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LED屋外灯の修理
   
2011/06/10

事の顛末

LED屋外灯は2009年3月に完成しこれまで何も問題なく作動してくれていました。(環境の明るさを検出して自動点灯/消灯を全く休み無く継続動作。)   ところが5月の中旬に円筒型のLEDランプユニットを縦割りにした半分が点灯しなくなり、5月末になって残りの半分も消灯してしまいました。

このLED屋外灯はプリント基板を6枚貼り合せて作った6角形の円筒の各面に12本ずつ合計72本を固定してあります。 そしてAC100Vを直接整流しLM317Tによる定電流回路を通過して20mAで直列に繋いだLED36本を駆動しており、これを2系統持つ事で72本駆動となります。 36本は直列接続ですからその中の1本のLEDが消灯すると全てが点灯しなくなります。 従って最初に半分だけ消灯し後に残り半分が消灯したいきさつはそんなところにあります。

さて冷静に考えると実動開始して既に2年数ヶ月を経ています。 ということは製作投資金額はほぼ『元を取った状況!』にあります。 この修理で発生する費用(全LEDの交換)は、全体を新規に作るのに較べれば格段に安く出来ますので、基本的には余り深刻にならずに修理を進めようと考えました。

但し壊れた原因究明を全くしないのも問題ですので、手持ちの工具・測定器で出来る範疇で壊れたLEDを調べました。

壊れたLEDを調べるといっても点灯しない物をいじってもしようが無いので、仮説として、屋外灯に使われた全てのLEDはヘタっている!と仮定しそのへたり具合を比較してみます。

型番 形状 Vf(スペック) 光量(スペック) 半値角 ステイタス Vf(実動)
MT-LS05060XC 5φ砲弾型 電球色 3.2V 2700mcd 60度 使用後 3.78V
未使用 3.34V
AQ-L05055XC 5φ砲弾型 電球色 3.2V 3500mcd 55度 使用後 3.12V
未使用 3.23V
新規購入(型番無し) 5φ砲弾型 電球色 3.2V 6000-8000mcd 60度 未使用 3.36V

MT-LS05060XCはLED屋外灯の製作構想前に購入した物で50本購入し48本をLED屋外灯に使いました。 そして2段目の未使用は現在でも残っている未使用の2本を参考として比較してみました。

AQ-L05055XCはLED屋外灯用に足りない数量の補いに追加購入した物で、電気的なスペックは似ているものの、光量はMT-LS05060XCより上で色味はより黄色味が強いという違いがあります。 未使用は現在手元にある10数本から比較用に2本抜いて実験しました。

新規購入(型番無し)は、既にLEDは総とっかえ!と決めていたので購入した100本から2本抜き実験しました。

3種類の共通点は「中国製」であり、MT-LS05060XCは最も高価だったと思います。(単価\70-\80)  AQ-L05055XCは50個購入時に単価\70、そして今回購入した名無しのゴンベエは100個購入時に単価\34でした。 因みにこの全LED交換費用は1年間以内に元が取れる計算になります。

これの比較で差は明瞭でないため実光量がどの程度取れているのかを直感的に判る様撮影しました。 撮影条件は、絞り3.5、シャッター速度1秒、ISO50で共通としています。 2本のLEDを並べてカレンダーのほぼ中央を照らし、LEDとカレンダーの距離は20cmしかりませんので大光量の場合には相当な露出オーバーになるはずです。

MT-LS05060XCですが辛うじて発光している感じで、一般に言われている寿命(光量が50%に低下した時点)はとうに過ぎています。

AQ-L05055XCです。 左のMT-LS05060XCよりはマシですが、下の未使用のAQ-L05055XCと較べるとこれも既に光量が50%以下になっています。

未使用だったMT-LS05060XCですが、設計が古いせいかいまいちさえない光量です。

未使用のAQ-L05055XCでは中心はかなり露出オーバーになっており、これが当たり前かな?という気がします。

今回総入れ替えのために購入したLEDで、さすが最新型というか露出オーバーがはなはだしく大光量を伺わせますが、放射角(半値角)が60度以下のようですので、光量の評価は少々割り引かないとなりません。

