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ワンちゃんの出入り口
   
2004/02/13

構想

 このサイトの中にたびたび登場するワンちゃんはメスのミニチュアダックスフントで、3人の子供の手が離れてし
 まった我が家では家族の一員としてかわいがっています。 室内で飼っているわけですからいたずらされる心配
 がない限りどの部屋にも出入り自由ですが、リビングルームとキッチンの行き来は彼女にとって重要です。
 それは大好きなお母さん(家内)がリビングルームとキッチンを行き来することが多いのでついて周るだけでな
 く、キッチンの一角に水があるため時々飲みに行く必要があります。

 ところがキッチンとリビングルームの間には廊下を挟んで2つの扉があり、キッチン側は殆ど開いていますが、リ
 ビングルーム側は冷暖房が入っていると閉められてしまいます。 そうすると簡単に行き来できないので、開け
 てちょーだーいとガリガリワンワンしなければなりません。

 そこで彼女のために専用の入口をつけてやろうということで、市販されているペット用の出入り口キットを購入し
 リビングルーム側の扉に取り付けることにしました。  
 製造メーカーはアトムリビンテックでその名も「ぺっとくぐーる」と言います。  

 一時はこのキットの部分も自作しようかと考えましたが、向こう側が見えるようにするにはプラスチックで扉(フリ
 ップ)
部分を作らねばならずこれはかなりハードルが高いそうなのでキット使用にした次第です。
 メーカー発表の資料によると大と中と2つのサイズがあり、大はペットが通過するフリップ部分がW300mm x
 H400mm
、中はW192mm x H237mmで、取り付けられる扉の厚みは28-37mmとなっています。 
 メーカー発表の図面はこちらをご覧下さい。


 さて問題がふたつあります。 扉の厚みはOKなのですが、リビングルームの扉は面がフラットではないため扉
 に単純に所要の穴をあければ良いとは行きません。 変な隙間が出来ないようにするにはうまく段差を埋めてや
 らねばなりません。 多分薄い合板などで下枠を作ってやる必要があります。 

 それとデミちゃんは足が短いので極力下の方につけてやらないとおなかをこすってしまいます。  メーカーの推
 奨値ではAの部分はペットのおなか高さより34mm短くとありますが、ミニチュアダックスフントなのでおなかの高さは70-80mmしかなく扉の下部は僅かしか残りません。 扉の下をいきなり欠き取る手もありますがの字状ではなくを逆さにしたように欠き取る)、扉にゆがみや強度不足が出てしまっては困ります。

そこで扉の内部構造をある程度間調べて強度低下やゆがみが起きないようにするにはどうしたらよいかの検討を十分にした上で切断することにします。 その結論が出れば後はジグソーで切り抜き下枠を作ればよいわけで、なんとかなりそうなので中サイズのキットを購入しました。 2重のフリップを使った扉はなかなかうまく出来ており、フリップの下端がマグネットにより固定されるようになっています。 閉まった状態では扉面からの出っ張りは2mmですから、引き戸でも取り付けられます。 またフタが付属していますから完全に通過できないようにすることも可能です。



2004/02/20

ぺっとくぐーるの取り付け

いろいろ考えたもののうまいほうが見つからずぶっつけ本番で行くことにしました。 扉を外してダイニングテーブルの上に載せ、握りこぶしで扉の下の部分を叩いてみるとコツコツという響きのあまりない部分とボンボンというような余韻を伴った部分があります。 前者は扉の端から40mm位までと段差の近辺ものそのような音がします。

これは明らかにその部分には芯材が入っていることを示しています。 更にその寸法を確認するのに35φのフォスナービットで3個所に穴をあけて中を調べました。 そうしたところ下部の芯材は高さが27mmしかないことがわかりました。 この芯材の上面を開口部の下端とするとメーカーの取り付け推奨値計算の式で逆算すると、B = A + 34mm より Bの値(ペットの床からお腹までの高さ)61mmと求まります。 また出入り口の上端は280mm位になります。 

