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TVに連動するアンプの改造
   
2012/07/12

構想              (註: 本テーマに関する全てのご質問はお受けできません)

TVの電源を入れるとそれを検出してアンプの電源が入り音量調節はTVのリモコンで可能という、アンプの存在を忘れさせてくれるアンプが完成して半年経ち好調に動作していたのですが、突然アンプが作動しなくなってしまいました。 その原因を調べてみた所どうやらTRIPATH製デジタルパワーアンプICのTA2020が昇天してしまっているようです。  そしてその原因を調べてみるとTA2020の駆動電圧の絶対定格は16Vとなっていますがこれを少しでも超えるとあっけらかんとお釈迦になるらしく、トランスを使った電源は負荷が重い・軽いで出力電圧がかなり変化しますので、それにより電源電圧が16Vを上回ったと想像されます。

そこで修復することを考えねばなりませんが、TA2020を交換して駆動電圧が16Vを超えないよう電源回路を調整することは、TA2020のメーカーのトライパスがもう存在せず市場在庫を調べても見当たりませんから実現不能です。 従ってデジタルアンプ基板が存在していた場所に代わりのアンプブロックを作って取り付けるしかありません。 そこでデバイスの候補を色々検討したのですが、TA2020とほぼ同程度の出力電力を有し電源電圧の絶対定格がTA2020程厳しくないデバイスとして東芝のTA8220Hを見つけました。 13.2Vの電源電圧で4Ωでのクリッピング出力が13-15W程度取れます。 そして電源電圧の絶対最大定格も静止電源電圧:25V、動作電源電圧:18Vとなっており、TA2020に較べると耐性が高いです。

そこでTA8220Hを2個使ってパワーアンプモジュールを2つ作り組み込む方法で検討することとしました。

1.パワーアンプモジュールの大きさ検討
  デジタルパワーアンプの基板は100 x 50mmでした。 従って1モジュールのサイズは100(W) x 50(D) x 95(H)mmが大きさの限
  度となります。 基板の縦・横サイズは放熱器を決めてから検討することとしましたが市販の放熱器では断面の面積が大きくな
  りすぎて基板のために残るスペースが少なすぎます。 そこで放熱能力は下がるものの基板スペースを最大限取る方法として
  コの字型のアルミを放熱器として使ったら熱抵抗はどの程度になるかを調べました。

  右がその断面図ですが、この断面形
  状で長さが95mmとした時の熱抵抗
  は約3.3℃/Wと算出できました。
  一方TA8220の技術資料によると、
  電源電圧が12.6V、負荷4Ωの時の
  PD Maxは17Wで3.5℃/Wの放熱板
  では周囲温度が69度までOKです。

  実際の放熱板熱抵抗値はそれより
  僅かに低いので恐らく周囲温度70℃
  強までOKでしょう。 以上は最大出
  力を連続で取り出した場合ですから
  実用レベルでの発熱量は低下します
  ので安全度は更に上がります。

  さてここまでは良しとしても問題は、
  コの字型のアルミ素材の入手方法
  です。 取り合えず自宅から車で1時
  間以内に行けるホームセンター8ヶ所
  の在庫状況を調べた所このように大
  きな物は発見できませんんでした。

  そこでインターネットで検索したところ全く同じ断面のチャンネル材を販売している所が10箇所ほど見つかりました。 但しそれら
  の長さは全て4mであり1本1.7万円から2万円ととても購入を決断できるものではありませんでした。

  暫し考えあぐねた末に私の友人に相談した所何と切り売りOKの販売店を紹介され、長さ95mmに切断して\700でOKであること
  が判り現在8ヶ所にM3のネジを切る2次加工を含め発注しています。

  こんな経緯を辿りパワーアンプモジュールは、100 x 50 x 95mmの大きさとなり、放熱性能も含め一応目標に届いています。


2.パワーアンプモジュールのスペック調整検討
  TA2020は約600mVの入力電圧で最大出力が
  得られています。 一方TA8220Hの利得は50〜
  40dB(316倍〜100倍)がメーカー推奨範囲とな
  っています。 負荷4Ω時の最大出力電圧は
  8.9Vですが入力電圧は28mV〜89mVとなり利
  得がありすぎます。

  これを何とかしないとなりませんが右図をご覧下
  さい。 TA8220HのNFピンはこれに電解コンデン
  サーを繋ぐと利得が50dBで、その間に抵抗を挿
  入すると利得が下がります。 これまでに820Ω
  の抵抗を挿入しメーカーの推奨範囲を少し下回
  る38dBの利得で使ったことがありますが、この
  抵抗を更に大きくし無限大にしてしまうと(電解コンデンサーも抵抗も接続しない)、初段のアンプのゲインは1(ボルテージフォロ
  ワー)
となります。 アンプ2とアンプ3またはアンプ4の利得の合計は26dBですので、この時の総合利得は26dBになる筈です。

  これが帰還回路をいじることで得られる最低利得ですが、動作が不安定になったり発振したりなどの問題が無いかの検証実験
  をしました。 その結果383.6mVの入力電圧で最大出力電圧(27.3dBの利得)となることが判りました。 そして驚いた事に動作
  の不安定さ異常発振などの兆候もなく方形波テストでは色々条件を変えても入力と相似形の出力が得られ、問題なく使えるこ
  とが判りました。

  唯一問題なのは過渡的なオフセット電圧です。 パワースイッチを投入後1分も経過すれば30〜50mV程度のオフセット電圧とな
  りこれ自身は問題ありませんが、パワースイッチON直後には数百mVから1Vの大きなオフセット電圧が発生します。 状況をもう
  少し突っ込んで見ると15秒くらい経過すると50mV程度のオフセット電圧になります。 このアンプではもともと電源ON時のショッ
  クノイズをスピーカーから出さない為に約4秒の遅延リレーを使ってスピーカーを接続していますので、4秒以下の時間でオフセッ
  ト電圧が50mV程度に下がるようにすれば良いことになります。 そこで技術資料を読んだところ、入力部やNF端子での時定数
  を調整することで過渡的なオフセットを低減できる方法が記載してあったのでさっそく実験してみました。

  利得が50dBの時は入力部の電解コンデンサーは4.7μF、NF端子に繋がる電解コンデンサーの値は47μFとするのがベスト
  で、利得を40dBとした時には入力の電解コンデンサーは3.3μF、NF端子に繋がる電解コンデンサーは33μFに変更すると過渡
  的オフセット電圧が最小になるようです。 ボルテージフォロワーとしたときにはNF端子には何も繋ぎませんので入力側の電解
  コンデンサーだけで調整することになります。 

  その実験の結果としては入力のコンデンサーを1μFとした時には出力に出るオフセット電圧は最大で320mVになりますが、コン
  デンサーの値を0.47μFに下げると最大オフセット電圧は180mVに下がります。 この程度ですと電源スイッチ投入後3秒も経て
  ば出力のオフセット電圧は50mV程度になりますから過渡的オフセットはOKですが、入力コンデンサーの値を下げる事で低域
  遮断周波数は11.3Hzと容認し難い値に上昇してしまいます。