最後になりますがテストした使用済みLEDで、上段は右側が一番古いMT-LS05060XC 2本とAQ-L05055XC 2本。
下段は左からMT-LS05060XC、AQ-L05055XC、今回購入の型番無しで何れも未使用品です。

さて一番大きな問題はこれらの写真で見てもあきらかなように、2年強の間に何がLEDに降り注いで寿命を尽きさせてしまったのかの原因です。 LEDに関する技術解説で多い破壊原因として大電流によりチップが破壊される事が記載されていますが、私の作る全ての実用LED照明では、かなり高精度の定電流回路でLEDを駆動しており、このLED屋外等も例外ではありません。

但し色々調べてみると、それ以外にもLEDが壊れる、或いは短寿命になる要因として次のものがあるようです。

1.LED チップの劣化
  製造最終工程で形成するチップ保護膜の耐水性が不十分だと、水分とチップ材料との電気化学反応で酸化し劣化が進む。

2.パッケージに関わる劣化
  LED チップは異種材料接合部が多く、電極合金と電極パッドとの長時間の化学反応により、合金組成が変化して抵抗が高くな
  り、発光強度が落ちて劣化が進む。

3.過電流・発熱・光による劣化
  大電流タイプの高輝度LED ではワイヤが時間が経つにつれて劣化し断線してしまう。 LEDの光による劣化では、有機樹脂系
  材料で作られているカプセル部は、短波長光で化学結合が解離し材料劣化を起こす。


少々脱線ですが、私は若い頃に高温・高湿度下で半導体が大きなトラブルを起こす実体を仕事の上で経験した事があります。
当時私は米軍の市場で民生電気機器を販売・アフターサービスする仕事をしていました。 トラブルというのはFM/AMチューナーの中間周波増幅に使われたICで、フェアチャイルド、フィルコフォード、ナショナルセミコンダクターが互換性のあるICを生産していました。 8本足で本体は丸い物で4本使われていましたが、これが販売数ヶ月で動作不良を起こします。 私はその当時南ベトナムに駐在していましたが、情報ではフィリピン、タイでも発生頻度が高く、台湾、韓国、日本国内では発生頻度は少なかったようです。

私の居た南ベトナムでは月の修理件数(IC交換)が400件を超え、それこそねじり鉢巻で修理作業をしていました。 その状態が1年近く続いた中でメーカーより発生原因として、『エポキシ封入された本体の8本の足がエポキシ封入された部分で隙間が発生し湿気が中に入って半導体を破壊した。』 補足として『隙間が出来た原因は、エポキシ樹脂とICの足の線材の熱膨張係数の違いによる。』とありました。

因みに銅の線膨張係数は16.8、エポキシ樹脂の線膨張係数は成形品で30〜90、一般には16〜35とあります。 銅合金の黄銅になると18〜23と、エポキシ封入材と足の線膨張係数を揃えようと考えたらその解は簡単に得られ解決策として使われたと思います。

LEDの生産の世界でこのようなことはどう消化されているのか私には皆目見当も付きませんが、新興の中国の企業がみようみまねで生産を開始していたら、線膨張係数を揃えるなんてことも全く考えずに生産している可能性はゼロとは言えません。

中国製だから駄目!というのではなくて、技術の正しい醸成には長い歴史と経験から来るノウハウも大きく貢献しているはずですから、その経験(時間)の差が問題の要因たる可能性は常にあります。

何れにせよ屋外灯特有の『高温・高湿下での使用』はこれまで作ってきた屋内用とは全く異なる短寿命要因が厳しくのしかかってきている事には間違いありません。



2011/06/24

修理の詳細 1

 修理には違いありませんが、基本的にはLEDランプユニット部分を新たに作ります。 駆動
 回路は色々チェックした結果全く不具合がありませんでしたので、そのまま使います。

 左の図の右側は作り直す部分を表しています。 細く切った6枚のプリント基板を貼り合せ
 た6角形の筒に72本のLEDが放射状に半田付けされます。 この筒は高さが不十分ですか
 ら2.7mm厚合板で作った6角形の筒に繋いで所定の高さになるようにします。

