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作業場所の工夫
2004/01/09
無い無いづくしの環境で日曜大工を進めるには作業場所の確保が最も重要だと思われる。 戸建て住宅でも工作室を確保できるケースは大変恵まれた方であろうし、ましてはマンション住まいでは工作室の確保など不可能であるからだ。
これまでは屋外で大工仕事をするというのが当たり前だったがその場合の問題として、
A.天候に左右されて作業が困難なことが多い。(雨、風、雪、高温、低温の環境など)
B.発生するゴミや切り屑が風で散乱しやすい。
C.近所に対し騒音公害の原因となる。
などが上げられる。
これらの問題を解決する作業場所として私はリビングルームでの作業を続けてきた。
無論この方法にも実施した時の問題点があり、
1.作業場所の確保。
2.作業中にテーブル、床を傷つけてしまう可能性。
3.切り屑、ゴミが部屋を汚す。
4.室内作業でも発生する騒音。
がそれらだ。 私のやっている方法が完璧と言うつもりは無いが、それらにどう対策しているかと言うと、
1.にたいして。
私がメインに使っている作業場所は6人が一緒に食事
を取れる
90cm x 190cm
の大きなダイニングテーブ
ルである。 これは以前アメリカに滞在中購入したオ
ーク
(樫)
のものだが、テーブルトップが厚さ
70mm
の
集成材のため二人でやっと持ち上げられる位のかなり
重いものである。 重量があるため安定性は抜群でそ
の面での不安は無い。 これほど大きい物でなくて
もダイニングテーブルは高さが
70-75cm
と、立って作
業する場合に適切な高さであり作業台の一つとしてき
わめて有効である。
このテーブルがメインの作業場とは言っても高さが
75cm
あるので、手引きノコの切断作業には高すぎ
る。 そこで自作の作業台を二つ使いテーブルと合計
3点が作業場所となっている。 面積で言うと図の水
色で示したわずか
4畳程のスペース
でしかない。
作業台
は廉価なSPF材で材料費
\1,000
以下で作れ
るため傷が付いても惜しくは無い。 従って最近では
やばそうな加工はこの上でするようにしているため、
前述のテーブルに傷をつけるような機会はめっきり減
ってきている。
作業台の高さは
42cm
としてあるが経験上手引き作
業をする際の理想的な高さになっていると思う。
そのトップは幅
89mm
のSPF材3枚を
16mm
ほど隙間を置きながら固定してあり、その隙間を利用して小さな材料の切断や穴
あけ時にはこれを利用。 また大きな板を切る際は2つの作業台を少し離して並べその間をノコギリが通るようにしており材料
安定保持の点でまことに都合がよい。 その結果として手引き切断する際の姿勢を正しく保ちやすいので、切断精度
(直線性
と直角性)
が格段に良くなっている。
食卓のテーブルと高さ42cmの作業台が2つ。
これが
VIC's D.I.Y.
の作業場所の総てだ。
唯一の例外は塗装時の乾燥場所であるがこれについては別項で解説したい。 間口2間、高さが天井
まである大型収納家具もこの場所で作られている。
ところで作業場所の床はどうかというと、ごく普通のフローリングの仕上げで特別なことは何もしていな
い。切り屑、削り屑は床にもちらばるが1日の作業が終わる夕方には大きめの屑は手箒で集めて後は
掃除機を掛けている。 もしも床がカーペット仕上げであるならば、建築作業用の養生用プラスチック
シートを床1面に敷いてやればよいと思う。
2.にたいして。
一番の問題は不注意で傷をつけてしまうことで、過去7年間にドリルが突き抜けてあいた浅い穴、釘が挟まってつけた傷など
4箇所ほどの目立つ傷跡と細かな擦り傷、切り傷などが付いてしまった。 表面を削ってやれば大半は消せるのだが、家内の
「そんなことしたら新しい傷がまた目立つからまだやらなくてもいいんじゃない?」
と先を見越した?!コメントでそのま
まにしている。
言い訳になるがこのような傷をつけないで作業をする方法はさほど困難ではない。 作業中にハンマーでガンガン叩かないと
いけないような場面がないので
(釘を使わないから)
、ダンボールや4枚重ねの新聞紙でテーブルを覆っての作業を基本とし、
それでも危ないようなドリルによる穴あけの場合などにはその上にコンパネを敷いて作業をすれば先ず傷がつくようなことはな
くなる。 上述の傷は初期の頃面倒くさがって養生を怠ったケース、油断、不注意によるものが大半で最近はそのようなへま
はしていない。
3.にたいして。
この問題については、発生する切り屑、削り屑の中で細かな空中に浮遊しやすい物に要注意だ。 掃除機を掛けられない壁
面や部屋においてあるその他の物が汚れこれらの掃除はかなり大変だからだ。 そのような細かな浮遊削り屑が発生する作
業を発生しやすい順序で挙げると、
イ.電動サンダーによる研削作業
ロ.電動丸ノコによる切断作業
ハ.電動ジグソーによる切断作業
ニ.電動トリマーによる切削作業
ホ.サンドペーパー手研磨作業
ヘ.木工ヤスリによる研削作業
ト.手引きノコによる切断作業
となる。 これらのうち
ロ.