  ここで通常はSN比が悪化する為にやらない方法ながら入力抵抗を上昇する方法としてICの入力に18KΩの抵抗を直列接続し
  てみました。 こうするとICの入力抵抗30KΩに18KΩが加算され入力コンデンサーから見た入力抵抗は48KΩとなり低域遮断
  周波数は7.1Hzと許容できる値になります。 また入力信号は30/48に減衰されますので614mVの入力電圧で最大出力とな
  り、TA2020の時と同じ入力感度になります。

3.ケースのレイアウト変更
  パワーアンプモジュールがうまく出来てもケースにうまく収めるにはケースに取り付ける一部の部品の
  レイアウト変更が必要です。 現在の所コの字型ヒートシンクに干渉する可能性のある部品としては、スピ
  ーカーターミナル8個、ACインレット1個、ACアウトレット3個を発見しています。

  これらの位置調整はかなりデリケートでそれらの止めネジと放熱板の干渉も容易に起こりや
  すいので、ACインレット(右の写真)の使用は中止し電源コードは直接接続に変更、ACアウ
  トレットは外側でネジ止めしないタイプへ変更してトラブルの回避を図りたいと考えています。


以上述べた内容で改造がうまく出来る保証はなく、現在予期できない事象が起こりうる可能性も十分あります。 従ってパワーアンプモジュールの製作からひとつずつ潰して行く予定でいます。




2013/07/19

パワーアンプブロックの試作

発注していた放熱板が入荷しましたので早速先週述べた条件によるパワーアンプブロック
の試作に入ります。 右の図がその回路でこれはサブウーファー用ですが、全域・中高音用
のアンプも全く同じ回路になります。 先週述べた簡易実験の結果得た方向性で回路変更
を加えています。

 1.NF1、NF2には帰還量調整用の抵抗とコンデンサーが直列に繋がっていたがそれを
   外した。 その結果パワーアンプICの総合ゲインはメーカー推奨で40〜50dBとなって
   いたのだが、初段アンプがボルテージフォロワー動作に変わり、実験結果での総合ゲ
   インは27.3dB(23.2倍)まで下がり、最大出力を得る入力電圧は384mVとなる見込み。

 2.IN1とIN2に繋がる入力コンデンサーは過渡的なオフセット電圧を抑える為に0.47μF
   に値を落とす。 但しこうした時にはパワーICの入力抵抗が30Kオームしかない為、低域のカットオフ周波数が11.3Hzまで上
   昇してしまう。 これを改善するのとパワーアンプゲインを落として最大出力時の入力感度を600mV近辺にするため、NF1、
   NF2に18KΩの抵抗を直列に繋ぐ事にする。 この結果低域のカットオフ周波数は7Hzに下がり、パワアンプの入力電圧は
   614mVと何れの値も満足できる範囲となる。 但しSN比が悪化する可能性があるので、許容範囲に収まるかどうかの確認が
   必要。


 基板は幅90mm、奥行45mmとしてコの字型の放熱板の内側に固定しますが、パワーICの
 固定により間接的に固定する以外にどのような方法で基板を固定するかはまだ決定してお
 りませんが、基板内のレイアウトは左の図のとおり考えました。

 従来このICを使う時には端子のピッチが2mmであったため高価な2mmピッチ基板を使って
 きました。 しかし2mmピッチ基板は高価なだけでなく2.54mmピッチで固定する部材は使え
 ないことや、配線が大変難しくなるので今回はパワーICを固定するのは0.95mm x 40mmの
 小さな基板とし、それを90mm x 45mmの2.54mmピッチ基板にコの字型の切り欠き(6.5mm
  x 35.5mm)
を設けた部分に瞬間接着剤で接着しました。

2mmピッチ基板と2.54mmピッチ基板の間はジャンパー線で繋ぐ分面倒な事になりますが、それ以外は使える部品の制限が無いことや配線し易さ、改めて2mmピッチ基板を購入する必要がなく手持ちの端材で対応できるなど、大変好都合でした。

多少工夫した点というと大きな電解コンデンサーを基板の裏側から差し込んで固定します。 これは高さが30mmもあり、基板の上の空間に位置するスピーカーターミナルと干渉する恐れと放熱板の上部はかなり熱くなる可能性があるので、少しでも温度の低い下部の方に移動させようという理由から出ています。 薄い水色の配線は基板上部のジャンパー線を表しますが、それらを駆使して電解コンデンサーの配線は施されます。(この図ではどの場所で接続するのがベストか不明なので電解コンデンサーからGNDへの配線が描かれていません。)

図中水色の1点鎖線はパワーICの固定ネジ位置ですが、その線状から左右3.7mm以上は飛出た部品が存在しないようにしてあります。 これはそうしておかないとドライバーが部品に邪魔されてネジ締めが出来なくなるのを避けるためです。

以上を前提にパワーアンプブロックを試作開始しました。

電動ジグソーに鉄工用ブレードを付け少し大きめに切断後ヤスリで所定の大きさに削り出した2.54mmピッチと2.0mmピッチの基板とパワーアンプIC。

2mmピッチ基板を2.54mmピッチ基板に瞬間接着剤で接着しました。 上が表面で下が裏面です。

基板の2mmピッチ部分にパワーアンプICを挿しこむとこんな感じになります。

到着した50 x 100で5mm厚アルミチャンネル材を95mmの長さに切断し、ネジ穴6箇所をあけた放熱板です。

底側を拡大するとネジ穴が6箇所というのが良く判ります。 底側4箇所はケースの底板に固定する為のもので、内側2箇所はパワーICを固定する為のものです。

パワーICを基板に挿したまま放熱板の内側に入れてみました。 パワーICの止めネジの加工位置がバッチリ正確になっていることが判ります。(右端の拡大写真)

製作の第一歩はパワーICの固定とそこから2.54mmピッチ基板へのジャンパー線の接続ですが、これが最も神経を使う配線になります。

基板裏側のジャンパー線の様子です。 太い線は電源からの配線とGND周りです。 下の方への配線・半田付けは後ほどやるので、長めに切っています。

全部材の半田付けとと配線が済みました。 上側に太いジャンパー線が7本もありますが、撚ってある4本はスピーカーへの配線で、残りは電解コンデンサーを裏づけした為に表面側で接続しないとならなくなった電源周りのジャンパー線です。

裏側は電源のジャンパー線1本と高さ30mmの電解コンデンサーが目立つ程度です。 この電解コンデンサーは環境温度が基板の上側よりも低くなると予測される下側に敢えて取り付けました。 またそうする事によりスピーカーターミナルとの干渉も避けられます。

放熱板にパワーIC固定用のネジで仮固定しました。 左側のネジはラグ端子を共締めしていますが、放熱板と基板のGNDを接続する仕掛けです。

出来上がった試作基板を動作確認の試験をしました。(より精密なテストは後ほどやります。) 電源はTV連動型アンプの電源を使っています。 無信号時に電源電圧は13.2Vありますが、無信号電流(100mA)は最終的に2倍になりますからもうちょっと下がります。 そうすると交流100Vが10%高くなっても14.5V程度であり、TA8220Hの最大定格18Vを考えるともうちょっと(10〜15%)電圧を上げてもよいような気がしています。(これはじっくり検討します。)

さて1チャンネルアンプだけの駆動による最大出力は11.3Wで電源電圧は12.3Vに低下します。 メーカー発表のグラフから読み取ったクリッピング時の出力は電源電圧13.2Vで12〜13Wと読めますので妥当な所だと思います。 電源電圧を若干上げる可能性がかなりあるので、最終的な4チャンネルを同時に駆動した時の1チャンネル辺りの最大出力が12W近辺になるとみてよいと思います。 これはTA2020で4Ω負荷の時より若干大きい値です。