 LEDを固定するプリント基板は最も小さな穴あきプリント基板
 (72 x 47mm)2枚を縦方向に3枚ずつ切って作ります。(72 x 12.7mm)
 合計で6枚になりますが、それらの接合するエッジ部分は角が60度に
 なるよう加工せねばなりません。 この作業を容易にそして精度を高め
 るため、60度に研摩するジグを作ります。 また6枚を貼り合せる時にも
 ジグが必要になりますので、これも作ります。

 これらジグ作りがLEDランプブロック作りの工作精度を決定する
 作業ですから、あせらずに念入りに作らないとなりません。
 具体的には60度の傾斜切断がキーポイントになりますが、ソー
 ガイドを45度切断状態にセットしそれを15度傾斜を持つ台に載せ
 て切断することで実現します。(45度 + 15度 = 60度 です。)

 最初に作るのが60度切断ジグです。 これはソーガイドを併用して使いますので、ジ
 グ単体としては15度のジグになります。 考えかたは直角三角形の直角を挟む辺の
 片方が140mmの時にもうひとつの短い辺を37.5mmにすれば、長い辺に接した角は
 15度になる。 というタンジェントの法則を使ったものです。

 この三角形を2つ切り出して最終的な幅を123mmに切り詰めて、長さ45mmの連結
 板2枚で繋いで出来上がりですが、板厚は12mmで作りましたので総幅は69mmと
 なり、ほぼソーガイドの台板の幅になります。

 切り詰める理由は実際に使う時に140mmのままではノコ刃がジグの先端に当って
 しまうのを避けるためです。  詳細は後ほどお見せする写真を参照ください。

次の作業は60度の角度に基板の端を研摩するジグですが、これには幅72mm、厚さ9mm、
長さ150mm程度の板を中央で60度傾斜切断します。 そしてもう一枚の板に切断した2枚の
間にプリント基板をきつく挟んだ状態で接着します。 この板の両端には2mm厚のPET板を
両面接着テープで貼り付けました。 その両側にストッパーを貼り付けて完成です。

ここにプリント基板を挿し込みますが、底当りする所からペーパーで研摩する面(図の点線の
位置)
までの距離は、板厚÷Sin 60度で、11÷0.8660 = 12.7mmとなります。
実際にはサンドペーパーの厚み分減りますので、ほぼ12.5mmになります。 そしてこの値はLED固定基板1枚の幅です。 このようなカラクリで、プリント基板を底当りするまできっちり挿し込んで研摩すれば、基板の幅は12.5mmを維持しながら角は90度から60度になるよう研摩できる事を意味します。 削りすぎることはありません。

 次がLED基板貼り合せジグですが、基本的には120度で接合された底があれば良い
 わけです。 従って60度に切断した板を平面に接着する方法で作ります。

 この120度はかなり高精度である必要があります。 そこで大き目の端材に2つの線
 が120度となるような作図をしてその線に沿わせながらクランプで圧着保持をしてや
 りました。(作図方法はコンパスで六角形を描く方法によります。)

 左が私が作ったジグの断面図ですが、一度に2組の接着が出来るようにしていま
 す。 図にはプリント基板2枚を接着するために置いた状態を描いていますが、ゴム
 バンドで保持します。(エポキシ接着剤を使うので圧着保持に拘る必要は無い。)

全ての接着にエポキシ接着剤を使っており完全硬化には1週間かかることから、今回は12.5mm幅の基板を6枚作るところまでです。 そこまでの様子は以下の写真も参考にしてください。

