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マルチセンサー温度計
2011/03/20
構想
(既に紹介した高精度の簡易版電子温度計)
現在進行中のノートブックPC用スピーカーの木工作業は、切削屑が
多いため屋外でないとまずいのですが、まだ寒くて作業したくないの
で、既に紹介した簡易版電子温度計の上に属し私の使用目的に合
致する物の構想をじっくりとこの機会にまとめることにしました。
ところで誤解無きようお断りしておきますが、
『既に紹介した物の上
に属する!』
と言うのは、性能が上ということではなくて、より高機能
とか便利になっているという意味です。
温度計としての基本性能は使うセンサーで決まってしまいますが、
先週使ったLM35DZは常温付近で±1℃の精度を持っており、この手
のセンサーの中ではかなり高精度です。 後ほど述べる上に属する
物の検討で候補としてピックアップしたセンサーは測定精度では
±2℃とむしろ一段下になります。
もうひとつお断りしておかないといけないのは、単に1箇所の温度を
測るのであれば、私が所有している三和のDMM
(PC510)
は熱電対
を使った温度センサーユニットを繋ぐと、-50℃〜250℃の測定が出来
ます。 その測定精度は-20℃〜0℃で±2.5℃、0℃〜250℃で±1.1℃となっており、1ヶ所の温度を測るのであれば何も新たに手当てする必要はありません。 しかし同時に数ヶ所で測ろうとなると話は変わってきます。
屋内外の気温同時測定、部屋の天井近くと床面近くの温度の同時測定、車の中の温度分布等々結構あります。 そして測定点間の距離が大きくなる事もあります。 そんなマルチセンサー対応が絶対条件であり、測定精度は±2℃取れれば充分です。
仕様のあらまし
1.マルチセンサー対応でで引き出し線を長くできる事
既に述べたようにマルチセンサー対応が最重要項目になります。 今回は3つのセンサーを同時に使える仕様にします。
1個のオペアンプには2つのアンプが入っておりますが、うちひとつは仮想±電源用に使うため、2個のオペアンプを使った時に
センサー増幅用として3つ分残る!という計算です。 その3つのセンサーはスイッチで切り替えて測定します。
またセンサーケーブルの長さを複数用意したり、プラグをセンサーとした短い物など色々用意してやろうと考えています。
使用候補の
LM60BIZ
は高容量負荷になってもセンサー周りに特別な外付け部品無しで安定動作するらしく、センサー部分が
大きくならずに済みそうです。
(ノイズの多い環境では外付け部品が必要になりそうだが?。)
2.測定精度は0℃〜100℃で±2℃
私の使用目的では測定精度はさほどシビアではありません。 従ってセンサーメーカーが規定している25℃で±2℃に準じて
設定しました。 具体的には私のDMMとそれ専用の温度センサーによりキャリブレーションを取れば、0℃〜100℃の範囲なら
±1.1℃に追い込めるはずですが、センサー個々のばらつきを調整する機構は持たないので、センサーICに合わせ±2℃とした
次第です。
3.広範囲な温度測定
マイナスから沸騰点を越える領域の温度測定が必要と考えています。 LM35DZは0〜100℃が測定範囲でこの他のバージョン
でマイナス領域の測定が出来る物がありますが±電源が必要になります。 10種類以上の温度センサーのテクニカルデータを
調べた結果、
LM60BIZ
を有力候補として考えています。 温度測定範囲は-25℃〜+125℃と希望条件をカバーし単電源で動
作します。 特に2.7Vという低い電圧から動作する点に気にいっています。
(006Pで作る仮想2電源の+側の+4.5Vで駆動する
が電池寿命時の+2.8〜3.0Vより下の電圧でも動作するのは具合が良い。 因みにLM35DZは4V以上必要。)
4.センサーが小さい事
私の使用イメージの中に、
狭くてちょっと深めのところに温度センサーを差し込んで測定する!
