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±2定電圧電源
   
2011/01/28

構想

2009年夏に電圧が可変できる定電圧電源を製作しLEDを使った製作に便利に使って
おりますが、電子工作も少々発展してオペアンプを使う機会が増えて、それでは電源
として対応できない局面が出てきています。
何故かと言うとオペアンプは±2つの電圧を使って動作する事を前提に作られた物が
圧倒的に多く、1電源(単電源)で動く物はマイナーに近かったり、多量の外付け部品
が必要になります。

私が近々に開始したいと考えているテーマは日曜大工からかなり脱線しております
が、趣味・実益当面で重要です。 それはLPレコードをCD化する計画です。
それを実現する機材としてはLPレコードプレーヤープレーヤー用プリアンプ
デジタル録音機パソコンが必要になりますが、プレーヤー用プリアンプだけは自作
しないとなりません。
そこではオーディオ性能に拘ったオペアンプ(±電源で動作する)を使います。
                                                      30年以上ジャンクボックスに眠っていたが?
もうひとつ余り急がないがパソコンカラオケをより良く楽しめる装置を作りたいと考えています。 音源はあるホームページから有料で(1曲\100円)ダウンロード出来ますが、マイクロフォンで拾った音声に残響を掛けて音源とミックスする装置が自作対象になります。 そこでも±電源で動作するオペアンプが使われます。

それらオペアンプを使っての実験や試作回路用の電源を作ろう!というのがこのテーマです。 供給電流は数ミリアンペアから最大でも100ミリアンペアを超える事はないでしょう。(本格的なパワーアンプを作るなら別。) 電源電圧はオペアンプの動作電圧を考えると±5〜20Vあれば充分です。 そこで目標とする仕様を次のようにまとめました。

目標とする仕様:

  出力電圧: ±5〜20V  但し+と−は別な電圧値に設定できる事。
  出力電流: +側、−側それぞれ最大100mA
  出力電圧計: デジタル電圧計1個をスイッチで切り替えて使用。
  出力電流計: アナログ電流計100mAを±出力に挿入し独立して使用。
  出力遮断装置: トグルスイッチ2個を並べ±それぞれの出力を同時に或いは別々に遮断できるようにする。

奇をてらったところがないシンプルな内容ですが、最後の出力遮断装置は少々変わった理由がありますので、簡単に説明しておきましょう。

現在進行中のポータブルPC用スピーカーを駆動するアンプ製作において電源ON/OFFで発生するショックノイズ対策をしていますが、オペアンプを±2電源で駆動すると電源ON/OFFで発生するショックノイズは極めて複雑になるはずです。 そこで電源出力のON/OFFで出るショックノイズをシミュレートするために出力遮断装置が必要かな?と考えています。

なんかいかめしいですが実際には遮断スイッチにおなじみのトグルスイッチを横に2個並べて固定しそれぞれ+電圧と−電圧に割り当てます。 こうすれば出力を一度にON/OFFしてもレバーに掛ける指の具合でそのタイミングは微妙にずれますが、ちょっと練習すればどちらかをちょっぴり遅く作動させる事も可能でしょうし、ほぼ同時にON/OFF動作も出来ると思います。

それらの操作により出てくるショックノイズは異なるでしょうし対策の仕方も変わるかもしれません。 この機能は定電圧電源を2台並べて+電圧と−電圧を供給する方法では実現しにくい機能であり、±電源を別に作ろうとする一番の理由が実はこんなところにあります。

 左の図は現在考えている回路で、先に述べた仕様を満足できるよう考えながら手持ちの
 部品を活用できるよう考えたものです。 部品単価が大きい物から簡単に説明しますと、
 電源トランスはTANGO製のPC-5Sというトランジスタープリアンプ用に設計された物で現在
 は販売されていません。 このトランスはオリエントコアという特殊な珪素鋼板を鉄心に使用
 していたり防磁対策のショートリングが施されるなどの優れものです。
 2次電圧は25V-0V-25V 0.1Aと6.3V 0.3Aという現在では珍しい内容で、目標の±2電源を
 得るには絶好であり、6.3V 0.3Aはデジタル電圧計やLEDの電源として使えます。

 デジタル電圧計は既に製作した定電圧計に使ったものと同じものです。 電流計は1個
 \1,000の格安品が偶々あったので購入しました。 逆電圧印可防止のショットキーバリヤー
 ダイオードは順方向の電圧が低い事が重要です。  他の部品は特殊ではありませんから
省きます。



2011/02/04

詳細設計と製作開始

 回路がほぼ固まりましたので、プリント基板のレイアウト、ケースの設計とそれへの部材装
 着方法の検討など設計作業を進めました。

 ケースについては当初アルミケースとするつもりでいましたが、ケースの奥行きがどう考え
 ても100mm以下となり、薄い割には幅は250mm近辺、高さが150mm弱と既成のケースで
 はうまい具合の物がないことと、電磁シールドや静電シールドの必要性は薄いので、コスト
 を抑えるためフロントパネルのみ1.5mm厚のアルミとし他は手持ちの板(14mm厚ムク材と
 5.5mm厚シナ合板。)
で作ることにしました。   左がまとめた外観図ですが、早い話既に
 製作した電源と極めて似ている構造です。

