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室内用犬小屋の製作
   
2002/11/14
製作構想

 英語で衝動買いをImpulse-buyと呼ぶそうだが衝動製作はなんてい
 うのだろう?
 いきなり変な書き出しですが我が家の次女(メスのミニチュアダック
 スフント。 左の写真
)の為に小屋を作ることにしました。

 本当かどうか知らないがあるブリーダー曰く、

 ・犬は野生の時代であった頃最も安全で安心できる場所は穴
  倉の中であった。

 ・人に飼い慣らされ変化した今でもその血は残っており、周り
  が覆われて見えない場所が一番ストレスがかからず落ち着
  ける。

 ・従って家の中で飼う場合にも犬小屋を与えるのは犬の為に
  も良い。


 と言っていたのを突然思い出したのです。

 本当に落ち着ける場所かどうかは別として我が家の次女の挙動を
 見ていると、悪いことをしたときには(或いは叱られるのではないか
 というようなことをしたときには)居間の隅のピアノの下にもぐり、
 こちらを伺っています。 多分ここが一番安全と考えているのではな
           我が家の次女? デミちゃん              かろうかと思います。

悪いことをした場合の隠れ場所だけなら別として、とかくストレスが溜まりやすいと言われている犬の為には小屋を作ってやった方がよいのでは? と思い立ち、市販品を参考にしながら自分のオリジナルを加味して作る事にしました。

先ず大きさですが、既に夜間に寝る場所としてのケージは確保してありますので昼間にちょっと休むセカンドハウス的なものとして考え運びやすくする為ぎりぎりまで小さくすることにしました。 市販品で小型犬用というのを測って間口50cm、奥行45cm、高さ50cm位でよいかな?との見当をつけました。

次に材料ですが、一番安く出来そうなのはコンパネ、OSB、SPF材などが候補に上がります。 この中でシックハウスなどで問題になっていることもありコンパネは使いたくありません。 OSBは質感がどうも今一ですし、木口の処理も大変です。 残ったのはSPF材ですが一番薄いワンバイフォーでも19mmと厚みがあるため重くなります。  重量が気になったので大雑把な使用材料の量を計算してみましたが、SPF材の場合には183cmの物が8本必要になりそうです。 8本の重さはかなりありますが運べないことはないのと完全に乾燥するとかなり軽くなるという過去の経験と2分割構造とすれば移動の問題はなくなります。 2分割構造は過去に屋外用犬小屋を作ったときにも採用しましたが、小屋の掃除が大変楽であり好評でした。  というような経過をたどりSPF材とすることにしました。

仕上げに関してはミニハイバックチェアで使った天然素材を主としたカラーステインがなかなか良かったのでこれを採用します。
生体に対する安全性が高そうなのと、変わった色があるのも大変嬉しいポイントです。

小屋の形状に関しては、切妻では天井高が低くなってしまう為マンサードとして中でぐるりと廻っても頭がぶつからないよう考えることにしますが、外観上も多分格好良くなるでしょう。



2002/11/21
設計

 SPF材を使いコスト重視とするわけですが、だからといって外観もチープな物を作ろうという意識はあ
 りません。 大雑把なイメージとしては横張りのカントリー風板壁としました。
 問題はどのように横張りの箱を組み立てるかで極めてオーソドックスな方法は隅木に壁板材を固定
 してゆく方法ですが、今回は壁板を半分ずつずらして固定してゆく方法です。 (参考図)

 こうすると隅木なしで一体となりますが、横板の継ぎ目の線が当然ながら食い違ってしまいます。
 総高さ約500mmから前後の壁は5段(88mm x 5 = 440mm)としますが段数が少なくて外観上は面白くありませんので壁板の中心に幅3mm深さ3-5mmの溝を彫りあたかも壁板の幅が44mmのように見えるようにしました。 これで壁板の段数は10段あるかのようになります。

前後の壁面はマンサード風の妻としますので、屋根の傾斜は2段となりますが作図を何回か繰り返しこんな感じで良いかな?と落ち着いたのが壁板加工図です。 屋根頂部から最初の部分は長さが計算上167mmありますが、88mm幅の屋根板を現物合せで削って合せます。 次の傾斜部分は奇しくも45度となりましたが長さ103mmでここに屋根板2枚を貼ると軒として約73mm出ることになります。 以上の設計寸法は左右の壁板と屋根板の接合上もうまい値で、壁板組立て図をご覧頂くと判るとおり左右の壁板は3.5段とし最上部の壁板角を少し削り取ることにより実現します。
入口は単純な長方形としますが、入口両側の壁板裏に連結板を追加します。 同様に前後の上部2枚の壁板も連結板が必要です。

以上が本体の基本設計ですが、床枠を本体にすっぽりはまり込むような構造としました。 完全固定するならば本体を嵌め込んだ上で本体横の下部にネジを打ち込めばOKですし、鬼目ナットをここに埋め込めば完全固定し且つ取り外しも出来ます。
私の場合きつめに嵌まり込むよう作れましたので取り敢えずそのままとしています。