というものがあります。
従ってセンサー本体は小さくて薄いものの方が必要になりますが、この点でも
LM60BIZ
は表面実装タイプがあるようで、その
場合にはセンサー本体の大きさは
2.9 x 1.4 x 0.9mm
という小さな物になります。 実際には3つの端子が突起になっていま
すからもう少し大きくなりますが、厚みが0.9mmしかないので1mm厚基板に実装すれば総厚みが2mm以内に収まります。
これに対しLM35DZは自身の厚みが4mmありますからその差は大きいです。
5.温度の読み取りにはDMM/デジタルテスターを使用
簡易型の温度計の場合読取装置としてはアナログテスター、デジタルテスター、DMMとなんでもござれでした。 このために
センサーの出力電圧を10倍して低感度のアナログテスターでも問題が出ないようにしていましたが、それに対しここではDMM
(三和 PC-510)
かデジタルテスターを使います。 この場合感度が高いために増幅することは重要でなくなります。
6.電源は9V乾電池で低消費電力
詳しくは後ほど説明しますが、電源は006P 1本でこれで±2電源を組みます。 上で触れたように候補の温度センサー駆動は
単電源でOKですがマイナスの温度をプラスの電圧に変換して出力します。 そのままでは読み取りにくいので元のマイナス電
圧に戻して表示させるために±2電源が必要になります。 ここでは仮想2電源を使って006Pから±4.5Vを作ります。
ところで006Pは体積も小さいのですが、消費電力を抑えて連続で90時間位もつようにしたいと考えています。 こうすることで
屋外で温度測定で電池寿命を気にせずに使えるようになります。
7.電池寿命を明確に表示させる
連続で90時間もつは良しとしても何らかの表示がないと電池寿命に気づかないまま使い続ける事になりかねません。
006Pはアルカリ乾電池以外にニッケル水素電池もありますので、使用電圧範囲は9.0〜6.0Vとします。
(ちょっぴりややこしいの
ですが、ニッケル水素タイプの使用電圧範囲は7.2V-6.0V、アルカリ乾電池タイプでは9.0V-5.4Vとなっています。 従って使用
電圧の高い方はアルカリ乾電池で、低い方はニッケル水素電池で決めています。)
よって6.0Vになった時にどのような表示を
させるか?ということが命題になります。
(ニッケル水素電池には上で述べた物以外にセル数が増えて、8.4-7.0Vの物もありま
すが今回の仕様では使えません。)
温度センサーを使うポイント
LM35DZと同じようにLM60BIZにはV+ GND Voutの3つの端子があり、V+とGND間に2.7-10.0Vの電圧を掛けます。 そして温度出力はVoutとGND間に出てきます。 とここまでは大変よく似ていますが、LM35DZは1℃辺り10mVの出力電圧がありました。
従って25℃の場合には250mVが電圧計の読み取りとなり好都合だったのです。
それに対しLM60BIZは1℃辺り6.25mVという中途半端な値です。 更にその出力電圧に424mVを加算してから出力させています。 従って25℃の場合には、6.25 x 25 +424 = 580mV がLM60BIZの出力電圧です。 −25℃の場合には、6.25 x (-25) +424 = 268mVと何れの場合もDMMで読み取っても何度なのか判らずピンと来ません。
これは私の勝手な想像ですが小さな駆動電圧、それも単電源でマイナスから100℃以上の温度を出力できるために出たアイデアのように思われます。 というのはLM35では最低の動作電圧は4VでしたがLM60BIZでは2.7Vに下がっています。 測定電圧範囲は余り変わりませんから1℃辺りの出力電圧を圧縮しないと高い温度の値を表示できなくなります。 またマイナス電源がありませんからプラスの電圧に変換してマイナス温度を表示しないとなりません。
何れにせよこのままでは読み取り換算が面倒なので、メーカーがやっているプロセス
(上の計算)