デミちゃんのお腹の高さは70mm位ですし背中の高さは250mm位なので、芯材の上端に乗る位置に取り付ければOKとの結論を出しました。 更に穴を3個あけて判ったのは扉の中央部分の厚みで18mmありました。 扉の外周部分の厚みは34mmですから片面で8mmの段差があることになります。 そこで手持ちの端材を切ってこの段差を埋めることにします。 更に飾りとなっている出っ張りがありますが、これはぺっとくぐーるの外枠が丁度はまり込むように切断してやります。

というような結論を出し一気に作業を進めましたが、心配していた扉の強度低下は肝心な芯材の部分を切断しませんので全くないことになります。  更に私の場合と違って扉がフラットな場合には加工は非常に簡単に済みます。  合計の作業時間(試し穴あけと検討も含む)5時間足らずでしたから、フラットな扉でしたらゆっくりやっても3時間もあれば終了するでしょう。

以上の事前検討、加工、取り付けの様子は次の写真でご覧下さい。

露出を間違えておかしな発色ですが、ぺっとくぐーるの材料一式。 扉に穴をあけ両面から2つの枠を挟みネジ止めするだけです。 蓋はどちら側にもつきます。

これも発色が極めて悪いですが、大体このような位置に取りつけたいと考えています。

付属の取り付け説明書ですが、周りの角が丸い四角の線は実寸型紙にもなっています

ぺっとくぐーるの枠を段差のある飾りぶちの部分に載せました。 この辺りをうまく処理する必要があります。

扉の下端を握りこぶしで叩き音の変化をチェックした所、下から40mm位まではコツコツという音でその上はボンボンという音。

そこで芯材の近く3箇所に35φの穴をあけました。 その結果下部の芯材の高さは27mmしかないことが判明。

扉の下端から27mmを取り付け穴の下部とし所定の穴サイズの位置にマスキングテープを貼り切断線としました。 既に開いている穴からジグソーで切り抜いてゆくだけで、殆どが中空の場所ですから簡単に切れます。

切り終わった所。 穴の上部の方は切り口に波型に折ったダンボールのような物が見えます。 このため中空とはいっても両側から挟む力を加えても潰れにくく、特に補強の必要はありません。

問題の飾りぶちの段差の部分で左側と右側の段差は8mmありました。 穴上部の中空部分の波型ダンボールも良く判ります。

ぺっとくぐーるの枠の上部内側にスペーサーを固定するため、両面接着テープを貼りました。

厚さ8mmの板を12mmの幅に切断し現物合わせで枠に貼りました。 そして外周部分をヤスリで成形しておきます。

マスキングテープで保護した上で塗装。 ここではWood Oilを2回塗りしましたが、これは1回目の塗装後の様子です。

飾りぶちの飛び出た部分を切断するため枠を当てて位置を確認しマスキングテープを貼りました。

それに沿ってノコギリで切込みを入れノミで横から削り落とした所です。

こうして両側から枠を挟みこみ付属のネジを締め付けネジ穴を隠すキャップを被せて完成です。 切断から完成までは3時間程度で終了しています。 ちょっと色がおかしいのですが、ぺーっとくぐーる自身はダークブラウン色です。

ぺっとくるーる本体と扉の間のスペーサーはWood Oil2回塗りで、自然な感じで収まっています。

飾りぶちの段差の部分は欠き取られご覧のようにぴったりと収まりました。

リビングルーム側から見た扉です。 短足のデミちゃん用に下ぎりぎりに取り付けたことが判ります。

キッチン側から見たところです。 右下に見える水の入ったカップの所へ扉が閉まっていても来られるようになります。



さあデミちゃんできたぞ!!と出入り口を開ける方法を教えようとしましたが、鼻先でつつくとその戻りで鼻先を叩かれるものですから驚いておじけづきワンワン吠えるばかりでまだうまくくぐり抜けることが出来ません。  お勉強道具を作った時も同じでしたが最近では鼻先で上手にくるくる回すコツを覚えており、おやつの時の遊び道具になっていますから、暫しの後には同様に方法を覚えると思います。

日曜大工というほどのこともなく簡単に取り付けられますので屋内でぺっとを飼われている方にはお勧めの仕掛けと思います。


----- 完 -----


 
  
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