電圧利得ですが23.2dB(14.5倍)で事前検討の時の利得(27.3dB)より3.9dBも低くなりました。 この原因については解析不能ですがこの差が大きな問題を起すわけではないので不問としますが4チャンネルの利得が揃っているかどうかは後ほど確認する必要があります。

1KHzと10KHzの方形波再生テストは、原波形と再生波形が相似でオーバーシュートやリンギングがありませんので、周波数特性は100KHz程度までフラットになっていると思います。 また100Hzのテストについては、計算上低域カットオフが7Hzとなっておりそれほど低域を延ばしているわけではないので、それなりのサグが発生しています。

心配していたSNについては、入力オープンの時の雑音出力電圧がP-P値で約1mVでした。 RMSに換算すると0.35mV(-69.1dB/V)となり、仮に最大出力が13W(4Ω)であるとすると出力電圧は7.2Vですから20,571:1となりSN比は86.3dBとまずまずの値です。 但し入力換算雑音電圧は-92.4dB/Vでそれほど良い値ではありません。  この辺りに入力に抵抗を挿入した影響(理論的には4dB悪化する。)が出ているのかも知れませんが、絶対的な雑音出力レベルが0.35mVであれば実用上の問題はありません。 これも後ほどIHF Aカーブフィルターを通して再測定します。

ということで簡易型のテストではありますが、狙っていた通りの動作を得られそうだ!との確信を持ちました。 次週はもう一台のパワーアンプブロックを製作して電源電圧の微調整を含め再度テストしたいと考えています。




2013/07/26

パワーアンプブロックの製作

もうひとつのパワーアンプブロックの製作をしなくてはなりませんが、その前に基板の
レイアウトを少し変更する事にしました。 (右の図参照。)

変更する理由は外観上少々みっともない赤のビニール線による電源+側のジャンパ
ー線を裏に回す事と、スタンバイ機能を使えるようにしておくことです。
前者はみてくれだけの問題ですが後者のスタンバイ機能は、スピーカーのリレーに
よる遅延接続でショックノイズを避ける方法の替わりにスタンバイ回路によりショック
ノイズを抑え込んでやろうという発想によります。

但し遅延リレーやスタンバイ機能によりスピーカーからショックノイズを出させない機
構がなくてもショックノイズレベルが十分小さければそれらは必要としません。
必要/不必要の見極めは色々なファクターが絡み合っているので最後にならないと(全ての結線が最終にならないと)判断出来ませんので、スタンバイ機能の2芯ワイヤーの先端をショートするか(スタンバイ機能OFF)、リレーの接点に繋ぐか(スタンバイ機能ON)で最後に対処することにします。 何れにせよ従来はリレーでスピーカー回路をON/OFFしていましたが、こうすることによりスピーカーターミナルへの配線はアンプから直接となり、短くすっきりとした感じになるはずです。

ということで既に製作したアンプを改造後にもうひとつのアンプを製作して、前回よりも突っ込んだというかより正確な測定をしてみました。 今回はTV連動型アンプの電源を切断して今回のアンプ(合計4チャンネル)を繋いでいます。 電源トランスは1次側が100V、2次側は10Vに繋がっています。 これは無信号時の高い電圧でデジタルパワーアンプを壊さないようにとしたことで、電源電圧は低めなのですが、その前提で次のような結果が出ました。

   電源電圧: 無信号時DC13.1V   最大出力時DC11.0V
   最大出力: 8.5W x 4  5.83Vrms (何れも4Ω負荷)
   入力電圧: 395mV 
   電圧利得: 23.4dB (4チャンネル間での誤差±0.5dB)


先週測定した最大出力よりもかなり下がっていますが、これは電源トランスの接続を変更することで改善する予定です。 現在は1次100V、2次10Vに繋いでいますが、2次を12Vに変更すれば20%電源電圧がアップするはずです。 またその中間の1次110V、2次12Vという接続も考えられますが、この場合は9%電源電圧がアップします。 最大出力電圧が比例して上がるとすると、

   9%アップの時:  無信号時の電源電圧は14.3Vで、最大出力電力は 5.83V x 1.09 = 6.35Vより 10.1W x 4となります。
   20%アップの時: 無信号時の電源電圧は15.7Vで、最大出力電力は 5.83V x 1.2 = 7.0Vより 12.3W x 4となります。 


以上の結果より20%アップ(1次100V、2次12Vの結線)が良いように思いますが、無信号時の電源電圧が15.7V迄上昇しその時に電灯線電圧が10%上がれば17.3Vとなります。 TA8220Hの動作電源電圧最大定格は18Vですから0.7Vのマージンしかなく少々安定性/安全性が心配になります。 但し技術資料の最大定格欄には、『静止電源電圧』: 25Vというのがあります。 これを『無信号時の許容電源電圧』と考えて良いならば、仮に電灯線電圧が20%上昇しても18.8Vで6.2Vのマージンが残ります。 そして最大出力時で電灯線電圧が20%上昇時には13.2Vですから動作電源電圧の最大定格18Vに対し4.8Vのマージンがあり心配は無用になります。

この『静止電源電圧』の定義についてメーカーの東芝に問い合わせましたが、丁寧な回答がメールで送られてきて私が考えたように、『静止電源電圧』というのは無信号時に許容される最高電源電圧であることが確認できました。 であれば、トランスの結線を1次: 100V、2次: 12Vに変更し最大出力が12.3W x 4となるように変更いたしますが、トランスの結線変更はアンプを分解しないと出来ませんので、暫く後程の作業及び実動作確認となります。

周波数特性については後ほどお見せする方形波の再生波形をご覧いただければ一目瞭然です。 低い方は設計上のカットオフが7Hzですからそれなりのサグが出ています。 高い方については50〜70KHzまでは完全にフラットでそれ以上がスムーズに低下している事をうかがわせる波形です。 また4チャンネルの波形はそっくりで、まるで1チャンネルの波形を撮影してそれをコピーしたかのようですが、4チャンネルが良く揃っていることを意味します。
                                                 ノイズ波形         オシロ入力ゼロ時トレース
また残留ノイズの波形も撮影しておきました。(後掲) それらの写真
で見たノイズ波形幅の差はチャンネル間で最大1dB位ありますが、ま
ずまず許容範囲にあると思います。 一番太く見えた(ノイズレベルが
高い)
チャンネルの波形ととオシロスコープの入力端子をショートした
波形を強拡大して比較した写真を右にお見せします。

左側がノイズ波形で右がオシロ入力端子ショートの波形です。
垂直側は5mmV/Divですから1目盛が1mVになります。 そうするとノ
イズのP-P値は1.2mV位と読めますが、ショート時のトレースの幅は
P-P値で0.55mV位です。 このショート時の値をノイズの値を差し引い
た0.65mVがノイズ成分の値と考えrms値に換算すると0.23mV (-72.8dB/V)です。 最終的な最大出力電圧が7V(16.9dB/V)になるとするとS/N比は30435:1(89.7dBとなります。 アンプの利得は23.4dBですから入力換算雑音電圧は-96.2dB/Vです。 先週述べたS/N比や入力換算雑音電圧と較べると若干良くなっていますが、これはオシロスコープのトレース幅分の補正をしていることによります。