を逆に辿り表示させることにします。 具体的にはセンサーの出力電圧から424mVを引算して、それを6.25で割り算すれば温度の値が1℃辺り1mVで出るはずです。 これで直読しやすくなりますが1℃辺り1mVは少し低すぎるのでそれを10倍しますと1℃辺り10mVとLM35DZと同じ事になり適当な感じがします。 ということは424mVの引算をした後で1.6倍増幅すればよい事になります。 以下の表はそれらを理解しやすくするために一覧にしました。
それが実現できるであろう回路が左です。
差動増幅回路と呼ばれているもので、+入力
に温度センサーの出力を繋ぎます。
そして-入力に424mVを加えます。 こうする
とセンサーの出力電圧から424mVを差し引い
た値がアンプの入力となります。
このアンプに繋がった抵抗を、R1 = R3、
R2 = R4 とすると、増幅度はR2/R1で求めら
れます。 増幅度を1.6倍にしたいので、R1を
150KΩとするとR2を240KΩにすればよいこ
とになります。
上の回路で引算に使う424mVを供給する回路は
極めて重要で、正確な424mVであるだけでなく温
度特性が良くないと測定精度に影響します。
定電圧というとすぐに思いつくツェナーダイオードは
5V近辺で温度係数が0になり、それより上では正
の温度係数、下では負の温度係数を持ちます。
従って5V付近のツェナー電圧から抵抗で減衰させ
て424mVを得る方法があります。
もうひとつはシャントレギュレータを使う方法です。
温度特性が極めて優れており、ここで使おうとして
いる
TA76432S
のメーカー発表Reference電圧
代表値は、-20℃で1.257V、0℃で1.259V、20℃で
1.260V、最大値の60℃で1.261Vと、-20℃から
100℃の間で4mVの差しか発生しません。
434mVは1.26Vの約1/3ですから、全測定温度レン
ジで1.3mVの誤差しか出ないことになります。
1℃辺り6.25mVですから最大0.2℃程度の誤差です。 ここでは上に示すシャントレギュレータを使った回路で進めます。
オペアンプにはLMC662CNを使います。 一時は手持ちに沢山あるLM358Nを使おうと考えたのですが、電池終了電圧(6V)での予測される最高出力電圧は+1.5Vですが、最高測定可能温度125℃でのオペアンプ出力電圧は+1.25Vになります。 たった0.25Vの余裕しかないわけでちょっと役不足です。 そこでレールトゥーレールと呼ばれ電源電圧ぎりぎりまでの最大出力が得られるLMC662CNで安全を期しておこうという考えです。 この場合は電池終了電圧でも2.8V近くの最大出力電圧が得られるようなので余裕たっぷりになります。 マイナス側は最低測定温度がが-25℃ですからオペアンプ出力電圧としては-250mVとなり、問題ありません。
このマイナス出力電圧が発生するので±2電源が必要になります。
(センサーへは+2.7〜+10Vの単電源。)
さて電池の終了電圧6Vに低下した時の表示方法につ
いて触れます。 実験をした結果PNPトランジスタ2本
と赤青2色発光LEDを使う方法です。
(左図参照)
その動作は電池電圧が7V以上あるときにはTR1が
ON、TR2がOFFの状態で、青のみの点灯ですが、7V
になるとTR2がONになりかかり、赤がほんの少しポチ
ッと点灯します。
(全体としては青色)
更に電圧が下がるとTR1はOFFへTR2はONへと進
み、果物の皮が向けるように赤の光量が急速に増大
し色は青からピンクに変貌します。
5.9Vに下るとTR1はほぼOFF、TR2はONとなり、青が
少しポチッと残る程度となります。
(全体的に真っ赤。)
そして1.6Vまで下がるとLEDは完全に消灯します。
ここで言う7Vから6Vに下がった時の変化は完全な青が完全な赤に変貌!と大変明瞭ですので、青がピンクっぽくなったら、
(7V以下になった。そろそろやばいぞ!)
真っ赤になったら、
(6Vで電池寿命は終了!)