構造的な違いは既に製作した電源の場合天板を外して分解しましたが、今回は天板と背面板を一体にしたL字型としこれを外す事で上面と背面が開けるようにしています。 これは高さがかなり高くなり天板を外しただけでは底の方に手が届きにくくなり配線をいじりにくいと考えたためです。

それ以外は全く同一でフロントパネルも1.5mm厚のアルミ板を側板に掘り込んだ1.6mm幅の溝に落としこみます。 そこにメーター、スイッチ、可変抵抗、ジャックなど基板には取り付かない部材が固定され、底面にはメイン基板と電源トランスが固定されます。  奥行きが短くなった原因は電源トランスと放熱板のサイズにあります。 電源トランスは前回の定電圧電源よりも出力電力が小さいのでサイズが小さくなりますし、放熱板もレギュレータが発生する最大の熱が1/10前後と小さく見積もられるため、30x30x30mmの小型の物を±それぞれに使う事で考えています。 これらにより奥行きは以前の電源より短くなります。

一方フロントパネル面には以前の電源に較べて電流計を1個、トグルスイッチを1個、出力端子を1個、LEDを3個多く取り付けねばなりません。 これらを見やすく使いやすくレイアウトすると前面パネルが必然的に大きくなります。 これが上で述べたケースサイズに繋がります。

この電源は出力を個々に独立して遮断できるようにしますが、電力が送られている状態か遮断されている状態かを赤(遮断)・青(通過)2色発光LEDで表示します。 −側(カソード側)が共通の3本足となっています。  後中央に左右に操作させるトグルスイッチの横に3φ青のLEDがありますが、これは電圧表示が+側かそれとも−側かを知らせるものです。  この他に3φ緑色のLEDがあり、これは電源ONを知らせるパイロットの役目をします。

この他に可変抵抗とトグルスイッチのパネルへの取り付けは見栄えの点から少々手間を掛けます。 ポイントは『ツマミとパネル面との距離は極小とし可変抵抗を固定するナットが見えないようにする。』 『トグルスイッチを固定するナットが見えないよう取り付け金具を介してやる。』の2点です。

前者については5mm厚の板を挟めばツマミとパネル面の隙間が0.5mm程度になることが判りましたし、後者は1mm厚のアルミ板を切断して金具をフロントパネルにエポキシ接着剤で固定します。 この金具にスイッチを取り付けますのでパネル面から飛び出るのはトグルスイッチのレバーだけとなります。

LEDについては3φのLEDはフロントパネルに2φの穴をあけその裏には3φのドリルで少々座繰りを彫りLEDの先端が入ります。 こうしておいてLEDは4mm厚の板に埋め込んで板をエポキシ接着剤でフロントパネルに貼り付けることで固定します。 5φのLEDは視認性を極めて良くする為にフロントパネルに5φの穴をあけて裏側からLEDを挿入しエポキシ接着剤で裏側を固定します。 飛び出た表側には5φの拡散キャップを被せてやります。

 こうしてケース横幅、奥行きが固まり残るスペースにメイン基板を収めればよいわけで、
 130 x 50mm位のサイズに収まれば良いな?と検討をつけて基板のレイアウト設計に入り
 ました。 その結果は左の図のとおりで、実装密度を上げるため立てた部品が全くありませ
 んから、作りやすいだけでなく後から各部の動作や電圧確認がしやすくなりました。

 尚この図面の上部には2つの小さな基板が描いてありますが、これはショットキーバリヤー
 ダイオードを固定する基板です。 ショットキーバリヤーダイオードは電流計の出力側(出力
 遮断スイッチに進む。)
に入れるためメイン基板には実装できません。

 不安定な空中配線を避けるために小さな基板を電流計の端子に付くネジで固定してやろう
 としておりその基板を描いています。 これらは正しい極性接続を実行するためそそっかし
い私には絶対必需な事前準備です。

これで製作に入れますが、上で紹介したケースに入れて問題が出ないかどうかはケース内温度上昇次第です。 そこでプリント基板を先ず組み上げて最大の損失が発生する状態でどの程度の熱が出てくるのかと熱がケース内にこもらずに排出できるのかどうかを確認しておかないとなりません。 前作では放熱板の放熱フィンが全て外側に面していましたから気になる内部の熱のこもりはトランスの発熱のみでしたが、今回はトランスと2個の放熱器の発する全ての熱が内部に出ますので気になります。

そういうことで基板を組み上げてとりあえず動作状態を確認するまで進めました。

組み上がったメイン基板。 トランスへのケーブルが5本、可変抵抗へが4本、LEDへが5本、デジタル電圧計の電源ケーブル2本、そして出力ケーブル3本と計19本ものケーブルが取り付けられます。