以上が測定結果の詳細ですが以下の写真も参考にご覧下さい。

基板上面のジャンパー線はGND周りだけに変更しました。 またスタンバイ機能用のワイヤー(赤・白)を追加接続しました。

完成した2つのパワーアンプブロック基板です。 裏付けの電解コンデンサーのために平らな所に置くとこのように傾きます。

より精度の高い動作測定用に配置しました。 TV連動型アンプの電源から4チャンネル分のエネルギーを引っ張ってきます。 またダミーロードとして4Ω 40W x 4 をセメント抵抗で作った物が後側に置いてあります。


 以下の波形中最上段は方形波の入力波形(現波形)、またはオシロスコープの入力端子をショートした状態の波形で、
 それらと各チャンネルの波形を比較し、違いが少ないほど良好であると判断できます。

100Hz 方形波再生特性 1KHz 方形波再生特性 10KHz 方形波再生特性 残留ノイズ特性
   
   
   
   
   

とまあ満足できる結果が得られたのですが、ここで使っているパワーアンプIC(TA8220H)は市場在庫が殆ど無くなっており秋葉原で馴染みの販売店には既に在庫がありません。 唯一通販で購入している販売店には後20個ほどあるとの事ですので、将来必要な量を買い置きしておこうかと考えています。



2013/08/02

シャーシの改造 1

パワーアンプブロックは完成しましたのでTV連動型アンプをばらしてシャーシの穴あけ加工が出来るようにしました。 大小2つのアルミボックスを連結していますが、大きな方は全ての基板と電源トランスなどを取り外します。 無論それらはデジタルパワーアンプを除き再び使いますから傷付けないよう丁寧に作業を進めねばなりません。 どちらかと軽く考えていた作業ですが結構手間取り丸1日を費やしてしまいました。

次が放熱板の位置を特定し固定ネジ穴をあけます。 こちらも放熱板の周りにはかなりのスペースが残ると踏んでいたのですが、どっこいとんでもない誤算でパワーアンプから出て前面に回さないとならない電源への配線、入力信号配線、スタンバイ用の引き出し線等を通す部分がありません。 電源トランスの接続端子も放熱板に最も接近している場所では3mm位しか離れていません。 従ってそれらの配線は放熱板の一部を欠き込んでそこを通すことが必要です。

もうひとつは元々のアンプ底面には放熱用の空気取り入れ用の開口がありません。 デジタルアンプに較べるとアナログアンプは遥かに発熱量が多いので放熱口をあけることにしました。 コの字型の外側に隣接させてL字状に直径4mmの穴を6mm間隔で39個あけます。 これで開口面積は490mm2あります。  そして放熱板の内側に同じ間隔の、直径の穴を29個 x 6列あけ開口面積を2,186mm2増やします。

放熱板を効率的に冷やすには底から放熱口を通って上に抜ける空気の流れが阻害されては駄目です。 その意味でアンプ基板と放熱板の間の隙間は1mm以下で問題です。 そこで基板の左右とパワーICの両側をディスクグラインダーで削り、隙間を2mm以上確保できるよう加工しました。 また当然ながらこれまでめくらとなっていた底板に穴をあけて放熱口をブロックしないよう加工します。

そこまでの様子は以下の写真もご覧下さい。
電源トランス、デジタルパワーアンプ基板2枚、電源回路基板2枚、交流電流検出回路基板、ネットワーク回路基板、トーンコントロール回路基板を外し、トグルスイッチへ繋がるワイヤーを束ねてポリエチレンの袋で包んで、加工作業の準備が出来ました。 右側の小さなシャーシ内はそのままにしています。 ただ無作為に解体するのではないので、半日掛かっています。

矢印の先は放熱板をシャーシに固定するネジ穴ですが、まず1.5mmの穴をあけてやります。

次に底板を取り付け1.5mmドリルをピンバイスに取り付けて底板にそれらの位置をマーキングしておきます。(後ほどネジの頭の当たり防止の座繰り穴をそこにあけます。)

そしてアルミ板の穴を3.2mmに拡大して放熱板固定の確認をしておきます。

問題はありませんが、左の放熱板の端はトランスの端子と5mmしか離れていないギリギリの配置です。

放熱口の位置を表すテンプレートを作りました。 上は内側に貼り下は外側に貼るため左右が反転しています。

センターポンチで軽くマーキングを入れたら1.5mmのドリルで最初の穴をあけます。 続いて2.5mmのドリルで穴を拡大してから4mmのドリルで拡大します。 穴周辺のハリは6.5mmのドリルで落としました。

放熱口をあけ終わったシャーシです。 穴数が多いのと、1.5mm → 2.5mm → 4mmの3段階であけるため大変時間が掛かり1日を使いました。

再びヒートシンクを仮止めしてみました。 ヒートシンクの外も中も放熱口で囲まれるようになったのが判ります。

ヒートシンク内の空気の流れを改善する為プリント基板を削りました。 赤線が元の端になります。

加工したパワーアンプ基板を放熱板に固定し、その放熱板を所定の位置に仮止めしました。 十分とも言える隙間がパワーIC横と基板の端に出来ています。




2013/08/09

温度上昇テスト

アナログパワーアンプに変更した本機は相当の発熱を伴いこれが連続した最大出力を得にくくする問題を生じやすいです。 そこでどの程度耐えられるのかをテストすることにしました。 また懸案としていた電源トランスの結線変更によるパワーアップの実験を温度上昇テストの前に致しました。

トランス1次側を100V端子に?ぎ、2次側は12V端子に接続変更した時の無負荷時のDC電源電圧は16.2Vに上昇しました。 これは電灯線電圧が100Vの時ですので、電灯線電圧が110V(10%アップ)に上昇した時は17.8V、120V(20%アップ)に上昇した時は19.44Vになります。 これらは最大定格の中の『静止電源電圧』が25V以下を満足しますので破壊には繋がりません。 また最大出力時(4CH全て)には電源電圧は13.3Vまで下がります。 この時の出力電力は12.5W x 4です。

それらは予期していたとおりの結果ですので十分に満足しています。

さて温度上昇テストは8月7日の午後ですが、横浜地方は最高温度35℃との予報が出ていたのでテストにはもってこいとばかり開始しました。 何故かと言うと実使用の環境温度としてはほぼありえない温度での実験が出来る所にあります。 その温度テストはパワーICの表面温度の測定が最重要で、絶対最大定格では85℃となっています。 但し温度センサーをICに密着させるのは不可能なので放熱板のパワーIC裏側にセンサーを貼りつけました。 従ってICの熱が完璧に伝わりませんから温度が75℃(この数値で良い根拠は全くありませんが、結果としてここまで上昇しても破壊には繋がりませんでした。)に到達したら実験を停止する事にしました。

テストの準備状態は以下の写真をご覧下さい。

上段左上から3本の温度センサー基板、ダミーロード(両端電圧はオシロスコープに)。 中段左は温度表示のDMM、被テストアンプ。 下段右は信号源の低周波発振器です。 アンプ出力は部品を外した穴を通ってダミーロードに行きます。

