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締結材料(木工ボンド)
2004/05/21
現在の日曜大工では木工ボンド無しでは組み立てができない位重要なポストを得ている。 別項で述べ
ている軽量級、中量級、重量級の接合方法でも共通した接合材料は木工ボンドであり、それを更に強化
するために何を使うか
(木ダボ、ねじ)
により強度が高まるのであり、木工ボンドがなかったら話にならな
い。
それほど重要な位置を占める締結材料にもかかわらず以外に正しく使われていないことが多い。
それらは、
1.接着面が凸凹同士であると接着力は低下する。
2.接着時に圧力をかけると(
密着度を上げる
)、接着力が高まる。
3.木工ボンドに充填効果を期待してはいけない。
4.木工ボンドは水に弱いので接着部分に雨水が掛かるような屋外の工作物には向かない。
5.次の作業に移るには2-3時間寝かせればOKだが、完全硬化には12時間ほど要する。
6.塗料が載らないのではみ出たボンドは濡れ雑巾で拭き取ること。
7.接着面に油分が付いていると接着力は大幅に低下する。
以上を順を追って説明してゆこう。
1.接着面が凸凹同士であると接着力は低下する。
簡単に言ってしまうと材料と材料が木工ボンドによって繋がっているような接着の仕方は接合強度がかなり下がる。
従ってつるつるにせよとは言わないが接合面を合わせて向こうが透けて見えることのないようにしたい。 ノコギリで直線に切
れなかったのならカンナで削るくらいのことはしておきたい。
2.接着時に圧力をかけると(
密着度を上げる
)、接着力が高まる。
これも
1.
と同じことを言っているものと解釈してよい。 隙間を極限まで少なくしようとしたら圧着すればよくその為には
ネジを打つ
、
釘を打つ
、
クランプやハタ金を使う
、
紐で縛る
、
ゴムバンドを掛ける
、などの方法がある。
これらの中で釘の使用は意外に圧着力が下がりやすいので要注意だ。
安くて締め上げ力がありネジ・釘の跡がつかない方法はひもを使うと出来る。
左の写真をクリックしてその方法をご覧いただきたい。 但しはみ出た木工ボンドを濡れ雑巾にて充分に
拭っておくことが必要。
(理由は後述する。)
作業性の良さ、締め付け力、仕上がりのきれいさでは
クランプ
や
ハタ金
の使用がベストだが、ネジを使
ってもペイント仕上げするのであれば、ネジ穴をパテで埋めることによりきれいな仕上げが可能となる。
また大きめの工作物の場合大型のクランプを購入するのは高価であるので買おうと言う気にはなれないが、数百円の投資で
十分使える大型クランプが自作可能だ。 詳しくは
こちら
をごらんいただきたい。
3.木工ボンドに充填効果を期待してはいけない。
木工ボンドの主成分は酢酸ビニール樹脂でありこれのエマルジョンを使用しているわけだが、乾燥するにしたがって体積は大
幅に減少する。 従って木工ボンドで隙間を埋めようとするのは殆ど無意味だ。 接着と同時に充填効果を求めるのであれば、
エポキシ系接着剤かエポキシ系パテが木材には有効。
また充填効果のみであればコーキング剤、やや充填効果は下がるが木工パテを使用することだ。
4.木工ボンドは水に弱いので接着部分に雨水が掛かるような屋外の工作物には向かない。
屋外用工作物で雨水に触れる部分に木工ボンドを使用していることを見かけるが、乾燥した木工ボンドは水に溶けないが、接
着力は大幅に低下してしまうので長持ちしない。 こんな場合には木工ボンドではなく、エポキシ系接着剤か接着面積が小
さいのであればシアノアクリレート系接着剤
(瞬間接着剤と言われるもの)
を使用したほうがよい。
(G17のような合成ゴム系
接着剤も水には弱い。)
5.塗料が載らないのではみ出たボンドは濡れ雑巾で拭き取ること。
はみ出たボンドが乾燥してしまうとその上には塗料が載りにくくなる。 特にニス仕上げの場合その部分
だけ白っぽくなってしまうので、濡れ雑巾でこれでもかと思うくらいに完全に拭き取っておくこと。
乾燥してから削ってしまう手もあるが、カンナで削るのは刃を痛めるし
(プロの大工さんは絶対に嫌がる)
沁み込んだ部分まで削るとなると手間が掛かるのとシナ合板の場合には肝心なシナの部分がなくなっ
てしまう。 また拭き取るタイミングは早いに越したことはない。
意外に乾燥が早いからもたもたしていると拭き取り残しがでやすい。
(左の失敗例を参照。)
7.接着面に油分が付いていると接着力は大幅に低下する。
塗装するときと同様だが接着する際はその表面に油分が残っていると大幅に接着力は低下してしまう。
このような場合には、ペイント薄め液、ラッカー薄め液、エチルアルコール、プロピールアルコールなどをぼろきれに沁み込まして
十分に拭い去った後接着すればよい。
予断だが最後に挙げたプロピールアルコールは、最近では病院などで消毒用に以前のエチルアルコールの替わりに使っている
もので、材料を痛めにくい万能の洗浄剤として私は使っている。
(私は薬局で購入したが無水イソプロパノールと呼ばれ
500ml
が
\690.-
だった。 消毒用には
50-70%
に薄めて使われるので
そのまま使用しないように。)
ところで硬化時間が半分の速乾性木工ボンドが市販されているが、私はこれの使用をお勧めしない。 その理由は、プロの仕事ならいざ知らず通常の木工ボンドの乾燥時間が作業性に大きく影響するとは考えにくいし、はみでたボンドの拭き取りもより速やかにしなければならず、アマチュアには硬化時間が短いことでデメリットとなることも十分あり得る。 そして価格も高いがなんとも面白くないのだ。
最後に私が普段不思議に思っていることだが、木工ボンドの容器は何故ノズルが上を向くように保管するようになっているのか? 実際に使うときにはノズル部分に空気があるとなかなかボンドが出てこずいらいらすることがあるが、ノズルを下向きにして保管すればそんな問題は起きないのだ。 不思議なのは工作用の小さな容器に入れたものにこのタイプがあるが、私が最も使う
500g
以上の物にはこのような容器がない。 メーカーさんが何を考えているのか今一わからない部分である。
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