そのうち可変抵抗に繋がる2本には3KΩ可変抵抗未購入のため、替わりに5.6KΩと6.8KΩを並列にした3.07KΩを繋ぎました。

誤配線もなく動作はOKなようですので、無負荷と最大負荷(使った抵抗の関係で101mA)時の出力電圧値を測りました。 またトランスの性能がどの程度なのか最大負荷(101mA)時のダイオード出力側の電圧も測定しました。 詳しくは次の表をごらんください。

  プラス側   マイナス側
測定項目 設計値 実測値 誤差   設計値 実測値 誤差
最高設定電圧(負荷電流 0mA) 24.4V 24.7V +1.2%   -24.4V -24.9V +2.0%
最高設定電圧(負荷電流 101mA) 24.4V 24.7V +1.2%   -24.4V -24.9V +2.0%
最低設定電圧(負荷電流 0mA) 3.54V 3.49V -1.4%   -3.54V -3.49V +1.4%
整流器出力電圧(負荷電流 0mA) - - - 35.8V     - - - -35.8V  
整流器出力電圧(負荷電流 101mA) - - - 31.2V     - - - -31.2V  
電圧計電源用出力電圧 2.97V 3.01V +1.3%        

整流器の出力電圧は100mAを取り出した時に31.2Vありますから設計値最高設定電圧値の24.4Vに対し充分ゆとりがあり、無負荷から全負荷まで出力電圧の変化はほぼゼロの優秀な成績です。 最低設定電圧も4Vからと言えるでしょう。 よって最終スペックは出力電圧 4-23Vとなる可能性が大です。

使ったトランスは最大出力電流を取り出したときにダイオードによる電圧降下も含めて直流出力電圧が31.2V取れています。 スペックの25Vをゆとりを持ってクリヤーしているだけでなく無負荷での出力電圧上昇が35.8Vですからレギュレーションは12.8%とこの程度の容量の物としては極めて良い値です。(普通は20-30%ある。)  長く使っていなかった古い物ですが一級品の内容で最近では手に入らない優れものです。



2011/02/11

ケースのとその部材の詳細設計

定電圧電源が送り出す最も低い電圧で最大電流を取り出した時に定電圧電源内の損失は最大となります。 その損失の殆どはレギュレーターICの発熱として現れます。  設定可能な最低電圧は約3.5Vですがこれと電源の最大出力電流を出した時のダイオードの出力側の電圧値(31.2V)との差(31.2 - 3.5 = 27.7V)に電流値(100mA)を掛けた2.77Wがその損失です。

これがどの程度の温度上昇をもたらすのかを確認するために負荷として240Ω 1/2Wを7本並列に束ねた即席のダミー抵抗を繋ぎました。 7本並列ですので合成抵抗値は34.3Ωになり、3.5Vの電圧に対して102mAの電流が流れます。 2%の誤差は目をつぶるとして5時間連続運転して発熱状況をチェックしました。

 放熱器はかなり熱くなりますが指で挟んでいられる熱さ
 ですので放熱器の温度は50度前後であると思われます。
 これまでの経験では多分問題ない温度上昇ですが、次
 のように確認してみました。
 ここで使うLM317Tと互換性のあるμPC317を生産してい
 るルネサスエレクトロニクスは周辺温度と最大許容損失の
 データ(左のグラフで赤線は私が書き込んでいます。)
 公表しています。 LM317Tもそのデータと同等と考える
 と、周辺温度が37.5度で放熱板無しの場合レギュレータ
 の損失は約2W程度まで耐えられ、放熱板が10℃/Wの
 物であれば7.5W程度まで耐えられると読み取れます。

 私が使ったヒートシンクの熱抵抗は11-12℃/W程度と思
 われ、その場合の損失の上限は4-5W位になるでしょう。
 ICの最大損失は2.77Wですからこの上限値の55-70%で
 あり充分なゆとりがあると見てよいでしょう。
 但しそれは周辺温度が37.5度を越えないことが前提です。
従ってケース内の空気の流通を良くして真夏の高温下でも内部が37.5度以上にならない対策をする
必要があります。

 これに基づき対流を促進するような通風構造を取り込みながら木製ケ
 ースの詳細設計に入りました。 全体の構造やレイアウトは左の図の
 とおりで、前回お見せした物に更に手を加えております。

 大きな違いは通風孔にあります。 ケース底板のメイン基板下には約
 45mm四方の穴が2つあけられます。 そして空気はこれらの穴から入
 り放熱板を囲むようにしながら上昇しつつ放熱板から熱を奪い天板の
 スリットから出てゆきます。 メイン基板には部品を固定する直径1mm
 の穴が沢山ありますが、放熱板周辺の一部の穴は直径1.5mmに拡大
 して空気の流れを増加させます。