電源回路基板と整流器だけを追加し接続しました。 信号線は前面から引き出し発振器に繋いでいます。 また前面パネルにあいた穴はダンボールで塞ぎました。

2つの放熱板の背面中央に温度センサーを貼り付けていますが、丁度パワーICの真裏になります。背面にあいている穴はマスキングテープで塞いでいます。

これは温度センサーの基板で、3本のシールド線の50cm先にセンサー(LM35DZ)が付いています。 接続の切替えはワニ口クリップでという簡易構造です。

環境温度(室温)は以前作った温度計の登場で、±0.5℃の精度で読めます。 そして時計も必要な機材になります。

準備が終わったら天板をネジ止めしてしまいます。 これでアンプ内部の冷却に拘わる空気流通経路はほぼ完璧に最終状態になりテストに入れます。

いきなり連続最大出力で測定するのはどうかと思うので最大出力の1/4、室温(環境温度)36℃で開始しました。 以下はその結果のグラフです。


最初は最大出力(12.5W)の1/4(3.125W)にて5分毎にパワーアンプIC 1、パワーアンプIC 2、電源トランス鉄心、室温の4箇所の温度を60分間にわたって記録しました。 IC 1は72.2℃、IC 2は69.4℃となりテスト限度の75℃にかなり接近しておりますが傾斜がかなり寝ており、75℃を越えることはないのかな?と思います。 この間の室温は36℃から36.5℃に若干上昇しています。

ここで私は熱中症にかかるのではないか? というくらい36℃を超える環境温度での不快さを感じるようになり、こんな条件でテストするのは実状に合わない(そんな高温下でテレビを見たり音楽を聴いたりすることはない。)と結論付け、30℃を上限とした環境でテストしてみることにしました。 次のグラフがその結果です。


一番下の線が部屋の温度変化を表していますが、エアコンを最強にして動作した結果、スタート時には31℃、60分後には27.3℃と若干効き過ぎたかな?という結果になっています。 そしてパワーアンプIC 1、パワーアンプIC 2、電源トランス鉄心の温度変化は下方向に平行移動したような傾向になっています。  なかでもパワーアンプIC 1、パワーアンプIC 2の温度は60分後には飽和したかのようにほぼフラットになっていますので、絶対定格の温度を超える危険性は全くないでしょう。 それらの比較を容易にする為1つのグラフにプロットしたのが次のグラフです。


点線で表したのが部屋の温度が36℃あった時で実線は部屋の温度が30℃以下の時です。  右へ行くに従ってICの温度差は広がる方向にあり、実線の飽和傾向を表す感じが良く判ります。  ところで36℃の時の不快感はなくなりましたので30℃が実使用環境の上限と考えることにしました。 次に室温を30℃近辺に保ってアンプの出力を最大出力の1/2(6.25W)にした時のグラフは次のとおりです。


また最大出力とした時のグラフは次のとおりです。


最大出力の1/2、最大出力と発熱がどんどん上昇して行きますが、私が決めた75℃の絶対定格を超えることは先ずありません。 またトランスも極めて高温になりますが、環境温度+60℃の90℃を超える心配は2時間強の連続運転であれば問題無さそうです。

我田引水のつもりは全くないのですが、実際に音楽を聴いたりTVを見たりしている時のアンプの平均出力は1〜3W程度しかないと私は考えています。 その意味では2番めのグラフは連続出力3.125W x 4の時で室温が30℃ということで、実使用環境に一番近いわけです。 そんなことから温度上昇試験は、『平均連続出力3W近辺』 『部屋の温度は上限30℃』 の2つを守る事でOKという結果です。 点数で言えば65点程度で辛うじて合格点ということですので、もう少し底面からの空気の流入量を増やせないか検討しつつ背面の穴加工に進もうと思います。



2013/08/16

温度上昇テスト 2

背面の穴加工に入る前に底面からの空気の流入量を増やす方法を考えている内に、
強制空冷としたらどうかと考え出しました。 これまでは自然空冷と言うか空気の対
流現象を使う方法で来ていたのですが、電動ファンを使用してより積極的に温度を下
げる方法です。 アンプのレイアウト図をにらめっこしながらDCファンをどのように追加
できるかを検討しましたが、結論として3個のDCファンを背面に取り付ける方法がベ
ストではなかろうかと考えました。

ところでひとつの放熱板はシャーシ背面で覆われて煙突のような状態となりますが
その背面部にDCファンを取り付けると、その放熱板専用の吸出しファンとなります。
従ってパワーIC冷却の為に2個のファンが必要です。 またもうひとつの発熱源であ
るトランスの空冷ファンは、空気の流通経路がアンプの放熱板と隔離されているので
独立して必要になります。 従って合計3個使わねばなりません。
サイズについては60 x 60 x 25mmの物が取り付けらる最大のようです。 調べた所
分厚い物の方が発生するノイズの割には風量が大きいようなのと、汎用的なDCファ
ンよりもパソコン部材ショップで販売されている放熱ファンの方が風量が大きくてノイ
ズが小さい物が多いように思います。

そんなことからパソコンのケースファンであるAINEXCFZ-60Sというモデルを試し
てみる事にしました。
駆動電圧DC12Vで消費電力 1.2W、回転数 2400RPM、風量16.07CFM、ノイズレベ
ル12.8dB という規格です。 特にノイズレベルは低い方に入ります。

構想ではこのファンを背面に取り付けてやるのですが、その効果がどの程度あるか
の確認のために、天板の放熱口の上にファンを載せて空気を吸い出す仮の仕様で
効果をテストすることにしました。 次の写真はその様子ですが、右の図では仮の放
熱ファン構造と最終的な構造の違いを示しています。

仮の構造では空気流入口の数や面積が不十分ですから十分な強制空冷の効果が
出ないと思われますので、仮の構造で良い結果を得られれば最終的な構造ではファ
ンノイズを積極的に抑えやすいと思われます。

その確認をする為のテストがこれからの作業の目的です。

DCファンは実際には背面に固定しますが取り敢えずの検証実験では、このように天板の放熱口の上に載せて加熱した空気を吸い出させます。 空気抵抗が多くて効率はあまり良くないのでは?と思われます。

一番上のピンクと黄色の点線がDCファン無しの時で、その下の1点鎖線は9Vでファンを駆動した時、一番下の実線が12Vで駆動した時です。 ファン無しとファン12V駆動では1時間後には約20℃の開きが生じ大きな違いを確認できました。 またファンありでは電源ON後30分で温度は飽和状態になりますがファン無しでは恐らく温度が安定するまでに2時間くらい掛かるでしょう。

ファンを規格より低い9Vで試したのはファンが発生するノイズ対策を考えての実験です。 単純に天板の上に3個並べた状態では50cm程度離れたところで軽くブーンというノイズが聴こえます。 これはファンが発生するノイズというよりもファンの発生する振動が天板に伝わり天板が振動して聴こえるノイズというのが正しいと思います。 試しにファンを摘んで持ち上げると微かなフーンという音に変わります。 従ってスポンジゴムなどを挟んでファンの振動をケースに伝えないようにするのがノイズを下げる方法のひとつです。

もうひとつはファンの駆動電圧を下げてやる方法で、規定の12Vから9Vに下げてやると、軽いブーンからフーンとノイズ音が下がります。 これは駆動電圧が下がる事で回転数が下がり、回転数が下がればノイズレベルと周波数が下がるという理屈よるものです。 この方法は簡単に対応できますが、ファンの回転数が下がると言う事は風量の低下→放熱能力の低下に繋がりますので、むやみに下げるわけには行きません。 上の結果では12Vと9Vでの冷却能力の差は3℃くらいで、この程度であれば問題ないでしょう。 実際には最終的な位置にDCファンを取り付けて確認しながら電圧で調整するかスポンジゴムで浮かすかを決めます。


