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読者の作品 055
 

2011/02/11

神奈川県相模原市にお住まいの高倉様から加色混合実験機をベースにした作品を送っていただきましたのでご紹介いたします。 ポイントとしては、私が設計し部材頒布している加色混合機部材キットは所謂素うどん仕様ですが、より子供向けに楽しくて美しく見れるよう幾つかの工夫をされています。  それらの詳しくは以下の詳しいコメントを参照いただきたく思います。


VIC's D.I.Y.  大橋様


高倉 厚美 (男66 歳)
添付:設計図面

 前略、
定年退職から5 年が過ぎようとしている頃、先生のHP を偶然見つけて、自分で作れそうなものに挑 戦してきて1 年半ほど経ちますが、先生の英知と技術にはただただ感服するばかりです。
それでも、身の廻りのものの製作には、ほぼ行き着いてしまい、さりとて自分の頭で間に合わないもの では敷居が高すぎし、そんなところへ"加色混合機"というテーマに辿りつきました。

 それでも、送っていただいたキットになかなか着手できずにいましたが、ホームセンターでPP シー トという"すりガラス"のようなポリプロピレン素材を見つけてからは、これを加色混合機の前面に取 り付けたら綺麗かも?ということから、俄然試してみたくなった次第です。

 幼い孫たちを泊りがけで預かることが多く、私を真ん中に、眠るまで絵本を読んでやるのが日常です ので、寝床の中で綺麗な色を混合しながら、天井に指影絵でもやってあげたら喜ぶだろうな、という想 いからキット購入に至ったわけでしたが、折角挑戦するなら"切り絵""影絵" の背景として活用 できないかなと考えていたのが発端でした。(実際には、私の作り方では天井に写せないのは後で分か りましたが・・・)

 製作の土台は、先生の作図された寸法を基本に箱寸法を取りましたが、自分なりに工夫した所と言え ば、影絵の背景として色を活用したいので、

@ 透明フィルム状のものに、絵をどうやって描くかということ。(手書きするには絵心がないし・・)
A そのフィルム画をどのようにスムーズにボックスに差し込むかということ。
B 習字紙などの画面では、子供の指が一寸掛かっただけでへこむだろうから、表面にプラスチックの
  補強がいるかなあとか、他にいい素材のものがないかな、ということ。

C 幼子たちに真っ暗な寝床で操作させるのに、電線などに触らないほうがいいな、ということ。
D 電源のスイッチは必須かな、ということ。
E 寝床で子供でもしっかり持ちやすく、スイッチ操作し易いのがいいな、ということ。


検討結果

@ については、OHP フィルムがインクジェットプリンターで使えることは知っていたのだが、今時のプレゼンでOHP フィルムなど
  を使わないことが判明し、どこにも売っていなくてNet でやっと入手できた。  これで、パソコンで楽に絵が描けたり貼り付け
  たりできるようになったので、紙に物語を切り絵する元気は失せてしまった。

A OHP フィルムが、0.125 ミリと薄いので、箱にはガイド溝がないとスリット部から向こう側まで差し通すのは難しいかなと思わ
  れ、カブセというコの字を上下に貼り付けてガイドにすることにした。

B 冒頭に書いたように、"PP シート"が、厚さ0.75mmで、程よく透明スリガラス状なので、実に具合よく光を通してくれる。
  (習字紙でも試してみたが、これよりも乱反射する分明るい感じ)

C これにはアクリルでカバーを作ればよい。

D ホームセンターで適当なスイッチを入手できた。

E 箱全体が子供の手には少し大きいので、持ちやすい位置に取手をつけることにした。これで寝床でも楽に操作が出来る筈。


図面について

製作の詳細は、添付図面を参照願います。
先生への説明用として、必要ないような細かいことも追記しましたので、却って見にくいかも知れませ んがご承知おき下さい。


費用について

加色混合機キット ¥1,500  
PP シート(ポリプロピレンシート565×490×0.75) ¥580  
OHP フィルム(A4 10 枚入り) ¥1,259  
スイッチ ¥500 ? 
電池ケース ¥150 ? 
取手 ¥280  
カブセ ¥60  
シナ合板(4t) 手持ち端材  
アクリル(2t) 手持ち端材  
材料費合計 約4,300 ・・・高い子供のオモチャになってしまいましたが・・・。



製作後の感想

・ 電子回路の知識には疎い自分ですが、オモチャなどが壊れると、とりあえず開けてみたくなる性格から(大抵は直せません
 が・・・)
、今回も孫の喜ぶ姿を想像しながらの楽しい作業でした。

・ ハンダ作業は、殆ど経験のないことでしたが、手がもう1 本欲しいと思いながらも、クリップなどで工夫しながら随分うまく出来
 るようになったと思います。 少し練習してから着手したのでハンダ失敗個所は一箇所もありませんでした。

・ LED の取り付け穴は、3 本を真っ直ぐに加工することが大切でしたので、先生ご教示のドリルアタッチメントがなかったら加工
 できなかったと思います。

・ 仕上げには透明クリアを塗ってみましたが、子供の為にかわいいシールでも貼ってやろうかと考えています。

・ 高い子供のオモチャになりましたが、手作りの愛情がいっぱい詰まっていますので、大満足の作品になりました。 心配なの
 は姪っ子たちが欲しがりそうなことです、まあそれも幸せな心配ですが。

・ OHP フィルムが高価すぎるので、インクジェットプリントが出来そうな他の素材を探しているところです。

 
 
 
  前面  外観
スイッチには色別の目盛をつけた。

  後ろ姿  
   
  箱カバーを引き抜いたところ
箱カバーは、このL字形で引き抜く ことが出来ます。


 
   
  後ろの詳細
アクリルカバーと電池カバー、及び電源スイッチの状況です。

 
   
PP シートは、隙間に挟んでいるだけなので、簡単に取り外せ、又フィルム画の後側に差し込むことも出来ます。




フィルム画は、このカブセ溝(上にもある)に差し込み、向こう側に見えるスリットから出します。




こちら側にもPP シートを差し込むことも出来ます。フィルム画によって使い分けようと追加しました。
 
   


LED 部

光軸を画面中心に微調整するのに苦労しました。
結局、穴をリーマで少し傾け、裏側でボンド固定して調整しました。
 
   


サンプルの影絵
(絵に少し色つけている)


デジカメで正面から撮るのが難しかったので、斜めから撮影しましたが、正面から肉眼で見ると背景がとても綺麗です。
 
   
  白黒のフィルム画を挿したところ
"干支の話"ですが、場面で背景色を子供に変えさせると話が楽しいです。特に自分の干支の順番になると、作り話ですが盛り上がります。
 


VICの一言

お気づきのように色々工夫されてより完成度を高める努力をされています。 『スイッチのシャフトを短く詰めて!』もそのひとつですが、私が作って紹介している物よりぐんと『まともな物』に変貌しており、原作者としては大変嬉しい限りです。

製作記を読ませていただいて更に付加価値を高めた加色混合機のアイデアなどもフッと湧いてきておりますので、そのうちに実現してご紹介するようになるかもしれません。