 天板にあける3mm幅のスリットも長さを増やして空気の流れが良くなる
 ようにします。 但しこれまでにやったトリマーによるスリットの加工法だとスリット部分の強度が低下
 するでしょうから、違う方法を検討する必要があります。

 各部材の寸法を割り出し加工詳細を図面化したのが右の図です。  電動トリマーを使い高精度の
 加工を要求されますので、単に図面が出来たから製作に進む!ではなく、本当にこれが加工できる
 のか?、出来るとしたらどのように?、組立がちゃんとできるのか?、その順序は?、
等々妙な矛盾が起きないかどうかの確認をしています。

こんな木製ケースはもし完成品が売られていたとしたら1万円を超える事は必定でしょう。 それを手持ちの木材を使い購入するのは1.5mm厚で約250 x 130のアルミ板だけですから1/5位になると思います。 そこが本テーマの狙い目のひとつである事は間違いありません。



2011/04/08

フロントパネル加工

長い間さぼっていましたが、2mm厚のアルミフロントパネルの加工に手をつけました。 加工図面は既に掲載しているとおりです。  加工作業そのものは私なりに標準化されているとおりとしました。 それらとは、

1.一度に大きな丸穴をあけない
穴をあける時には必ずポンチで凹みを付けてドリル先端が横方向に滑らないようにしますが、ドリルの径が大きくなるとへこみも大きくしないと横滑りを防止できません。 しかしだからといってセンターポンチで深く大きい凹みを付けるとアルミの薄板ではその周りも突出してしまい板が平面でなくなります。 ポンチで付ける凹みの数が多くなるとこの傾向ははなはだしくなります。

板厚が充分に厚くなれば起きない問題なのでしょうが、せいぜい2mm厚程度を加工する場合には、最終的には大きい穴でも最初にあける穴は直径2mmとしています。 これであればセンターポンチで付ける凹みも僅かで横滑りしなくなります。 そしてその2mmの穴をもっと太いドリルで穴を拡大するマーキングと考えればよいわけで、平板がうねってくる事がなくなります。

2.大きな穴は電動ジグソーで                           上は私が使っているアルミ切断用で、下が木工仕上げ切り用
その昔大きな穴をあける場合にはその穴の内側に小さな丸穴を連続して
あけて、穴と穴の間をニッパーで切断して中央の大きな部分を抜き取り
切断面をヤスリで仕上げました。

これは手間の掛かる嫌いな作業のひとつでしたが、現在では6φの穴を
あけて、そこから木工円切り用ブレード(mini-Shopで販売しているNo.5
右写真の上)
を付けた電動ジグソーで切断しています。
こうするメリットは作業時間が1/5〜1/10という短時間で済んでしまう事と
アルミ板の平面を保ちやすい! の2点です。

デメリットとしては木工用のブレードなので長持ちしないのですが、2本入
りで税込み\263.-と安く2mm厚で300 x 300mmのアルミ板を切り刻む程度は1本のブレードで切断できますから大きな負担にはなりません。 組み合わせる電動ジグソー本体は大型のものではなく低重心のCJ-250がベストで、切断精度は+0.3mm位を容易に維持できます。 従ってその後の切断面研磨も簡単に済みます。

3.へヤーライン加工で仕上げる
穴あけ加工を済ませた表面は細かな傷がどうしても付いてしまいます。 これを隠して仕上がり感を高めるためにヘヤーライン加工をします。 方法はいたって簡単で、最初に切断面のバリを完全に取り除いてやります。 私は替刃式ヤスリのM-20GPDR-1000Pをその目的で使います。 これらは木工のみならずアルミの研磨にもOKです。

次にハンドサンダーに#60のペーパーを付けて直線運動(間違っても回転運動は駄目! 従って電動サンダーの使用は不可です。)により全体的に深めの線を入れます。  その後に#120に変更して全体に均等に線が細かくなるよう研磨します。 そして水洗いして乾燥後水性ウレタンニスを1回塗りし1日置いて完全乾燥させます。 それからインスタントレタリングで文字入れし、文字の剥がれ防止に水性ウレタンニス2回塗りして終了です。

という要領で淡々と順調に作業は進んでいったのですが穴あけの最後の方で、あれっこれはなんじゃい!という事態が起きました。 あけた穴に部品を挿し込んで問題ないことを確認して行ったのですが、デジタルパネルメーターを挿入してみた時にそれが起きたのです。

結論から言うとデジタルパネルメーターの下に付くトグルスイッチ、2個のLEDがデジタルパネルメーターと干渉してどちらかが取り付け不能になっています。 この干渉を回避するにはデジタルパネルメーターを上に移動するかLEDとトグルスイッチを下に移動するかしかありません。

前者をやると既にあけたデジタルパネルメーター用の穴の下部分が見えてしまいますし、後者をやるとトグルスイッチが出力ターミナルに接近し接続したワイヤーなどとショートする可能性が増します。  色々思考実験をしましたが、電気的な不具合だけは避けたいので、デジタルパネルメーターを上に5mm移動することにしました。 そしてあいてしまう穴は後ほどデザイン的におかしくないように塞ぐことにします。