こちらはDCファンを12V駆動とし、最大出力の1/2で連続運転を開始しました。 1時間後に最大出力の連続運転に変更、更に1時間後に最大出力の1/4に下げて1時間温度の変化を3時間にわたって調べました。 興味ぶかい点は最大出力の1/2から最大出力にアップしても2℃程度しか上昇しない事と、最大出力の1/4に下げて1時間後にはパワーICの温度は47℃、トランスの温度は43℃まで低下していることで、この最大出力の1/4のレベルは実際の使用状態に近く、発熱源で43〜47℃ということは、発熱が他の部材に与える影響も少なくなるので、安全な動作を得られることが確認できました。

ということで十分な放熱効果が確認できましたので、ケース背面にDCファン取り付けの穴と底面に空気取り入れ口を追加加工後に最終確認のテストをする予定です。



2013/08/30

シャーシ背面加工

折からの連日35℃が災いして、熱中症、夏風邪、定期検査後の尿道感染症が重なったと思われる体調不調で丸10日間静養することとなり、ホームページのアップデートもお休みしました。 若干の発熱でややボーっとした頭で作業の続きのことを考えておりましたが、背面パネルの仕上げ加工の前に強制空冷機構の製作に関しもうワンクッション入れることにしました。 それは正式な背面パネルを製作する前にシャーシだけを加工して空冷効果を確認しよう!ということです。

実は思考実験の中でスピーカーターミナルの新たな位置についてかなり頭を悩ましています。 穴の中心位置が20mm以上ずれてしまえば何も問題はないのですが、1〜2mmのずれが1個所、3mm程度のずれが1個所、5mm程度のずれが1個所、7mm程度のずれが1個所となっています。 それらの対処法としては新たなターミナルは追加パネルのみに固定されるようシャーシを切断してしまう方法と、シャーシと新パネルの共締めを重要視し、旧位置の欠落部分を補ってやる方法の2つがあります。 どちらで行くかは加工しながら考えるしかないので、その前に強制空冷機構を製作完了としておきたい!というのがポイントです。

そう出来れば色々複雑な問題と対処が発生しそうなスピーカーターミナルの固定方法だけに専念すれば良いので、少々気が楽(作業中に複数の事を考えなくても良いので)になります。

そこでスピーカーターミナル8個、DCファン3個の位置、ACアウトレット3個、ACケーブルインレットを最終的にすべく検討を加え図面化しました。 この図面をコピーしてグラフィックソフトに取り込み実寸調整した後に印刷しそれを曲尺で測って正確さを確認後に上下反転し再び印刷して切り抜きシャーシ背面に貼り付けました。
(描き上げた図面は内部を前面側から見た状態で描いている為シャーシ背面に貼り付けるには反転させないとなりません。 右図をクリックした後の下の図面が反転したものです。) この図面中DCファンがらみの部分だけを加工します。

シャーシ背面の追加加工前に既に加工が終了している部分を養生せねばなりません。 前面はダンボール2枚重ねでボリュームやスイッチのシャフトを覆い、マスキングテープで固定しました

シャーシ内部はトグルスイッチへの配線材だけが残っていますが、束ねてポリ袋を被せてシャーシ底面に貼り付けています。 また右側のプリアンプ部もダンボールで覆いマスキングテープで固定しました。

そして背面はご覧のように印刷後の寸法が正確になるように調整したテンプレートを貼り付けました。 これでDCファンの大きな丸穴3個とDCファン固定ネジ穴(12個)を加工すれば、最終仕様の強制空冷の実験に入ることが出来ます。




2013/09/06

DCファン最終取り付け位置でのテスト

シャーシ背面に貼り付けたテンプレート中DCファンの空気の通り道となる57φの穴の部分をカッターナイフで切り取りテンプレートが浮き上がらないようセロファンテープで抑えて切断に入りました。 切断はmini-Shopで販売している『木工円切り用No.5』を使っています。 木工用のブレードでアルミを切断するわけですからあまり寿命は長くありませんが、それでも1m厚のアルミ板なら5m以上切断できると思われます。

電動ジグソーで切断すると金切りバサミで切断するのとは異なり、切断線の両側が折り曲がるようなことはありません。 また円切り用ブレードを使えば曲線切りもスイスイと進みます。 アマチュア的には優れた切断方法だと思います。(但し切断していきなり正しい寸法にするのは無理です。 従って切断はやや大きめにしておいて切断後研摩する事で寸法出しをする方法を取るべきです。)

さて切断が終わったシャーシに3個のDCファンを固定しシャーシに残っている穴からスピーカー出力、スタンバイコントロール、入力信号線、3本の温度センサー出力、AC100Vのワイヤーを出して、ダミーロード低周波発振器、DMMなどに繋ぎます。 そして残った穴や隙間はマスキングテープで完全に覆います。 天板も無論仮固定としケース全体を10mm近く浮かして放熱テストに入りました。

DCファンの空気が通過する穴はカッターナイフでテンプレートを切り浮き上がり防止の為セロファンテープで抑えます。

別な製作物の例をお見せしていますが、切り抜きは木工用円切りブレードで直径45mmの穴をあけているところです。

DCファンを仮固定しています。 ケーブルを出す方向も最終的ではないため一定していません。

シャーシ内側から見るとこんな具合。 余計な穴が沢山ありますがケーブルパスとして使う以外はマスキングテープで塞ぎます。

結線が全て終わり天板を固定すればテストに入れる状態となりました。 室温は極めて高く、34℃を少し超えています。

最初のテスト条件はDCファンの駆動電圧を10Vに抑え環境温度(室温)を30℃に抑えた状態としました。 出力は最大出力時ですからこれ以上発熱することはありません。


テスト開始後20分後に温度上昇はほぼ上限に達し室温との差はおおむね10℃といってよいでしょう。 以前のDCファンを天板に載せた時の室温との差は22℃ありましたから半分以下になっており冷却効率がぐんと上昇しています。 トランスの温度上昇は大変緩やかでどこまで上昇するかは更に長時間実験しないと判りません。

ここまで良好な空冷効果であると室温が更に高くても問題ないはずですので、エアコンを止めて室温が安定化してから次の実験をしました。 室温の調節は全くやらず自然に任せていますが、テスト開始時に34℃で1時間後には35℃近くまで上昇しています。(22:00〜23:00の温度です。)


その結果ですが、2つのIC固定部分の温度は部屋の温度が上昇した分(4〜5℃)上にシフトした格好になっており、室温との差は約10℃をほぼ維持しています。 であれば室温が45℃に上昇するとIC付近は55℃前後になる?!と環境温度が変わった時の状況を予測できます。

次にDCファンが有り無しでの差異をグラフで見てみました。(室温が約30℃の時で比較しました。)


室温とIC取り付け部の温度差はDCファン無しでは42℃にもなるのに対しDCファンありでは10℃と絶大な差になっています。

よってDCファンを使用する価値は十分にあります。 実際のところDCファン使用1時間後背面パネルは触っても僅かな温度上昇を感じる程度で、手前のアンプ、電源基板、電流検出基板等を設置する部分の温度上昇もごく僅かで、熱による不具合発生は皆無になると想像されます。

