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プロ用工具の必要性
 
2006/07/07(以前D.I.Y.雑談に含まれていたものを再編集しました。)

ホームセンターに実に様々なプロ用と思われる大変高価な電動工具や手工具が見られるが、一体それらは我々の日曜大工にとって本当に必要なのだろうか? そんな事をふっと考えたので例によって独断と偏見でお話したい。

結論から急ぐと大半のそれらは不要の物であるか、或いは投資金額に見合わないのではというのが私の考え方だ。

理由その1:
  プロ用と称する工具・道具の耐久性はかなり高い。 それは無論悪い事ではないが、我々アマチュアが使うには過剰品質で
  はなかろうか? プロの作業時間は週に5日働くとして少なくとも週に40時間くらいだ。 それに対しアマチュアの場合幾ら好
  きでも必ず毎週末必ず日曜大工をする人は殆どいないだろうし、頻繁にやられる方でも週末(土・日)の半分くらいを日曜大工
  に費やすといったところだろう。 とすると週に8時間となる。  言いかえれば作業時間に工具の使用量が比例すると仮定す
  るとプロの1/5しか使わないのだ。  プロが使って5年持つものは我々が使うと25年。 10年持つ場合には50年という事に
  なる。

  無論実際にはそのように簡単な要素で言えないのだが、感覚としては非常に正しいのではと考えている。 私が1978年頃購
  入した日立工機製の典型的なアマチュア用電動工具(電動ジグソーと電動サンダー)は2005年に新しい物に買い替えた。
  実に27年も使ったもののだが、その間に特に修理や整備をした記憶もない。  5年前に購入した格安の電動ドリルドライバー
  (FDD-1000)は使用頻度が極めて高く高負荷の作業にも使っているのだが、特に手入れを要するような変化は感じていない。
  2年半前に使い出した電動ジグソー(CJ-250)も出番が多く一般のアマチュアの方よりも使用頻度はかなり高いはずだがこれ
  も無論耐久性上の問題は起きていない。

  これらはコストを重視してどちらかと言えば耐久性を犠牲にした設計と想像されるアマチュア用の工具だ。 要するに無茶な使
  い方をしなければアマチュア用とは言え充分な耐久性は得られると言ってよいだろう。

理由その2:
  プロ用という工具は例外なく重いものが多い。 これは体力のない私にとってすこぶる気に食わないことだ。 アマチュア用の
  ものと比較して1kg以上も重量がかさむ物がある。 しかしそれらの理由ははっきりしている。 
  まずパワーを重視する為より強力なモーターを使っている事。 落としても壊れないようプラスチックボディーの替わり
  に頑丈なアルミダイキャストのボディー
が使われている事。 充電式の場合には長時間動作させる為大容量のバッテリ
  ー
を採用している事。 また重い事自体が高い作業性に必要な事などが関係している。

  問題なのはそれらは我々の日曜大工においては殆ど不要の配慮といって良いものなのだ。 

  大きなパワー必要とするのは単にパワーそのものの必要性だけではなく、連続使用した際のモーターの発熱量を押さえる観
  点からも必要になってくる。 モーター加熱の為にプロは休憩を取るわけには行かないのだ。 したがって大パワーは家を建て
  る!というような高負荷且つ連続使用に必要なのであって、アマチュアが作る家具とか整理箱とかいうようなテーマではまっ
  たく重要な要素ではない。 プロ用の道具はアマチュアにとって不必要なオーバーパワーを有しているのだ。 

  落としても壊れない。といっても高いところで作業するわけでもなし、最近の丈夫なプラスチックボディーは充分にアマチュアレ
  ベルの酷使に耐えてくれる。

  充電式? これが私はあまり好きではない。 好き好んで電源が取れない場所で作業したいのならともかく、日曜大工で充電
  式でないと絶対に困る場合がどれだけあるのか?! 電池がないだけ軽いAC式のほうが遥かに合理的だしランニングコスト
  も安く済んで充電池にまつわる様々な問題も発生しない。

  高負荷の仕事をする場合作業中の反動もかなり強く出てくる。 その反動を押さえるには重量があった方が良い。(これは慣
  性の法則による。 重い物の方が動き出しにくくこれが反動に対する耐性に繋がるのだ。)
  しかし高負荷な仕事をさせる必
  要がなければ、重い工具は短時間の作業で疲れを生じさせるだけで何の意味を持たない。 我々がやる日曜大工の大半は
  そのような強力さを求める事は殆どない。 

理由その3:
  パワーと共にデリカシーを失っている。 という疑問がプロ用という電動工具には多くなる。 例えばインパクトドライバー。
  これの締めつける力はすさまじい限り。 しかしこれで直径3-3.5φのネジを締めこんだらどうなるか? 締め付け終了の加減
  が難しく簡単に木材にめり込んでしまいやすい。 これが嫌で私は電子機器メーカーが生産ラインで使う正確な締め付けトルク
  リミッター付きの電動ドライバーを使っていたことがある。 現在では格安の電動ドリルドライバー(FDD-1000)に置き換わった
  が、20段式のクラッチ機構のお陰で家具の組立用ならこれで充分に高い作業性が得られる。 我々の作業対象ではパワーよ
  りもデリカシーの配慮がされている方が有難いことが多いのである。

理由その4:
  高度な手入れ技術が伴わないと使いものにならない工具がプロ用に多くある。 カンナ、ノミ、ノコギリなど典型的なプロ用の
  手工具は最高の切れ味と作業性を持ってはいるが、その状態を保つ為にはこれまた最高の手入れを必要とする。 要するに
  正確な刃研ぎや工具の調整が出来なければ全く意味をなさないのだ。 この刃研ぎが問題で私は今までに何度もチャレンジ
  してみたが全く駄目。

  しかたなくお世話になっている材木店を通じて何度かプロの大工さんに研いでもらったが、大工さんがその都度研いで調整す
  るような使い方が出来る訳はなく、結局使うのをあきらめてしまった。 そんな放りっぱなしになった工具は気の毒だし宝の持
  ち腐れそのものである。  私はちゃんと研げますよ!! と言う方がおられたら、私はそれだけで敬服してしまう。 刃研ぎ
  と工具の調整はそのくらい難しい。

理由その5:

  プロ用と名がつくと価格が数ランク高くなる傾向にある。 それらは上に述べたすべての理由に耐える為に実際にコストが掛か
  っているのだから仕方がないといえばそれまでだが、我々にとっては有難くないのは言うまでもない。 電動工具で言えばア
  マチュア用であれば1万円でお釣が来る物が殆どだが、プロ用となると2-4倍の価格となる。 手作業の工具ではもっと差が
  つくように思う。

以前に比べれば日曜大工は盛んになったとなったと言われるが、工具のメーカーが本当に日曜大工市場をを真剣に捕らえて商品開発をしているのかと言うと残念ながらまだまだ不充分というのが私の実感だ。 というかメーカーからすれば本腰を入れるほど日曜大工市場は未だ大きくなっていないし、魅力的ではない。 というのがメーカーの本音かもしれない。


誤解なきよう繰り返すが、以上の私見は日曜大工で私が作っているようなものに限定した場合の観点から述べているのであり、プロ用の工具はアマチュアが買うべきではないと言っているのでは決してない。 特に家を日曜大工で建てようという場合には判断基準はかなり変わる。  私自身家を建てる夢(週末住宅兼天体観測所)があるから、それが実現したらそれに応じたプロ用の工具を買わねばならないだろうことは百も承知である。
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