真中に入れる側板を描きこみます。 たまたま先ほどコピーした物がなくなったので右側板を
クリック
(選択)
してそのコピーを取りました。
(左図クリック)
さてこのコピーを真中に貼り付ける方法ですが、セルの数を数え
て中心を求めても良いのですが、図形描画的に真中を捉える方
法について説明しておきます。
先ず描いている図形の横幅と同じ四角形を描きます。
(高さは任
意です。) (右図クリック)
横方向の中心にある上下のロの字マークを通過するように線を
引きます。
(左図クリック)
今描いた線の中央に位置するように先ほど描いた真中の側板を
移動します。
(側板の図形がその後に描いた横長の四角形や線
の下にもぐりこみますが、ここでは気にしないことにします。
後ほどこの現象に付いて説明します。) (右図参照)
ガイドとして描いた横長の四角形と縦の線は消してしまいます。
棚板を追加するために引出しと下の収納部の仕切り板をコピーし
ます。
(左図クリック)
この棚はダボの位置を変更することにより高さ調節が出来る可変
棚としますので、それが判るよう線の色を青に変えました。
(右図クリック)
ところが見てお分かりのように棚板が真中の側板の上に載ってい
ます。
これは複数の図形が重なり合った場合に最後に描いた図形が
一番上に来るという約束事から来ており、この図形の重なりを
レイヤー
(層)
構造といいます。
今移動した棚板より側板が上にくれば良いので次の操作をします。
中央側板をクリック
(選択)
しマウスポインターが図形内にある状
態で右クリックし
「順序」
を選ぶと、
「最前面へ移動」
、
「最背面へ移動」
、
「前面へ移動」
、
「背面へ移動」
が選択可能ですが、
ここでは
「最前面へ移動」
か
「前面へ移動」
を選ぶと、棚板の上に側板が出てきます。
ここで
「前面へ移動」
はその上にある図形の上に移動するという意味で、
「最前面へ移動」
は
一番上のレイヤーになるという意味です。
背面・・・
は移動方向が逆になります。
これらの機能を使うと複雑に重なり合った図形の上下の入れ替えを調節できます。
12.描いた図のフォーマット変更と寸法表記
より判りやすくするため構造断面部分を着色しましょう。 一番最初に描いた外形を表す四角形は邪魔なので消します。
白い部分をクリックし外形部分に
ロ
の字マークが付いていることを確認して
(右上図の状態)
、
[Delete]キー
を押します。
次に描画ツール内左端近くにある矢印のアイコン
(オブジェクトの選択)
をクリックします。
(左図参照)
十字型のマウスポインターは矢印に変わりますが、今描
いた図形の外側の左上でマウスを左クリックしボタンを押
したまま右下に移動しボタンから指を離した範囲が選択さ
れた部分になります。
(右図クリック)
その中にある総ての図形にロの字マークが付くという賑やかな状
態になりますが、マウスポインターをそれら図形内に持っていって
(マウスポインターの矢印の先
に十字手裏剣が付いた状態です。)
、左ボタンをダブルクリックします。
以前説明した
「オートシェイプの書式設定」
が現れますが、複
数の図形総てに対して同条件での書式変更が可能になります。
ここでは
「色」
欄の矢印をクリックして側板の色を選択(ベージュ)
しました。 無論他の色の選択や好みの色を作るのは自由です。
着色し終わった状態が左の図です。 クリックしてご覧下さい。
なんとなく設計図らしくなってきました。
次に寸法線や寸法の値を入れます。
右図を参考にして寸法表記の引き出し線を引いてください。
特にどのように引かねばならない!というルールはありません。
描いた本人が理解できればそれでよいのです。
横線にマウスポインターを当ててダブルクリックします。
「オートシェイプの書式設定」
が現れますが、下のほうにある
「始点のスタイル」
、
「終点のスタイル」
から
矢印などの形
を
選びます。 またその下の
「始点のサイズ」
、
「終点のサイズ」
で矢印の幅や長さを選べます。
(左図クリック)
矢印が描き終わりましたら寸法の値を入れます。 ここで覚える
ことがひとつあります。 Excelはセルの中からはみだしてしまう
ような数値は、
##
のような表示をしてしまいます。
一方テキストの場合いには右隣のセルが空欄であれば右隣に
はみ出るように表示します。 これを利用して入力する数字は
数値ではなくテキストだと指示する必要があります。
(右図参照)
その方法としては数値をキー入力する前に [
'
]
(アポストロフィー)
を頭に追加してやればよいの
です。
(これはセル幅を変更できないための苦肉の策で、他にも方法はありますがこれがいちばん簡単
だと思います。)
他の寸法も描き込んだ図面は左図のようになります。 立派な設計図面ですが、まだ引出しや扉
を描き込んで行かねばなりません。 その辺りは次回に説明します。
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