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回転式CDラック製作詳細
   
2001/12/27

構想と留意点
CD(コンパクトディスク)が登場して既に20年を越え、オーディオCDのみならず同じ直径12cmのメディアはCD-ROM、CDVideo、CD-R、CD-RW、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD-RW、DVD+RWなど急速に種類が増えました。 同サイズということは、保管スペースは同じで良いことになりますので、勢いCDラックのスペースはいくらあっても多すぎるということはありません。 

我が家でもこういった事情から現在のところ1300枚のこれら12cmのメディアを保管できる収納スペースを確保していますが、既に900枚位埋まっており遠からずパンクすることは目に見えています。 抜本的な解決策にはならないにしても、頻繁に聴くオーディオCDをうまく整理しながら効率よく保管するラックを手当てしようと市販品を物色しましたが、デザインの素敵なものが沢山ある反面効率的な収納という点ではいまいちでした。  

そこで、一丁自作しようかということで、暫しの間構想を練っていましたが、奥行が142mmしかないCDのケースは通常の発想ですと上下、横方向にサイズを拡大しないと収納量が増えませんが、当然ながら薄べったくて非常に不安定になります。 奥行方向に2段3段と重ねれば別ですが、そうすると出し入れが大変面倒になったり、構造がえらくややこしくなります。 あるとき家内に付き合ってショッピング中、ピアスを物色していたときに、ふっと あっ!これだこれしきゃないぞ!!と、ピアスの回転展示ケースをみてアイデアが浮かびました。 

 早速パソコンと睨めっこしながら断面がの構造で回転式にすることによ
 り、無駄な空間がないので収納効率がよく出し入れもし易いという当たり前
 と言えば当たり前の構成で検討しました。 CDのケースは高さが125mm
 奥行142mm、厚みが10mmのものが殆どですが、ディスクサイズは同じな
 のにDVDやTVゲームのCD-ROMなどではかなり異なったケースサイズが
 あり、どうしようかと暫し考えました。 解決策としては、音楽CDの収納が
 主体になること(この場合上記のケース寸法で問題ない。)と、パソコンショ
 ップに行けばCDのブランクケースが販売されているので、場合によっては
 詰め替えて収納する。 ということにしました。 この場合ブランクケースの
 中には厚さ7mmの薄型や、2枚収納可能なものもありますから、より効率
 的に整理する意味で利用価値があるのではと思います。 

 各部寸法の検討を進めて見た所、の各ブロックの内寸が130-135mm
 辺りが良いのではとなりました。 その理由はCDケースの奥行は142mm
 ありますが、CDケースの手前が10mm前後外に飛び出していたほうが出
 し入れし易いからです。 一方CDケースの高さは125mmありますが、中
 には130mmを越えるような例外もあるので135mmと決めました。 

標準のCDケースは厚みが約10mmありますから1ブロックに13枚、1段に4ブロックあるので1段で52枚、4段積みにすれば208枚となります。 200枚を越えるのであれば取り敢えずは良しと言うことで12mm合板を元に検討したところ、高さが650mm前後、箱の1辺が300mm位となり、板取り検討に入りました。 ところが板取りが非常に悪いことに気づきました。サブロクの合板でどうしてもちょっとだけ足らなくなってしまうのです。 原因を色々考えたのですが、結論としてはサイズをほんの少しつめることと、木目の方向に関し常識をちょっと外してみようという事で、最終的な設計としました。 

この結果内寸は129mmとなり、1ブロックに13枚入らず12枚に留まります。 従って収納総数も192枚と200枚を切ってしまいますが、厚み7mmの薄手ケースが混じれば200枚を超える収納能力が確保できるので、これで良しとしました。 最終的な板取りは正に偶然としか言い様がなく、カット後の端材は僅かでしかも殆どの端材は組上げ時のジグの組み立てに流用します。

断面の形状は右勝手を考え逆卍としましたが、左勝手がよい方は純卍に組上げ時に出来ます。(板取りは全く同じです。) 設計時点で仕様が決めれなかったのは回転機構の部分で、これは組上げてみていくつかの実験をしてから決めることにしました。(出来るだけコストを押さえたかったためです。) 最終的な外形は、1辺が最大299mm、高さ624mmの直方体の箱が、直径360mm、厚み24mmの台座上で回転し、総高さは650mmとなります。 若し収納量を増やしたかったら4段を、5段、6段と上に増やせば良いのですが、その時の板取りは相当悪く、無駄が大量に発生すると思いますのでご注意下さい。