ということで極めて歯切れが良くないのですが、一応文字入れをする直前まで加工作業は進んでいます。

既に描き上げているパネル面加工図の実物大プリントを取ります。 私は同じ物を2枚印刷し1枚はアルミ板に貼り付け、もう一枚はパネルの加工が終わるまで参照用に使います。

2mm厚アルミ板に糊で貼り付けます。 これは紙工作用のでんぷん糊です。 従って最後に温湯で簡単に落とせます。

2辺を電動ジグソーで切断しました。 ここで使うブレードは軽金属用です。 ご覧のように一部ははがれかかっていますので、周りはセロファンテープで剥がれないよう貼り付けています。

全ての穴あけ位置にセンターポンチでマーキングしています。 マーキングは2φのドリル用にしますので、深くはありません。 このためアルミ板の反りが起きません。

切り抜く穴を最初に加工してしまいます。 最初に適当な場所に6φの穴をあけました。

電動ジグソーには木工円切り用のブレードmini-Shopで販売しているNo.5に変更。 円切り用ですから曲線切りはお手のものです。

切り抜いた後はこんな具合です。 直径が45mmなので円切りブレードでないと具合が悪いです。 切断精度が高いのでこの後の研磨も楽です。

もうひとつの丸穴をあけて四角い穴をあけ、小さな穴を全てあけて部品の挿入具合を確認し始めたら あれっ!


 中央に取り付けるデジタルパネルメーターの下に横向きにトグルスイッチが入るのですが、パネルの裏側に来るメーター
 基板の下端は前面のベーゼル下面より12mmも飛び出ます。 これがトグルスイッチに当りこのままではどちらかが取り
 付けられません。 暫しの間頭の中は真っ白でしたが、気を取り直してデジタルパネルメーターを5mm上方にずらす事に
 しました。 デジタルパネルメーターの下部に穴があいてしまいますが、デザイン処理を考えます。




修正の穴をあけ終わりました。 デジタルパネルメーター固定のネジ穴が5mm上に追加であいています。

トグルスイッチを除く部品を仮に取り付けました。 これでトグルスイッチとの干渉は無くなるのですが、ご覧のようにメーターベーゼル下に穴が見えてしまいます。

切断部分のバリを落としてヘヤーライン加工を施しパネル面に付いた小さな傷を消してしまいます。 細かな手法は上の方をお読みください。

左下の部分のアップです。 手加工ですのでまあまあの仕上がりだと考えています。 梨地仕上げが出来ると更に良いのですが、あり合せの工具・材料ではちと無理でしょうか?

水洗いを済ませてから水性ウレタン透明クリヤーニスを1回塗りました。 この後インスタントレタリングで文字入れしますが、塗膜が充分に硬膜化して欲しいので、数日乾燥させます。




2011/04/15

フロントパネル加工 2

補足致しますがアルミ板の穴あけに私は電動ジグソーに木工円切り用ブレードを取り付けて切断という変則的な方法を取っており、作業が大変速く進む上に板に歪を生じて曲がったりしにくいというメリットがあります。 目には見えないようでも曲がりや反りなどの歪が残りますと前回の最終作業である研磨をした時に均等に研磨できなくなります。 そういった意味ではシャーシーパンチとかハンドリーマーなどと呼ばれる穴あけ工具は穴の周りに歪を作りやすく不可です。

こう断言できるのは私自身がそういったやり方をずっと前にやっていて、電動ジグソーと木工円切り用ブレードでの切断はアメリカに長期滞在した折に見つけた方法です。

インスタントレタリングで文字入れする前に一度水性ウレタンニスを塗っていますが、これはインスタントレタリングの付を良くするためです。 またずっと昔はスプレータイプのラッカーを使っていましたが、時間経過でラッカー自身が剥がれたりひびが入りやすくしかもその前に黄変して良い結果は得られません。

文字入れが終わったら水性ウレタンニス透明クリヤーを塗り乾燥後に水性ウレタン艶消しクリヤーを塗って終了です。 この最後の艶消しクリヤーを塗るのは塗装面のあら隠しと考えればよいでしょう。

 トグルスイッチ固定座は市販されている断面L型の板を幅13mmで2枚、幅26mmで1枚切り出し、それを
 バイスで挟んで曲げました。 曲げる順序は左の図をクリックすると出てくる図面の右に赤字で順序を記載
 しています。 完成した金具に穴をあけてからエポキシ接着剤で貼り付けますが、接着面積を増やし接着
 強度を高めるため、接着面は#60のペーパーで粗い目を付けます。 接着に際しては固定座にスイッチを
 取り付けた状態で接着位置の確認を充分した上で貼り付けます。 私は30分硬化開始型エポキシ接着剤
 を使っています。

 可変抵抗はツマミの取り付け位置調整のために5mm厚の板をスペーサーとして挟んで固定します。
 こうしてやることで可変抵抗のシャフトを切断することなくツマミとはパネル面との隙間が0.5mm程度になるよう固定できます。