完成した15度傾斜ジグ。 この上に45度傾斜切断にセットしたソーガイドを載せます。

切断時の様子。 一番下が切断する9mm厚の合板でその上に15度傾斜ジグ、そしてソーガイドが載ります。 これで60度の傾斜で切断できます。

ソーガイドが動かないよう後部ガイド板を下側に固定し、それを15度傾斜ジグ後部に引っ掛けます。

こうして切断した9mm合板で、60度傾斜研摩ジグを製作中。 隙間にプリント基板がきつめに挿入できると上出来です。

基板貼り合わせジグの接合中。 接合面は圧着出来ないので、エポキシ接着剤を使っています。

赤矢印の先の2本の線は正確に120度で交差しているので、これに沿わせて貼り合せています。

プリント基板を加工するジグが全て出来上がりました。 左下に見える2枚のプリント基板を縦に切断し合計6枚を切り出します。

切断してヤスリ(替刃式M-20GP)で幅を12.5mmに揃えたプリント基板6枚。 この後の研摩は4-5日後になります。



2011/07/01

修理の詳細 2

出来上がったジグでプリント基板の端をどんどん削ればよいのですが、同じ形態で同じ太さの6角の筒をLEDランプ固定軸として使う可能性が今後ありそうなので、ジグは一過性ではなく保存して随時使えるようにしたいと考えました。 そこでこの研摩ジグに合わせたヤスリを貼り付ける研摩板を作りました。 寸法などは別として次の写真で考え方をご理解ください。

作った研摩板で研摩している所。(左) それを左のストッパーに当る位置に移動した時。(中) 逆に右のストッパーに当る位置に移動した時。 研摩板裏側中央の白くなっている部分は布地サンドペーパー(#120)が基板のエッジに当って削っているエリアです。 そしてサンドペーパーは決して白い厚み調整のPET板には当たりませんから厚みが狂ううことはありません。

これで恒久的に使えるカンもコツもいらない研摩ジグになります。

全ての研摩が終わったら2枚の基板をエポキシ接着剤で接着します。 そしてそれにもう一枚を接着し6角筒の半分を作ります。 手順としては1ステップで2組接着できますから、2ステップで作業は終わります。 その後はみ出た接着剤を削り落としてから外側部分は明るい灰色のスプレー塗料で塗装してやります。

塗装が完全に乾燥したらLEDを半田付けしてゆきますが、上下方向の中央から始め
ます。 というのは中央から上若しくは下にずれるほどLEDは更に上または下の方に
振れないと収まりません。(右の写真は前作時のものだがその様子が判る。)

その理由はLEDの太さはフランジの部分では6mm近くあり、基板上のLED位置の間
隔は5.08mmと若干狭いためで、中央から離れれば離れるほどその差は集積されて
影響が大きくなるためです。 この現象を避けるにはLEDのフランジ部分を削り落とす
手もありますが、細かな作業で面倒なのと、上で述べた現象でLEDから発する光は
上下方向により高角度で放射されると考えれば良いので、私は気にしないことにして
います。

出来上がったLEDランプブロックの半分2つは交流電源の電圧変動があっても壊れる
ことなく動作できるよう駆動電圧の調整をします。

 そうする背景を簡単に解説しておきます。 LEDを定電流で駆動する回路はシリーズ
 レギュレーターLM317Tと抵抗(62.5Ω)で構成され20mAがLEDに流れます。
 入力電源電圧が変動したり、LEDのVfに変化が出た場合には、LM317Tの入出力
 間の電圧が自動調整され、駆動電流は常に一定になります。 図の左側は入力電
 圧値が標準のDC 125Vの場合で、この時LM317Tの入出力間電圧は4.95Vになる
 よう180Ωの抵抗が挿入されています。 (正確に言うと、元々は180Ωの抵抗が無
 かったのですが、その時LM317Tの入出力間電圧は8.55Vでした。 そこに180Ω
 の抵抗を挿入すると、(180 x 0.02A = 3.6V)の電圧が抵抗の両端に発生し、その
 値だけLM317Tの入出力間電圧が下がり4.95Vになった。というのが正しいです。)


さてなんでこんなややこしい事をするかというと、入力電源電圧の変動やLEDのVfのばらつきでLM317Tが破壊するのを防止するためです。 例えばAC100Vが20%増加すると120Vになりますが、直流入力電源電圧もそれに比例して増加しますので、DC 125VはDC 150Vになります。 その時この回路の各部の電圧がどうなるかを右側が示しており、LM317Tの入出力間電圧が25V増加し29.95Vとなりました。 また設計ではLEDのVfは3.2Vとして計算していますが、実際には20mAの電流を流した時のVfはかなりバラツキがでるのが普通です。 それ次第でこの回路では115.2Vとしている36本直列のLED両端電圧も変わってきます。 その変化分をキャンセルするようLM317Tの入出力間電圧が変化します。