に関しては私が電動丸ノコ自体を使わなくなってしまったので省くが、上位には他の電動工具を使っ
た作業で占められている。 その理由はそれらが単に沢山の浮遊削り屑を出すだけでなく、モーターの発熱を押さえるための
冷却ファンが屑を舞い上がらせる作用をするためである。 なかでも電動サンダーがとくにひどく実用的な対処法が無い。
バスレフ型トールボーイスピーカーの製作の中でも伝えているように最も始末が悪く、これだけは残念ながら屋外でやるしかな
いのが実状だ。
ハ.
から
ト.
まではこれまでの経験では大きな問題にはなっていない。 日曜大工作業をしなくても溜まる通常の埃と同程度
の汚れ方で済んでおり家内の協力と理解があることもあって、
「大工仕事は外でやってください!!」
とは言われずに済ん
でいる。
4.にたいして。
無い無いづくしの日曜大工で特に考えなくてはならないのは発生する騒音による
隣近所からのクレームである。 戸建て住宅の場合、屋内で作業をすることは屋
外でするのに比べ遮音効果が高まり大変有利だ。 但しマンションにおいてはそ
うは行かないので使用する道具にも細心の注意を払う必要がある。
騒音についてはすべて電動工具から発生するものが問題になり騒音の大きい順
で列挙すると、
カンナ
、
インパクトドライバー
、
丸ノコ
、
トリマー
、
ジグソー
、
サンダー
、
ドリル
ドライバー
といった所だろうか?
この中で
電動カンナ
、
電動インパクトドライバー
、
電動丸ノコ
といった工具は、
私の常用する工具には入ってこないから、電動トリマーが最も騒音を発する工具
となる。 その電動トリマーも絶対的必需品とは言えないので
(実際私の作品
の95%はトリマーを使ってはいない。)
、これを省いたジグソーやドリルドライバー
となると、金属切断をやらない限り、騒音による近所迷惑で使用上気が引ける道
具ではないように思う。
註) 左の写真は私の常用する電動工具で使用しないときは29 x 25 x 45cmの
\1000で買った押入れ整理のプラスチックボックスに収まってしまう。 これらの
電動工具だけで私の作品は作られている。
以上により屋内でやる日曜大工は総合的にメリットが高い。 大型の電動工具を
使おうとしなければリビングルームで十分に実現可能だし雨・風・寒・暖に左右さ
れず実行できるのはありがたいし、無論マンション住まいであっても何とか私の
提唱する日曜大工が実行可能な範疇に入ってくる筈なのである。
それぞれの住まいの環境によって実現の仕方は多少変わってくることがあるかもしれないが、
場所が無いから!
とあきらめてはならない。
マンション住まいでも工夫次第によっては相当の日曜大工が可能でありそうだな?
と是非とも前向きに考えていただきたいと願っている。
リンク集に入れさせていただいている
Mixvanilla
さんは、
「ベランダ木工」
と称されているとおり、マンション住まいという制限された環境ながら、それこそご家族全員での和やかな日曜大工を実現されており、大変参考になると思う。
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