 3φのLED 3本は4mm厚合板を切断し穴をあけて挿し込むとLED先端がほんの少し飛び出る(0.3-0.4mm位?)のでこの僅かな突起をあけた2φの穴に落とし込むようにエポキシで接着します。 5φのLEDは5φの穴に挿し込んだ状態で瞬間接着剤にて固定します。 従って5φのLEDだけは表面に突出しますが、後で光を拡散させるキャップを被せて視認性を高めます。

便利に使っていたインスタントレタリングもメーカーは既に製造中止とのことです。 私が使う分くらいは買い置きしておかないとなりません。

文字入れを完了後水性ウレタンニスを塗りましたがこの写真を見て文字抜けを発見しました。

抜けていた一文字を追加して再度水性ウレタンニス透明クリヤーを塗り更に艶消しクリヤーを塗って完成です。 抜けていた文字とは? 何と以前は OLTAGE REGULATOR となっていました。

トグルスイッチ固定金具の切り出し。 既製品ですが高さ35mmの仕切り板のようなものから3枚切り出しています。

1回目の折り曲げが終わったところ。 設計値の7.5mmぴったしになっています。

3つの金具の折り曲げが終わりました。 手加工ですからこの辺りが見栄えの限度でしょう。

それらに穴をあけてトグルスイッチを固定します。 これでトグルスイッチのレバーは表面に2/3程度しか出なくなります。

フロントパネルに固定する全ての部材の取り付けが終わりました。 中央のデジタルパネルメーターだけは設計時点の位置から上に5mm移動したためその下に穴があいてしまいました。 これは後ほど塞ぎます。

裏の部品取り付け面はこんな様子です。 アルミ板の表面があちこちで汚らしく見えますが、これはエポキシ接着剤の載りを良くするために#60のペーパーでざらつきを増加させたためです。

左半分は上方へ5mm移動したデジタルパネルメーターの基板そのすぐ右に干渉していたトグルスイッチがあります。

それを下方向から見たところ。 パネルメーターベーゼルの浮き上がり防止に7mm厚の板がアルミパネルとパネルメーター基板の間に挟んであります。

接着強度を上げるためパネル面を#60で粗びた面が良く判ります。

こちらは可変抵抗取り付けの様子。 5mm厚の板を挟んでいます。

その効果はこんな具合でツマミとパネル面の隙間は0.5mm程度しかない絶妙な仕上がりです。

トグルスイッチのレバーの出具合はこんな感じで、 パネルに直付けした場合の無粋な外観とは比較になりません。

逆流防止のショットキーバリヤーダイオードは小さな基板に固定しメーターにネジ止めしました。

電源出力のインジケーターLEDはパネル面から突出していますが、後ほど光拡散キャップを被せて視認性を改善します。



2011/05/20

木製ケースの製作 1

やっとと言うべきか木製ケースに進みました。 ケースの主材料は公称14mm厚のムク板です。 ここでわざわざ公称と言っているのは、実測すると13.5mmと0.5mm薄いのです。  これは不良品としてあるお店で安く販売してくれたものです。 14mmが13.5mmであっても全く不都合なく作れる物は沢山ありますが、0.5mmの補正だけはきちっとやらないとあれっ!なんていう物が出来上がる可能性はあります。

前置きはこの程度にして、次に述べる手順で作業を進めて行きます。

  1.約300 x 600の大きさの長手方向に両端から5mmに接する、幅1.6mm、深さ2.3mmの溝をトリマーで彫ります。

  2.端から溝まで(5mm)を45度の傾斜でトリマーで削り落とします。(コロ付き角面ビット使用。)

  3.両端から91.5mmの幅で切断し2枚の板をそれぞれ側板2枚用と底板用に使います。

  4.側板用の板の背面側に端から6mm深さ5mmの溝をストレートビット(ここでは10mmを使用。)を彫ります。

  5.底板用の板は背面側の端から6mmは同じですが深さは8.5mmの溝を彫ります。

  6.側板と底板の所定の幅で切り出し、底板は側板の当る両端5mm幅を45度傾斜に削ります。

  7.側板上側は幅6mm、深さ5mmで削り落とします。

  8.側板下側は幅9mm、深さ5mmにストレートビットで切削した後にV溝ビットで45度に削り落とします。

    (今週紹介するのはここまでです。)

  9.底板に冷却用空気取り入れ用の穴をあけます。

  10.直角接合ジグを使って2枚の側板と底板を接合し凹型に組み上げます。

  11.5.5mmシナ合板で天板と背面板を切り出し、天板には放熱用溝穴をあけます。


1.6mmストレートビットで深さ2.2mmの溝を彫ります。 電動トリマーの軸が中心からごく僅かずれている事を利用してガイド板に接触させる面を変更して1.7mm幅としました。