そのように変化するLM317Tの入出力間電圧の許容最大値は40Vとなっていますから、上の例では10Vほど余裕があり破壊することはありません。 但し180Ωの抵抗が無かった時は、8.55V + 25V = 33.55V と、許容最大値にぐっと寄って余裕が少なくなりますし、LEDの実動Vfが低かった場合にも許容最大値に接近します。

さらに動作時の環境温度が上がるとVfは下がります。 例えばある白色LEDは20℃で3.2VのVfですが、環境温度が40℃になると3.1Vに下がります。  たった0.1Vの違いじゃないか!!と思うかもしれません。 しかし今回のランプユニットのように36本を直列にすると3.6Vも駆動電圧が下がります。 上で説明した回路ですとLM317Tの入出力電圧が4.95Vから8.55Vに上がります。 そしてこの時に電灯線電圧が20%上がったら更に25V上がりますから33.55Vにもなります。  もし180Ωが無ければ37.15VとLEDが破壊する40Vに肉薄します。

もっとも日本の電灯線電圧はかなり安定しており±5%以内に収まっているのでは?と私は感じています。 そうであれば上記の20%の電圧上昇はあり得ないのですが、津波にやられた原発の如く『絶対にあり得ない!』なんてことはありえませんから、ゆとりがあることは決して悪くないので、私は抵抗を挿入して可能な限りのゆとりを与えています。

ところでLM317Tが正常に動作する入出力間電圧の最低値があります。 メーカー発表データのグラフから読み取ると、出力電流が20mAの場合は1.5V程度になっています。 従って5V前後ではなく1.5Vまで下げてやっても良いのですが、環境温度が0℃まで下がるとVfは3.3Vと20℃の時より0.1V増加します。 36本で3.6V増加するわけですが、LM317Tは入出力電圧を4.95より下げて出力電流が下がらないよう調整します。 これは電灯線電圧が下がった時も同じです。 但し余り調整幅がありませんから、定電流を維持できなくなりますが、LM317Tを破壊するような事は起きません。(簡単に言えばLEDの輝度が低下するだけです。

こんなことから覚えやすい事もありLM317Tの入出力電圧は20℃で5Vとなるよう調整しますが、現在は気温が高くなっているので、30℃で6.8Vを調整ポイントにしてやります。(温度が10℃上昇すると1.8Vを加算。)

文章だけでは判りにくいかもしれませんが、実際に組んでみて各部の電圧を測定した結果や最終的な抵抗の調整値などは後程お見せする写真を含めてご覧ください。

60度研摩が終了した基板(右側)と未研摩の基板(左側)の比較です。

120度接合ジグに基板を固定しました。 これは位置が動かないようゴムバンドを使っています。 キラキラ光っているのはジグにくっ付かないように薄いポリエチレンシートを挟んでいるためです。

30分硬化開始型エポキシ接着剤を塗ったもう1枚の基板を当てて動かないようセロファンテープで固定しました。

1時間後にそっと外しました。 更に1枚を接着するのですが、接着剤が完全硬化してからということで、12時間以上寝かせます。

更に1枚ずつ基板を接着し2系統の基板が出来上がりました。

試しに2系統を重ねてみましたが、変なずれやゆがみも無く、視覚的には断面も正六角形になっているようです。

表面を明るい灰色のスプレー塗料で塗りつぶしました。 良くみると基板の穴の中には流れたエポキシ接着剤で塞がっているものもありますが、LEDの足が通る穴は塞がっておりません。