以上をまとめたものが、設計・寸法図加工図板取り図です。 参照下さい。



材料
12mm厚サブロクの合板が1枚、6mmの木ダボ、36mmの隠し釘、接着用の木工ボンド、塗料(私はステインで着色後1液性ウレタンニスで仕上げました。)、そして回転機構の部材ですが、これについては完成してみないと何ともいえませんので、この製作記事の最後のほうで改めて説明します。 合板については、価格の安いラワン合板でも良いのですが、ラワン特有の木目の粗さが私は好みではないのでシナ合板としました。 ラワンですと純材料費は3500円前後で済むと思いますが、シナを使うと1000円位上がってしまうと思います。 また回転機構次第で追加の材料が必要になるかもしれません。



材料加工とその勘所
設計図、加工図、板取り図の中で寸法値にアンダーラインをつけた所は、高い加工精度を要求する部分です。 ±0.2mm以内の精度を目標としますが、比較的容易に達成できますのでご安心を。 

 まずサブロクの合板ですが、購入時に短辺の長さそのままの910mm、幅129mmで4枚切断してもらいま
 す。 こうすることにより小型の車でも車内に入れて運べます。(サブロクのままですと屋根の上に括り付
 けるしかないでしょう。)  ホームセンターで切断サービスをしてくれる所が多くなりましたが、加工精度
 を指定できるのであれば、+0.5mm、-0.0mm以内と指定しましょう。 (これは129mmよりほんの少し
 長くなっても良いという意味です。) パネルソー、テーブルソーのノコ刃のあさりにもよりますが、4枚切断
 後の残りの長さは1288-1290mmとなる筈です。(カットしてもらう理由は最初に触れた高い加工精度を
 楽に実現するためです。)

 カットしてもらった幅129mmの板4枚をカンナで整形します。 左の写真に見られるような方法でカンナで
 軽く削りながら、板の4箇所程の幅をチェックし129mm±0.2mmとします。2-3回削れば切断面の直角
 を保ちながらその範囲に入れられます。 

 (左の写真をクリックすると拡大します。)


次にゼットソー8寸目を使い、Cを2枚の板からから7枚ずつ計14枚を切り落とします。              (私がのこぎりを使うときの台?)

(ゼットソー8寸目としたのは次のような意味があります。 ゼットソー8寸目の切り幅はメーカーのデータに
よれば0.68mmですが、加工時の刃の横方向のブレを考えると、0.7-0.8mmが実際の切り幅となります。
そうすると、129mmの板7枚を切断すると、129 x 7 + (0.7〜0.8) x 7 = 907.9〜908.6mmとなり、極僅かし
か端材が残りません。 因みにセットソー265の場合には切り幅が0.92mmですので、1mmの切り幅に収
めても、129 x 7 + 1 x 7 =910mmとなり全くゆとりがありません。)
  

余談ですが、屋内で加工する私は、ノコギリで切断するとき右上の写真のように、食卓の椅子を加工台として使っています。 無論これは理想の方法ではありませんが、工作室がない為の苦肉のアイデアです。(この辺りは家内の理解が絶対に必要ですが。)

ここでゼットソー8寸目を使えず、あさりの大きい(切り幅の大きい)ノコギリですと7枚取れずに6枚で大きな余りが1枚残る可能性がありますが、その場合には板取り図の青点線で示した部分から後で切り出します。 価格は少し高いですが切断面も非常にきれいですので、細かな細工が沢山ある方には、ゼットソー8寸目の使用をお勧めします。 

残る2枚から長さ600mmBを切断後、Cを2枚ずつ切り出します。 Bの600mmも精度を要求するのでカンナで寸法の調整をしておきます。

次に大きな910 x 1288〜1290mmの板から、910 x 600mmを切断します。(板取り図のEAD2枚を含む部分です。) この600mmという寸法は精度を求めるので、カンナで寸法調整をしておきます。 