板の端から5mmの位置に溝はあけられています。

幅1.7mmですから1.5mm幅のフロントパネルを落とし込むと隙間がありますからこのように傾きます。

コロ付き角面ビットを使って幅5mmの部分を45度に削りました。

長手方向反対側も同じ加工を施してから幅91.5mmで切断し2枚の板が取れました。

溝を彫った反対側は、1枚は幅6mm、深さ5mmに切削(左の写真)、もう一枚は幅6mm、深さ8.5mmに切削します。(右の写真)

深さ8.5mmに削った板は長さ240mmで切断して底板に(一番下の板)、深さ5mmに削った板は140mmの長さで2枚切り出し側板になります。 尚切断は1mm程度長めに翔265を使って、その後ストレートビットでドンピシャ寸法にトリミングしました。

底板の側面は幅5mmを45度に切削します。 これは右前側から見たところです。

右側の角を後ろ側から見たところですが、このような変わった段差が発生します。

左右の側面角を45度に切削した底板。 この後空気取り入れ口を切断すれば出来上がりとなります。

これは左側板の上の前側の角を見ているところですが、幅6mm、深さ5mmに削りました。

同じ左側板の上の後ろ側の角はこんな具合で、同じ深さで切削した角になっています。(段差無し)

これは右側板下の前側の角を見ていますが、黄色線で囲った部分を45度に削り落とします。 これにはV溝ビット(VB-90G)を使いました。

切削が終わった左右の側板(左が右側板で右が左側板の下の部分。)です。 これで神経を集中しないとならないトリマー加工が終わりです。

組立時の収まり具合をお見せします。 左に立っている板が底板で右に寝かしてあるのは右側板です。

右側板の下に底板を載せて45度傾斜切削部分がぴったりと合うように接合すればOKです。

切り出しとトリマーによる成形加工が終わった3枚の部材(側板2枚と底板)。 緊張を強いられる作業は無事終わりました。
ここに沢山見える線はトリマー加工時のガイド板の固定位置を示すもので全部で18本ありますが、ガイド板を必要としないコロ付きのビットを4回使っており、合計で22ヶ所トリマーで切削加工した事になります。




2011/05/27

完成まで

今週は木製ケースが完成するまでをご紹介します。 先週解説した作業手順の9〜11に従って部材の切り出し・成形を進めます。 その最初は底板ですが、太っちょの十字マークのような穴をどうやってあけたかを全手順の写真で説明しています。 CJ-250というコンパクトなコントロールしやすい電動ジグソーであれば、容易に進められる作業です。

コの字部分の部材はこれで全部ですから組み上げですが、エポキシ接着剤で接着します。 木工ボンドでは密着度を上げるのは困難な構造ですのでエポキシ接着剤でないと強度が取れないでしょう。 また接着時に直角度が正確でないと、後でアルミパネルが挿し込めなくなるような歪が生じる可能性があります。

コの字型に組み上がったら背面板と天板を現物合わせで切り出して貼り合せて作りますが、切り出す前に天板に空気が出てゆくスリットを彫りこみます。 このスリットの彫り込みは電動トリマーでやりますが、以前にやった方法ではスリット部分が薄くなり過ぎ、撓んだ際に壊れやすいので今までと違った手法にしています。 詳しくは後ほどの写真をご覧ください。

コの字の本体にLの字のカバーを嵌め込んでやりますが、ネジ止め目的の小ブロックを2箇所貼り付けました。 またL字型カバーの内側の接着部分の補強を施してやります。 これで完成、全体的な仕上げ研摩を施して塗装に進みました。

塗装は私の最も頻繁にしている手順で、以下のような手法です。

  1.#400ペーパーで全体を仕上げ研摩。
  2.水性ポアステインで着色(今回はオーク色で水で2倍に薄めた物を2-3回)
  3.水性ウレタンニス透明クリヤー3回塗り。(2回目と3回目の間に#400ペーパーで軽く研摩。)
  4.黒色塗りつぶし部分に水性ラッカー艶消し黒を塗りはみ出たラッカーは雑巾で拭き取る。
  5.全体を水性ウレタンニス艶消しクリヤー1回塗り。


ステインの乾燥に1回辺り30分、水性塗料は1回辺り2時間の乾燥時間を入れますが、手際よくやればぎりぎりですが1日で終わり
ます。  この塗装は着色の時と最後の艶消しニスを塗った際に劇的な変化があり、毎回それを充分に楽しんでいます。

それらの様子は以下の写真もご覧ください。

底板に太っちょ十字を2つあけますが私の典型的な手順をご紹介します。 最初に8-10φの穴を切り抜く部分の中にあけます。 ここから切り始めです。

電動ジグソー(CJ-250)に円仕上切りブレードを付けてこのように『曲線を描きながら最後は墨線に沿うように切断。』します。

反対のカーブを描きながらもうひとつの墨線に沿うよう切り進みます。

全く同じ手法で残りの3箇所の隅に向けて切り込みを入れました。

そうしたらこの方向にジグソーを動かして切断します。

左側の角に向けて切り落とします。 まだ直線にはなっていません。

反対側から僅かに飛び出た部分を切り落とします。 これで墨線より0.2〜0.3mm内側を切り落とした事になります。

残り3箇所も全く同じ方法で切り落としてやります。

もうひとつの太っちょ十字も切り抜きました。 まだ研摩による寸法調整はしていませんが、先ほど説明したように0.2〜0.3mmの削り落としなので、作業に時間が掛かるわけではありませんし、このままでも余り問題なく見られる程度にはなっています。