但しもしDCファンが故障して回転しなくなったらIC固定部分は75℃程度まで発熱し(連続最大出力時)、アンプ内部も50〜60℃程度まで上昇するでしょうから何らかの問題が発生する可能性があります。 従ってDCファンの動作状態をフロントパネル面に常に表示する手立てと寿命の長期化の手立てが欲しくなります。 前者についてはDCファンの動作電流を検知してLEDで表示するなどが考えられます。 後者については環境温度によりDCファンをON/OFFしたり回転数を変化させて超寿命化を図る(DCファンの寿命は回転数に反比例する場合。)ことが考えられます。 但しそれらの動作・検証実験は環境温度が15〜20℃にならないとなりませんので今は実施できません。 よって当面はそれらの回路を検討したり組み込める余地を残しつつ、仮のDCファン駆動電圧を10V固定ということで先に進める事にします。



2013/09/13

追加する背面パネルの加工

このアンプのシャーシは300mm幅の物と120mm幅の物を繋ぎ合わせた構造ですが、300mm幅部分だけ1mmのアルミ板で覆い既にシャーシにあけた穴で今後使わないものを隠してしまいます。 隠す穴はスピーカー端子8個、ACアウトレット3個、ACインレット1個ありますが、それらの一部は新たなスピーカー端子、ACアウトレットの穴そして追加するDCファンの3個の穴と部分的に重なります。 DCファン用の穴との重なりは無視してよいのですが、スピーカー端子の穴は追加する背面パネルの固定を確実にする為、スピーカー端子でシャーシと追加するパネルを挟み共締めしようとしています。 正ししそうすると新・旧の穴の重なり具合で共締めが不完全になりますので、ダミーの板を貼り付けてやらないとなりません。(このような文章の表現では理解し難いですが後ほどお見せする写真でご理解下さい。)

もうひとつ考えておかないといけないのは、ACアウトレットの固定穴です。 基本的にACアウトレットの挿入部分の寸法は幅22mm、高さ12mmですがこれよりほんの少し大きい穴をあけて背面から完全に挿入すると、インレットの上下部分にあるヒレの部分が広がって、ヒレの先がパネルに当たり抜けなくなります。 この動作はどうやらパネルの厚みが1mmの時に確実になるようで、パネルの厚みが増加したらヒレの先を削らないとならなくなるようです。  言い換えるとシャーシと追加パネルを共締め構造にすると加工作業がややこしくなります。

そこでシャーシには追加パネルにあけた穴よりも大きな穴をあけて共締め構造にはしない方向で進めます。 こうすると追加パネルの左側2/3は8個のスピーカー端子とDCファン固定ネジ8個でシャーシと追加パネルが連結され問題ないのですが、右側1/3はDCファン固定ネジ4個のみで若干不足気味の感じがします。 そこで2本のM3ネジを追加する事にしています。

追加パネルの加工は300 x 200mmの厚さ1mmアルミ板のアルミ板を300 x 100mmに切断し、DCファンの空気流通穴3個とACアウトレット3個を切り抜くまでは電動ジグソーにN0.5のブレード(木工円切り用)を付けてやりました。 スピーカー端子は1.5mmのドリルから3.0mm → 4.5mm → 6.5mmと変えて穴を大きくした後に丸棒ヤスリで12.2φに拡大しています。 ACコードブッシュも同様の方法で最終的に9.5φの穴とします。 ACアウトレットの穴はヤスリで慎重に削り、幅22.3mm、高さ12.3mmに削りACアウトレットを差し込んで固定具合を確認しておきます。

次に追加パネルをシャーシにあててクランプで固定した上で内側から3.2mmのドリルをDCファン固定穴に差込み数回回してマーキングします。 その後パネルを外してマーキングした位置に3.2φの穴をあけてやり、再びシャーシにあててDCファン固定ネジ穴にM3のネジを通して固定します。 そうしたらケガキ針でスピーカー端子の穴位置、ACアウトレット、ACコードブッシュ穴をシャーシ背面にケガきます。

300 x 200mmの厚さ1mmのアルミ板にテンプレートを糊で貼り付けました。 黄色い部分はマスキングテープで切断線のガイドであるのと同時に切断時に不要な傷が付かない為の防護です。

NO.5ジグソーブレード(木工円切り用)でアルミ板を切断後DCファンの空気流通口3つとACアウトレット(小さい四角の穴)3個を切断しました。

スピーカー端子固定の丸穴8個とACコードブッシュが固定される穴の中心にセンターポンチで軽くマーキングし最初に1.5φの穴をあけます。

次に3.5φ、5.0φ、6.0φ、7.0φとドリルを変えて穴を広げてゆきます。

そこからは丸棒ヤスリで11.5φ程度まで削って広げ、最後に替刃式ヤスリ(RS-310P)で12.0〜12.2φになるよう仕上研摩します。

これで追加パネルの加工はDCファン止めネジ穴を除いて完了しました。

ACアウトレットの固定具合の確認をしました。 がたも無く良好です。

内側から見たACアウトレットです。 止めネジ無しで固定しますが、この写真に見えるヒレ(斜めに見える部分)が矢印方向に動きACアウトレットを完全に挿入するとアルミ板に突っ張って抜けなくなります。

加工がほぼ終わったアルミ板をシャーシ背面の所定の位置にあててクランプで動かないように固定してからDCファン固定ネジ穴に内側から3.2φのドリルを差込み10回ほど回転して中心をマーキングします。

ここに見えるポチッとした部分がマーキングの後ですがそこにマーキングポンチで軽く追加マーキングをします。

マーキングが若干深くなりますが、ここに1.5φのドリルで穴をあけた後に3.2φのドリルで拡大し両面のバリを取っておきます。

そしてシャーシ背面にDCファンネジ穴を使って仮固定します。

追加パネルが仮固定されたら、スピーカー端子の穴(8個)、ACアウトレットの穴(3個)、ACコードブッシュ穴位置をケガキ針でシャーシ面にケガキます。

またDCファンの空気流通口の穴がシャーシと追加パネルで食い違っている部分もケガいておきます。

今週はここまでですが、次回にはケガいた線を参考にしてシャーシを削る作業をいたします。 その後スピーカー端子の共締め部分の不安定解消の加工をすれば、背面パネル追加に拘わる加工作業は終了となります。




2013/09/20

シャーシ背面部の変更作業完了まで

シャーシにケガいた線に沿ってヤスリで削り込みました。 前にも触れたように追加する背面パネルとシャーシの締結はスピーカーターミナル8個、DCファンの固定ネジ12本で共締めすることでいましたが、加工しながらの実験で、コードブッシュが2mm厚のパネルでも固定できる事が確認できましたので、こちらも共締めにする事としました。 そうなると浮き上がりやすい場所は一番右手のDCファンの上部だけとなります。

そこで右手上部にM3ネジ2本でシャーシと追加パネルを共締めすることにしました。 問題のスピーカーターミナルの固定の不安定さを解消する手立ては研摩が完了した後の確認で2箇所のみで問題なかろうとの結論を出しました。