この板(910 x 600mm)からDを2枚切り出します。153mm幅は加工精度を±0.4mm以内としてください。 更に270mm幅でAを切り出します。この270mmも精度±0.2mmです。 次にE2枚ですが、幅299mmに切断した後で真中で切断すると、299.5mm位になりますので、カンナで299mm迄削ってやります。 残る910 x 687〜689mmの板から幅153mmD2枚を切りだし長さが600mmとなるようカットします。

その余りから直径360φFを2枚切り出しますが、ジグと書いてある部分の幅がなるべく残るよう、CC'(最初に910mm幅から7枚切り出せなかった場合のみ。)の切り出しができることを確認した上で、切断位置を決定します。 板取り図中印から180mmの距離に太さ3mmの釘をジグソーの円切りジグの穴
を通して打ち込みます。 そして円切りジグの先端をジグソーに差込み刃が板の外側に若干押し付けられるように固定した後にジグソーのスイッチを入れゆっくりと切り込んで行きます。    (右写真クリック)

切断半径が大きいですから難しいことはないと思いますし、直径360mm±1.0mm程ぶれても後で修
正可能です。 こうしてFを2枚切り出します。 残った板からジグと、C2枚(又はC'2枚を含む4枚)を切り出します。  
端材は組立てジグを作るために使いますので捨てないでください。 



組立

 いよいよ組立ですがその前に加工後の材料についてもう一度加工寸法精度を確認してください。 
 何しろABCD合計27枚を貼り合せて1つの箱にするので加工誤差が大きいと食い違いがどんどん拡
 大してまともに完成しないでしょう。 設計・寸法図、加工図、板取り図のアンダーラインの寸法が特に
 重要です。また直角が正しく出ているかも組立精度に影響します。 




 最初に組立用ジグを作ります。 端材で作りますが、キーポイントは5枚の棚板Cを等間隔(135mm)に
 立てられれば良いので、この構造でなくては駄目ということはありません。 左の写真をクリックして皆さ
 んなりに作ってください。 ジグを作るなんて面倒と思われるかもしれませんが、等間隔且つ垂直にC
 ジグなしで接合して行くのはほぼ不可能でしょう。 これで端材は本当に僅かに残るのみとなります。

 ジグが準備できましたら、C5枚を木目が垂直になるよう挿し込んでください。 C5枚の上面は1直線にな
 るはずです。 これらにBを接合するのですが、Bの両面にシャープペンでCの接合される境界線を引いておきます。 そうしましたら36mmの隠し釘をCが接合される個所の両端に2本ずつ打ち込み頭を若干出しておきます。 

次にCの木口に木工ボンドを塗った上にBを乗せて位置を決めます。 C5枚の幅は微妙に違うかもしれませんが、どちらかの端をBの木口にそろえます。 (このCの端をそろえた側のBの木口に「オク(奥)」と書いておいてください。位置が決まったら上から押します。 隠し釘の頭が出ているので位置がずれにくくなりますので、玄翁で軽く半分ほど打ち込みます。 そして位置がずれていないことを再確認した上で完全に打ち込みます。 

次に曲尺でCBが直角に接合されているかどうかのチェックをします。 
その上で最低3時間寝かせた上でジグから外します。 同様の手順でもう一組BC5枚を接合します。  

 さて以上の作業の合間(木工ボンドが固着する間)にF2枚を貼り合せましょう。 Fの全面に木工ボンドを
 薄く伸ばした上で貼り合せますが、密着度を高めるために釘を使う方法木ネジを使う方法クランプ
 やハタ金を使う方法
など色々ありますが、どの方法でもかまいません。 釘、木ネジを使う場合は底と
 なる側から打ち込みますが、最初に打ち込む板にはバカ穴をあけておいたほうが密着度が上がります。
 私は手持ちのクランプやハタ金を総動員して貼りつけました。 このFの接合も最低3時間は寝かせます。 


 BCの接合に戻ります。 隠し釘の頭を玄翁で横から払うようにして落とします。 次に接合ジグにC
 5枚挿し込みます。今度はCの木目がジグに差し込んだ後水平になるようにします。 そうしましたら各C
 の木口にダボ穴2個を5.7φの木工ドリルであけます。 (この5.7φの木工ドリルは木ダボセットに付属して
 いたもので特殊なサイズです。)  私は6φ25mmの木ダボを半分にジグソーで切断して使いましたの
 で7mmの深さを目安にしました。 (ドリルの刃先から7mmの所にビニールテープを巻くと判りやすい。)
 ダボ穴の位置は、すでに隠し釘を打ち込んだ位置よりも若干内側とします。 