残りは入口の周りと外壁角で、杉の荒材にカンナを掛けて作った薄板を化粧貼りとして見苦しい継ぎ目を隠します。

以上が設計の全てで寸法図をご覧になると詳細がわかります。



加工・組立

 加工図板取り図をご覧になれば主材としてのSPF材の加工寸法が判ります。 88 x 1830 x 19mm
 のSPF材が8本となりました。 SPF材は1本\200位ですから他の材料を含んでも\2000程度で作れるこ
 とになります。
 正直言って板取りは余り良くないのですが、大きな節や欠陥のある所を避けるようなこともありますから、
 実質的な端材は殆どないといってよいでしょう。
 板取り図中、板幅の中心に引かれた点線は幅3mm深さ3-4mmの溝を表します。 私はホームセンター
 で切断共々お願いしてしまいましたが、彫刻刀などで彫っても良いでしょう。 化粧となる薄板は杉の荒材から削り出しましたが入口周りは厚さ9mm幅40mm、壁の角に被せる物は厚さ4mm幅25mm20mmの物でそれぞれ182cmあれば十分足ります。

組立については日曜大工入門と同様一連の写真にてお目に掛けます。

AA'BCC'をこのように組み上げます。 (図拡大)

まずAB'を35mmネジ3本で接合し、2組作ります。
次に前後のBを接合し床枠が出来上がります。

床板CC'計4枚を落とし込みネジ止めして床ブロック完成。
壁の組立は、まず入口横のE'3枚を補強棒Gに裏からネジ止めします。

それに半幅のD'(一番右)を固定その隣にD3枚を固定します。
片側の横壁板を全て貼ったところです。 反対側の組も同様に作ります。

最後に後ろのE3枚を2つ出来た横壁ブロックに固定して出来たコの字型の外壁ブロックを床ブロックに嵌め込みました。
同様に外壁ブロックを後ろから見た所です。

前後の最上部壁板E2枚はこのように加工。(拡大図)
切り出した壁最上部の板2組

連結板Hを板の裏に固定します。
壁前側上部にネジで固定します。 後ろも同様。

前側は連結棒Gにもネジで固定します。
完成した外壁です。

横壁角を削る前に屋根の最上部を固定します。
現物合せでこのようにカンナで突合せ部分を削ります。

横壁板の上部の角をカンナで削り落とします。(詳細図)

屋根板Fを順次固定してゆきますが、曲がり角部分は全て突合せ部分をカンナで斜めに削ります。

本体構造部分が完成しました。
横壁の角に薄板(厚さ4mm幅20mm)を被せます。

前側の化粧縁(厚さ4mm幅25mm)を貼ります。
入口周りに化粧板を貼りました。(木工ボンドと丸釘使用)

組立の全てが完了しました。


2002/11/28
塗装


 塗装はミニハイバックチェアで使った環境・生体に優しいとされるサンデーペイントのエコウッドを犬小屋本
 体に使い、屋根・土台枠・入口枠などにはアサヒペンの水性ウッドライフカラーを使いました。 
 エコウッドの方は白ですがステイン系ですので白く薄化粧したような感じに仕上がり木目ははっきりと残
 ります。 
 ウッドライフカラーは塗りつぶしとなりますが、ブリックレッド(濃い目のローズピンク色)、白、チョコレート
 の3色を使っています。 ウッドライフカラーを選んだ理由は特になく、ブリックレッドの色味が気に入ったの
 でといった程度です。

何れも塗り方は難しいことはありませんが、エコウッドの場合とにかく薄く引き延ばすことが肝心で、少しでも厚塗りをした所は顔料がたまってしまい色むらが出ますので、薄く薄く引き延ばします。 色が薄すぎるという場合は重ね塗りで対処します。
屋外用の特に水性塗料では1回塗りで木目がつぶれてしまうくらい厚塗りできるものもありますが、そのような扱いは禁物です。 また油性の為乾燥時間が長いため2回塗りは6時間以上経過した後にしましょう。 私は薄化粧に好感を持ちましたので1回塗りで済ませています。 屋内使用でしたらこれで十分です。

ウッドライフカラーは上でも触れた水性のドロッとした塗りつぶしタイプで、容器には「1回塗り」と書いてあるものの薄く延ばして2回塗りで仕上げる方が結果は良いようです。 但し水性塗料の一般的な性質として乾燥時間が極めて短いので、気温が低くなった今でも2時間経てば重ね塗りが可能です。

塗装順序は小屋の本体をエコウッドで塗装し24時間放置した後にウッドライフカラーでの塗装としました。塗装の境目となる部分はマスキングテープで覆ってやります。

塗装が終了した全景です。

屋根を塗ってからマスキングテープで覆い軒を塗ります。
薄化粧(外壁)と白塗りつぶし(軒と入口の枠)の感じの違いが良く判ると思います。

床板枠は外れるので別に塗装してから嵌め込みます。
   

以上で完成ですが嗅覚が鋭い犬には塗料臭が鼻につくのかまだ喜んで小屋に入ろうとはしません。  しかし暫く経てば彼女にとって大事な場所になるでしょう。

----- 完 -----

  
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