エポキシ接着剤で組み上げます。 L字型に接着している所ですが、自作『直角接合ジグ』を使って完璧な直角を出し、50mmクランプで部材の固定、ハタ金で圧着力の増加と完璧を期しています。

反対側の側板を貼り付けてコの字になります。 これが終了後この字の開いた部分を測ったところ、設計値は内寸が240mmですが、根元で240mm丁度、開いた先端で0.3mm程度すぼまっている状態で無論OKでした。

右前下の角部分です。 ここで見える細い溝にアルミパネルが落としこまれます。

左後下の角です。 底板は8.5mmも深く彫り下げましたが、この面に木ネジで裏板を固定します。

試しにアルミフロントパネルを落とし込んでみました。 全く問題なく収まっています。

こちらは準備が終わった天板にスリットを掘り込む仕掛けです。 細長い枠の中だけを電動トリマーは移動(最長334mm - 90mm = 244mm)が可能で、その移動量は2枚のアダプター(角の丸い2つのクリーム色の板)の挿入で更に制限されます。 また目盛り板は6つの溝の間隔が正しく6mmにするためのもので、ジグの黒い矢印の先をこの目盛りに合わせます。 一番下は切り出す前の5.5mmシナ合板で、溝加工が終わったら所定の寸法で切り出します。

ジグを所定の位置に固定したら3mmストレートビットを取り付けて深さが2mm程度になるようセットしてフルに切削します。

次にジグは緩めずにアダプターを落とし込んで(左にアダプター1、右にアダプター2を落としてある。)ビットの飛び出る量を6mm以上にセットし、慎重にトリマーを落としこんで貫通穴をあけます。

今度はアダプターを入れ替えて同じく貫通穴を彫ります。 貫通穴の長さはそれぞれ約80mmになります。

目盛り板に従ってジグの固定位置をワンステップ(6mm)ずらし、同じ作業を繰り返します。 こうしてこの写真では3本の全溝と貫通穴が彫れました。

6本の溝、及び貫通穴が彫り終わりました。 この後所定の寸法で切り出します。

現物合わせで背面板も切り出しました。

天板に背面板の角を当てるような形でエポキシ接着剤で貼り付けた後に補強材を切って同じくエポキシ接着剤で貼りました。

本体の2箇所に天板固定用の木片を貼り付けます。

シナ合板の白っぽさが異様な感じを与えますが、塗装工程の着色で安定します。 頭の中でイメージしたとおりの物になりました。

前後を反対にした眺めで、最終的には電源コードが1本ここに出てきます。

塗装工程における劇的な変化の一回目。 上はシナ合板で下の本体より白っぽかったですが、2回のステイン塗装で1回塗りの本体とほぼ同色になりました。 明度を下げるためにそれぞれもう一回ステインを塗って良しとしました。

透明クリヤーニス2回目が終わりました。 1時間半後に#400ペーパーで軽く表面を研摩してもう一度透明クリヤーニスを塗ります。

最後に艶消しクリヤーニスを塗ってほぼ乾燥しました。 それまで塗るたびに艶が増加してきましたが、一気にしっとりとした鈍い艶の重厚な感じに劇的な変化をしています。

塗装前の物とは似ても似つかないくらい劇的な変化を見せ、重厚で落ち着いた感じに仕上がりました。  このくらいの変化が出る塗装作業にも力が入ります。

丸一日塗料が完全に硬化乾燥となるのを待って、基板と電源トランスの組み込み、そしてフロントパネルとの結線を済ませ完成しました。 ワイヤーは切断することなくフロントパネルを引き抜けるよう長めになっているので、結束バンドを使って空気の流通を阻害しないよう束ねています。

通電テスト中。 現在は+電圧を表示中ですが、真中のスイッチを右に倒せばー電圧の表示に変わります。

左の写真は+電圧は出力されているがー電圧は遮断中であることを表しており、右の写真は±両電圧が出力されている事を表しています。

回路が組み上がった後に一通り実働特性を測りましたが、電圧調整の抵抗を可変抵抗に置き換えたことによる出力電圧の変化が若干あった程度で、予定していた±4V〜±23Vのスペックには変わりありません。 まだ底板にゴム脚を付ける、底板にあけた空気取り入れ口にメッシュの蓋をする、デジタルメーター下の穴を塞ぐ、という作業が残ってはいますが、製作記としては完了と致します。



---- 完 -----

 
  
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