次に木ダボの位置決めジグを一番端のCに2個嵌め込みその上にBを重ねて位置決めをします。 Bのオクと書かれたほうの木口とCの木口が一致するようにします。 位置が決まったら上からゆっくりと押し付けると円錐形の凹みが出来ます。 同様に他のCもダボ穴の位置決めをします。 これが終わりましたら、5.7φの木工ドリルで円錐状の凹みの付いた位置に穴をあけます。 

 CBに付着した切粉を落としたらCの木口に木工ボンドを塗った上で半分に切断した6φ25mmの木ダボ
 を切断面を下にして玄翁で叩き込みます。 飛び出た木ダボの頭にも木工ボンドを少々塗ります。 
 Bの木ダボ穴をCの飛び出た木ダボ穴に合わせて上から押し込みます。  これでぴったと接合できれば
 問題ないのですがハタ金で締めつけられれば更に良いでしょう。或いは上に本を重ねて乗せるなどして
 密着度を極力高める工夫をします。 そして最低3時間は寝かせます。 もう一組も同様に接合します。 


またまた木工ボンドの固着のための空き時間が出来てしまいました。 ここでは既に接着したF2枚の木口を仕上げましょう。 木工やすりを使って2枚のFの間に残る段差をなくします。 最初は粗面で大体整え次に裏の細面で削って行きます。 最後に#400のサンドペーパーをとりつけた電動サンダーで仕上げます。 私の場合円切りの精度がでたらめと言って良いくらい悪く、一番大きな段差が2mm近くもありましたので、仕上げるまでに3時間近くかかってしまいました。 救いは直径の加工精度が出来映えには影響しないのですが、ずさんな加工がもたらす余計な作業の典型的な例です。 

次がCBの接合2組をAに接合する作業です。 まずAの両面に接合位置をシャープペンで書いておきます。 そして隠し釘をACが接合される外側の部分に1本ずつとBが接合される位置の両端に打ち込み頭が若干出るようにしておきます。 Bの「オク」とマーキングされた木口全体に木工ボンドを塗りその上にAを乗せます。 最初の位置決めはBとの位置関係で、前後左右がぴったりとなる位置にずらして上から押し込んだ上で玄翁で隠し釘をBに打ちつけます。 次に各Cの位置を調整しながら隠し釘を打ち込んで行きます。 ひととおり終わりましたら最後にBに隠し釘2本をほぼ等間隔となるよう打ち込んで3時間寝かせます。

 Aに打ち込まれた隠し釘の頭を落としましたら、その面に木ダボ穴をあけます。個数はCが固定される部
 分10箇所とBが固定される部分3箇所の計13箇所です。 Cが固定される部分は隠し釘の位置を避け、
 なるべく先端のほうとします。 Bが固定される部分は先端と真中で無論隠し釘の位置と干渉しないよう
 にします。 穴の深さは同じく7mmが目安です。 ダボ穴ジグを嵌め込み相方の穴の位置決めをします
 が、組み上がったBCには方向性があるので注意しましょう。 ダボ穴をあけるのは「オク」とマーキング
 された側です。 そしてC木目が交互に並ぶようにします。 

最初にB用のダボ穴3箇所の位置を確定します。 次に一番端のC(計4枚)のダボ穴の位置決めで、その近くのBのダボ穴とC1箇所にダボ穴位置決めジグを嵌め込み位置決めした上で次のCと言うように1箇所ずつすすめます。 

間のC(計6枚)のダボ穴位置決めは左右1対でやります。(Bのダボ穴にはジグを挿入しない。)  そして穴あけですが深さの目安は同様に7mmです。 木口に木工ボンドを塗り木ダボを玄翁で叩き込み飛び出た木ダボの頭に木工ボンドを塗って、Aの木ダボ穴に順々に挿し込み上からぎゅっと押し込みます。 その上から重しを乗せるかハタ金などを使うかして密着度を高めましょう。 