と理解できるインジケーターになります。
以上の感じは以下の写真もご覧頂きたいのですが、現物はもっと視認性と言うか色の変化具合がはっきり判ります。
動作のテスト風景。 左のDMMは電源電圧を、右のアナログテスターは消費電流を見ています。 LEDの色が判りやすいように露出を1/4に抑えて撮影したものを強引に明るくしていますので少し発色が変になっています。。
7.2Vから5.6Vまで0.2V刻みでの色の変化。 肉眼では7.0Vの時に小さく赤の点がでているのですが写真では見えません。 6.8Vでは下の方が薄っすらと赤くなっています。 更に6.0Vで左上に少し青が残っていますが、5.8Vでそれも消えます。 これらの変化は大変認識しやすいです。
このインジケーターの温度特性が気になりますが、理論的には1℃増加するとトランジスタのVbeは-2mVとなります。 従って20℃温度上昇があるとVbeは40mV下がりますが、これに従い動作電圧も同量だけ低い方にシフトします。 つまり7Vで青に赤がちょっと混じる状態であったものが20℃上昇した時には6.96Vにならないと同じ表示にはならないということで0.5%の違いです。 40℃の変化があれば1%の違いになるわけですが、ここでいう温度変化はセンサーが感じる温度変化ではなくて、温度計本体周りの温度変化です。 殆どの場合で温度計本体は測定温度よりも狭い常温に近い所にあることと測定結果に影響が出ないことから、無視しても問題無しと考える事にします。
この電池電圧インジケーターは最大消費電流が0.6mAと小さく収まっています。 0.6mAの殆どがLEDに流れる電流で明るい屋外で使わないのであればもっと電流を減らしても視認性に問題が出ないと思います。
最後に消費電流と電池の寿命時間の予測ですが、消費電流が大きそうなのは424mVを作
り出す回路で3.9mA、オペアンプ2個 1mA、電池電圧インジケーター 0.6mA、の合計5.5mA
です。 これでパナソニックの技術資料を見ると約100時間連続で使えそうです。
上で説明した回路を組み合わせてひとつにしたのが左の全体回路図です。 右上のオペ
アンプが仮想2電源回路ですが、実際には仮想接地回路というか電圧の中点を設定する
回路と言ったほうが判りやすいかもしれません。 この回路のお陰で9Vの電圧の006Pが
±4.5Vの電源に変貌します。 そしてオペアンプは±4.5Vで動作しマイナス電圧も取り出
せますが、センサーだけは+4.5Vだけで動作するという次第です。
2011/03/25
基板レイアウトとケース構造の検討
思考実験の上では出来上がった回路に致命的な部分はなさそうですので、基板のレイアウトの検討とそれを納めるケース構造の検討に入りました。 大雑把な基板レイアウトを検討した結果、既成の小さな基板サイズ(72 x 47mm)に収まりそうになったので、それを目標に作業を進め使い勝手もまあまあのレイアウトが組めています。
左の図をクリックすると3枚の基板レイアウト図面が出てきます。
私は通常レイアウト3と記した図面に回路定数を記入して済ませていますが、余りにも沢山の情報
が密集して判りにくくなるので、3つに分けました。
レイアウト 1
は部品挿入面の様子を表していますので、部品の挿入位置と定数が重要ということ
で、それ以外は省いてあります。 この中に薄い青の横線が3本ありますが、これは錫メッキ線に
よるジャンパー線を表しています。 薄紫の配線は基板とトグルスイッチを結ぶビニール線です。
そして4つある青点線の四角は裏に半田付けするコンデンサーの位置を表しています。
レイアウト 2
は裏の半田付け面を表していますから全配線を含んでいます。 配線は一部色分けしており、赤線は+4.5Vライン、青線は-4.5Vライン、太い黒線は0Vライン
(GNDライン)
を意味します。 また青の四角4個は裏づけするコンデンサーですが、オペアンプの+VとーVのピンに片方を接続、もう片方はGNDラインに接続しています。 緑の小丸3個は緑の3φLEDで裏面から挿入して半田付けします。
(高さは別の図を参照)
また青の小丸は赤・青2色LEDで高さは緑のLEDと同じになるでしょう。
レイアウト 3
は部品取付けや配線時には不要だと思いますが、後で動作を確認するためにDMMで各部電圧をチェックする時に使うようになると思います。
これらのレイアウトは丸3日を費やし10枚近く描いた最後のもので、間違いが無いか数回確認をしていますので、誤配線の心配はまずないだろうと思います。
さて既成のサイズの基板にうまく収まってくれたので、薄板で作るケースを考えました。
頭でイメージしているのは3mmか5mm厚のアガチスです。 やわらかい材料ですから少々
厚くしておかないと強度が不足するかもしれませんので、外観図は取り敢えず5mm厚で描
いてあります。 従って3mm厚に変更できたとしたら各寸法は4mmずつ低下します。
基本的には72 x 47mmの既製の基板と乾電池の006Pがうまく収まればよいわけで、現在