LEDの半田付け開始。 上下方向に6本取り付けられますが、中央の2本を先に半田付けします。 細い木の棒(4 x 4mm)でLEDを固定する高さ調整をします。

その両側の2本ずつを半田付けしました。 端に行くほどLEDは傾いてきます。

LEDの半田付けが終了しました。 それぞれの系統に36本、合計72本が取り付いています。

駆動テストと駆動電圧調整をしています。 完全なバラック配線でやっているので大変ごちゃごちゃしていますが。

 挿入する抵抗がなかった場合の各部の電圧は左の上段の回路図です。 36本のLEDを直列にした
 両端の電圧は、111.8Vと112.0Vでした。 これからするとそれぞれの平均Vfは約3.1Vとなり、メーカ
 ー発表の3.2Vより0.1V低い値になっています。
 そしてLM317の入出力電圧は12.9Vまたは12.7Vでした。 この値が6.8V(調整時に気温が31℃あっ
 たため、6.8Vとした。)
となるためには、(12.9 - 6.8)÷0.02 = 305Ω、または(12.7 - 6.8)÷0.02 =
 295Ωになります。 これに近いE12系列の抵抗は270Ωか330Ωですが、330Ωですとちょっと電圧
 が下がっただけで駆動電流が下がってしまうので、270Ωを使う事にしました。

 左図下段は270Ωの抵抗挿入後の各部の電圧です。  この屋外灯が不具合になる前の挿入抵抗
 値は47-56Ωでした。 今回決定した270Ωとは200Ω以上の差がありますが、駆動回路は全く変更
 していませんから、使ったLEDのVfが下がってきているのが原因です。 (抵抗値の違いを210Ωとし
 て平均で、(210 x 0.02)÷36 =0.117V 下がっていることになる。)


駆動電圧テストで決定した抵抗(270Ω)を基板内に固定し、引き出し線を始め配線を終了しました。

そして2つの基板をエポキシ接着剤で接合しています。 圧着保持はごく軽く180mmのハタ金を使っています。

完成したLEDランプブロック。 2度目の製作ですから淡々と進みました。 製作しながら同じ六角筒形状で3系統で合計120本のLEDを付けたランプブロックの使い道などを考えたりしました。



2011/07/08

修理の詳細 3

LEDランプブロックはそのままでは(高さ72mm)低すぎますので、2.7mm合板の端材でひとまわり細い六角形の筒(高さ約37mm)を作り、そこへLEDランプブロックを挿し込み接着します。 これの作り方はLEDブロックに準じますので説明は省きます。 出来上がった筒は4mm厚の合板で作った台座に接着しますが、この台座は元々この屋外灯に付いていたランプ受けの金具にネジ止めしてLEDランプブロックはめでたく固定されるという寸法です。 そして3本のLEDランプからの配線とAC100Vの2本の線はこの筒の中を通って駆動回路に導かれます。

そこまで出来ればもう完成は間近で、全体の組立を行いテスト点灯をして(といってもCdsの部分を覆って暗くなったぞ! と教えてやるだけですが?) 動作を確認した上で所定の屋外の場所に固定して全作業は終了です。

そうそうひとつだけその後に確認する事がありました。 それは明るさです。 前のLEDでは1mの距離で22ルクスでしたが、新しいLEDでは66ルクスと明るさは3倍にアップしています。 但し電球色といっても色味はかなり白色によっていますので、趣は前の方が良かったような気がしないでもありません。

修理完了までの様子は以下の写真もご覧ください。



(上の写真)細かな経過を省きいきなり出来上がった延長筒をお見せします。 厚さ2.7mmのカラー合板の端材で作り、断面が六角で底には4mm厚合板で作ったフランジを貼ってあります。 その右に見えるのが元々使われていたランプホルダーです。

(右の写真)延長筒の上にランプブロックを差込みエポキシ接着剤で固定しました。 2系統のLEDからの3本のワイヤーをこのように引き出してあります。 後程AC100Vの入力のワイヤーもここに見えるパイプの下側から入って延長筒の向こう側の穴から引き出されます。 これで修理にからむ製作作業は全て終わりましたので、残るは最終組立をするばかりです。


カップを被せAC100VとLEDからのワイヤーを引き出しました。 カップも元々付いていた電球のソケットをカバーするパーツです。

そして台座にランプユニットを固定しました。 白いカバーの下は駆動回路ですが、全くいじらずそのまま使っています。

所定の場所に取り付け日が落ちるのを待ちました。 左はCdsが感知して点灯してから15分後でまだ屋外は明るさが残っています。 右はそれから1時間を過ぎてからでほぼ最大光度になっています。 念のために1m離れた位置で明るさを測りましたら66ルクスでした。 以前の完成直後の明るさは22ルクスでしたから3倍の明るさということです。

----- 完 -----


 
  
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