 3時間寝かした後にDを乗せてみます。乗せる位置はC木目とDが直角になる位置です。 Cの加工が
 正確でBAに密着していれば妙な隙間が出ないはずです。 隙間が0.3mm以下であれば無視します
 が、それ以上であればやすりで削って調整します。 その上でDを接着します。 これだけはハタ金も
 使えませんので、分厚い本を重ねた重しなどで密着させます。 2時間後に90度回転させて次のDを接着
 します。最初に接着したDには力がかからないよう注意してください。
 更に2時間後に90度回転させ最初に接着したDが底に来るようにして次のDを接着します。 こうして4枚
 のDを接合します。



 以上で組立作業中最も難しい部分が終わりましたが、ここまでの勘所を整理して箇条書きにすると次の通りです。

 1.アンダーラインの付いた寸法が正確に出るよう切断・調整をする。
 2.A、B、C、Dの角の直角は正確に出しておく。
 3.接合時には組立ジグが絶対必要。
 4.接合時の重要事項は接合位置の正確さと密着度。

   (今回の作品は接合強度はそれ程重要なテーマではない。 組立に使った隠し釘や木ダボは強度アップが目的ではなく、
   位置出しや密着どのアップが目的。)

 5.Aに接合されるBとCの木口がそろうように心がける。(「オク」とマークした側)

 左の写真をクリックして下さい。密着度が高い接合がされていれば、上から見た
 感じは写真のようになっているでしょう。 

 また残る板材を積み重ねて完成時のイメージを見たものが右の写真です。 




天板
、底板の接合の前に、これまで組立てた箱をペーパーで念入りに研磨します。 電動サンダーでDの面を、そして木口は木片にペーパーを巻いたもので研磨します。 早く仕上げるには木口も電動サンダーで仕上げると良いのですが、この場合表面がフラットな面にはならずかまぼこの断面のようになることを承知しておいたほうが良いでしょう。  またEをあててみて上面、下面に凸凹がありましたらこれも電動サンダーで極力平らにします。

 組立てた箱本体の上面に木工ボンドを薄く伸ばします。 木工ボンドは、はみ出し防止のため端から
 5-7mm以内の所には塗らないようにします。 そして天板或いは底板をその上に乗せます。 
 どちらが下でどちらが上とするかはこの時決めましょう。 左勝手か右勝手かを決めるわけです。 
 私の作品は右勝手としています。 Eのサイズは組立てた箱より5mm大きいですから、2.5mmづつはみ
 出ることになりますが、目分量で均等にはみ出るようにします。 そうしましたらクランプで締めつけて密
 着度を上げますが、クランプと本体の間に木片を挟んで本体にクランプによる傷がつかないようにします。
 またクランプをいきなり締めると、Eが横方向にずれてしまいますので、軽く締めたのち反対側のクランプを軽く締め。その横のクランプを軽く締め。というように、Eのずれを修正しながら少しずつ締め上げて行きます。その後3時間寝かせた後に同様の方法で反対側のEを接合します。

木工ボンドが固着する合間に、回転機構を取り付けます。

 実はコストを押さえるため回転に伴う摺動部分は、敷居すべり、テフロン、デルリン等を使ったものを考え
 ていました。 その基礎実験もしたのですが、スムーズさに欠け、回転時の摩擦も大きすぎるため採用を
 あきらめ、スチールボールを使った回転台座を使うことにしました。 
 私が購入したものは、米国製で780円でしたが、名称が傑作で、LAZY SUSAN怠け者スーザン)とあ
 り、メーカーはSHEPHERD、型番号が9548で、ドイトで入手したものです。
 サイズは1辺が6インチ(約153mm)の正方形で、スチールボールが円周上に並んでいる回転部分が、
 直径5.5インチ(約140mm)でした。 最大スラスト荷重は90kgとありましたから十分なゆとりがあります。 日本製の物も見受けましたが何と2000円以上もします。 

同じ物が見つからないときには、回転受け座の鉄板(正方形ですが)の対角線寸法が280mm以内のものとします。(はみ出したり、回転したときに見えるのを防ぐため) またスチールボールが円周上に並んだ回転部分の直径が大きいほうが安定することと、この部分にがたが多いと本体がぐらつき易くなるので注意を要します。 最大荷重に付いてはスラスト荷重ですので、小さな物でも十分過ぎるくらいの荷重に耐えられる筈ですから、特に気にする必要は無いと思います。