これで追加する背面パネルは塗装が出来る状態になりましたので、糊で貼っていたテンプレートを剥がし暗めの黄土色(カーキ)アクリルラッカースプレーで塗装しその上に文字を印刷したラベルを貼った後に水性ウレタンニスを2回塗りました。(1回目は透明クリヤー、2回目は艶消しクリヤー) この処方は文字入れの方法としてインスタントレタリングが使えなくなったので代案として頻繁に使っています。

こうして完成した追加パネルをDCファンの止めネジと右上の2箇所の固定ネジで固定し、ACアウトレット3個を嵌め込み、コードブッシュを固定、スピーカーターミナル6箇所を固定しています。 2箇所のスピーカーターミナルは不安定な固定を改善する為次週にスペーサーを作って貼り付けてから固定します。

背面パネルの全ての加工が終わりましたのでテンプレートを剥がしました。 テンプレートが加工時に傷を付けない保護として役立ち、ご覧のように綺麗な面になっています。

ACアウトレットは上下方向はヒレの引っ掛かりをよくするためシャーシ側の穴が大きくなっています。 またACコードブッシュの穴はシャーシ、追加パネル共同じ大きさの穴としました。

右端のDCファン上部にはパネル浮き上がり防止の固定ネジ穴2個を追加しました。

問題のスピーカー端子穴。 左側の4個中、右側2個は古い穴がかなり端子が引っ掛からない部分を作るのでダミーの小片を挟まないと不安定になります。

右側の4個中3個は以前のACアウトレット穴と重なっていますが、重なる面積が小さいのでこのままで大丈夫だと思われます。

左側4個のスピーカ端子の左から2番目で、古い穴は2mm弱ずれている程度ですので、端子のカラーが完全に被さり問題ありません。 この左の端子も同様です。

左から3番目の端子。 カラーが浮いた状態の部分がかなりあります。 これは対策する必要有りと判断しました。

4番目の端子のカラーは更に浮いている部分が大きくなります。 無論これも対策しないとなりません。

右側の4個においては、左端は古い穴と全く干渉しませんので問題なし。 その右側3個の部分がこの写真ですが、以前のACアウトレットと少し重なり合っています。 この程度ですと不安定さは発生しないだろうと判断しました。


 この後追加する背面パネルを塗装しました。 そして文字入れなのですがインスタントレタリングはもうないので、紙に文
 字を印刷し貼り付ける方法を取りましたが、前面に紙を貼り付けると放熱効果が落ちますので部分的に2箇所に分けて貼
 りました。 そして紙の背面が白だと面白くないので真っ黒にし文字を白としています。 これに合わせてパネルの色は濃
 いめの黄土色(暗めのカーキ)としています。

 塗料は濃い目の黄土色の油性スプレー塗料を2回塗りとし、乾燥後に文字入れの紙(マット紙)を両面接着テープで貼り
 付け、その後水性ウレタンニス透明クリヤー、水性ウレタンニス艶消しクリヤーを1回ずつ塗っています。 こうすると塗装
 面は大変丈夫になります。



不安定さ解消の加工を残した2箇所のスピーカー端子を除き全ての背面に固定される部材を取り付けました。 上は背面全体ですが下は追加パネル部分のみです。 真っ黒な細い紙に文字入れし2箇所に貼りましたが、みっともない感じにはなっていないと思います。 ピンクで囲った部分は幅42mm、高さ60mm、高さ25mmありますが、DCファン制御回路を組み込む場合の設置場所と考えています。 DCファンは3本のネジで固定し残る穴はケーブルパスとしています。

DCファンのケーブルはDCファン固定ネジ穴を通して体裁よくシャーシ内部に導きます。 余計な剥き出し部分がないのですっきりとしています。

スピーカー端子のカラーが浮くので更なる加工が必要な2箇所の部分です。(大袈裟な作業ではないのですが?)



2013/10/04

シャーシ内部の配線開始

2箇所のスピーカー端子固定部分の不安定解消のためのスペーサーを1mm厚アルミ板から切り出し削って大きさを調整し瞬間接着剤でシャーシに貼り付けスピーカー端子を固定しました。 これで内部の配線を開始できますが、トランスのシャーシ背面側はスペースが狭いためにACコードとACアウトレット3個の配線を先に済ませてやらないとなりません。 またDCファン中パワーアンプ空冷用2個はパワーアンプ基板裏に半田付けしてからパワーアンプブロックを固定します。 その後にスピーカー端子への配線をします。 残る電源トランス用DCファンはブリッジダイオードの出力側に半田付けとしました。

ところで以前はスピーカー端子とパワーアンプの間に遅延リレーを挿入していましたが、改造後はリレーを介さず直結にします。 その代りにパワーICのスタンバイ機能を使ってスピーカー接続遅延を図ります。 そのためにスタンバイ出力ワイヤーをパワーアンプ基板に接続しその先はリレーに繋ぎます。

最初に配線した部分は後からでは配線変更が出来なくなりますので、何度も配線を確認しながら作業を進めていますので、時間が掛かっており今回はパワーアンプブロック、電源回路フィルター基板、TV動作検出基板を固定しそれらの間の配線をしました。

シャーシから写し取ったスペーサー(三日月型の部分)の型紙を1mm厚アルミ板に貼りました。 真ん中の穴は直径12mmで予めあけておきます。

ジグソーで大まかに切り出してからヤスリで削りだしています。(赤く染めているのはスペーサー部分が判るようにしているだけで、後ほど落とします。)

所定の場所にスペーサーを嵌め込むとこんな具合で、スピーカー端子が通るところには12φの穴ですがそれ以外は埋まってしまいます。

そしてスピーカー端子を固定しました。 これでスピーカー端子は妙なぐらつきも無く安定して固定されます。

黄色い枠内にはACアウトレットが3個、そしてその下にはACケーブルインレットがありますが、トランスを固定する前に配線しないとなりません。 トランスの下側に接続された黄色い2本はAC12Vですが、これもトランスを固定する前に配線すべきです。

3個のACアウトレット部分。 一番上はTV用でこれを通過する電流が1Aを超えるとこのアンプの電源はONとなります。 下の2個のアウトレットはAC入力に並列で補助用です。

この後パワーアンプブロックを固定するとこんな具合でACアウトレット周りは配線をいじることが不可能になります。

電源のフィルター回路基板とTV ON/OFF検出回路基板を固定したところです。 中心横に走る赤白のケーブルはAC100Vですが、他のAC100V回線と共に後ほど束ねてやります。



2013/10/11

改造作業終了まで

残る±12V電源基板、デバイディングネットワークブロック、トーンコントロールの3つの基板を取り付けそれら間の結線を済ませれば改造作業は終了です。 それらは改めて説明するまでもありませんので省きます。

配線が完了したら全ての動作の確認を済まして改造は改良と言うことになりますが改造後の音色はなかなかのものでTVの音声用としては充分な物に仕上がったと思います。 最大出力が以前よりも若干増したのが何となく効いているのか、より重厚感のある音色に変化したように思います。

デジタルパワーアンプからアナログパワーアンプに換装が完了した内部の様子です。 アンプからの発熱量増加対策にいささか手間取りました。 しかし音質に心なしか重厚感が増大したように思います。

外観的に大きく変わったのは背面パネルのみです。 右2/3強はアルミ板を追加して以前部品が付いていた穴を隠しました。 また強制空冷用のDCファンが3個追加されたのが大きな違いです。


----- 完 -----


 
  
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