のとろろ長辺113mm、短辺63mm、厚み
(高さ)
31mmです。
もっと小さくしたい所ですが、今書いている図面では蓋のロック方法をどうするか未検討で
あり、センサーを接続するジャック次第ではもっとスペースが必要になり、これより大きく
なる可能性が高いですが、小さくなる事はまずないでしょう。
2011/04/01
基板レイアウトとケース構造の再検討
センサーケーブルとケース接続の3.5φステレオミニフォーンジャック
構造検討の中でセンサーケーブルやDMMへの出力の接続方法を
まだはっきりと決めていませんでしたので、メーカー発表の外形図を
参考にしながらプラグ・ジャックを選定開始しました。
小さくてスペースを余り食わない事、ジャックを含めたシールド効果が
良さそうである、3極であることなどの理由で3.5φのステレオミニフォ
ーンジャックを使う事にしました。 ジャックのケーブルが入ってくる部
分に合わせて2芯シールド線は外径4mmの物を選んでいます。
そしてセンサー用3本とDMM用1本の4本のジャックの納まりを検討し
たのですが、ケースの短い側面に2つある基板固定用のスペーサー
が邪魔をして、どうやってもうまく収まりません。 長い側面には収ま
りますがこのままではロジカルさが失われます。
暫し善後策を考えましたが、結論としてはレイアウトをやり直すしか
ない!ということになりました。 これはプリント基板のレイアウトも含
めてやり直さないとならない事を意味します。
プリント基板は長方形ではなくL型に変更します。
この変更で基板面積はかなり増えますが、ケースは数ミリず
つ大きくなる程度で収まります。 欠き取った部分には006Pを
落とし込むことにします。
3つのセンサーケーブルを繋ぐジャックは上面に並べて配置し
ます。 その下に表示のLEDが、ロータリースイッチは右下部
に、そして電源スイッチをその右に、その左側に電池電圧インジケーターを配置というレイアウトにしました。 それ以外は以前のレイアウトを右へ90度回転させたようなものですが、詳細は左の図をクリックしてご覧ください。
右がケースの構造図ですが、基板が大きくなりましたのでフォーンジャックが収まる部分に部品が並ばないような配置ができています。 大きさは、
116
x
64
x
31.6
mmと以前の(113 x 63 x 31mm)に対し僅かに大きくなりました。
今回は裏蓋の固定方法を明確決定しています。 固定方法は4本のM3皿ネジ止めで電池交換時は少々面倒になりますが電池寿命が長いですから良しとします。
ひとつだけ明快ではない部分が残っています。 それはジャックの固定です。 固定する厚み2mmのナットはネジ部分が長さ4.5mmしかない状態で締め込まれますが、理想としては4.5 - 2 = 2.5mm以下の板厚にしないとなりません。
メーカーはアルミパネルに固定する事を前提として設計しているようで、その場合には問題ないのですが、ここでは板厚は5mmですからジャックの取り付け部分だけは板を削ってやらないとなりません。 そうするとケースの物理的な強度が下がるのでアルミのパネルを埋め込む方法などの検討も必要あるかもしれません。 そのような問題はあるものの、ジャックの取り付けで何かに干渉するようなことはまずないと思われます。
うひゃー小さい!!
使用候補としていた
LM60BIZ
が入手できました。
早速パッケージを開いてみましたが、いやー小さい、小さい!
左がLM35DZと並べて撮った写真で、大きさが判るように物差しを下
に並べましたが、まるでごみ粒です。
これをじっと眺めているうちにセンサー
先端部分の構造をどうするかがだん
だんまとまってきました。
(右図参照)
まず1mm厚の基板を考えます。
ホームセンターで販売している塩ビ板、
PET板、アクリル板などは全て耐熱性
が不十分で駄目、材質の理想はガラ
スエポキシですが入手はほぼ不可能
でしょう。 替わりにベークライトなら何
とか入手できると思います。
これを幅4mmに切断して銅箔を細く切
ったものを信号線として3本貼り付けます。 その線にセンサーを半田付けすると厚みが2.2mm程
度になります。 そして電源+ラインと信号ラインを包むようにシールドして基板の根元で2芯シールド
線に繋ぎます。
このとおり作れればの話ですが、私がイメージしていた薄べったくて狭い隙間に挿入できるセンサー
のイメージにかなり近づきます。 若干心配なのはベークライト板の物理的な強度で、ガラスエポキシ
板が手に入れば断然良くなるのですが?
そうそういい忘れていますが、センサー先端はそのままではまずいのでエポキシ樹脂で全体を覆って湿気、腐食防止しないとなりません。 またそうする事により水、お湯、氷の中にセンサーを突っ込む!なんてことも可能になるかもしれません。
細かな構造がかなりはっきりしてきておりますので、この勢いで製作に進みたいと考えています。
----- つづく -----
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