 この回転台座は、小さな穴が開いているほうが上になります。 Fの上面に直行する線を引き、ネジ穴の
 中心に線が来るように位置を調整します。 そして3.5φ16mmのタッピング皿ネジで固定します。 
 次に上の回転台座板を45度回し4個の穴のどれかにキリを入れて、Fに印をつけます。 そうしましたら回
 転台座を外してキリで印をつけたところに直径15mmの抜き穴を開けます。 この抜き穴を通して回転台
 座上部にCDラック本体を固定する訳です。 

 本体に接合したEが完全に固着しましたら底が上を向くよう床に置きます。 そして底に対角線を引きます。その対角線がネジ穴の中心に来るよう回転台座の位置を調整してネジで固定しますが、どういうわけか上の回転台座板には大きな穴が開いてましたので、5φ15mmのトラスネジを使いました。(前段で15φの抜き穴としたのは頭の大きいトラスネジのためです。)

 こうしましたらネジを緩めて外し、回転台座受けをFにもう一度取りつけます。 その後15φの抜き穴経由
 でトラスネジを使い、回転台座の上部座金をラック本体に固定します。 1本固定したら底板を90度
 し、次のネジを締めつけます。 4本締めつけましたら全体をひっくり返して回転具合を確認しましょう。 
 購入した回転台座は安いものでしたが大変スムーズに回ってくれました。

 以上で組立は全て終了です。 塗装工程に入る前に回転台座は再び外します。


 くどいようですが塗装前の下地作りは大丈夫ですか? 小型のもののほうがどういうわけかあらが目立ち
 やすい傾向にあるので、念には念を入れて確認してください。 今回は内部棚板の部分は艶消しの黒、
 天板、底板、側板はステインで着色した後に1液性ウレタンニスで仕上げることにしました。

 ステインによる着色は任意の色で結構です。 私が好んで使っているのは、和信ペイントの水性ステイン
 であるポアステインですが、ヨーロピアン調と称し変わった色(黄色、空色、緑、灰色等)もあり、それらを
 調合して任意の色を作ることも可能です。 今回はマホガニーブラウンにその4分の1の量のブルーグレイ
 を混ぜ、マホガニーブラウンの赤味の強さを押さえながら、ややダークな感じにしました。 
 丁度ミルクチョコレートのような色です。 それと着色で大事なことは、一度で希望の濃度にしないことで、
 私はステインの原液を2-3倍に水で薄めて刷毛で塗り、乾いたら又塗る。と、3-4度繰り返して濃くして行
 きます。 こうすることにより塗り斑の発生を押さえられます。 ぼろきれですり込むというという方法もあり
 ますが、着色濃度を低めにするときには良いと思いますが、木目を余り際立たせないようにしたいとき
このほうが下地処理の欠陥が見えにくくなる)には、刷毛で薄めのステインを塗り重ねるほうが具合がよさそうです。 尚内部の黒の部分は黒板用のペイントを使いました。 エナメル系の塗料ですが、乾燥が速くてこすれに対しても結構強いという過去の経験から選びました。 

塗装順序は、ステインで着色後1晩寝かせて1液性ウレタンニスで2回塗装。 その後ニス塗りと黒色塗装の境界線にマスキングテープを貼った上で内部の黒色部分を塗るという手順にします。 これを逆にしますと、黒のペイントの滲みでニス塗りとの境界が見苦しくなります。 (ニスを塗るときに黒く塗る部分にはみ出ても弊害は無い。)

 これで完成です。 小型のテーマでしたが、27枚の板を狂いが発生しないよう接合できるかどうかが鍵
 で、難易度は決して低くありませんがアマチュア的に出来るだけ手間を省けるような手法で作りました。

 製作所要日数は累計5日を越えましたが、木工ボンドの固着に要した時間だけで約3日使っていますか
 ら、実作業時間は意外にかかっていないと思います。 一体このCDラックを購入するとしたらいくら位にな
 るのでしょうか? 最終的な材料費は両面シナ合板と回転台座が殆どを占め総計で6500円程になって
 います。 ラワンであれば5500円位だと思います。





----- 完 -----



 2003/01/23  広島県 高橋勇治様の作品を掲載いたします。 
 難易度の高いこのテーマをうまく作られています。 収納内部が赤っぽいのもなかなか素敵です。

参考資料: 設計・寸法図   加工図   板取り図
  
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